「……ん……うう……」  
「あら、お目覚めの様ね、アマテラス艦長補佐・香月シノンさん」  
 
シノンが気絶から目覚めると、そこは15m四方位の何も無い部屋だった。  
緩やかな丸みを帯びた構造は、地上ではなく、どこかの宇宙船内だろうか。  
部屋の四方には監視モニターらしきものが自分に注目しているようにこちらを  
向いていた。殺風景な内装はアマテラスのものではない。どうやら、王国の  
戦艦に連行されたようだ。目の前には軍服を着た金髪の女性将校が鞭を持って  
立っている。それを見たとき、とっさに飛び退ろうとしたが……。  
 
「くっ……痛っ!?」  
体を動かそうとして全く動けないのに気づく、どうやら磔台のような物に  
胴と手足を固定されているらしい。両手は斜め上に、両足は斜め下に、「X」の  
字の様に張り付けられている。長い時間その格好で固定されていたのか、手首や  
体の節々が痛む。  
 
「初めまして。私はヘンリエッタ星域惑星国家同盟情報部に所属するイリーナ=  
ヴァンダーファルケ情報少尉です。香月さんのご活躍はいつもスターシップチャ  
ンネルで拝見しておりますわ。勿論、私たちは敵同士ですが同じ女性として尊敬  
致しておりました」  
「……」  
イリーナの馬鹿丁寧な口調にもシノンは何も答えない。それは当たり前で、目の  
前の金髪ワンレングスでキリッとした美女の女性将校はシノンより10cmは背が  
高く、スカートより覗く足は筋肉質で、その姿を目にするだけで威圧された。  
おまけに手にはステッキ状の鞭を持っている。それが何のために使われるかぐらい、  
今目覚めたばかりの頭脳でも見当はつく。  
 
そもそも、どうしてこんな事態になったのか、漸くハッキリしてきた頭で思い出す。  
数々の王国との戦闘に勝ち進んできたアマテラスは、中立宣言星系にある惑星に  
補給入港していた。そこでスターシップチャンネルのイベントに参加するために  
シノン達オペレーターズも上陸していたが、王国が一方的に中立条約を破棄し、  
その惑星に攻撃を加えてきた。応戦したシノン達だが、その惑星国家首脳部と  
王国軍に密約があったらしく、退路を断たれて上陸部隊は分断され、罠に陥った  
シノンは王国軍に拘束された。他の上陸メンバーやアマテラスがどうなったかも  
全くわからない状態だ。  
「他のみんなは……アマテラスは……どうなったの?」  
口を利くまい、と思っていても、これだけは聞かずにはおれなかった。勿論、  
相手が答えてくれるとは限らないが。  
 
「無事よ」  
イリーナはあっさり答えた。  
「上陸したメンバーも何名かは怪我したみたいだけど、死者はいないわ。どこに  
いるかはまだわからないけどね。アマテラスに至っては手もつけられていない。  
入港した状態のまま動かずにいるみたいね。と言うか、動けないのかもね……」  
クスクスと意味ありげにシノンを見ながら笑う。全員無事と聞いて一瞬ホッとした  
シノンだが、イリーナの意味ありげな笑顔が気に掛かる。  
「どういう意味?」  
自分の口から相手の知りたい情報が出ないよう気をつけながら、探りを入れる。  
 
「あなたがいないとアマテラスは動けないと言う事よ。シノンさん。ここまでの  
アマテラスの奇跡的な進軍の要因を情報部で分析した結果、大きな要因として  
戦艦のポテンシャルその物よりも、使う側の能力が優れている事が挙げられたわ。  
緻密に練られた作戦をベースに、戦場では臨機応変に変化する状況に対応し、  
いざと言うときは決断力に富み、勇猛果敢に前進する……。わが軍の歴戦の勇士達  
でもここまで出来るスタッフはそう多くはいないでしょう……そして」  
イリーナはシノンをじっと見つめる。シノンも目を逸らさない。  
 
「その先頭には必ず艦長補佐の香月シノン士官候補生がいる……。貴女無しで  
アマテラスが今までのようなパフォーマンスを発揮できるとは到底思えないん  
だけど……?」  
「そうかしら? あれがスターシップチャンネルが作り上げた偶像だとは思わな  
かったの? 現に私はカメラ映りがいいと言う理由だけで第一艦橋に……」  
「ええ、とても素敵だったわ。あなたの勇姿。帝国の首脳が目の仇にするほどにね」  
イリーナがククッ…と喉を鳴らす。まさか……? シノンの脳裏にある考えが浮かぶ。  
 
