「…あ、そうそう、財布はここに置いてもらおうか。ブラックジャックではチップを置くのは当然だからな」
リオは財布をポーチから取り出し、オーリンと自分の間に置いた。
「でははじめよう。その前に基本的な取り決めをしよう。ゲーム数は10ゲームとしよう。10回の対戦で勝ち数の多い方が勝者だ。
引き分けの場合、さらに3ゲームを行い、決定する。次に、役割だが、公平に5ゲームずつ、ディーラーとプレーヤーと交替する。
もちろん双方バーストの場合はディーラーの勝ちとする・・・以上、いかがかな?」
「OK牧場」
「……では、まず最初の5ゲームは私がディーラーだ。いくぞ!」
オーリン、リオともに目つきが勝負師のそれと変わった。
(リ オ) アップカード:3→「12」→「22」→バースト!
(オーリン) 「9」→「12」→「21」
(リ オ) アップカード:1→「14」→「15」→「21」
(オーリン) K+1→ブラックジャック!
(リ オ) アップカード:Q→「13」→「23」→バースト!
(オーリン) 「9」→「21」
(リ オ) アップカード:1→「ソフト16」→「14」
(オーリン) 「15」→「20」
(リ オ) アップカード:J→「12」→「14」→「17」→「18」
(オーリン) 1+J→ブラックジャック!
…………か、勝てない!!??……恐ろしいまでのオーリンの強さだ!リオは青ざめた。
「フフ……どうしたね。その程度の力かね、キミは……ククク。よし、今度はキミがディーラーだ」
「……は、はい!」
・・・・勝負は終わった。
・・・・10戦全敗……そ、そんなバカな!!!???……リオは目を疑った。(全敗……この私が……こ、こんなことって……)
リオは呆然とカードを、勝負の結果を見つめていた。目は虚で焦点が定まらない。
「フフフ…どうやら私の圧勝のようだな」
「………………」
「…ってことは、仕方ないな。あんたはオレに勝てなかったんだからな。例のことはあんたの上役に意見させてもらう。そして
遠慮なくあんたの貯金もいただくよ……ククク」
オーリンは押し殺したように笑いながら、テーブルの上のリオの財布を取り上げ、胸元のポケットにしまい込んだ。
リオは自分が負けるなんてことはこれっぽっちも想像していなかった……自信はあった。しかし、現実にゲームは終わった……
リオは混乱状態に陥った。
(こ、こんなはずじゃ……あ、あたし、どうしたらいいの……??)
「ま、まってください!!……お、お願いです!!……や、やっぱりあのことはどうか内密に……貯金は差し上げます……で、でもあのこと
を上司に報告することだけは……あたし…あたし、何もかも失ってしまいます……そ、そしたら私……くすん」
全身の力が抜け、膝から崩れ落ち、オーリンの前でひざまづくリオ。
「気持ちは分からんでもないが、勝負ごとだからなあ。あんたも勝負の世界に生きる人間だろう。いまさら無しにしてくれたァ、虫が
良すぎるんじゃないかね?」
「お、お願いしますっ!!お願いしますぅっ!!!!」
リオは土下座して、ただただひたすらにお願いする他なかった。財産を失うのは仕方ない。結婚や将来に備えてコツコツと貯めてきた
貯金はまた一からやりなおせばいい。しかし夢にまで見てやっと勝ち得たディーラーの座を剥奪されることだけは……必死だった。
「お願いされてもなぁ……タダでってわけにゃあいかないぜ。あんたがもう1回オレと賭けて勝負するなら受けてやってもいいが……」
「……で、でもあたし、もう無一文です……賭けるものなんてもう何も……」
「フ……まだあんたにはあるじゃないか、素晴らしい『宝物』が……」
「……た、宝物って何ですか?……あたしには何も……」
「たとえば、だ……女の武器ってヤツがあるだろう」
「……オ、女の……武…器……!?」
「そう。あんたは実にいいオンナだ。クラクラするね」
「…………!?」
「そのフェロモンムンムンの素晴らしい肉体をだよ。」
「……………」
「つまり、セックスってことさ、フフ…」
「……そ、そんな……」
「ん?嫌かね?私は別にいいんだよ。無理に勝負しなくてもね……」
