「う、ううぁん。ゆ、許してください。もう、もうできません」  
 俺の真正面で涙目になっているのは豊原エツ子。麻比奈家の別荘でお手伝い  
をしている、ショートカットの似合うグラマーボディの持ち主だ。  
 まとっていた服はすでに畳まれて脇に置かれ、ブラジャーもその上にある。  
一メートルはあるだろうという爆乳を晒し、たった一枚残っているショーツに  
両手をかけて、そのままストップしている。脱衣麻雀に引きこんで、俺が手堅  
く、連続して勝利した結果がこのあられもない姿。  
「おいおい。脱がないのはルール違反だぞ」  
 せせら笑いを混ぜて言えば、ビクッと豊満ボディが震えあがる。  
 最後の一枚を賭けさせて強引に勝負を続行したのは俺だが、それに乗った以  
上エツ子は約束したことになる。そして負けたのだから、脱ぐのがルールとい  
うもの。  
「で、でもこれは……無理です」  
 涙でうるむつぶらな瞳を向けられ、さてどうしたものかと考える。  
 男ならここで襲いかかってしかるべき。だがそれはそれでルール違反だ。  
「そうか。じゃあ」  
 俺はにやりと笑い、ズボンのチャックを下げてペニスを取り出した。メロン  
もかくやというふくらみにきゅっとくびれた腰、ローレグショーツに包まれた  
秘所にむっちりした太ももまで見せられて、七分くらいの勃起状態。  
「きゃあっ! な、なにを」  
 卑猥な行動にエツ子は顔を手で覆った。完全に隠すのではなく、指の隙間か  
らちらちらと勃起を見ている。ふふ、興味があるのなら、ちょうどいい。  
「脱がないというなら、マイナスを支払ってもらおうか。この黒棒を、そうだ  
な、五千点ぶん、五十回舐めろ」  
「ひっ。そ、そんなことできません」  
「じゃあ、脱げ。元々そういうルールだ」  
「ああぁ……」  
 手で覆ったまま、いやいやと顔を左右に振って嘆くエツ子。  
 どっちを選ぶか、にやつきながら俺は待つ。ふたつの選択肢のどちらかを自  
分で決められるのだから、動けるはずだ。  
 エツ子は顔から手を離すと、うつむいておずおずと俺に近寄り、身をかがめ  
た。  
「い、いや、いやなの。ああぁ……」  
 嗚咽を漏らしながら、両手で一物を挟んでくる。  
 
