そっと…下着の上から尖りに触れる。  
「ん……」  
軽く爪を立てて、触れるか触れないかの優しさで。  
焦らされてるような――そう、いつもの彼の指のタッチを思い起こす。  
「ぁ、ん…たかやし、きぃ…っ」  
意地悪っ、もっと、もっと強く、触って?  
でないとほら、こんな風に腰、動いちゃうよぉ…  
『梨本、どうした?』  
高屋敷のからかうような声がアタマの中で響く。  
「んっ、はぁっ…んんっ!」  
『言えよ、どうしてほしい?』  
意地悪、意地悪っ…わかってるくせに、いつも、わざと、言わせるなんて。  
今日という今日は、絶対、言わないんだからっ…  
ぎゅっと目を閉じて、必死にこらえて。  
スライドさせた指が湿った布ごしに何度も押し込まれると、中でくちゅくちゅといやらしい音がした。  
「ん…ぁあ、あっ、ゃああっ」  
『またずいぶんと…』  
「あっ、ぃやっ、ち、違うのっ」  
駄々をこねるように首を振って否定する。  
恥ずかしくてたまらなくて…きっと私の顔、真っ赤になってる。  
恥ずかしすぎて、涙まで出てきて…  
『違う?じゃあどうして欲しいんだ、梨本つぶら?』  
「ん、んんっ!」  
い、言わないん、だから…っ  
『そうか、わかった…じゃあ…やめてやるよ…』  
「ぁああっ、い、いやぁっ、さ、触って?もっと、触ってぇ」  
『どこを?』  
「…く、くり……す…さわ…て…?」  
 
「しょうがないな、まったく……」  
 
一瞬アタマの中の高屋敷かと混乱した私の正面で、彼――本物の高屋敷は、ドアにもたれかかって、眼鏡越しにじっと私を見ていた。  
 
「ななな…な、な、なんで、どうしてぇ!?」  
「どうしてって、自分の家に帰ってきて悪いか?」  
確かに――私たちは今、一緒に住んでいる。  
一緒に朝を迎えて、一日を過ごしたら同じ場所に帰って、同じベッドで眠るの。  
でも、だけど…!  
高屋敷はここのところ帰りが遅くて、おまけに朝起きるともういなくて。  
淋しくて淋しくて、だけど意地っ張りな私は淋しいの一言も言えなくて。  
どうせ今日も遅いんだ、って思って、ベッドで高屋敷のことを考えてたらヘンな気持ちになってきて…。  
我慢できなくなって、始めた行為。  
「お前は…いつもそうやってひとりでやってたのか?」  
「ち、ちがうもん!こ、これは…初めて、だもの…高屋敷、電話もくれないし…私に会えなくても、平気、なん…ふぇ…」  
「わかった、わかったから泣くなっ!」  
久しぶりの、高屋敷の温もり。  
ぎゅうっと抱きしめられて、心にぽっかり空いていた穴があっさりと埋まっていくような、温かい気持ちになる。  
「やばい…梨本、そろそろ離れろ」  
「え?どうして?」  
「…いいから」  
「やだよぉ…どうして?やっぱり私のこともう…」  
飽きちゃった?もう嫌いになった?  
アタマの中でぐるぐると悲しい気分が渦巻いて、再び涙が溢れてきそうになった私を見て、高屋敷は困った顔をして大きなため息をついた。  
「だから…しばらくお前のこと抱いてないから…まずい、暴走しそうだ」  
高屋敷の言葉に、またカァっと顔が熱くなる。  
なんてこと言うのっ…でも…つ、つぶら、たまには意地を捨てて、素直にならないと!  
「いい、よ…?」  
「え?」  
聞き返されて、ますます顔が熱くなったけど、私は震えながら勇気を振り絞って、高屋敷を見上げて言った。  
「暴走、して?高屋敷が…いっぱい、欲しいよ…」  
言い終わらないうちに、高屋敷の顔が下りてきて、唇をちゅうっと強く吸われた。  
 