「……そ、そんな…こ…と、で、でき…ません……だめです……で、でも……」
リオは蚊の鳴くような、消え入りそうな声で自分に言い聞かせるように呟いた。
「まあ、ゆっくり考えたまえ。夜は長い。オレはここでちびちびとワインをやっているから……フフフフ」
(ああ……セ、セックスを代償に、なんて……だめ……そんな……あたし…できない……)
リオはどうしていいか解らなかった。当然である。もしもまた、次も負けるようなことになったら……リオはもはや勝負に勝つ自信など完全に
崩れ去っていた。相手の、ブラックジャックのヒキの強さは半端ではない……。その時には、この肉体を、「女のすべて」を相手に差し出さな
くてはならないのだ。リオのこれまでの性体験といえば、ハイスクールの時代に、キャンパスでとも机を並べ、肩を寄せ合い、深く愛を育んだ
思い出の彼氏のひとりだけである。ゆきずりの男に簡単に股を開くような貞操観念の低い女の子ではない。それに今、リオにはかけがいのな
い、愛しいミントがいる……ミントを裏切ることになる……。
(男に唇に舌をねじ込まれ、身体じゅうを舐めまわされ、この乳房を弄ばれ、秘唇を男根に貫かれ……ああ……そんな、身体を賭けるなんて、
娼婦のような真似なんて……あたし、嫌っ!!できないっ!!)
考えただけでおぞましく、鳥肌が立ってくる……両手で頭を抱えて呻くリオ。しかし、かといって、リオに他に術があるわけではなかった。
嫌だからと勝負を避ければ、その時点で今まで積み上げて来た人生をすべて失ってしまう。勝負する選択をしようにも、いましがた賭けに負けて、
もはや貯金は全部はたいてしまった。この男を満足させることのできる、リオに残された賭けの対象物といえば、このみずみずしい若き身体くらい
しかないのだ……。
リオは悩み抜いた。何かよい案はないものか?ビジ→ST→RC→ビジをループするかのごとく、頭の中が堂々巡りになる。しかし、いくら考えを巡
らせても、選択肢はひとつしかないのが非情にも現実だった……。
(あたしは何を悩んでいるの!?……勝てばいい……そうよ、勝てばいいのよ。いや、どうしても勝たなくてはいけない!どうしても……そう……)
リオは努めてプラス思考で考えるようにした。「負ける」、つまり「肉体を許す」ことはせめて頭の中からは消し去りたかった。そうでもしないとリオは
この崖っぷちの状況に打ちのめされてしまいそうだった……。
30分ほど経ったであろうか……瞑想を続けていたリオは、何かを吹っ切るかのように目を開けた。そして天を仰いだ。
(ミント……ごめんね……許して……おねえちゃん、きっと勝ってみせるから……)
リオはか細い声を搾り出すようにして口を開いた。
「……あ、あの……わ、私、もう一回勝負します……。お、お願い…します……」
「ほう!? 勝負、するかね?……それは結構」
オーリンは感心したような口ぶりでリオの声に反応した。オーリンはゆっくりと腰を上げ、リオの元に近寄る。
「するってーと、決心は出来たのかな?あんたが勝てなかったときは……それを掛けるということで…いいんだね……?」
「………………」
リオは無言で口を真一文字にして、軽く頷いた。リオの口からは否定の言葉はなかった。
「いい度胸だ。おれはあんたを見上げたよ。その覚悟に敬意を表しよう。あんたが勝ったら、しゃべらないことはもちろん、先ほどの財布と貯金も返上し
よう。もちろん、勝てたら≠セがね、フフフ……」
オーリンは、「敵」ながらあっぱれ、と感じていた。
「……真剣勝負だ。いいな?」
「お願い……します!」
「どうだね?次は一発勝負にしよう。そのほうが真剣勝負に相応しい。あんたも10回も勝負したくはないだろう。もっとも1発でケリがつくはずだがね、
フフフフ。あんたがディーラーでいい。双方同数もしくはバーストの場合は再戦し決着が付くまで何度でも続ける……いかがかな?」
リオはオーリンの目をじっと見つめて無言で頷いた。
「あんたのGood Luckを祈ろう……いくぞ!」「はいっ!」
(オーリン) アップカード:J→「14」→「20」!