「舐めるんだな」  
 期待の声を飛ばせば、いじらしい上目遣いを返してくる。まぶたを薄く閉じ  
て、舌を伸ばしてきた。  
 ぬるっとした感触が先っぽにひろがる。  
「うあっ」  
 来るとわかっていて、心地よさに負けて呻いてしまった。勝負に勝って、女  
を従えるという興奮が、快感を倍増させている。  
 エツ子はぺろりぺろりと、最初は遠慮がちに、次第に滑らかに、舌を使うよ  
うになった。  
 亀頭だけだったのがくびれにも絡まり、くねらせてくる。さらに、竿の上か  
ら下まで唾液を塗りたくってきた。ツツーッと舌先でなぞられると、背筋まで  
ぞくぞくしてくる。  
 舐めまわすだけでなく、ぱっくりと頬張ってきた。全方位から生温かい粘膜  
にくるまれて、腰が痺れる。  
「そ、そうだ。うまいじゃないか」  
 歓喜の声を震わせると、しゃぶったままで媚びたっぷりに見上げてきた。ま  
るで、淫女へのスイッチが入ったかのよう。  
 そう思ってしばらく観察していると、わずかにあったためらいが完全に消え  
失せた。「あふ、はふん、ふちゅ」と淫らな息と舐め音をたてるたびに顔つき  
がどんどんとろけてくる。  
 唇でちゅぽちゅぽと吸いついてくる。咥えこむと頬をすぼませて粘膜をまと  
わりつかせてくる。  
 肉棒をストローにして、吸いこみをかけてきた。鈴口の先、輸精管の奥にあ  
るものを飲みたいというように吸引を繰りかえす。  
 息を呑んでこらえると、今度は横咥えにして唇を滑らせ、ちゅちゅっと吸い  
つく。指をリングにして根元に装着させ、しこしこしごく。根元だけでなく、  
鈴口を指先でほじってくる。めくるめく快感が爆発し、脳裏に火花が散った。  
 このテクニック、只者じゃない。すいぶんと仕込まれている。  
 こんなフェラチオができるのなら、きっと――  
「でかいオッパイだな」  
 ――そう言うだけで良かった。エツ子は「はふぅ」とペニスを口から出し、  
うっとりと、巨大な乳房を下から支え持って一物を挟みつけた。  
「おおおっ!」  
 唾液まみれのペニスが、つるんと滑った。あらためて、ぎゅっと挟まれ、反  
りかえった元気息子は窒息しそう。  
 パイズリ一回は何点ぶんになるんだろうか。なんてことを考えたのは最初だ  
け。すぐに、爆乳バイズリが生み出す快感に夢中になり、俺も自ら腰を振って  
摩擦感を高めていた。  
「うふ、ふ、あふっ……熱い、熱いです」  
 上体ごと躍動させ、たわわな果実をはずませて肉棒をしごきにしごいてくれ  
る。固く尖ったピンク色の乳首が煽情的で、さらなる昂揚に見舞われる。  
「そ、そうだ。そのまま、もっとしごいてくれ」  
 意識したときには腰奥だけでなくペニスの根元まで焦げていた。  
 射精感が沸騰している。このまま、してもらえれば、最後までいける。思い  
っきりぶっぱなせる。顔に、胸に、白濁液をしたたかにぶちまけて、俺の色に  
染めてやる……。  
 
「なにっ!?」  
 出る、と感じるはずが、射精欲が満たされるはずが、まったくの逆。快感が  
さあっと引いていった。  
 見下ろせば、ペニスが解放されている。  
 エツ子は身をかがめたまま一歩退き、艶然とほほえんでいた。  
 俺は声を荒げようとしたが、ねっとりとした声で先に言われた。  
「もう、マイナスぶんは十分にお支払いしたことになると思うのですが」  
「え? あ、ああ……」  
 レートを、一舐め黒棒一本ぶん、オッパイでのしごきもそれで換算すれば、  
確かに、とっくに帳消しになっている。  
 だが、ああ、こんなところでやめられてはたまらない。生殺しにされたも同  
然。  
 敗者だった女は俺の欲を見透かし、ちろっと口もとを舌で舐めまわした。そ  
れだけで勃起がピクンと跳ねる。  
「もっと、してほしいのですか?」  
「も、もちろんだ。してくれ」  
 切羽詰まった声が出る。  
 蠱惑的なほほえみと声が返ってくる。  
「なら、そのぶんの点棒をいただきます。よろしいですね」  
「いい。やる。いくらでもやる。だから、もっとしごいてくれ。だ、出したい  
んだ」  
「……射精となると、お高いですよ」  
 くすっと笑い、目つきが妖しさを増す。これがさっき涙目になっていた女だ  
ろうか……。  
 さっきのことなんてどうでもいい。肉欲が昂って、いてもたってもいられな  
い。  
 いくら取られようと拒否できない。望むところだ。早く、早く続きをしてく  
れ。  
 エツ子のパイズリの虜となった俺は何度もうなずき、ペニスをぷるんぷるん  
振って願う。  
 艶笑するエツ子が身を寄せて、くっきりと深い谷間に一物を導いた。たゆん  
たゆんの弾力と張りに満ちた巨乳に挟まれて骨抜きにされ、俺はよがり声しか  
出せなくなった。  
 
 
(終)  
 

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