『うお座の彼氏、Sな彼女』  
 
 
小さい頃からずっと一緒だった幼馴染の月子と星月学園に入って2年目。  
なんだかバタバタしているうちに彼カノな関係になって一ヶ月。  
 
ずっと好きだった。   
身体が弱い俺ではこの先ずっと月子の側に居られるかわかんなかったから、その気持ちをうち  
明けるつもりは全然なかった。  
今までそれらしい雰囲気になったことは一度もなくて、どちらかというと毎日からかって、いじわるして、  
反応を楽しんできたし。  
だから、まさか月子が俺の彼女になってくれるとは思ってもみなかった。  
今まで生きてきた中で一番うれしい出来事だった。  
 
目下の問題は俺の身体の病のこと。   
普段、普通に生活をする分には問題なくても、ちょっと激しい運動したり、興奮すると気分が悪くなったり  
倒れたりする。  
体力の限界が3分。  
 
ハァ〜。 ……俺のため息の意味、わかるよな?  
 
 
  ☆★☆  
 
 
もう直ぐ夏休み。 でも、期末テストが散々な結果で追試決定。  
そんなわけで今もこうして図書館の机で向かい合って、テストに出そうな範囲を月子にビシビシ  
叩き込まれているわけだ。   
苦手な勉強でも、二人でいられるのは嬉しい。 だが、図書館って場所は失敗だった。  
ふと気が付くと、あちこちでチラチラこいつの事を盗み見てる不埒な輩が多数出没して気になって勉強に  
なりゃしねえよ。  
 
「だからそこ、違うって。 ここは○○で…□□だから……」  
「あ〜、もう全然わかんねっ!」  
「もー。哉太、ちゃんと覚えてよ〜。 ちっとも勉強終わらないじゃない」  
「わかんねーもんはわかんねーから。しょうがないだろ」  
「ほんとにやる気あるの? ん〜、もうちょっと解かり易い本、前に先生が使ってたっけ。ちょっと探してくるね。   
えと、確かこっちのほうだったような……」  
月子は席を立つと本棚の方に専門書を探しに行く。  
こいつを一人にすると碌な事が無いから、ちょっと心配で後を付いていくと、案の定、隙あらば声をかけ  
ようと見かけない奴らが寄ってきていた。  
月子自身は本探しに夢中になっているからまったく気が付いていなかったが。  
「月子っ!」  
周りのやつらをガン見して追い払ってやった後、声をかけると月子はお目当ての本を見つけていたところ  
だった。  
「えーと、有った! あれ? 哉太も来たの? 座ってさっきの問題を解いててくれればいーのに」  
「……お前、一人でふらふらすんな」  
「は? 何それ?」  
分厚くて重そうな本を大事そうに抱きしめてきょとん、としている。   
下からチワワみたいな眼で見てくんなっ!ほんと、こいつ隙だらけで困る。  
二の腕掴んで本棚と本棚の間に引っ張り込むと、月子の手から本を取り上げて素早く屈み込んで  
かすめるようなキスをする。  
「―――っ!!」  
月子はちょっとびっくりした顔をした後、すぐに顔が真っ赤になっていく。 ほんとカワイイ。  
うろたえたように後ろの本棚まであとずさるから両手を本棚について月子が逃げられないように  
閉じ込めた。  
「誰かに見られたらどうするの」  
「誰も見てねーよ。 本で隠したし」  
ウソ。 さっきの奴らにわざと見えるようにした。  
「もー」  
ちょっと拗ねたような顔で赤く染まった頬のまま睨まれる。   
 
