結局、その日はアンサラー師匠に、自分と陛下の仲がばれて、
さんざん冷やかされたラッセルだった。
「まったく、師匠は元気すぎて困る」
ふぅ・・・とため息をつき、今日の報告書をまとめる。
師匠に会うまで、さんざんカリカリしていたのに、
そんなことは忘れ、自分とロメリアの契りを思い出したためか、
ぱっぱっと仕事を片付ける彼の顔は緩んでいた。
「アーリグリフからの誘いなんて、危険です。こんな使者の讒言など___」
「黙りなさいラッセル」
しかし、次の日を迎えると、昨日のデジャブのように、
いつものやりとりをする二人。
「しかし陛下・・・」
「黙りなさいと言っている」
やはりデジャブなんかではない、昨日そのままの二人のやり取り。
二人の仲を知るものがいれば、それはある意味ほほえましいのかもしれないが、
ラッセルにとって、これは屈辱的であった。
今日、二人が揉めていること、それは先日の援助に感謝したアーリグリフ王が、
陛下を酒宴の席に招待したいという話であった。
王の叔父にあたるヴォックスはこの世を去ったが、、
まだ残っている三軍の一つ、迅雷の軍団長で、もっとも食えない男と評される
ウォルター公爵は健在だし、さらに王自身も油断のならない出来る人物であった。
そのため、ラッセルは必要以上にアーリグリフを警戒していた。
すべては、自分の愛する陛下のためなのだが、思いが通じ合ったはずの
彼女は彼の気配りに応えてくれなかった。
歯がゆい思いで、使者と酒宴の日時を話し合う陛下のほうを見るラッセル。
ラッセルとは逆に陛下の横に立っていたエレナは彼のその様子を見ると、
何かを思いついたようだった。
「話とは何だ」
エレナに呼ばれ、エレナの自室にいるラッセル。
相変わらず、女性の部屋とは思えないくらい、書物が転がってお世辞にも
綺麗な部屋とはいい難い。
「いや〜、ラッちゃんにお話があってね」
「な!?ラッちゃん!」
「そうよ、ラッセルだからラッちゃん。なんかおかしい?」
「そういうものではない!まったく、お主と話すと調子が狂う」
はぁ・・・とため息を漏らすラッセル。
昔からこの女はそうなのだ。自分と同期にこの城に仕え、初めてあったときも
こんなポケポケした喋りかたで話され、なんか無性に腹が立った。
しかし、この女がただの天然ボケならいいのだが・・・
「ラッちゃん、陛下のこと好きなんでしょ〜?」
「な、な、なにを言っておる」
「ほら、赤くなった。や〜っぱりねぇ・・・」
ラッセルが、エレナに指摘され、顔を赤くしたためか、エレナはすぐにそれが
真実だと看破した。
この女の厄介なところ。ボケているようで、とにかく頭がよく、物事を見抜く力に
優れているところ・・・。施術兵器開発責任者などという重要なポストに就いている
ことが、その優秀さを物語っている。ネルの配下のファリンといい、
どうしてわが国のこうした天然そうな連中は皆頭がよいのだろうか?
そして、他の人に指摘されたなら、ラッセルも簡単に言いくるめて、
二人の仲や、自分の心の中を悟られることはないのだが、
この女性に指摘されると、隠せるものも隠せないのが、一番の曲者の由縁たるところ
であろう。
「そ、そ、そんなことはない!私はあくまで家臣。そのような恐れ多い___」
「男と女の恋愛に、階級は必要ないでしょ、ラッちゃん?」
エレナが意地悪そうに微笑み、ラッセルは言葉を失った。
「ゴホン、それでいったい何用だ?」
咳払いをし、用件を尋ねる。ラッセルは、とっとと用件を終わらせ、居心地の悪い
この場からさっさと退散したかった。
「ラッちゃんを応援してあげようと思ってねぇ」
「はぁ?」
予想外の言葉にラッセルは驚いたというよりも呆れた。やはりコイツは天然なのか?
