「いっちゃーん☆」
<ばーん!!>と、ぴょんと生えたアホ毛と後ろで括った髪が特徴的な少女が盛大な扉の音をたてて入って来る。
こいつの名は鈴。
見た目はどう見ても小学生。だけど年齢は俺と同じ17歳という悪霊退治のエキスパートで、さらには俺の許婚だ。
これ以上のややこしい説明は、もう周知の事実として割愛したいと思う。
と言うのも、
「いっちゃん…まだ苦しい?」
今の俺、柄杜樹は病魔につかれた後遺症を患っているからだ…。
「あぁ…。まだ、少しな」
「ごめんね…私がもっと早く悪霊に気付けば…」
「気にすんなって。それに、オマエが早く助けてくれたお陰でこれくらいで済んだんだからな」
「いっちゃん…」
しょげて潤み始めていた大きな瞳が、今度は嬉し涙に揺れる。
「(ホント、単純だよな)」
その姿がとても微笑ましい気がして、頭を<ぽんぽん>とあやすように叩いてやった。
ご存知のように俺は悪霊につかれ易い体質で、今日はやたら性質(たち)の悪い病魔につかれてしまった。
身体中の精気を吸い取られ、未だ立つこともままならない。
鈴があのドデカいスパスで素早く退治してくれなければ、体中の精気を奪われて死んでいるところだ。
なんだかんだで鈴にはかなり助けられている。
「えへへ☆ぁ、いっちゃん。わたしお昼ご飯にお粥作ったんだよ?」
「え?だけど…俺…」
「食べて食べて☆」
<ドンッ!!>
目の前に現れたのは、どんぶり(大)になみなみと盛られた粥、粥、粥。
「おまえ……俺は力入んなくて箸だってまだ上手く持てないんだぞ?どうやって食えってんだ…」
「ぁ、そっか。でも大丈夫っ!私が食べさせてあげる☆」
<どーん!>といまひとつ平面的な胸を張るやいなや、
「はいっ、いっちゃん?あーん☆」
お粥を掬ったれんげを差し出す鈴。
「ばっ!?や、やめろ!!んな真似出来るか!!」
口調は必死でも頭は弱々しくでしか背けることが出来ない。
ちなみに鈴の手料理は……努力は大いに認めるが、まぁお世辞にも「美味い」とは言えない…。
「一口でいいから食べてよぅ…」
涙目の鈴が視界に<ひょこっ>と入ってくる。
<ズキンッ>と、その口を小さく尖らせた拗ねたような表情が俺の良心を突っつき罪悪感を滲ませる。
「ぅうっ…わ、分かった!食えばいいんだろ!?」
「えへっ☆はーい、いっちゃん!」
目元に涙の雫を残したままころりと表情を変え、嬉々として迫ってくる。
仕方なしに<あーん>と力無く口を開け、恐怖の『鈴お手製お粥(大)』を招き入れることとした。
震えつつ<ぱくん>と口に含むと、シンプルなお米の甘味が広がり、ちゃんと粥の味がした。
「ぉおっ!?う、美味い!?吐き気が来ない!!」
「ね?ね!?美味しいでしょ!私だってお粥ぐらい出来るんだから☆」
鈴が両こぶしを胸の前で<ぐっ>と握り締め、満面の笑みを浮かべる。きらりと光る八重歯が眩しい。
「あぁ。ホントに上達したな」
「えへへ☆もっと食べる?」
「いや、悪いけどどうも食欲が湧かないからな。後で食うよ」
「そっか…」
「そんなにしょげるなって…!後でちゃんと食うからさ!」
「…うん☆じゃあ台所に置いてきちゃうね?」
<ガチャ、ばたん>
鈴がお粥のどんぶりを抱え部屋を出ていった。
「(ふぅ…)」
身体は、さっきよりマシになったとは言え、未だに力が入らない。
オマケに寒気がしてきた。
「(ちっくしょう…風邪薬とかじゃ治んないかな、やっぱ……っっ!?)」
視界が歪み、部屋がゆらゆら揺れているように見える。