「なー、たまにはお前からキスして」  
「えっ? ……ムリ! そんなのムリムリ!! ムリっだって」  
慌てて耳まで赤くしてムリムリ言ってるその顔が可愛くて、また俺からキスをする。  
「ちょっ!……カナ…んぅ……ん」  
ちょっと触れるだけのつもりが、我慢できなくなってもっと貪る様なキスをする。  
舌を強引に絡め、ちゅ、ちゅと何度も吸い付く。  
「ん……ンン?……ちょっと…ダメって……ぅんんッ!!……ァ……」  
形ばかりの抵抗は、キスを続けるうちに直ぐに力が抜けて無くなった。  
目じりが赤くなって、ちょっと涙で潤んで色っぽくて、とろんとして、益々ヤバイヤツ引き寄せそう。  
それどころか俺までそのヤバイヤツの仲間入りしそうで。   
「なあ、勉強の続き、俺の部屋でしねえ?」  
俺ももっとここではとてもできない別の続きがしたくてウズウズして、月子の耳元で囁く、が。  
「しない」  
月子は急に元通りになって、俺から本を取り上げるとさっきまで座っていた席に戻っていった。  
今までの桃色な雰囲気を急に無かったことにされて、一人ぽかんと突っ立ってる俺に、  
「早く、この問題解いて! 私だってヒマじゃないんだからね! もー、部活休んでまで来たのに」  
と声を掛けられた。  
しょうがないので渋々俺も席に戻ったけど、なんか無視されたみたいでムっときて、問題の回答の  
ところにサラサラとシャーペンで書き込む。  
 
『エッチしたい』  
 
「できたの?」と覗き込んだ月子は、文字を見た途端、固まった。 意味を脳内で理解したらしく、また頬を  
赤くしながら睨みつけてきた。 そしてネコの付いたかわいいシャーペンを取り上げるとその回答の横に  
サラサラと書き入れた。  
『ダメ』  
すぐに俺も返答を書き込み、そのまま筆談で会話が進んでいく。  
『なんで?』  
『ダメなものはダメ』  
『だからなんでだよ』  
『勉強終わってないし』  
『じゃあ終わったらいいか?』  
『ダメ』  
『だからなんで? 別にいーじゃん、初めてじゃないし』  
実は告白をした後、勢いで初体験を済ませていた。  
 
『哉太、気分が悪くなるから』  
月子が書いた文字にどくんと心臓が鳴った。  
初めて月子とした時、最中はなんとか持ったんだけど、終わったあと気分が悪くなって倒れた。  
こいつ、すげぇ心配して、泣き出して大変だった。 翌日も起き上がれなくて、ほんと自分の身体が情けなかった。  
 
どうして俺の身体なのに俺の言うことを聞いてくれないんだろう。 贅沢は言わないから。 せめてあと少し。  
月子が俺の部屋を出て行くまで倒れるのを待ってくれたら。 それだけでいいのに。  
……月子にだけは心配かけたくないのに。  
 
「そっか。 俺、スタミナないもんな。 良くわかった」  
月子が悪く言ったわけじゃないって解かってる。 心配して言ってくれているって事も。  
でも男のプライドってもんが、なんか傷つけられたような気がして月子の顔を急に見られなくなった。  
「俺、もう部屋、帰るわ」  
 
バタバタと教科書やノートを片してカバンに乱暴に突っ込んで、おろおろする月子を置き去りにしたまま図書館  
を出た。  
「くそっ!!」  
こんなに胸が痛いのは病気のせいだ。 絶対そうだ。 いつもと痛み方が違っていてもわざと気付かないフリをした。  
すれ違うヤツ、誰彼構わず殴ってやりたい最悪な気分で廊下を歩いていると、後ろから  
「哉太っ!!」  
と声を掛けられた。 振り返るまでもない。 月子だ。  
「うっせ。 ついてくんなっ」  
そう言いながら振り返ると、怒った月子にいきなり左手の手首を取られた。  
「ついて来て」  
「ちょ、どこ行くんだよっ!」  
「いいから」  
そのまま月子はずんずん足早に歩いていく。 ついた先は寮の月子の部屋だった。  
部屋に入るなり、怒鳴られた。  
 
「もう、哉太は! エッチしたいのは哉太だけじゃないんだからねっ!」  
「えっ!?」  
「私だって……。 哉太と、したいよ。 だけど、哉太の身体が心配だから……我慢してるのにっ!!」  
「うそだろ」  
「うそじゃないよっ! 私だっていっぱい我慢してるのに!! さっきだってあんなキスしてきて。  
私の身体熱くして……どれだけ我慢したと思ってるのよ……」  
そう叫び、両腕でいきなり抱きついてきた。  
 
