第一話「リポート」
いったい世の中に、こんな贅沢なことがあっていいのだろうか?
美風、香鈴、彩雲、静羽が次々とオレの「上」を通って行く――裸で。
オレは、とある温泉地で旅館を経営している。ここに年に一度、美風たちご一行が慰安旅行に訪れるのだ。だからオレは、露天風呂の一部を改造した。
地面に穴を掘り、ちょうど人一人が入れるくらいのスペースをつくった。この覗き窓から、絶景を見上げるというわけだ。
狭く息苦しいのは仕方ない。酸素ボンベも用意している。が、彼女たちのアソコを拝めたなら、そのまま死んでもかまわないと思った。
実際にやってみてわかったことだが、下からの「あおり」だと、人物の見分けはつきにくい。髪の色などで、ああこれは美風だな、とわかる感じ。
香鈴は身体も小っちゃいし、アソコの毛もちょっとしか生えていないので、すぐわかった。
微妙なのは彩雲と静羽だった。若干大きめのマ○コの方が静羽ではないかと、個人的には思う。
彼女たちが湯に浸かったり、洗い場に座ったりするので、そう何度も四つのアソコを拝めるわけではない。一年間ガマンして、至福の瞬間はほんの僅かなのだ。それがまたタマらない。
偶然、オレの真上で彩雲(推定)が立ち止まった。振り返って、誰かと話しているらしい。
密閉空間にいるオレには、彼女たちの声が聞こえない。逆もまた然りだ。
これ以上のチャンスはない。オレはかちかちになったモノをしごきながら、
「な、なかむらーッ!」と絶叫した。大量に射精してしまった。
最高だった。如月教官のも見てみたいと思った。
FIN
第二話「スティック」
その日の香鈴は、どこか元気がなかった。
美風が見かねて言う。
「香鈴、どうしたの? 元気ないじゃん」
「……」
香鈴はうつむいたままだ。
「悩みでもあるの?」
美風が訊くと、やや間をおいて、香鈴は重い口を開いた。
「……やっぱり、美風も生えてるの?」
一瞬、美風は面食らった。香鈴が言っているのは、恥毛のことだろう。
「そ、そりゃあね……」
赤面しつつ美風は答えた。
「そう――」
香鈴はさらに沈んでしまった。
どうやら香鈴は、自分の発育が遅れていることに悩んでいるらしい。
(え、そういえば……)
不意に美風は思い出した。以前、皆で温泉に入ったとき、香鈴のアソコを見たのだ。うっすらとだが、たしかに生えていたではないか……。
「――なによ香鈴、アンタだって生えているじゃない」
「……?」
今度は香鈴の方が面食らったようだ。彼女は小さく言う。
「生えてないよ」
どういうことだろう。恥毛の話ではないのか……。
いや、すると、一体何が生えているというのか? 誰に?
「ちょっと香鈴、アンタ、誰の何を見たの?」
その問いに香鈴は、
「……さいうん」とだけ答えた。
美風の中で、どす黒い疑惑が膨らんでいった――。
FIN