「だって、ラッちゃん最近陛下が自分の意見聞いてくれなくて、いらいらしてるじゃん?」
「バカを言え!それとこれとは関係ない!」
「ふふ・・・そのイライラしてるときの顔が、ただ自分の意見を聞いてくれないという
顔じゃなくて、まーるで、恋人に自分が無視されたという顔なんですもの」
またラッセルは顔を赤くした。この女は表情の見分け方もできるのか!?
「・・・それで、お前に何か策でもあるのか?」
「あら、ついに認めたわね。半分ハッタリだったのにぃ・・・」
エレナはクスクスと笑っている。はめられた!
「失礼する!!」
怒りをあらわにして、立ち去ろうとするラッセル。
「待ちなさいよぉ〜。大の男がそ〜れくらいで腹を立てるなんて、みっともないねぇ」
エレナのその声を聞いて、足をぴたっととめ、振り返る。
「ここまで侮辱されて、怒らない奴がいるか!!」
ラッセルは、エレナに怒鳴ったが、当の本人は表情をかえずに、
「でもね、策は用意しているのよぉ〜?」
と返した。『策は用意している』と聞くと、ラッセルも大人しくなった。
「それで、その『策』とやらはなんだ?」
「あたしを抱いて」
「はぁ?」
さっきと似たようなやりとり。しかし、こんどはラッセルの「はぁ?」の語調が
さきほどよりも強かった。しかし、エレナはやはり表情を変えない。
「それとも、ラッちゃんは女一人もだけない弱虫ちゃんなのかな〜?」
意地悪そうにエレナが言う。いや、意地悪そう、というよりも
むしろ男を誘っているような口調と言ったほうが適切か。
「なぜ、そこでお前が抱くという答えがでてくるのだ!」
顔をまた赤くするラッセル。しかし、今度は怒りからではなく、恥ずかしさからである。
「陛下に嫉妬させるの」
「何?」
「わたしたちが、ここでセックスしてたことを、城内にうわさを広めるの。
臣下の者がなにしようが、本当は陛下には関係のないはずなんだけどぉ、
ラッちゃんを思ってくれるなら、絶対部屋にきてくれるわよ?
そこで、自分の気持ちを伝えなさいよ?」
ううむ。これは意外といけるかも・・・とラッセルは真剣に考えたが、
「・・・だったらうわさを広めるだけなら、なにもお前も私に抱かれなくても」
という疑問を口にしようとしたとき、エレナが抱きついてきて、それ以上は言えなかった。
陛下とは違う、この女性の普段からは感じられない大人の香りがした。
「ばかねぇ・・・セックスしている声を外に漏れるようにすれば、うわさに
信憑性が出て、広まりやすくなるでしょ?」
ラッセルはなにも言わない。いや、言えないのだ。
自分が苦手な女性とはいえ、こう抱きしめられると、やはり「そういった気分」になって
きて、そして、それを必死にこらえているからであった
「それに私、ラッちゃんのことは好きだよ・・・」
と耳に囁くと、エレナは彼のうなじに息をふぅと吹きかける。
ラッセルの中で「なにか」が切れ、彼女を本が散らばる絨毯の上に押し倒した。
「きゃ!」
エレナからかわいらしい悲鳴がこぼれる。
「お前がいけないのだからな!」
ラッセルは服の上から、彼女の胸をまさぐる。
ローブでわかりにくかったが、かなりの大きさだということが手を通してわかる。
「こんなえろい身体していたのか・・・」
「ふふふ・・意外だったかしら?」
エレナがまた意地悪そうに微笑む。しかし、その目は、
今行われている行為のせいか、少し潤んでいて、その表情は男をそそるものがあった。