(リ オ) 「2」→「11」→「15」→バースト!
すべてが終わった……
…「バーストか、このヤロー!」……リオは猪木口調で心の中で叫んだ。
なんという強靭なヒキだろうか……オーリンの「20」には絶対に勝てない
「残念だったな……これが勝負だ」
「ああ……」
リオは顔面蒼白になった。しばしの間、金縛りにあったかのように、息も止めてカードを見つめていた。しかし、ふと我に返った次の瞬間、一筋の涙がリオ
の頬を伝った。現実を受け入れなくてはならない……。
オーリンはおもむろに腰を上げて、リオのもとに近づいた。
「……いいコだ。おれはあんたに惚れたよ……でも、、あんたにはここで約束を守ってもらわないといけない。……さあ、服を脱ぎなさい……全部」
(……ぁ……ああ……っ…ついに……)
リオは身をすくめ、小鹿のように震えていた……
(ああ……)
ついにその時が来た……
「…全裸になってもらおう。さ、ワンピースからだ……」
リオは二の腕で胸を隠すようにして、膝を閉じて、首をすくめて俯いていた。
(ゆ、許して……だ、だめ……)
「……さあ…脱ぐんだ……」
オーリンが全裸を促すが、リオは頑なに貝になっている。
「……怖いのか?…大丈夫だ、安心したまえ」
オーリンは震えて硬直しているリオの後ろにまわり、肩をポンと軽く叩くとジッパーに手をかけた。その瞬間、
「いっ!!…い、いや……!」。
……蚊の鳴くような声で、肩をすくめて拒絶反応を示した。オーリンは無言のうちにジッパーを摘んで腰の後ろあたりまでスッと下ろ
した。リオの背中がはだける。そして胸を隠している二の腕をぎゅっと掴んで下ろすと、はなはなと手の力が抜け、なめらかな曲線を
描く肩のラインからワンピースが、ハラリとリオの足元に輪となって滑り落ちた。
「ぁぁ………」
パンティ、そしてブラジャーだけが残され、リオの美しい肢体があらわになった。ピンク色のレースのランジェリーがリオの真っ白な
柔肌に映える。パンティは、きゅっとくびれた腰まわりからむちむちとした臀部、そして大切な部分にかけてぴったりと吸い付き、ブラ
ジャーは豊かなそのデカダン…いや、肉弾をやさしく包み込んでいる。
「……素晴らしい……美しい身体だ……実に (・∀・)イイ!……」
オーリンは、こんもりとしたリオの秘丘に鼻を近づけ、薄手のパンティ越しに匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。甘美なオンナの匂いが
満ちてくる。密林の奥はもう濡れているのか、パンティの秘丘の部分はほのかに湿気を帯びている。
「……いい香りだ。それにヘアが透けて見えるよ。おまえさん、案外毛深いんだな……ククク」
「あぁ……やだァ……!! ……見ないで……駄目ですぅ……!!」
両手の掌で必死にビーナスの丘を覆い隠そうとするリオ。上体が前傾しているうえ、左右の二の腕で乳房を両脇から真ん中へ寄せる
体勢のため、胸の谷間やふくらみ具合が、ますますくっきり誇らしげに強調される。
オーリンはリオの官能的な匂いを嗅ぎながらリオの顔を見上げた。下から見上げると、カップから零れ落ちそうに「m」字形に揺れている
二つの小高い丘の間に、わなわなと打ち震えるリオの顔が覗く……格別な眺めだ。
オーリンのは秘丘から、へそ、そしてブラジャーへと、クンクンと鼻を這わせた。薄手のブラジャー越しに、ほんのりと乳首が色めき立って
いるのが解る。
「はあ………んくっ……」
オーリンの鼻息が柔肌のそこかしこに吹きかかると、リオはくすぐったさに身をよじる。
