「よし、はじめようか」
「……はい」
俺の目の前でエツ子は、ビキニの水着に着替えている。巨大な胸の丸みを隠
す布は右が紅、左が白と、色違い。お洒落というより、おめでたい。
部屋で水着を着させたのは、泳ぎなんかが目的じゃないから。脱衣麻雀で俺
が勝ち、最後の一枚を勘弁してやる代わりに新たなゲームをもちかけたから。
「用意……」
エツ子が下から両胸を支え持つ。恥ずかしさにうなだれて、耳たぶまで赤く
染めている。
「スタート! それ赤上げて、白上げて、赤下げて」
俺の掛け声に合わせて、エツ子がデカパイの上げ下げをはじめる。魅惑の九
十九センチバストが迫力ある動きを見せる。
普通は旗を使って遊ぶゲームだが、せっかくエツ子が上下に動かせる立派な
ものを持っているのだから、それを使わない手はない。存分に目を楽しませて
もらう。
最初はゆっくり。少しずつテンポを速めていく。ぷるんぷるんと、エツ子自
身がはずませるのが実にいい眺めだ。股間に響いてくる。
「あ、あう、あううぅん」
「ほらほら、ちゃんとできないと、罰ゲームだぞ。そら赤下げて、白下げない」
エツ子の困り顔がまたそそる。命じるテンポをさらに速める。
今の時点で罰ゲームみたいなものだが、上げ下げだけで済むと思っているよ
うなら甘い。
「駄目だなあ。全然ついていけてないぞ」
ゆさゆさとイヤらしく揺らしているもののこちらの声に全然合ってないので、
いったんストップ。
「だ、だって、激しすぎます」
エツ子が半泣きの顔を見せる。まあ確かに、クーパー靭帯ってやつが切れて
もおかしくないくらいに指示したから、下手についてきたらせっかくの爆乳が
だらしない垂れ乳になりかねなかった。
「じゃ、楽なやつにしよう」俺はほくそ笑む。
「赤揉んで、白揉んで」
「え?」
「上げ下げしなくていい。揉め。気持ちよくなれ」
にやりと欲たっぷりに笑えば、エツ子は羞恥に真っ赤になって、それでも素
直にビキニごとふくらみを包みこんでやんわりと揉んでいく。
「ん、あ、あっ、ああっ」
「そうだ。うまいじゃないか。そら白揉んで、白揉んで、赤白同時に揉みしだ
く」
感じる声に煽られてこちらが声を大きくすれば、エツ子の揉む手に力がこも
る。吐き出す吐息が色っぽく、悩ましくひろがる。
直に俺がバストを握るのは拒絶されるだろうが、自分で握らせ、責めさせる
のならこんな簡単に実現できる。揉む触感は得られないものの、エツ子をバス
トで感じさせるという目的は叶っている。
「赤の乳首も、白の乳首も、いじれ」
「あ、あ、ああっ」
揉むよりも感じる愛撫を命じる。エツ子はテンポよく、ビキニをくっきりと
押し上げるまでに勃起した乳首をせっせといじりだす。
「よしよし、赤いじれ、白いじれ、赤いじらずに、白いじらない」
「ああん、ああん、そんなあ」
これからというところに「いじらない」と命じ、恨みっぽく見かえされる。
エツ子もすっかりのめりこんでいる。
「ふふっ、じゃあ赤揉んで、白揉んで、赤揉みながら、乳首いじる」
もはや俺が好きなように責めているというより、エツ子がどうされたいかを
見て取って命じている。エツ子のオナニーを巧みにコントロールしている。
「そろそろラストだ。わかってるな」
「はい、はいっ、あ、あ、アアアァ」
顔はすっかり上気し、胸だけじゃ足りないのか太ももを切なげによじってい
る。股間を刺激されないのがちょうどいい焦らしになってエツ子の官能を狂わ
せている。
「揉めよ、揉めよ、胸揉んで、乳首いじって、イッちゃえイッちゃえ!」
「アッアッ、アアッ、アアアーン!」
野卑な掛け声に合わせ、昇り詰めていく。顔を振りあげてなお強く揉みたて、
乳首を刺激し、ぶるるっと全身を痙攣させている。
「へへへ、いい眺めだ」
俺の視線は白のビキニボトムに突き刺さっている。色がくすむくらいにびっ
しょりと濡れ、恥唇のピンク色が透けかけている。
「どうだ、楽しかっただろう」
「……」
エクスタシーから覚めてきたエツ子にからかい混じりの声を飛ばす。エツ子
は無言でもじつくだけ。
「またやろうぜ。麻雀をな」
次だって俺が勝つ。勝って、もっとエッチな遊びをエツ子と楽しむ。
強い視線を送ると、エツ子は目元を嫣然と染めて、うなずきを返した。俺と
気持ちよくなりたいという欲があからさまに浮かんでいた。
(終)