「ふん・・・これなら十分楽しめそうだな」
ラッセルが、エレナの胸の上にある手の力を加えていく。
「きゃん!ラッちゃんったら・・・エッチねぇ」
エレナがそれを受けて、うれしそうな声を出す。
本当に自分はこの女を抱くのか?ラッセルの頭の中にそういう考えが浮かんだが、
後にも引けず、この女をめちゃめちゃにしてやりたいと思った。
彼女のローブを横に引っ張り、そのまま力いっぱい引き裂く。
ビリビリビリ・・・
「あ〜あ、あれ、お気に入りなのになぁ」
自分のお気に入りのローブを裂かれたにも関わらず、
言葉とは裏腹に、この女性は残念そうな表情を伺えない。
「ふん、あんなものいくらでもあるだろうが」
とラッセルは吐き捨てたが、目の前の女性の姿を見て驚いた。
彼女は下着をつけていないのだ。そして、破れた布切れから、
エレナの大きな胸がこぼれ、銀色の陰毛が生えそろった秘所も顔を覗かしている。
「お前、最初からこうなるのが分かってたな?」
「ううん。下着なんか毎日着けてないわ。だってめんどいじゃん」
エレナの表情からすると、といってもいつもと同じ、
何を考えているかわからない顔だが、どうやら嘘ではないようだ。
自分と対称となる位置で陛下の横に居た女性が下着レスの状態で毎日立っていたと
思うと、ラッセルはもったいないような、恥ずかしいような、複雑な心境になった。
「本当にいやらしい女だな、お前は」
「うふ、ラッちゃんはこんな淫乱な女嫌いじゃないでしょ?」
エレナは相変わらず、バカにしているのか、挑発しているのかわからない言動だ。
「ふん、淫乱な女なら少々手荒にしても構わんか」
「きゃーラッちゃんのケダモノ〜」
エレナの嬉しそうな悲鳴に構わず、エレナの豊かな胸を爪を立てて、強く揉む。
「きゃん!痛いじゃな〜い」
「バカを言え!淫乱な女にはこれぐらいがちょうどいい」
エレナの胸はやわらかく、弾力があった。
「あ・・・あぁ・・・いい」
「ふん。もう感じているのか。すけべな女だ。」
「あ・・・あふぅ・・・気持ちいいんだ・・・もん」
エレナは快楽で目を潤ませ、頬を染める。
このお惚け女の普段見せない妖艶な姿。ラッセルも思わず、つばを飲み込む。
「・・・どうやら下の方も刺激が欲しいみたいだな」
エレナのアソコからは濡れ、きらきらと光っている。
ラッセルは右手を彼女の秘所まで持って行き、銀の芝生を少し手でさわさわっとやると、
中指を中に進入させた。
「いやぁああん。気持ちよすぎぃ・・・」
胸とアソコを同時攻撃され、エレナがそのあまりにも気持ちよさに
身体をくねらせ、悶える。
「本当に淫乱な女だなぁ・・・」
ラッセルが苦笑する。
「あふぅ・・・相手がラッちゃんだから・・・ね・・・あはぁ〜ん」
ラッセルは2本目の指を入れて、中をかき回し、口で左右交互に吸いまくる。
「しかし、お前がこんなにいい女とはな」
「な〜に言ってるの、ラッちゃんだって・・・大きくさせているくせに」
エレナがふふと微笑み、ラッセルの股間を撫でる。
すでにその部分はまるで鉄のように硬くなっていた。
「ね?、ラッちゃんだって、あたしが欲しいんでしょ?」
「そうだな、そろそろだな」
エレナに挑発され、ラッセルはズボンを脱ぎ捨てた。
「はぁ〜おおきいわね〜」
エレナが出てきた彼の欲情を見ると、その大きさに嬉しくなって、甘いため息をこぼす。
ラッセルは、そんな言葉を無視するように、いきり立った己を挿入させた。
「あ・ああああ!大きいのがくるわぁ!」