くびれたウエストとまろやかなカーブを描く腰まわり、乳房同様に我を忘れてふるいつきたくなるほどムッチリとしたふともも、不安に揺れる
内股気味の膝頭までもが、男心を掻き立てる。
だが、なによりオーリンの獣性を刺激するのは、恥辱に潤むその姿なのだ。追い込むほどに悲愴美を増していくリオの姿に、オーリンは
陵辱の本能で嗅ぎつけていた。
「さあ、次はどっちだ?……上か、それとも下か……」
ピッチリ閉じた内ももを切なげにすり合わせ、リオは股間の翳りを隠そうとしている。オーリンは、その姿を無遠慮な目線で心ゆくまでねぶり
まわしたのち、命じた。悲しげに佇む下着姿を、さらに追い込もうとする。
「よし、次はブラだ。ブラジャーが先だ」
リオが「ひっ」と息を呑む。右手をサッと胸に当てる。
「……それとも下の方からがいいのか…」
リオはただただ身体を震わせ、自らの意思で脱ぐなどということはできなかった。
「私……や、やっぱり出来ませんっ!……も、もう、これで…許してください……あああ……」
弱々しく頭を横に振るリオ。しかし、オーリンから返ってきたのは無情の答えでしかなかった。
「駄目だ。そういう約束だ……仕方ない……」
か細い手で股間と乳房を隠しながら懇願する姿は、しかしリオの意思に反し、オーリンの目を楽しませるばかりか、嗜虐性を触発してやまない……
いきなりオーリンは近づいた。サッと後ずさりするリオ。だが、オーリンは長い手を伸ばし、ブラジャーに手をかける。
「やめてえええっ!!」
身を丸めて抗うリオから、オーリンはブラジャーを引きちぎろうとする。
「いい加減にしないと、その格好で廊下に放り出すぜ」
谷間に顔を埋めたい、乳首に触れたい衝動に突き上げられ、いつもは冷静なオーリンが珍しく少しだけ気色ばんだ。
「あぁ……いっ、イヤです………わ、わかりました………」
「……早く……(゚∀゚)」
「は、はい……ぬ、脱ぎますからぁ………ううう……」
手を引くと、リオはその場にしゃがみこんだ。寒さに震えるごとく、身を縮め、ついには嗚咽を漏らし始める。ヒクヒクとしゃくりあげる背中は憂いに満ち
ている一方、ピンクのパンティに包まれた双臀の肉付きはピチピチしていて、はちきれんばかりだ。肉付きが豊かな分、尻割れの溝も鮮やかに、深く
深く浮かび上がっている。むせび泣く足元の女体を見下ろしていると、股間の猛りは膨張の度合いを増すばかりだ。背後から抱きつき、強引に貫きた
い衝動に駆られる。しかしまだ解き放つべき時ではない。オーリンは両脇からリオを抱き起こした。
「くすん………ぅぅぅ……」
リオは溢れる涙を手の甲で払い、それから虚ろな表情で両手を背後へまわす。ブラのホックをはずすためである。<プチン>という音とともにホックが
はずれる。カップの中の乳肉がたぷんと揺らぐ。次いでストラップを右肩、左肩とはずす。重々しい乳房を下支えしていたカップがパラリと剥がれ落ちる。
ブラを持った手が静かに下ろされ、見事に実った美乳があらわになった。オーリンは目を見張った。豊かな量感と美麗なフォルム……見るからに揉み
応えのありそうな乳房だ………そのボリュームとは対照的に、小ぶりなピンクの乳輪の真ん中では、木の芽か野苺にも似た可憐で可愛らしい乳首が
ピュンと飛び出している。
「サイズは?」
胸の鼓動を抑えつつ、オーリンが問いかける。
「サ、サイズって?……」
「ブラジャーのカップだよ」
「そ、それは……」
言い淀むリオからブラジャーを奪い取り、サイズ表記のタグを探す。
「……へえ、Eカップね。ちょっとした巨乳じゃないか。だいぶ男に揉まれてきたんだろうな。フフッ」
リオは何も言い返す気力さえ失せていた。