「ごめん……。 でも、俺の事欲しがってくれて、すげーうれしい」  
ゆっくりと両腕を背中に回して抱きしめる。  
「ばか」  
月子の顔が胸埋められて、その部分が涙で濡れてじんわりと熱くなっていく。  
「哉太はいつもいつも私に意地悪ばっかりする。 小さい頃から全然変わらない」  
「だからごめん、て」  
「やだ。 許してあげない。 もう今日は仕返ししちゃうから」  
「は?」  
「出来るだけ哉太の身体に負担をかけないように、ね」  
そう言いながら、俺をベッドに座らせる。  
「だから、哉太、絶対に動いちゃだめだよ?」  
「ちょ、お前、なにするつもり…」  
「いいから! 目も開けちゃだめ!! ちゃんと瞑っていて」  
「だから何するのか言ってくんねーと、怖くてできねーよ」  
「いいからっ! 約束だからね!!」  
顔を真っ赤にさせたまま、月子が俺の制服のボタンを外しにかかる。  
「え!? おいっ!?」  
「大丈夫、大丈夫。 たぶん……できると思う……」  
ベルトを外して、制服のスラックスのファスナーを下げていく。  
「な、なにをだよっ! ちょ……えっ……っ!!バカ!やめろっ!! お前何す…っ!!」  
月子が何をしようとしているのかようやく察知して思わず声をあげる。  
「私がしたいの……。 できるだけ哉太は力抜いてて……」  
下着からまだ硬くなっていないそれを取り出すとゆるゆると上下される。  
「…………うっ!」  
自分のではない、細く白い指が絡み付いて幹を摺るのを見て、瞬時に硬くなる。  
「わっ…すご……急にこんなになるんだね」  
「おまっ!ちょっ……あんま見るなよ」  
「哉太こそ、目を瞑ってっていったでしょ」  
「あ、ああ」  
目を閉じて上を向くと、あの部分が生暖かいぬめぬめしたものに覆われて焦った。  
こいつさっきは図書館で自分からキスなんてムリとかぬかしてなかったか?  
キスはムリなのにこれはアリなのか?  
 
「あ…む……ちゅ…目、絶対に開けちゃダメだからね…はむ…」  
くちゅ、くちゅと濡れた音が部屋に響く。  
「おい、まじか…よ……ぅ」  
目を閉じているからか、余計に全身の神経全てがそこに集中してしまい、快楽に身を捩る。  
「力抜いて。 リラックスしてる……?」  
「ば……できるわけ、…ねーっての」  
拙い舌技だが、月子のあの小さな口がしてると思うと、身体中が熱くて、直ぐにでも放ってしまいそうだ。  
「ズ…ちゅ…んむ…んン……目、開けてないよね?」  
「閉じてるって……ふ……っ!!」  
錫口に舌を突き入れられて快感に身体が跳ねる。  
「つ、月子、……ヤバ……俺……」  
そういうと月子がそれを放した。 目を開けてみると、顔を上げた月子が唾液に濡れた唇を赤い舌で  
ぺろりと舐め取るところだった。 その仕草が扇情的すぎた。  
「俺もしたい」  
「ダメ。 今日は哉太は何もしちゃダメなの」  
そう言うと今度は俺をベッドに押し倒した。 本当に何もさせないつもりらしい。  
そのまま自分で制服のボタンを外し、スカートはそのままで下着を脱いでいく。  
 
「ごめんな。 俺、こんな身体で……ほかのヤツならこんな面倒なことしなくていいのに……」  
「病気とか関係ない。 哉太以外の人とだったら、こんなことしないよ。 哉太が好きだから、するの」  
「お前……」  
「哉太を良くしてあげたいから」  
にこりと微笑んで言う。  
「哉太を私でいっぱい気持ちよくしたいから」  
そう言いながら俺に跨る。  
「ほら、目ぇ、閉じて」  
「えー。 俺、見たい」  
「恥ずかしいから絶対ダメ。 目開けてたら、やめちゃうから」  
「わーったよ」  
しぶしぶ目を瞑ると、俺に掛かっていた月子の体重がふっと軽くなる。 ゴムを付ける感触の後、  
「哉太、入れちゃうよ」  
熱い滴が先端を潤したと思った瞬間、さっきよりももっと熱い、狭いものにじゅぽっと飲み込まれていく。  
 