「どうだ?嬉しいか?」
「ええ!ええ!あああ!本当、嬉しくてどうにかなっちゃいそう・・・!!」
エレナは言葉のとおり、理性が吹き飛んだように喜び、よだれを流して喜ぶ。
ラッセルは彼女のその官能的な反応を視覚的に感じ、中に入った己をさらに大きくさせる。
「ひゃん!また私の中で、大きくなったわぁ・・・」
「動くぞ!」
ラッセルは、絨毯に手をつけ、早いペースで腰を叩きつけた。
肉と肉のぶつかり合う音、そして二人の結合部から出る水音が
いやらしく部屋に響き渡る。
「あああ・・・じゅぷじゅぷぅって、えっちな音がぁ・・・はぁああ」
「本当に、いやらしいな・・・だが・・・今の・・・お前は・・・くっ」
「ふふ・・・魅力的でしょ?」
「・・・ふん」
ラッセルは自分の行為に最高の反応を見せる女性とのセックスを心から楽しんでいる。
そして、さらにエレナの反応を見たい、自身をより気持ちよくさせたいという心から、
徐々に腰の運動を早める。
「あ・あ・あ・あ・・・ラッちゃん、私・・・飛んじゃい・・・そう」
「私も・・・もう少しお前の・・・淫らな姿がみたいんだが・・・な」
限界が近づき、エレナの左足をつかみ、それを自分の右肩に乗せるラッセル。
そして、腰を激しく動かす。
「あはぁあああ・・・イク・・・イクゥゥゥゥ!!」
「中にだすが、構わんか?」
「いいわよぉ・・ラッちゃんの・・精子を・・・私にぃぃいいいい!!」
「よし、出すぞ!」
ラッセルが絶頂に達し、白濁した液体を注ぎこむ。
あれ依頼、陛下ともセックスをしていなく、また自慰行為もあまりしない
ラッセルからは、大量の熱いものがどんどん放出された。
「あ・・・あああ・・・アツぃいいいいいいいいい!」
自分の中に昇ってくる熱さを感じ、エレナも絶頂を向かえ、絨毯をお互いの
エキスでシミを作った。
「本当にやってしまった・・・」
ラッセルはすべてが終わり、落ち着くと、今やったことを悔いた。
「ふふふ。とても溜まってたのね」
エレナは服を裂かれたせいか、裸のままベッドに腰掛け、脚を組んでいる。
それを見て、ラッセルはまた欲望に駆られそうになったが、ここはこらえた。
「あとは〜、時の流れに任せましょ。大丈夫。私、声ぜんぜん我慢しなかったから、
外に丸聞こえよ・・・ふふふ」
エレナは笑っていたが、ラッセルはどうも彼女の性欲を満たしただけのような気がして、
自分がはめられたと思い、肩を落として外へ出た。
「・・・まぁ、私が少しあなたに気があったのは本当なのよね〜」
エレナは、彼が出て行った後そう呟くと、まだ物足りない欲情を抑えるため
自慰行為を行った。
エレナの予想通りかどうかはわからないが、瞬く間にラッセルとエレナのあの行いが
城内で噂された。禁欲的な宗教国家の総本山、シランド城内では性的な話に
神に背く行為と知りながらも、みな興味深深だった。
ラッセルは、廊下を歩くたびに自分に向けられる視線を感じ、居心地が
悪くなっていた。とくに施術兵器開発に関わる同性から、厳しい視線が送られていた。
(これも、すべてあの女のせいだ!)
ラッセルは、自分をこんな目に合わせたエレナを呪ったが、自分も彼女に誘われるままに
してしまったので、文句も言えなかった。
謁見の間で、随所報告される国内情勢。
謁見をしたものが出て行くたびに、エレナと陛下の視線が気になり、
汗を流すラッセル。
(な、なんだなんだ!この緊張感は!早くだれかきてくれぇ!!)
