「ほら、俺の勝ちだ。脱いで」
「……はい」
同好会部室にいるのは俺と綾だけ。ふたりで麻雀を、もちろん脱衣ルールで
楽しんでいる。
今日は勝負をはじめる前に、脱ぐ順番を指定していた。ブラウスより先にブ
ラジャーを、ブラウスより先にスカートを、ブラウスより先にショーツを、と。
そんな要求を呑んでくれる綾は、とっても素直。そんな要求を出すくらい、
俺は彼女との距離を縮めている。
上を着たまま下着を脱ぐのは無理だから綾はノーブラで勝負に臨み、俺が勝
って、ブラウスのボタンをはずさせた。みづきや晶と比べれば量感にこそ劣る
が美しさでは三人で一番のバストがブラウスを押し開き、谷間が覗けるのが実
にセクシー。
さらに勝って、スカートがなくなれば、下半身は薄い守りしかなくなる。細
くてしなやかな太ももがまぶしい。
そして今、ショーツを脱ぐ番。
「……ああっ、恥ずかしい」
今までなんども裸まで見せているというのに綾は純情可憐に羞じらう。下手
な女の素っ裸よりもよっぽど魅力的で、そそられる。
前にかがみ、ショーツに手をかけ、ゆっくりと下ろしはじめた。俺はごくり
と生唾を呑む。
秘部が見える寸前で手がストップ。恥ずかしさで動けなくなっている。
「ほらほら、脱がないと」
「……ああん」
このままじゃなんら進まない。焦らされるだけだ。きつめの声でうながして、
ショーツを持つ手がようやく動く。
すっと薄布が落ちて、草むらが露わになった。おとなしい綾とは裏腹の、立
派な生えっぷり。
恥毛の下にヴァギナがある。 二枚の肉襞が寄り添うのがイヤらしい。
「だめ、です」
ショーツを足から抜いた綾はそそくさと、じっと見つめる俺の視線を両手で
さえぎった。
真っ赤にほてり、熱い息をはずませる彼女をもっと見たい。
「綾、後ろを向いて」
「え!?……ああッ」
残り一枚の綾は恥じ入り、喘いで、くるっと半回転。
雪のように真っ白な双丘に俺は息を呑んだ。ぷりぷりした、可愛らしいヒッ
プが丸見え。狭間に陰唇もばっちり。
「だ、だめ……」
俺の視線を受けても、もじつくだけで尻を隠すことはなかった。後ろ向きの
ほうがまだ恥ずかしくないようだ。
ブラウス一枚でお尻丸出し。性器も晒している姿は誘っているに他ならない。
並みの男なら襲いかかって、犯してしまうだろう。
でも俺は違う。ここは同好会部室で、俺と綾は部員。脱衣麻雀は衣を失って
いく女の姿を目で見て楽しむものであり、手を出すのは部活動の範囲を越えて
いる。
「……あの、勝負は」
「そうだな。そろそろやるか」
勝ちひとつにしては長く楽しんでしまった。綾に言われて、雀卓へ戻る。
綾の体にはブラウスが残っている。これを剥ぎ取ればオールヌードが拝める。
素晴らしい最終形態とはいえ、ブラウス一枚の艶姿も魅力的だ。脱がせずこ
のままずっと見ていたい気持ちがある。
次に勝ったら、ボタンひとつはずすだけでいい。衣を剥がない代わりに俺好
みのポーズを要求しよう。綾が羞恥に赤く染まり、色香を匂いたたせる淫猥ポ
ーズを取ってくれて……。
牌を握る手が汗ばむ。拝むのは勝った上での話と自分を戒め、勝負に集中し
ていった。
(終)