「あぁ…ミラージュさぁ〜ん…」  
フェイトはまるで子供のようにミラージュの胸の中にうずくもっていた。  
ミラージュは、初めて会ったときから憧れており、  
マリアには悪いが、スタイルも抜群であって、  
ミラージュを抱きたいという願望がフェイトの心の片隅にあった。  
「ふふふ・・・かわいいですね…」  
そんなフェイトの頭を撫でるミラージュは、まるでその母親のように慈愛に満ち溢れる顔をしていた。  
(あ〜…ミラージュさんって柔らかいし、暖かいな…)  
フェイトがミラージュの身体を味わっていると、  
「フェイトさん、あまりこうしていると、レッスンができませんよ?」  
ミラージュの言葉でフェイトが現実に戻される。  
(そ、そうだった!すっかり忘れてた!!ごめんよ…マリア))  
フェイトは本来の目的を忘れ、ミラージュの虜になりそうになっていたことに気づき、  
それを危惧していた、クリフに教育?されているだろう恋人に、心の中で謝った。  
「あらあら…その様子じゃすっかり忘れてたみたいですね。  
 …マリアが知ったらどうなるかしら?」  
「や、やめてくださいよ!僕の命がいくつあっても足りませんよ…」  
「ふふふ、そんな大げさですね」  
(大げさでもないんだけどな…)  
 
マリアはもともと恋愛に疎かったせいか、フェイトと恋人になった途端、  
恋の溶けるような甘さを知り、今までは見るだけで吐き気のしていたバカップルのように、  
腕を組んだり、一つの飲み物を二人で飲んだりし始めた。  
そして、人一倍、フェイトに対する独占欲が強くなり、  
フェイトが少しでも他の女と仲良くしていると、部屋に戻った途端お説教が始まるのだった。  
(Hの教育ってことを忘れてたりしたら、それこそノートンのように銃を連射されるよ…)  
半狂乱で自分に銃を乱射するマリアを思い浮かべ、フェイトがため息をつく。  
「あら?フェイトさん、ため息なんかついて…私とでは不満でしょうか?」  
ミラージュは、フェイトのため息がマリアのことによるものだと知っていたが、  
こういうウブそうな少年の少し困った表情を見てみたいと思い、  
わざと、そのようにフェイトに言った。 
「い、いやいや!…ミ、ミラージュさんなら…すごくしたいです…」  
フェイトは慌てて否定し、顔を赤くしながら、ミラージュの身体を眺める。  
(ふふ…やはりかわいいわね…)  
心の中のミラージュは思ったとおりの反応に喜んでいた。  
「そうですか…ならさっそく…」  
ミラージュは、フェイトの顔を起こし、彼の口に自分の舌を割り込ませた。  
フェイトが憧れの女性と舌を絡ませている現実に感動を通り越して驚いてしまう。  
(うわぁ〜…ミ、ミラージュさん…舌の動きがすごい…)  
つられるように、自分も積極的に激しく絡ませていく。  
マリアとはできなかった、まさに大人のキス。  
やがて、お互いの顔が離れるとお互いの舌が唾液で繋がっていた。  
フェイトは、それがものすごくいやらしく思い、顔を赤くし、うつむいてしまう。  
(あ〜!もうフェイトさんったら…)  
ミラージュがそんなフェイトがかわいくてしょうがなく、我慢しきれなくなってきた。  
「フェイトさん…私がしっかり教えてあげますから、ほら…恥ずかしがらないで…」  
「は、はい…」  
「じゃあ、まずはフェイトさんのお手並みを拝見させてもらいますね」  
「わ、わかりました…」  
フェイトがミラージュの胸に口をつけた。  
 
「ぁ…」  
息とも取れそうな、かすかな声がミラージュから漏れる。  
フェイトはそのまま、まだ柔らかい先端を吸ったり舐めたりして、ミラージュに刺激を与える。  
「ぁ…ぁぁ…」  
だが、ミラージュのあえぎ声はいまいちだった。  
あまり快感でないことは、ミラージュのアソコがぬれていないことでも分かる。  
(あれ?マリアはこれで大概ヌレヌレになるのに…)  
フェイトはムキになって、やや強く吸ったり、軽く噛んだりするが、  
やはりミラージュは動じない。  
(ど、どうしてなんだ!?)  
フェイトの顔に焦りが見える。  
もはやミラージュのエッチを楽しむというより、  
いかにミラージュをイカせるかにフェイトの頭の中がいっぱいであった。  
「フェイトさん」  
ふいに名前を呼ばれてフェイトが顔をあげた。  
ミラージュは苦笑していた。  
「フェイトさん。セックスというものは、自分と相手が楽しんでやらなければ、  
 本当のセックスとはいえません。一人よがりのセックスは相手との仲を引き裂く原因ですよ?」  
「ア・・・」  
「それに…言いにくいのですが、フェイトさんはまだまだ上手ではないですね」  
「そ、そんな…やはりクリフのほうが?」  
「ええ。さすがにこの手のことは彼はエキスパートですから」  
(そ、そんな…)  
フェイトが肩を落とす。  
 
自分は頭まで筋肉で出来てそうなクリフよりも、上手に出来る自信はあった。  
しかし、結果はこのとおり、やはりスケベオヤジには敵わなかった。  
ミラージュはフェイトのそんな様子を内心楽しんでいた。  
(そうそう…。うまかったら興ざめですが、下手だとこちらの好きにできますからね…)  
ミラージュは舌をぺろりとやると、  
「そんなに落ち込まないでください。彼とあなたでは経験の差がありますから…。  
 それに、そのために今日は授業をするのでしょう?」  
これ以上のない優しい微笑みで、彼を慰める。  
「ミ、ミラージュさん…」  
フェイトが顔をあげて、目を潤ませている。  
(あ〜…フェイトさん…最高です…)  
全てミラージュの計算上でしかないのに、本気でミラージュの言葉を信じている  
フェイトにミラージュが感動してしまう。  
しかし、そんな素振りを見せてフェイトに不信感をもたれては、  
ここまでうまくいっていた、「かわいい年下の男の子を意のままに操ってセックスする」  
という、ミラージュの壮大な?計画が台無しになってしまうので、  
彼女はそれを表に出さないよう、表面上は優しいお姉さまを装っていた。  
「じゃあ…フェイトさん、私の指示通りに動いてくださいね…」  
「は、はい!」  
フェイトがやや緊張した面持ちで返事をした。  
(さあ、これからが本番ですよ♪) 

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