このときばかりは、自分が信用していないアーリグリフの使者やあの異世界の人間の
面会も、大歓迎したい気分に襲われた。
「・・・ラッセル」
「は、はひっ!」
突如陛下に呼ばれ、上ずった声で返事をするラッセル。
「あとで私の部屋に来なさい」
「は、はっ!」
ふぅ・・・と息をつくラッセル。横を見ると、この一連の騒ぎの元が
ラッセルにVサインを出し、ウィンクをしてきた。
(私はどうなるのだろう・・・)
エレナの表情とは逆にラッセルの心はお先真っ暗であった。
「わ、私に用とはなんでしょうか?」
陛下の部屋に呼び出され、緊張したを出すラッセル。
ロメリアは、書状や教会の報告書に目を通しながら彼に言った。
「もうすぐ人事採用の次期ですね、ラッセル」
「は、はぁ」
胸を撫で下ろすラッセル。よかった、あのことではないのか。
「そういえば、あなたがその職に就いてからですよね?」
「何がですか?」
「採用試験の費用を一般大衆の人からも幅広く人材を集めるため、
受験料を減らしたのは」
父の件以来、ラッセルは自分の二の舞になる人を避けるため、
そのような方針をとった。古参の重臣は、国家運営の資金源が減ると
不平を述べたが、受験者数が増えることで十分元は取れると主張し、
彼らを言いくるめたのだった。
「そうです。一般人にも輝く原石はたくさんおります。
彼らのチャンスを与えることもアペリスの教えと存じます」
「ふふふ、輝く原石というのは、あなた見たいな人のことですか?」
エレナが書類の角を整えながら、彼の方に微笑む。
「・・・からかわないでくださいよ」
そんな視線が恥ずかしくなり、ラッセルは顔を赤くした。
「照れる必要はないのですよ、ラッセル。
あなたは有能な人間です。それには誇りを持ちなさい。」
「は!」
敬礼をするラッセル。どうやら本当にあのことではなさそうだ。
「ところで、今日呼んだことなのですが・・・」
話を切り替えると、突如もじもじする陛下。
さっきまでの神の使いのような態度から一転し、ラッセルが驚く。
「あの・・・その・・・ひさしぶりに」
そこまで言うと、顔を赤くする。まるで少女のようにかわいらしい。
陛下の言葉の意味に気づいたが、今までのことを考え、
少しいじわるしてやろうと考えるラッセル。
「陛下、しかし最近私に冷たいのではないですか?」
ラッセルの言葉にうなだれる陛下。
「あ、あれは・・・緊急を要する国事ですから・・・その・・・」
「しかし私は執政官。そういうときこそ、私の意見を参考にするのが道理では?」
「そ、そんないじわるなこといわないで・・・」
昨日までのやり取りが嘘のように感じ、内心泣いて喜ぶラッセル。
「仕方ありませんね・・・陛下は」
「・・・ぁ・・」
ラッセルはロメリアに近づき、優しく口付けを交わした。
部屋の鍵をしめ、密室になったことを確認すると、二人は抱き合った。
彼の胸にだかれ、ロメリアはうれしそうにそこに身体を預けた。
「ごめんなさいラッセル。本当はもう少し早くこうしたかったのですが・・・」
アーリグリフとの戦争、そして星の船に復旧作業。
女王であるロメリアが急がしてそんな暇がなかったのも仕方のないことだった。
「いいのですよ、陛下。あなた様が私を想って下されば・・・」
「おねがい。二人のときはロメリアと呼んで・・・」
「わかったよ、ロメリア・・・」
二人は熱い口付けを交わした。
「あまり見ないで、ラッセル」
大きなベッドで二人はお互いのすべてをさらけだすと、ラッセルの視線を感じてか、
恥ずかしそうな声をロメリアはあげた。
「いや、綺麗だよ、ロメリア」
軽くキスをすると、彼女の軽い身体をベッドに押し倒した。
「ラッセル・・・」
ロメリアの顔は紅潮し、目が潤んでいた。
ラッセルはそんな愛しい君の身体に舌をそっとはわせ、胸をやさしく揉みはじめる。
「あぁ・・・ラッセル・・・」
切ない声をあげて、身体をよじらせるロメリア。
「かわいいよ、ロメリア」
ラッセルは自分の刺激を受けて尖った先端をつまむ。
