「もう、まだ練習の途中だってば」  
「ちょっとだけだよ」  
 陸上部の部活中に出てくるよう、夏姫は男に命じられていた。無理な呼び出  
しにも応じてしまうほど、夏姫は彼にぞっこん惚れている。  
 校舎裏にある隠れスポットにいた男は夏姫が来るやいなや背後から抱きすく  
め、髪に顔をうずめた。  
「汗、かいてるな」  
「だから、練習を抜けてきて、まだこれからもあるっていうのに……やめてよ」  
「やめないよ。夏姫の汗の匂い、好きなんだ」  
 しなやかにくねる女体をさらに強く抱きしめながら男は黒髪をかき分け、う  
なじを露出させると鼻頭をこすりつけるだけでなく舌腹を重ねて舐めはじめた。  
「きゃあっ!」  
 スポーツ少女の甲高い悲鳴を聞くと、その声をもっと聞きたいとばかりに舌  
をなめくじのように這いずりまわす。しょっぱくも甘い味にうっとりしながら、  
さらなる欲求を抱き、満たそうとする。  
 抱きしめていた腕を上下に動かしてランニング用のシャツをたくしあげ、ス  
ポーツブラも強引にずりあげた。  
「なっ!? やめっ、やめてっ」  
 人の姿がないとはいえまさか屋外で脱がされるなんて思ってもいなかった夏  
姫は声を荒げ激しく身悶えするが、男はしっかりと抱きかかえていて逃さない。  
「ここもこんなに汗をかいて……」  
 くるっと少女の体をまわして、胸部と向かい合う。豊かで美しい肉の丸みを  
目の前にして、一瞬見惚れた。  
 ひろがってくる甘酸っぱい汗臭に、くん、と大きく息を吸うと、にゅっと顔  
を突き出して双丘の谷間へ舌を滑りこませた。  
「はあっ、あっ、そ、そこ……ああぁん」  
 男は谷間をれろれろと舐めまわし、ふくらみにも舌を触れていく。ピンと励  
起した突起には舌を絡ませるようにしてじっくり味わう。ダッシュを繰りかえ  
してかいた汗の代わりに男の唾液が、夏姫のきめ細かい肌を覆っていく。  
 
 胸の果実を思いのままにしゃぶりながら男は彼女の短パンに手をかけた。期  
待をこめ、ぐっと引き下げる。「ああっ」と夏姫がのけ反ったときにはローレ  
グショーツも膝頭まで下げられていた。  
 日の光に曝け出された陰阜へ指が伸びていく。しっとり湿った若草を指に巻  
きつかせてから、割れ目を淫猥に撫でまわした。  
「ふふ、ここはねばっこい汗をかいてるね」  
「ち、違う……や、やめ、ああっ、そんなにしたら、また濡れちゃう」  
 うなじを責められ、双乳をこってりと舐められて、秘部は自然に反応して蜜  
液をしとどに分泌していた。直にいじられ、ゆるんでしまった秘唇のあいだか  
ら汗よりも粘度の高い、甘く危険な香りを放つ液体がこぼれでてきた。  
 男の指は愛液をすくい取り、秘苑に塗りたくるだけでなく自分の口もとに運  
んで味わっている。  
「夏姫の汗は、おいしいな」  
「だから、汗じゃない、ないってば」  
「汗じゃないなら、これはなに?」  
 欲望丸出しの笑顔になって秘穴のなかへ指を沈みこませ、濃厚な蜜汁をすく  
って夏姫の目の前にかざした。  
「そ、それは……」  
「わからない? ほら」  
 言いよどむ夏姫の唇を蜜まみれの指でなぞる。ふっとゆるんだとたんに指を  
口中に差し入れ、しゃぶらせる。己れの漏らす恥液を無理矢理に味わわされて  
夏姫は眉を歪めたものの、男の指が蠢くうちにとろんとした目になって、ちゅ  
ぱちゅぱと音をたてて艶かしくしゃぶりだした。  
 