「くっ……」  
歯を食いしばっていないと、何かへんな事を叫んでしまいそうだ。  
いいようにされて、女みたいに喘ぐなんてかっこ悪すぎる。  
「あ……ん……はぅ…ん…んン……全部…はいら……ないよ…ぅ………」  
俺がまったく何もしていないから、潤いが足りないのか、月子は全部納めるのに苦労しているようだった。  
「二回目の初心者がいきなりそういう事するからだ。 無茶すんな」  
俺は上半身だけ起こして目を瞑ったまま、手を頬に添えてそっと唇を合わせる。  
「んぅ……だめっだって」  
「別にキスくらいいいだろ。それくらいさせろ」  
「もう…あ……あふ」  
舌を絡めて、吸い付き、口腔を愛撫すると、苦しそうだった月子が腕を首に回してくる。  
じゅんと急に潤ってきて、身体から力が抜けたせいもあって、俺の切っ先がどんどん狭かった中を押し広げて  
潜り込んでいくのが解かる。  
とうとう奥まで押し入ると、ゾクゾクと快感に震える月子がぎゅうと抱きついてきた。  
「あ、……ぁ、……あ、…」  
微かに聞こえてくる甘い声。  
身体が痺れるようになって動けないでいる月子に焦れて、つい腰を揺すってしまう。  
「まだ……ダメ。 哉太は動いちゃだめなん……だから」  
「えー。もう俺我慢できないし」  
「最後は哉太が好きにすればいいよ。 ん……大事な3分だから…有効利用しよ?」  
「俺、3分持たなかったら超カッコわりぃ〜じゃん」  
俺の軽口に月子はクスクスと笑うと、一旦、出口付近ギリギリに引っかかるくらいまで腰を上げる。  
もうあと少しで抜けてしまうというぐらいまでくると、 今度は重力に任せてストンと腰を落とす。  
「あぁんっ! ……ん…ううぅん……」  
勢いがついているせいで先ほどよりももっと奥の狭いところの、行き止まりのところまで突き当たった感触がした。  
熱くてトロトロな内側に絞られるように締め付けられて。  
月子に言われるように、なるべく身体に力を入れないよう弛緩させているというのに繋がっている部分は  
ガチガチに張り詰めていて、粘膜に包まれる気持ちよさで勝手にぴくんぴくんと跳ね上がる。  
まだだ。 まだ。 もっと、月子が良くなるまで。 イク寸前になるまで。   
この状態でそれまで自分がイカないままでいられるのか不安だったが、月子の前でかっこ悪いところを  
見せたくなくてひたすら我慢して目を瞑る。  
 
「いい……いいよ…………哉太ぁ……」  
甘い声が股間をおもいきり直撃した。 危うく暴発しそうになったじゃないか。  
こんなんでリラックスしろって、こいつ酷くね?  
「お前っ!……エロい喘ぎ方すんなよっ、我慢するほうの身にもなれっ!!」  
「そんな事言ったって、声。 でちゃうー。 あ、あんっ……やぁっ!!」  
ばれない様に薄目開けて様子を伺うと、月子は過ぎた快感に涙目になりながら、でも必死で俺を喜ばせようと  
またゆっくりと腰を持ち上げ、落とす事を繰り返していた。  
最初はじれったい程、酷くゆっくりだったその上下運動が、やがて徐々にペースを早めていく。  
ボタンを外して肌蹴た制服から見える白い素肌。 動きに逢わせてぷるぷる揺れる胸とつややかな長い髪。  
「あ…ぁん……はぁっ……ん………っふぁ」  
小さい頃からずっと一緒だった幼馴染の、聞くのはまだ二回目の脳みそ蕩かすような淫らな声。  
ベッドがギシギシ鳴って、繋がってるところからもチュ、クチュッと音がして、目を閉じていても全然耐久時間の  
足しにならないし。 逆に変な妄想掻き立てられてイクのが早くなるんじゃ、と心配になる。  
と、急にピタリと月子の動きが止まる。  
「……ね、……哉太、ちゃんとこの後、勉強する?……しないなら、ここでやめちゃうよ?」  
今、そんな事を聞くのは反則だろ。  
   