「はぁ〜・・・ぃぃ・・」
よりロメリアから甘い声が漏れ、ラッセルはそんな彼女の反応を楽しんだ。
ラッセルが片手を彼女の茂みに持ってくる。
「濡れているね・・・」
「やだ・・・恥ずかしい・・・」
「ううん。魅力的だよ・・・」
指をもぐりこませ、指の間接を動かす。
彼女の口からあまいぬくもりが漏れる。
「はぁ・・・ラッセルぅ」
愛する人の名をいとおしそうに声にだすロメリア。
城下では、今日も復旧作業が行われ、人々が活気にあふれている。
しかし、密室でただの男と女になった二人は、長く待ち続けたときを楽しんでいる。
「ロメリア・・・」
「ええ・・・そろそろお願い・・・します」
彼女を求めて、大きくなったものをロメリアの中にゆっくりゆっくりと、
今まで失ってきた時間を取り戻すように入れていくラッセル。
「はぁ・・・あ・・あああ」
奥まで入りきると、ロメリアが自ら受け入れていることを表すような声をラッセルに
聞かせた。
ラッセルは最初はゆっくりと、そしてお互いがそれぞれを求め合い、昂ぶってくると、
徐々にその速度をあげていく。
「ラッセル・・・ああ・・・愛しています」
「私もです・・・ロメリア」
刻が近づき、お互いの気持ちを確認しあう。
「ああ・・・ラッセル・・・」
「はい、いっしょに・・・」
一際強い感覚が二人に訪れ、最後の瞬間が訪れた。
「ラッセル、復旧作業が終わったら・・・その時は」
「わかったよ・・・ロメリア」
長い長い抱擁を二人は交わした。
時は流れ、シランド城内の教会では一組の結婚式が行われていた。
バージンロードを腕組をしながらゆっくりとお互いの人生を歩むように歩を進める
今日結ばれたカップル。
「陛下。お綺麗ですよ」
「ええ、本当に。あこがれてしまいます」
今はなきクリムゾンブレイドの双剣がロメリアを祝福した。
「ええ、ありがとう二人とも」
「ラッセル卿もおめでとうございます」
「うむ・・・まあ、ありがたくその言葉を受け取ろう」
新郎のラッセルが憎まれ口を叩くと、横に連れ添う妻となった人物が笑った。
「まあ、あなたったら・・・ごめんなさいね、二人とも。
ラッセルはなかなか素直になれない性格ですから」
「ええ、わかってます」
「でなければ、卿が執政官になったとき国を出て行ってますよ」
互いに笑いあう3人の女性の中で顔を赤くするラッセル。
そこへ、別の人物が顔をだす。
「おめでと〜さん。陛下」
「エレナね。ありがとう」
一時はとある国の王から求婚を申し込まれたが、いまだに彼女は独身を貫いていた。
「あなたもね」
エレナはにこやかにその隣の男に祝福をあげる。
「ふん・・・」
「やはり、アレのおかげかしら?」
その場の空気が凍りついた。
「あのことって何なのです、エレナ?」
「まさか・・・クレア」
「ええ・・・もしかして・・・」
「あれ、私とラッちゃんがセックスしたことで、陛下が嫉妬を抱いてそれで、
ラッちゃんと愛を確認しなおしたんじゃないの?」
バサっ!!
ブーケが地面に落ちる音がした。
「あ、あの・・・ロメリア・・・様?」
「私は噂は信じない方なので、あえてそれは不問にしてきましたが、
あれは本当だったんでしょうか、ラッセル?」
ロメリアの表情は笑っていたが、目はそうでなかった。
「いや、その・・・この女が・・・」
ラッセルが原因となった女を指差すと、
「あのときのラッちゃん、激しかった〜」
顔を赤くして、当時を思い出しているエレナはラッセルの言葉が耳に入らない。
「ラッセル・・・」
ロメリアの右手が光る。霊視がおもな能力とはいえ、基礎施術はマスターしており、
その力は禁呪に勝るとも劣らない。
「いや・・・あの・・・私はロメリア様一筋ですから・・・」
ラッセルが後ずさりをしてこの場をさろうとする
「黙りなさい、ラッセル!!」
城内に閃光が走る。
「おー、見ろ。女王様の結婚式を祝う光だ・・・」
「あ〜これこそアペリス様の奇跡だわ・・・」
式に出られなかった城下の民は、その光を神々しく見つめていた。