「今回の襲撃は……ただ私を捉えるためだけに仕組んだと言うの?」  
シノンがつぶやくように言うと、イリーナが嬉しそうに目を輝かせる。  
「正解。それもこの惑星に入港する所からね。中立政府なんて嘘。表面上はそう  
言ってるけど、実質帝国側に進んで降伏を申し出た星よ、ここは。この星系の他の  
国家の手前、そう言ってないけどね。……けど、流石ね。常人には無い分析力と  
判断力……そしてこの美貌。あなた達に散々負けたオジ様たちのストレス解消に  
使われるなんて勿体無いわぁ……」  
そう言いながら鞭の柄をペロリと舐める。頬は興奮で上気し、目の光が妖しい。  
(この人……やばいかも)  
シノンの体の奥がキュンと縮まる感触に襲われる。同時にカメラが一斉に自分達の  
ほうを向くように角度を変えた。四隅の上だけでなく、下にもカメラがある。更に  
自分の前後左右上下にも。上のカメラは自分の胸元、下のカメラは自分のスカートの  
奥を映し出しているのだろう。それに気が付いたシノンは思わず足を閉じようと  
したが、足首が固定されているために内股にはなるものの完全には閉じられない。  
閉じようとして閉じられない姿は逆に映像を見ている者の嗜虐心をそそるだろう。  
 
「一応、尋問だから聞いておくけど……上陸したアマテラスの乗員はあの後、  
どこに行ったのかしら? 非常の際に落ち合う場所は事前に協議しているはず  
だけど?」  
鞭の柄をシノンの顎に押し付け、顔を上げさせる。顔を覗き込んできたイリーナの  
眼はまるで蛇のそれの様に金色に煌いている。  
「それはもう把握してるんじゃないの? さっきアマテラスの上陸メンバーは  
無事だって……」  
「死体を確認してないと言う意味でね。何人かは拘束したけど、何人かは逃げられた  
わ。貴女が散開指令を出したから、反対方向に逃げたメンバーまでは追えなかったの。  
ご賢察どおり、貴女の捕獲が作戦部の最重要事項だったからね」  
「拘束した? 誰を拘束したの?」  
「教えてあげてもいいんだけど……」  
ちらりと考える様子のイリーナだったが、  
「やっぱりやめた。まだ秘密にしておいたほうが面白そうだし」  
意地悪な顔をして笑う。  
(こいつ、私を困らせて楽しもうとしてるんだ……)  
シノンはムッとした表情になる。その表情の変化もイリーナは楽しそうに見ている。  
 
「……で? さっきの質問の答えは?」  
「……」  
いっそのこと教えてやろうか、ともシノンは思った。イリーナの期待する答えは  
黙秘あるいは返答拒絶だろう。そうすれば持ってる鞭で自分を叩く『口実』が出来る。  
それが分かってるのにわざわざ彼女を楽しませてやる義理は無い。  
(だけど……)  
逃げ切れたメンバーが誰なのかが少し気になった。アレイやイマリ、レンナあたりが  
いれば適宜行動できると思うが、逃げたグループに彼女達がいなかった場合、帝国の  
待ち伏せに対応できない。それに自分がここでのらりくらりと減らず口で誤魔化して  
いれば、目の前のイリーナは面白がるだろうが、映像を楽しんでいると言う帝国首脳の  
誰かが短気を起こし、他の虜囚メンバーを拷問させようとするかもしれない。  
「……」  
黙ったままイリーナを見つめる。内心を見透かすようなこの大物女性情報士官、いや、  
拷問係の目を楽しませるのはシャクだったが、折角自分に気が向いている時に他の  
メンバーを窮地に連れ込むのは得策でない。  
 
「フフフ……仲間思いなのね」  
シノンの予想通り、内心を見透かした台詞を言いながら、イリーナは鞭をシノンの  
右太股の内側に打ち込んだ! ビシッ!と柔肉を打つ音が室内に響き渡る。  
「グッ……!!」  
内股から瞬時にこみ上げてきた激痛に顔をしかめ、身を捩る。軍部に所属する目的の  
士官候補生だったとは言え、拷問に対する訓練などは受けてはいない。その意味では  
帝国の戦艦を次々と轟沈してきた歴戦の勇士と言えど一般の女の子とさほど変わらな  
い……。苦痛のあまり目には涙が滲み、額からは嫌な汗が流れる。  
「たった一発でこの状態か……手加減しないと楽しめないかな?」  
にっこりと微笑むイリーナ。その表情は優しげにすら見えた。  
 