<ふらぁ>と傾いた上半身が布団に着地したのを感じた直後、俺は眠りについていた。
☆
「ん……」
うっすら開けた目に映るのは、見慣れた部屋の天井と見慣れた鈴の姿。
「ぁ、いっちゃん。目、覚めた?」
「ぁ、あぁ…俺、気を失って…っておまえはまた人の布団に…うぁ!?」
<ガバッ>と身を起こそうとした途端、ぐらりと暈(めまい)が襲う。
またもや布団に倒れ込んでしまった。
「ダメだよ!布団に入って安静にしてなきゃ!!」
「それは分かってるけど…何でおまえまで一緒に布団にくるまってんだ…」
「だって…」
鈴は俺の服の胸元を<きゅっ>と掴み、潤んだ大きな瞳で見つめながら、言った。
「いっちゃん、凄い震えてたから、あっためてあげたくて…」
<ドキッ>と胸が高鳴る。
顔が真っ赤になっていくのが自分でも分かってしまう。
「う…と、とにかく早く出ろよ…!!」
「私はいっちゃんがよくなるまでここにいるから☆いっちゃんは安心して眠って?」
「…〜っ!勝手にしろ!」
さっさと寝てやる、と意気込んで俺は目を閉じた。
ところが。
「(ね、寝れない…!!)」
というのも、全てはこの身体に組み付いた鈴のせいなのだ。
いつもは俺が寝てるうちに布団に入り込むのだから、まだいい。
だが起きてる内から同じ布団の中にいるというのは、それだけで胸が高鳴ってしまう。
鈴の両手両足は俺に絡められていて、その布越しに伝わる温かさがさらに気の高ぶりを誘う。
「(えぇい!落ち着け!俺!!)」
心の中で自分に喝を入れる。
すると、鈴が心配そうに声をかけてきた。
「いっちゃん…顔が真っ赤だよ?大丈夫?」
「だ…だいじょぅ、ぶわぁッ!!?」
いつの間にやら膨張していた俺のモノが、ぐっと絡み付いた鈴の脚、その太股によって圧迫される。
「ひゃっ!!?」
鈴も、太股に感じた隆々とした明らかな感触の正体に気付き、顔、そして首筋までもが真っ赤に染まっていく。
「…………」
「…………」
恥ずかしくて言葉もない。
いくら同じ布団の中で抱き付かれたという状況だったとしても、小学生のような姿の鈴相手に勃つなんて。
鈴だって、正直幻滅してるに違いない。
「(最悪だ…俺…)」
激しく自己嫌悪に陥った俺に鈴が口を開いた。
「いっちゃん」
目を合わせることも、出来ない。
「いっちゃん…?」
「鈴……ごめん…俺…」
「ううん」
鈴は<ふるふる>と首を横に振ると、俺を真っ直ぐに見つめて言った。
「私は、嬉しかったよ?いっちゃん」
「え?」
「いっちゃんは、小さなままの私にもちゃんと女のコとして反応してくれた。それを、私は嫌がったりなんてしない」
「ぁ……」
「いっちゃん…大好き…☆」
<ちゅぅ>と俺と鈴の唇が重なる。
拒む気になんてなれなかった。
<パアァァァ…―>
魂の相互活性による光に包まれ、鈴が17歳の姿になる間も、唇を押し付けあった。
柔らかく、そして温かい。
思えば、もう結構な数をキスしてきてるけど、ちゃんと鈴の唇を感じるのはこれが初めてな気がする。
「んんぅ…くちゅ、ん…」
どちらからともなく舌を絡め合う。
初めて味わう他人の唾液は、美味しいかはいまひとつ微妙なところだが奇妙な温かさを体中にもたらした。
舌で舌をつつく、その触れ合う感触が脳髄をトロけさせ、正常な思考が出来なくなってくる。
「んむぅ、ちゅ…ッ…っはぁ、はァ」
酸素を欲した鈴が名残惜しそうに唇を離した。
「いっちゃん…すごい、顔が真っ赤だよ…?」
「ぁ、あぁ…」
激しいキスの余韻と、目の前にいる17歳サイズの鈴の姿に大いに戸惑う。