自分だって気持ちいいくせに、喘ぎ声を抑えながら、こんな風に寸止めしてくる月子に理性吹っ飛ばされて、  
ついに我慢できなくなって両手を腰にあてがうと、ぐいっと最奥まで突き上げた。  
「哉太っ! だめっ、動いちゃだめだって!……ああっ!やんっ!…ふ…!!……やああぁっ!!」  
「くっ……!! どんだけ我慢すりゃいんだよっ! これっていったいどんな拷問なんだよ……。  
お前のそんな姿を目の前にして”動くな”、”手を出すな”って。 俺…このままじゃ……はっ……くっ……  
頭、おかしくなるっ!!」  
折角月子ががんばってくれたのに台無しにせんとばかりに力いっぱい突き入れてしまう。  
「まだ。……私が、いいって言うまで……だめ……んっ!哉太っ! だめぇっ」  
もう止まらなかった。  
更なる快感を求めて勝手に腰が突き上げてしまう。   
快感をもっと得ようと貪欲に奥の奥まで突き入れてしまう。  
唇から耳から首筋からメチャクチャにキスをして、両手で胸をこね回して、もう、ひたすら暴走していった。  
 
座位の体制からベッドに月子を押し倒して、ガツガツ腰を振り続ける。  
「哉太……あ、……あぅ…あたし…ヤ……あ、あ、あ」  
身体に巻きついていた腕がもっと強く抱きしめてきて、月子に限界が来たことを知る。  
「はぅっ……!! くっそ、お前っ!! エロくてかわいすぎ……くっ!」  
「イっ!…あ、あ、イっちゃううっ!……やぁ、やあぁぁあん!!」  
「――ッ!!」  
痙攣するあの部分にキツく締め付けられて、俺もゴム越しに欲望を叩き付ける。  
イッて、気持ちよさげな月子にほっとして、身体から力が抜ける。  
息が徐々に収まってくると、くらっと目眩がしてベッドに突っ伏した。  
「か、哉太!? 哉太っ!!」  
「大声出すな。 大丈夫だって。 疲れただけだ。 誰かさんががんばってくれたおかげで、な」  
心配そうに覗き込む月子の髪を引っ張って、キスをする。  
「ありがとな」  
そう礼を言うと、月子も恥ずかしそうに顔を赤らめながら微笑んだ。  
 
  ☆★☆  
 
お互い照れくさそうに身なりを整えていると。 月子がそう言えば、と話しかける。  
「”いいっていうまで動いちゃダメ”って言ったのに、動いちゃったね〜、哉太」  
制服ボタンを留めながら月子が意地悪な顔をして囁く。  
「しょうがないだろ、あんなの。 あのタイミングで寸止めとか、お前どんだけ鬼なんだよ」  
「最初に約束したのにねぇ〜」  
「わ、悪かったって。 でもいいだろ?ちゃんとこうして俺、元気だし、お前もイケたし」  
そう焦って言い返すも、ニヤリと笑う月子にドギマギする。 こいつがこういう顔をしたときは要注意って  
長い付き合いで解かってるから。  
「ねえ、哉太? 我慢できないなら、次は……」  
月子はそう言うと、俺の制服のスラックスの後ろポケットにいつも突っ込まれたままの皺くちゃなネクタイを  
するりと引っ張り出して、それに口付けるとパチンとウインクする。  
 
「縛っちゃおうかなぁ〜」  
 
―――こいつ、俺の為とか言って、なんか味をしめてないか?―――  
 
うお座の星座は美の女神アプロディテとエロスが魚の姿で、離れないようにお互いを紐で結んでいる。  
でも俺の彼女は俺を紐で亀甲縛りしそうな勢いです。  
 
ハァ〜。  
 
糸冬  
 

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