ビシッ! 再びシノンの内股にイリーナの鞭が飛ぶ。今度は左の太股だ。  
「ぐぅ…!! あ…ぐぅ……」  
歯を食いしばって悲鳴を押し殺すシノン。イリーナは更にもう一撃を同じ所に叩き  
込む。強化繊維で作られたオーバーニーソックスは鞭の強打でも敗れなかったが、  
衝撃を全て防いでくれるわけではない。ソックスの内側の皮膚は裂けてこそいなく  
とも蚯蚓腫れになっているだろう。  
 
(どうして……ここばかり……?)  
内股を狙い打ちされるシノンだが、もし、彼女が映像モニターを見ればその理由が  
分かるだろう。シノンをローアングルからスカートの中を捕らえたカメラは、彼女が  
鞭で打たれるたびに股がプルプル震え、股の部分を捩らせる様をしっかりと捉えて  
いるのだ。モニターには鮮明にその淫猥ともいえるシノンの下半身の動きが映って  
いる。  
 
「それ! それ! まだ吐く気にならない?」  
今度はお腹に二連打を加える。制服の下腹部の白い部分はまるでそこを狙えと言わん  
ばかりに鞭打ちには格好の的である。  
「はう…!! ああ〜!!」  
ついに悲鳴を上げるシノン。イリーナが加減をしているのは動きで分かる。彼女の  
本気の拷問はこんなものではないのだろう。だが、シノンにはこれでも十分過ぎるほど  
堪えている。たった四発で既に青息吐息の状態だ。  
 
「はぁ……はぁ……」  
「お腹とかはまだキツイかな? じゃあ、もう少しお肉のあるところを打ってあげるね」  
そう言うと磔台のスイッチを押す。  
「あうう……きゃあ!?」  
『X』の字型だった磔台が上下に分かれて変形し、シノンの上半身を90度曲げる姿勢  
になった。お尻を突き出す格好になっている。ミニスカートのお尻からこれも強化繊維  
で作られた青いアンダーショーツが見え、猥らな格好を強要される。  
「ちょ、ちょっと…! なに、これ!?」  
「ふ〜ん……下はこうなってたんだ。流石に下着だけじゃないのね」  
「や!、やめてよ! ジロジロ見ないで!」  
慌てるシノンを他所に興味津々で突き出されたお尻を見るイリーナ。そのお尻の部分に  
鞭を滑らせるように宛がう。  
「ひゃ…!? う…うう〜〜」  
お尻への違和感のある感触に小さく悲鳴を上げる。冷たい、ざらりとした蛇に這われる  
様な感触。鞭でのスパンキング……想像するだけでゾクリと悪寒がこみ上げる。  
 
「可愛いお尻、ね!」  
そこへも容赦なくイリーナは鞭を振り下ろす。バシィ!と一際大きな音が部屋中に響き渡る。  
「………!!!」  
声無き悲鳴を上げ、仰け反るシノン。心なしかさっきまでのより衝撃が大きい。  
「お尻なら少々強く打っても大丈夫だからね……それ! それ!」  
バシィ! ビシィ! と容赦ない攻撃。その度にシノンの体は大きく振るえ、悶える。  
本当ならのた打ち回りたいのだろうが、拘束された身ではそれすらもままならない。  
「もう一発!!」  
イリーナがお尻に対し真横に力一杯鞭を薙ぎ払った。一際大きな打撃音が聞こえ、強化  
繊維の一部が飛び散った。どうやら本気で打ったらしい。  
「きゃああああ……!!」  
ついにシノンも実も世も無い悲鳴を上げた。力一杯鞭で打たれたお尻はアンダーショーツも  
下着も弾け飛び、白いきめ細かい肌のお尻に数条の打痕が割れ目と垂直に走ってるのが見えた。  
「あ……う……うう……」  
シノンはそのまま気絶してしまった。がっくりと首が落ち、上半身は拘束具で止められた  
両腕だけで支えられ、だらりと伸びている。下半身も内股の状態で膝の力が抜けていた。  
 
「なんだ、もう終わり?」  
きょとんとしているイリーナ。彼女からすればこれからがお楽しみだったのだが。  
「なんだかんだ言っても所詮は士官候補生だね。この程度も耐え切れないなんて。でも、  
まあ、いいか。お楽しみは取っておいたほうが…ね。それにウブな方が教育のし甲斐も  
あるし」  
にんまりと笑顔を浮かべながら、イリーナはシノンを拘束具から解放し、抱えあげた。  
明日からはどんな事をしてやろう? 猥らなものから激しいものまで、シノンに対する  
数々の責め苦を考えながら楽しそうな笑顔を浮かべ、部屋を後にした。  
 

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