穿いていたスカートは脱却済。
ワイシャツのボタンは全開。
子ども用の下着は明らかに小さく、へそ辺りまで見える。
「いっちゃん…」
鈴が<ぎゅっ>と抱き付いてきた。
よくぞここまでというぐらいに成長した胸が共に押し付けられ、その柔らかさと弾力という相反する二つの魅力を同時に伝えてくる。
「す、鈴…」
<どく、どく、>と身体中に血が巡る。
"魂の相互活性"のお陰だろうか、なんだか急に力が湧いてきた。
俺に抱き付いている鈴の身体に手を回し、同じ様に<ぎゅっ>と抱き締めてやる。
「んんぅ…いっちゃん☆」
嬉しそうに身をよじり、脚と脚をも絡めてくる。
ここまで来たら、やるべき事は一つ。
そうだ……俺は…鈴と………
『父さんは許すぞ?ただし合意の上でな?』
「なんで親父が出てくんだ!?」
「ふぇ!?おじ様が、どうしたの!?」
「あ。い、いや何でもない…!」
改めて聞こえてきた親父の了承に対して、思わず反応してしまった気恥ずかしさを紛らわすため、自分からキスをする。
「んっ…ちゅ、くちゅ…」
目を開けると、とろんとした鈴の眼に俺が映っているのが見えた。
そして、鈴のさらりと目元まで流れる髪、潤んだ瞳、上気した頬、今俺と重ねている唇。
そういった"鈴"という全てが、愛おしく俺の目にも映し出されている。
唇は重ねたまま、溢れる愛情をもって鈴の溢れるような胸に触れた。
「んふぁ…ん、ァ…」
<ぽにゅぽにゅ>と触れる手を跳ね返すような弾力。
だがそれは、ほんの少し力を込めれば指が吸い込まれそうな程の柔らかさへと変貌する。
「んんっ…ふぅ、ッちゅ…ひゃぅ、ぁァア…!」
唇を離した途端に大きく零れ出す嬌声。
下着を剥ぎ取り、かわいらしく尖った桃色の先端を摘む。
「ふゃアァぁ…そ、そこ…だめぇ…」
指の先で軽く弾くたびに<びくびく>と身体が跳ねる。
「ゃァあっ、ぁあッぅぅ…ん…」
「鈴…おまえ声出し過ぎ…。親父や燐に聞こえたらどうすんだ…」
「だ、だって…はァ…いっちゃんの指の動きが…すごい、えっちなんだもん…はァ…」
「なっ!?おまえが感じ過ぎなだけだろ…!!」
なぜかとても恥ずかしい。
俺がやたらにエロい人間みたいじゃねぇか。
「ね、いっちゃん…続きしよ…?」
「ん…」
答えの代わりに、さっきまで愛撫していた乳首に吸い付く。
「ひゃあぅ!?い、いっちゃ…いきらり、そんら…んんッ!」
口に含んだまま舌先で刺激し、もう片方も、下から揉み上げつつ先端を人差し指の腹で愛撫する。
「んんゥゥ…ッふぅァッ…ん、んん…ッ!!」
「声出し過ぎ」の指摘を承けてか、懸命に声を堪える鈴。
両手で口元を押さえ、<びくびく>と感極まったように震える姿は、普段のはつらつな鈴とは違う可愛さを放っている。
<きゅぱっ>と乳首から口を離して、愛撫の対象を下半身に定めた。
早速下の下着を脱がそうと、
<ぽしゅう>
「「ぁ」」
二人の声が重なる。
「戻っ、ちゃった、な…」
「ねぇ、いっちゃん…このまま、出来ないカナ…?」
「え゙!?」
「だ、だめ…?」
「だ…だめっていうか…」
そんな『ほとんど全裸+潤んだ瞳+上気した頬』なんて幼い姿のくせに色っぽくお願いされれば誰でも断れない気がするんだが…。
「わ、わかった…!そのままでだな!?」
「う、うん…」
ここまで来たんだ。
鈴がどんな姿でも、俺は……
『初めてが野外プレイでも父さんは許すぞ?』
「野外でなんかするかー!!!」
「ふぇ!?や、野外でってなに!?」
「あ。い、いや何でもない…!!」