「ふふ、もっと汗をかこう。俺といっしょに」  
 淫穴をいじってはその指を彼女にしゃぶらせ、自分でも舐め味わった男は劣  
情の炎を燃やし、下半身を露わにする。正面から抱き合う位置になって夏姫の  
片脚を持ち上げた。鋭角にそそりたつ陰茎の先を秘割れにあてがい、腰を器用  
に上下させ挿入を開始する。  
「ああ、だめよ。学校で、こんなところで……」  
 いやいやと首を振って唱える言葉に力はなく、彼にされるままでいる。腕を  
彼の背にまわし、体重を預けてつながりを望む。  
 立位ながらもペニスが根元付近まで膣内に入った。すぐさま腰が震えだす。  
男だけでなく夏姫もテンポよく揺らしている。  
「陸上もいいけど、セックスもいいだろ」  
「あう、ああっ、あっ、ああぁ……」  
 夏姫の耳に息を吹きこみながらささやけば、淫らに顔を染めて悩ましげな声  
を返してくる。男も昂りで顔を赤らめると再び首筋に舌を這わせ、熱い情交で  
新たに分泌される汗の味を貪る。  
「い、あ、ああっ。来る、なかに来て、ああ、気持ち、いいッ」  
 立位セックスに溺れる夏姫はもはやどこにいるのかを忘れ、腰をくねくね揺  
すっては力をこめて秘穴を締めていた。秘肉が収縮すれば、肉勃起がいっそう  
逞しく感じられる。肉カリに壁面をこすられる快美も倍増し、膣口から蜜液を  
あふれさせるだけでなく上の口をだらしなく開いて涎を垂らしている。  
「お、俺もいい……。うっ、また締まった」  
 小刻みにしか腰が振れない立位でも、夏姫のヴァギナはイヤらしく蠢いて締  
まりもきつく、もたらされる快感は他の体位に決して劣らない。肉欲がさかり  
まくるのを抑えることはできず、さかればペニスに血液がどくどくと流れこみ、  
射精したいという欲もぐんぐんふくらんでいく。  
 ここまで来れば汗の味も愛液の味もなく、こみあげる射精感のままに男は猛  
然と動く。  
「う、あ、ああっ、このまま、イクぞ」  
「ああっ、イ、イク……でもイッたら、あ、ああっ、だ、だめえええぇ!」  
 遠くにまで響く絶叫を迸らせ、夏姫が先に昇った。一斉に締めつけてきた媚  
肉にコントロールを委ね、男も白濁液をしたたかに放出する。痙攣する肉棒が  
しぶくたびに、膣襞がうねって熱い息と淫靡な声を夏姫が吐き出した。  
 
 男は出し尽くすまで膣奥を突き上げつづけ、ペニスが萎えそうになったとこ  
ろで引き抜いた。夏姫のショーツと短パンをさっさと引き上げる。  
 ふさいでいたものがなくなって夏姫はとっさに膣口を締め、濁液が漏れない  
ようにした。しかし、たっぷりと注ぎこまれた液はちょっと気を抜けばあふれ  
て下着を汚してしまうだろう。ウェアにも染みてしまうかもしれない。  
 落ち着かずに短パンをいじっている夏姫へ、男はにやつく顔を向ける。  
「ほら、練習に戻らないと」  
「こ、このまま戻るなんて、無理よ」  
 夏姫は動揺した顔を見せかえす。処理をしようにも身一つで来て、タオルも  
ハンカチも持っていない。  
「大丈夫だよ。走っているうちにもし垂れてきたとしても、汗と混じるから誰  
にも気づかれないって」  
 男はなんとも無責任に言って、ぽんと腰を押して夏姫を追い立てる。淫らな  
液と汗にまみれたセックスの余韻が残っているのか夏姫は腰のくねりに妖しさ  
を残しながら早足でグラウンドへと戻っていった。  
 
 
(終)  
 

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