だいちとあおいの二人が無人島に流れ着いてから、一月ほど経ったある日のこと。
だいちが目を覚ましてみると、あおいが茫然自失の体で座り込んでいた。
一体、何があったのだろう?
心配になってだいちが尋ねてみると、あおいは泣きそうな顔でぽつりとこう言った。
「ヤギが……死んじゃったの……」
あおいの話によると、彼女が餌をやりに行った時には、すでにヤギは冷たくなっていたらしい。
これは、困ったことになった。
表向きにはかろうじて平静を保ちながら、だいちは心の中で頭を抱えた。
もともとそのヤギは、半月ほど前にだいちが草原で捕まえてきたものだった。
あおいには「ミルクがとれるかもしれないから」と説明して飼うことを了承させたのだが、
だいちがヤギを生け捕りにしてきた本当の理由は別にあった。
だいちとあおいは一つ違いだが、二人とも中学生である。
中学生といえば、性的な事柄への興味がもっとも強くなる時期といっても過言ではない。
そんな年頃のだいちが、あおいのような少女と一つ屋根の下で暮らしていて、「そういうこと」をしたくならないはずがなかった。
だが、だいちはそれまでずっと我慢してきた。
だいちが見る限りでは、あおいは「そういうこと」を望んでいるようには見えないこと。
食料などを調達してくる能力がある、つまり比較的強い立場にある自分が、
いわゆる「パワハラ」同然にあおいに迫ることに対する罪悪感。
そして、実際にそれを求めて拒絶された場合の、それ以降の気まずさ。
そんな理由から、だいちは二週間以上もの間、ずっと我慢を続けてきたのだ。
どうしても我慢できない時は、水くみや薪拾いに行くと偽って外へ出て、
あおいの艶姿を想像しながら自分を慰めた。
もちろん、その場しのぎにはなっても、その程度で欲望を満たせるはずがない。
結局、だいちは満たされぬままの性欲をもてあまし続け――。
罠にかかっていたメスのヤギを見つけた時に、それを暴発させてしまったのである。
メスのヤギのアレは、人間の女性のアレによく似ている、と言う。
それが本当かどうかは、まだ「人間の女性のアレ」を知らないだいちにはわからない。
それでも、今までのように自分の手で慰めるよりはるかに「いい」ことだけは、彼にもすぐにわかった。
それ以来、彼はあおいが寝静まるのを待って、毎晩のようにヤギとの行為に及んだ。
最初は人ならぬ獣と行為に及ぶことに対する後ろめたさのようなものも少なからずあったが、
それも圧倒的な快感の前に次第に薄れつつあった。
けれども、そのヤギは死んでしまった。
ヤギであれ、人間であれ、死体とヤるような趣味はないし、
かといって、あの感触を知った今、自分の手で慰めるだけで満足することなどできようはずもない。
ならば、もはや方法は一つしかない。
「気にすることないよ」
だいちはあおいに気づかれぬようにロープを取り出すと、
座り込んだままの彼女の横にしゃがんで、優しく背中を撫でた。
その手に感じた温もりが、だいちに最後の一線を越えさせる。
「今日からは、あおいちゃんにヤギの代わりをしてもらうからさ」
そう言うなり、だいちはあおいの背中を突き飛ばした。
前のめりに倒れたあおいの脚の上に乗り、両足を足首の辺りで縛る。
こうなれば、あとは思いのままだ。
だいちは必死で抵抗するあおいの背中に乗って、今度は両腕を頭上で縛ると、
身動きの取れなくなった彼女を抱き上げ、ベッドまで運んでいった。
「い、いきなり何をするの!?」
だいちのいきなりの豹変に驚きながら、涙目で抗議するあおい。
以前のだいちなら、彼女にこんな表情を見せられたら、自分に非がなくても謝ってしまっただろうが、今のだいちにとっては、この涙も嗜虐心をかき立てる役にしか立たない。
「決まってるじゃないか。ヤギの代わりをしてもらうんだよ」
そう言いながら、だいちは一旦あおいの足を縛っているロープをほどき、脚を開かせてベッドの柱に縛り直す。
「ヤギの代わりって……私、ミルクなんか出ないよ?」
相当混乱しているらしく、あらぬ事を口走るあおい。
そんな彼女の両手をベッドのヘッドボード部分に縛って固定すると、もはや彼女に抗う術はなくなった。
「当分ミルクはいいよ。もう一つの役割さえ果たしてくれれば、ね」
おそらく、その言葉の真意はあおいにはわからないだろう。
そのことに奇妙な優越感を覚えつつ、だいちは一気にあおいのスカートをたくし上げた。
健康的な太ももと、あまり飾り気のない下着が露わになる。
あおいはいやいやをするように首を横に振り、懸命に身体をよじったが、そんなことが役に立つはずもない。
無駄な抵抗を続けるあおいを嘲笑うように、だいちはその下着の中心部に指を押し当て、あることを確認してにやりと笑った。
「濡れてるよ? ひょっとして期待してる?」
そう。
彼女の秘所は、すでにしっとりと湿り気を帯びていたのである。
「そんなわけ……ないじゃない……っ」
あおいは顔を真っ赤にして否定したが、だいちが少し指を動かしてみると、あっという間に下着に染みができはじめた。
「じゃあ、ただ単にたまってただけ?」
あおいの羞恥の表情を楽しみつつ、下着を横にずらして、直に手を触れる。
「いや、いや、いやぁ……っ!」
なおも拒絶の言葉を口にし続けるあおいだったが、あふれ出してくる蜜が、すでに準備が整っていることをだいちに伝える。
「恥ずかしがらなくてもいいよ。たまってるのは僕も同じなんだから」
これだけ濡れていれば、もう入れても大丈夫だろう。
そう判断して、だいちは素早くズボンと下着を降ろし、自らの欲望の化身を露出させた。
それを目にしたあおいの顔に、恐怖の色が浮かび――その中に、微かな期待のようなものが感じられたのは、はたしてだいちの気のせいだったのだろうか?