あまりにも場違いな親父の言葉を思いだしてしまった。
どうでもいい言葉を掻き消す為にも今の行為に集中する。
するりと下着を脱がし、羞恥に震える鈴の脚を開かせる。
今の姿では当たり前のような気もするが、綺麗なたてすじがあるだけだった。
先ほどの胸への愛撫が効いたのか、蜜が外へと溢れているのが見て取れる。
「恥ずかしいからそんなに見ないでよぅ…」
「ばっ!?そんなに見てねぇだろ!?」
変な指摘を受けて<かぁぁ>と顔が急激に熱くなる。
背徳心のせいもあって、心臓の鳴りがさっきよりも大きく、速い気がした。
恥ずかしさに煽られて、俺は早速、何の前触れも無しにむき出しとなった秘部に舌を這わせ、溢れる蜜を嘗め取る。
「ぁ!?え!!?ひゃっ!!い、いっちゃん…!?そんなとこ…なめちゃ、ぁんぅッ!!」
舌がわれめを上下に往復するたび、鈴の細い腰が<がくがく>と揺れる。
両手両足でがっしりと俺の頭を抱え込み、声を堪えている。
「くふぅッ…ふあっ、んにゅぅぅ…ッ!」
そして、既に充血しきった幼い芽を舌で刺激した時、
「んんッ!?…〜〜〜ッ!!!」
身体をのけ反らせ、声にならない叫びを上げて鈴が果てた。
<ぷしゅしゅッ>と、鈴の蜜と俺の唾液とでべとべとになったわれめから液体が噴き出て、俺の顔にかかる。
ふと気付けば、鈴の顔は真っ赤に上気し、息も絶え絶えだった。
くったりと布団に横たわり、酸素を求めて喘いでいる。
「…ッはァッ、はッ、はッ、はッ…!」
「だ、大丈夫か!?俺、やり過ぎたか!?」
「だ…だいひょぶ…だ、よ……ひょっと、きもひよすひひゃった…」
口調がふにゃふにゃでよくわからんが、とにかく無事のようだ。「ご…ごめんね……いっひゃんに…わたひの…かけひゃった……」
「こんなん気にすんなよ。ん?な、なんだ…?」
鈴が弱々しくおいでおいでをする。
仕方ないので、顔を近づけてやる。
すると、鈴はそのまま細い両腕で俺の頭を掴み、引き寄せた。
<ぺろっ>と顔に感じる柔らかな舌の感触。
「な、何やってんだ!?」
「いっひゃんのかお、ひれいにひてるんだよ…?えへへー…☆」
まるでじゃれつく子猫だ。
もはや自分の蜜を嘗めとることより、俺の顔を嘗めることに意識が傾いているようだった。
「んちゅ…ぴちゃ、ちゅ…」
「…〜っっ!」
顔中を嘗められるというのは凄まじく、恥ずかしい。
けど、なぜかとても温かく、心地よく、嬉しい気持ちにもなる。
顔を嘗められながらも、鈴の身体を抱き締めてやった。
「んんぅ…☆ぴちゃ、いっちゃん…」
そのままキスへ移行する。
唇と唇、舌と舌が熱くもつれ合い繋がる。
「んむッ、くちゅ…っはァ」
<パアアァァァ…―>
俺の腕と白光の中であっという間に成長を遂げる鈴。
幼い姿にはなかった色っぽさが、汗ばみ桜色にほてった身体から滲んでいる。
二人で<ごろり>と抱き合ったまま転がり、俺が鈴に覆いかぶさった格好となった。
<ばくばく>と行為のラストスパートに向けて鼓動が高鳴りしまくる。
そのまま、ぐっと正常位を取り、成長して淡い茂みに彩られた鈴の秘部に、俺のをあてがった。
「い、行くぞ…?」
「ぅん…いいよ、いっちゃん…」
力を込めると、<ぐちゅ>と先端が飲み込まれる。
「んぅあッ…!!」
<びくん>と震えた鈴の身体が、強張っているのが分かった。
歯を食いしばり、可愛らしい顔は苦痛に歪んでいる。
「痛いなら、無理しなくていいぞ…?」
「だ、大丈夫だから…一気に、奥まで…」
「一気に、って…」