ダメなの、高屋敷の鋭い視線に射抜かれたら最後、もう私の心臓は破裂しそうに跳ね上がっちゃって、高屋敷のなすがままになっちゃうの。  
「ん…んぅ、んっ」  
息を吸おうと口を開くと、そこからまた高屋敷の舌が伸びてきて、口の中を這うように撫でられる。  
そうやって私の息を荒くしながら、伸びてきた手が乳房に触れる。  
円を描くように、軽く、なぞるように……  
触ってほしい箇所にはなかなか触れてくれない。  
背筋にぞくぞくと震えが走って、私の体温がまた少し、上がる。  
触ってよぉ、高屋敷…苛めないで、よ…  
望むことを焦らされて、それでも望んでいることを、言えなくて。  
アタマがぐちゃぐちゃになってきて、涙がぽろぽろと零れ落ちる。  
「バカ、泣くなよ…」  
「だって、だってぇっ」  
「言えばいいだろ?なんだって、してやるから」  
高屋敷の瞳は優しくて…だけどその奥底にちょっとだけ、苛めたがりやの本性がのぞく。  
こんな高屋敷を知ってるのはきっと、私だけだよね?  
それは嬉しいの…嬉しいんだけど。  
「い、言えないっ」  
「ったく…しょうがない、特別サービスは一回だけだからな」  
高屋敷はそう言って、胸の突起に歯を押し当てた。  
 
「あっ、はぁあっ!」  
「ん…こうして、欲しかった?」  
「んっ、はぁ、んぁっ」  
舌の先でちろちろと尖りを転がされて、深く口に含んで、咥内でしゃぶられる。  
高屋敷の言葉に、舌の動きに翻弄されて、知らず身体が揺れてしまう。  
おまけに指先は臍下、太腿、と這い回って、もう頭がおかしくなっちゃいそうで、私は今までになく我を失い始めていた。  
 
久しぶりだから?  
それとも私、すごくいやらしい女になっちゃったの?  
恥ずかしい、恥ずかしくてたまらない、なのにもっと…もっとして欲しくて、たまらない。  
 
「すごいな梨本…腰を揺らして…いやらしい」  
「ぃゃあ…」  
「ん…」  
足の間に身体を入れ込んだ高屋敷。その舌が下腹部へと滑り降りていく。  
「あ、だ、ダメ高屋敷っ、電気消して、恥ずかしいっ」  
「あぁ、これはたしかに…恥ずかしいかな」  
耐え切れなくて、私は両手で顔を覆い隠す。  
「見ないでよぉ…ばかぁ…」  
膝を大きく広げられて…きっと高屋敷は、濡れてしまっている私の下着をじっと見ている。  
「梨本、下着、」  
「い、言わないでっ」  
「――びしょびしょ、だ」  
私の体温がまた、上がる。  
無意識なのかもしれないけれど…きっと高屋敷は、私を苛めるのが、好きなんだ。  
そして私は――…  
「たかやし、き…」  
「なんだ?」  
「…っと……もっと、して…気持ちよく、して…ぇ…」  
苛められるのがきっと、好きなんだと、思う。  
 
「梨本、もっとよく見るんだ、ほら」  
「いや、い、やぁ、やだぁ」  
明るさの元で、高屋敷は繋がった部分を見せ付けるように私の手を引き顔を向けさせた。  
高まっていく快感に比例して私の理性もまた、いけないと思いながらも薄れていく。  
目の前には高屋敷の中心のそれ、が、私の中に出し入れされていて。  
明かりに照らされていやらしく光っていて、それを濡らしているのは間違いなく私、で。  
卑猥な光景に加えて、聴覚を満たすのはぐちゅぐちゅと愛液がかき出される音と、高屋敷が身をぶつける音。  
「…っ、見え、る?俺と梨本が、繋がってる、ところ」  
「んっ、あっ、み、みえ、るぅっ」  
「あぁ…梨本、すごく、いやらしくて…綺麗、だ」  
「ぁああんっ…き、嫌いっ…高屋敷ぃっ、なんて、大っキライっ、んぁああっ」  
――ずるいよ…いつもこんな時に、そんな台詞…!  
「嫌い、か…激しいのも、嫌いか?」  
「はあぁっ、き、嫌いよっ、ゃああっ、いゃああっ」  
――嘘よ、スキ、大好きなのっ、もっと…もっともっと、いっぱい激しく、して欲しいの!  
「そうか、じゃあ梨本の、希望どおりに」  
「ゃああっ、ああっ、ぃぁああっ…!」  
――嫌い…全部お見通しで、わかってるくせに意地悪ばっかりな高屋敷なんて…大っキライよ…  
高屋敷の身体が下りてきて、止まらない私の涙をそっと舐め取る。  
――だけど好きなの、アタマがヘンになりそうなくらい、大好きなの……  
薄れていく意識の端で、"ごめん…明日はもっと、早く、帰るから"って、あったかくて優しい声が静かに響く。、  
私はそれを夢とも現実とも区別がつけられぬまま、狂わされるように……  
彼の体温に、その言葉に…与えられる全てに溶かされていくのだった。  
 

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