ふと、レイオットはその小さな身体を抱き寄せた。  
 特に、逃げるでもなく、嫌がるでもなく、いつもの緩い無表情のまま、カペルは静かに、その深紅の瞳をレイオットに向ける。  
 何かに気が付いたように彼女が言った。  
 「私を抱きたいのですか?」  
 何かにつけ、ストレートに質問するそんなカペルの態度に、レイオットは、ふと苦笑を洩らした。  
 「さて、どうだろう。俺もよく分からんのだが」  
 レイオットは、肩を竦めるようにして、腕の中の小さな少女に答えを返した。  
 

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