正直戸惑ってしまう。
まだ先っぽしか挿れてない内からこんな状態なのに、一息に奥まで突いたりしたら死ぬ気がする…。
「いっちゃん…お願い。私、早くいっちゃんとひとつになりたい…」
逡巡する俺に鈴が懇願した。
「す…鈴……」
「ね?お願いだから……」
組み伏されたまま、<すっ>と差し出した手で、優しく俺の顔の輪郭をなぞる。
まるで俺を安心させようとしているような穏やかな動き。
痛くて、苦しいのは自分の筈なのに。
「(……………はぁ…)」
やはり俺は鈴に弱い。
意を決して、鈴を支えなおす。
「いち、にの、さんで挿れるからな…無理そうなら直ぐに言えよ」
「いっちゃん…」
「行くぞ……いち、にの、さん…!」
<ずちゅぅッ!!>
「ァッああアアアアアッッ…!!」
奥まで入ったと同時に上がる鈴の声。
涙が、<ぎゅっ>と閉じた瞳から零れ、濡れた軌跡を描く。
心が痛んだ。
だが俺の身体は、熱い粘膜との摩擦にびりびりと痺れている。
千切られそうな程の締め付けに、陶酔してしまう。
「はァッ…はァッ…はァッ…!!」
「動くぞ…」
腰をゆっくりと引き、また挿れる。
<ぎゅちゅッ>と鈴の中で蜜が掻き混ぜられ、俺のに絡まる。
一筋の紅い血が流れ落ちるのがふと目に留まり、脳裏に焼き付いた。
鈴の中は、まさに熔けるようで、ホントに"一つ"になりそうだ。
「鈴のなか…熱い……」
「い、いっちゃぁんッ…」
動きを続ける内に、痛みに震えていた鈴が甘い声を漏らし始めた。
「ぁあぅッ、んっ、アァ…ッ!」
鈴の中が<きゅるきゅる>と絡み付くように締まる。
「ぐ…(これはヤバイ…!)」
「ぅアアッ…いっちゃ…んんッ…!」
鈴が<きゅっ>としなやかに延びた手足で俺の身体にしがみついて、喘ぐ。
「いっちゃん…んふッ、ァあ、い…いっちゃ、ん…ッ!!」
何度も突かれる度に俺の名前を呼ぶ。
豊かな双丘は、汗に濡れ白く輝きながら、揺れ弾む。
「い、いっちゃ…ァアッ!…私…も、もう…ッ!」
「お、俺も…!」
「ひっ、ひゃああアアアあー…ッ!!」
<びくんッ>と鈴の身体が大きく跳ね上がり、なかが俺を盛大に締め上げた。
と同時に、俺は鈴の中に白濁の粘液を吐き出してしまっていた。
<どく、どく、>と脈打つそれが、自分の中にあるままだと気付いた鈴が、浅く息をつきながら微笑んだ。
「ぅ…?ぁ…えへへ☆いっちゃんの…出てる、よ…?」
「悪い…な、中に出しちまった…」
「…子供、出来ちゃうカナ?」
「ど…どうだろうな…」
それはそれで嬉しいかも…って待て!
確かに子供が出来たら出来たで嬉しいだろうけど、そうじゃなくて、俺は勢いだけで中に出した自分の無責任さを悔いた。
ゆっくり、自分のを引抜き、鈴の横に横たわる。
それから、とりあえず再び謝った。
「……すまん、鈴」
「…………………」
「………………?」
返事がない。横を見やる。
「……………すー」
「……………寝たか」
体力を著しく消耗したのだろう、鈴は、本当に穏やかな笑顔で寝ていた。
成長した身体ではあったが、その微笑みはあどけない無邪気さを感じさせる。
やがて同じ様にまどろみ始めた意識の中、俺は思う。
やっぱり俺は、鈴のことがどうしようもなく好きだったりするんだなと。
だからこそ、こんな風に勢いに流された自分が情けなく、恥ずかしかった。
重たい眠気がどんどんと意識を奪う。
次に目を開く時は、もう少し成長した自分でいるだろうか。
ついぞ消え行く意識、その白い靄の中で、俺は鈴のやわらかく温かな手を、握り締めていた。