麻比奈家の別荘で迎えた朝、顔を洗ってきた僕はダイニングルームへ入った。
すでに僕以外の面子がみんな揃っている。
「あ、お、おはよう。お兄ちゃん」
百合奈ちゃんが小さな声であいさつしてくれる。うつむき加減の顔が赤く染ま
っている。
「うん、おはよう、百合奈ちゃん。夏姫ちゃんも」
「フン!」
姉からは、思いっきり鼻息を返された。ぷいっと横を向き、目を合わせてくれ
ない。
「まったく、ひどいことするわね」
芹香さんが呆れているのは夏姫ちゃんの振る舞いにでなく、僕に対して。それ
はそうだろう。百合奈ちゃんも夏姫ちゃんも芹香さんもトップレス。身にまとう
のはショーツだけというあられもない格好で席についているのだから。それは僕
の仕業なのだから。
昨日、別荘について落ち着く間もろくにないまま脱衣麻雀がはじまった。僕は
勝ちつづけ、少女の綺麗なヌードも大人の女性の色気たっぷりなヌードも見せて
もらうことができた。
夕食後にまた、麻雀をはじめる。そのときに僕はちょっと条件を変えてもらっ
た。もし僕が勝てば、翌朝の食卓で脱衣姿を見せてもらうという条件に。
麻比奈家のしきたりとかで、この別荘では脱衣麻雀があらゆることに優先する。
勝負を面白くする条件が説得力を持つ。
みんながその条件を呑んで(夏姫ちゃんはずいぶんしぶっていたけど、最後に
は受けた)、勝負スタート。出した僕が負けたら意味がないと大いに張り切って、
完膚なきまでに全員を撃破した。だからこそ今、肌を露わにしているわけだ。
「……恥ずかしすぎます」
「いいじゃない。ちゃんと隠れてるんだから」
羞恥たっぷりに抗議するエツ子さんを夏姫ちゃんがジロリと見て、言い放った。
エツ子さんは真っ赤な両頬に手を当てる。
百合奈ちゃん、夏姫ちゃん、芹香さんの三人はショーツ一枚。でもエツ子さん
は違う。エツ子さんはエプロン一枚、いわゆる「裸エプロン」だ。お手伝いさん
にエプロンは欠かせないからと、彼女だけ違う条件で勝負した。
「か、隠れてるって、そんな……」
耳たぶまで赤くして、もじつく。二十歳とは思えないほどに可憐だ。
夏姫ちゃんの言葉通り、股間も胸もともちゃんと隠れている。でも後ろを向け
ば背中もヒップも丸見え。なにも着てないのも同然。
それに、胸もとは隠されているとはいえ、デカいオッパイはエプロンを見事に
押しあげ、深い谷間がくっきりと覗けている。エツ子さんが抗議するのも当たり
前。
「まあまあ。それよりも食事しようよ」
はしゃぎ声が出る。にやにやがとまらない。百合奈ちゃんの可愛いオッパイに、
夏姫ちゃんの瑞々しいオッパイ、芹香さんの熟れたオッパイというごちそうが並
んでいるのだ。エツ子さんの爆乳はエプロンに覆われているが、迫力ある盛りあ
がりだけでおいしそう。よだれがいくらでも湧いてくる。
百合奈ちゃんは羞じらい、夏姫ちゃんが僕を見る目は冷ややか。芹香さんは大
人の余裕でほほえんでいる。
「で、では……」
エツ子さんが給仕をはじめる。煽情的な背面をじっくり眺め、近づいたときに
は遠慮なく胸もとを覗きこむ。さくらんぼのような乳首が見えて、股間に血液が
凝集してきた。
なんとも嬉しい朝食時間を過ごしながら、今日はどんな条件で麻雀しようかと
僕は画策していた。他の人をエプロン一枚にするのもいいし、トップレスでなく
ボトムレスもいい。いくらでもアイデアが浮かび、股間がますます固くなった。
(終)