いや、気のせいであろうとなかろうと、そんなことは問題ではない。
彼女がそれを望んでいようと、いまいと、もはややるべきことは一つだけなのだから。
「それじゃ、入れるよ?」
形の上では、あくまで尋ねるようにそう言いながら。
あおいの返事を待つことなく、だいちは彼女の処女地へと分け入りはじめた。
メスのヤギのアレは、人間の女性のアレによく似ている、と言う。
それは嘘だ、とだいちは思った。
人間の女性の中――つまり、あおいの中は、ヤギの中よりもはるかにしまりが良く、何倍も気持ちよかった。
「痛っ……痛い……よ! ね……抜い、て……っ!!」
涙を流しながら痛みに耐えるあおい。
その姿に、さすがにだいちも罪悪感を感じずにはいられなかったが、
すぐに圧倒的な快感がそれを押し流し、再び蘇りかけた理性を麻痺させていった。
あおいがヤギを死なせた。
だから、彼女にヤギの代わりをしてもらっている。
ならば、今犯しているのは、実際にはあおいであっても、ヤギだと思っていいのだ。
例えあおいが初めてであろうと、そんなことは気にせず、いつも通りに動いていいのだ。
だいちはあおいの腰を両手でしっかりと押さえつけ、何度も何度も激しく突き上げた。
「嫌……嫌ぁ……っ!」
泣き叫ぶあおいの表情も、声も、もはや興奮を加速させるものでしかない。
今まで感じたことのない快感と興奮に、だいちはあっという間に上りつめる。
「……っ!!」
最後の瞬間、だいちはひときわ深くあおいの中に突き立てると、その一番奥でたっぷりと精を放った。
それから、どれくらい経っただろう。
ヤギとの行為の時は、一日にだいたい二回、せいぜい三回だった。
けれども、あおいとの行為はそれよりもはるかに気持ちよく、だいちはすでに五回を終えていたが、いっこうにやめようとは思えなかった。
「や……あ……こ、こわれ……ちゃ……あ……」
最初のうちは激しく泣き叫んだりしていたあおいも、いつしかぐったりとなり、抵抗らしい抵抗を見せなくなってきている。
最近ではヤギでさえ時々甘ったるい声を出すようになっていたのに、同じ人間であるはずのあおいがいっこうに感じてくれないことがやや不満ではあったが、まあ、最初から何もかもを求めても仕方がない。
なにしろ、ここにはだいちとあおいの二人しかいない。
時間は、いくらでもあるのだ。
少なくとも、だいちが知っているいろいろな「知識」を、全て試してみるくらいの時間は。
次は、うつぶせに縛り付けて犯してから、後ろの穴も犯してやろう。
大人しくなってきたら、今度は口を犯してやろう。
胸は……さすがに今のサイズでは厳しいが、何度も中で出していれば、いずれ大きくなってくるだろう。
そうすれば、胸も犯せるし、ヤギのようにミルクを絞ることもできる。
子供は? そんなことは知らない。少なくとも、だいちの「知識」にはない。
あとは……野菜などを突っ込む、というプレイもあると聞いたことがある。
やはりここはニンジンだろうか?
ジャガイモは……入れても出すのが大変そうだ。
細長いゴボウで奥の奥をつついてやるのも面白いかもしれない。
マンゴーは……いや、これではオヤジギャグだ。
ではパイナップルは……これはさすがに無理だろうが、試すフリをして反応を見るのも一興かもしれない。
それに、今さらではあるが、SMというのもできそうだ。
ロープはたっぷりあるし、鞭なら木の蔓で代用できる。
目隠しなら、適当な毛皮か木の皮でも、ロープで縛り付けてやればすむことだ。
さて、明日から、どうやって犯してやろうか……?
そんなことをあれこれ考えながら、だいちは六度目の絶頂に達した。