大好きな人に囲まれて正常な生活に戻ってみると回りも笑顔で私も笑顔になる。  
平穏な生活に不満も無く、ガーデン横の薔薇の園で召使たちに淹れられた紅茶を唇に傾けて口内を潤すと  
鼻腔の置くまで紅茶の香りが広がる。  
「はぁ・・・・」  
その香りに包まれて幸福な気持で瞼を閉じた。  
 
 
「っん!!はぁっ…いやぁ!!!もういやぁああ!!」  
どんなに懇願しても繋がった体は開放されること無く、  
陽が昇り  
赤焼けが空を滲ませ  
夜の帳が落ち  
月が肌を染める時間も  
再度陽が部屋を染めようと  
「あっ!あっ!ぁぁあああ!!!!」  
開放はされず激しく求められた。  
 
 
突然のフラッシュバックに身を震わせるとカップが手の平から失った以前の自分のように零れ落ち  
綺麗に彩られたレンガにその破片を散らせた。そこからじわりとレンガを蒸らして広がる紅茶は酷く汚れて見えた。  
周りに居た者が驚く中がくがくと膝を震えさせ顔を真っ青にした私に駆け寄る足音を確かに聞きながら意識は遠のいた。  
 
 
「まずはそのドレスから」  
 
 
その声は何時も私にそう囁く。  
繋がれた手足を重くする鎖は何時ものことで、ドレスはじわじわと私を攻めるように少しずつ少しずつ切り裂かれる。  
首筋と鎖骨は容赦なく嘗め回され、ドレスはその幅を小さくしていく  
 
爪先から、髪の先までを支配するように裸体になった肌をざらざらとした手で淫剤を塗りこまれ  
何時もの事  
何時もの事  
嫌悪で泡立つ肌を無視して反応を始め熱を帯びる体を容赦なく攻めあげる。  
「あっああっいゃ…ふぅっああ!」  
声を上げたら始まるのは終わりを迎えるまでの繋がり  
その間の食事や入浴もほぼ体は繋がり喘がされる。  
「いい声だ。もっと聞かせてくれ」  
そうなった時は更に塗りこまれた淫剤で泣きながら懇願して腰を振る自分。  
「いや!!いやなのおお!っあああ!!ああ!!!!」  
意識が飛んでも、直ぐに体が熱くなって目を覚ますのは鼻を摘まれ唇を貪られるから  
「ぐっ…はぁ!!!?あんああん!っあああ!!」  
 
 
 
 
 
「ああああ!!!んっああああ!!」  
耳を劈くような悲鳴で目を覚ました。高鳴る動悸に耐えられず、胸に手を当てて吐息を吐く。  
やがては見慣れた自室であるのを思い出すと胸を撫で下ろし、ピーチは自分の悲鳴で目を覚ました事を理解した。  
 
忘れたい。忘れなくては。  
けれど窓枠の向こうの影がクッパに見えた。  
 
 
「迎えに来た」  
そのざらざらとした声の囁きにピーチは身震いする  
これは夢なのか、また彼が自分を奪いに来たのかと戦慄し、振り向くと体を重力が振り切るように掬われた。  
「ガハハハ!!逃れると思うな!!」  
あの顔で豪快に笑い、夢ではないと気付く頃にはもう遅かった。  
震える自分はそこで恐怖で意識を失った。  
 
またあの熱に魘される様に目覚めることを心の墨で喜んでいる事を知らず――――  
 
 
 

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