俺は愛用の槍を手にすると  
当番である食料調達へと皆の家の梯子へ足をかけた。  
 
思い起こせば何故こんなことになったのだろうか、  
軽い目眩にやつらの顔が浮ぶ  
 
梯子を折りきるとシンゴが目を輝かせて俺を見ている。  
早速なのか、俺の長い1日が始まる。  
 
 
 
「カオルゥ!PS2作ったんだ!!一緒にやらない?」  
シンゴは嬉しそうに俺に言うが、  
俺の手はいっそう槍を強く握り締めた。  
 
「「いや、俺は食・・」いいからいいからっ♪」  
よくは無いのだが  
シンゴは俺の背を押して皆の家の裏側へ案内した。  
 
 
そこで俺は目を疑った。  
果物を口に積めこまれた無残な姿のチャコが  
何故か裸のベルの乳首にコードで接続されている。  
 
「ヤヴァイだろ、サヴァイヴだろ」  
虚ろな目でそれを繰り返すベル。  
 
「どう?僕のPS2、会心のできでしょ?」  
俺はつい槍でシンゴを殴打してしまった。  
 
吹き飛んだシンゴは皆の家の幹にぶち当たりずるずると地面に落ちた。  
 
湖がやけに美しい。  
目の前の現実から逃避する材料には十分過ぎるくらいだ。  
 
時間はたつがシンゴは目を覚まさない。  
ベルは相変らずだ。  
 
俺は必死で湖を見るように努力していたのだが  
表に誰もいない事に異変と気づきルナがやってきてしまった。  
 
正直こなくてもいい。俺は思う。  
 
「どうしたのカオル?」  
ルナは真剣な表情で俺の目を見る。  
「湖が綺麗なんだ!!!!」  
つい俺は胸に溜まった思いをルナにぶつけてしまった。  
正直に言ったのだから問題は無いのだろう。  
 
重たい沈黙の後ルナは顔を真っ赤に染めた。  
「惑星べジータはここよりもっと遠いよ?」  
 
惑星べジータ?  
時折ルナは皆には聞こえない声が聞こえるらしい。  
目が虚ろっぽいから今もそうなのだろうか、  
 
魔法界でも人に聞こえない声が聞こえるのはヤヴァイヴらしいから  
ルナは相当なのだろう。  
 
そうこうしているうちに  
「う・・・ん・・・・」  
シンゴが目を覚ましそうだ、、、。  
 
疲れるのでここでトドメを刺しておこうか。  
空に向って喋り続けるルナを置いて  
俺はシンゴを思いきり槍で打ちつけた。  
 
シンゴは地面にバウンドして皆の家の枝に引っかかった。  
俺も鬼ではない、夜には目を覚ますだろう。  
 
次ぎにルナを何とかしなければ、  
「カオルも山田さんの話し聞きましょうよvv」  
誰?  
 
「カオル!!俺がカオルの家族になってやる?」  
俺は乳首に繋がっていたコードを全力で引きぬいた。  
 
俺の腕に赤いものが付着した、  
や・・・やりすぎたか?  
よくみると血は上から落ちてきていた。  
 
「カオル、よかったね♪」  
ルナが満面の笑みで俺に微笑む  
何がいいのか見当もつかない、胃が痛む。  
 
ベルはと言えば  
予想とは反対に正気を取り戻したみたいだ。  
「お・・俺は一t・・・ハワァードォォォォ!」  
正気かどうか疑わしい  
 
ベルはそう言って凄い勢いで前転で森の方へ見えなくなった。  
せめて服着ろよ  
 
ハワードの悲鳴が聞こえるが気のせいだろう。  
 
そろそろ日が沈む  
俺は心底疲れていた。  
 
俺は動かなくなったチャコの口から果物を取り出した。  
とりあえずこれで今日は食いつなげるだろう。  
 
表を見ると  
食料調達からメノリとシャアラが食べ物を抱えて帰って来た。  
ベルも一緒だ、奴はぐったりとしたハワードを小脇に抱えている。  
 
「これだけか?カオルにしては珍しいな」  
俺は果物をメノリに渡した。  
 
「そうだね!!!カオルにしては珍しいよ」  
枝にぶら下がったままシンゴが割れた眼鏡の下でにこやかに笑う。  
 
お前の処理は食事の後だ  
 
シャアラが笑顔で俺に話しかけてきた。  
「ねぇねぇカオル、この果物にカオルって名前つけてあげたの」  
殺してやろうか?  
 
ベルはまだハワードを抱きかかえている。  
この暴力を振るう変質者め・・・。  
 
皆が席につくとルナが何時も通り食事の号令を出す。  
「みんなっ今日も何時もどうりが・・違う・私・・一千万個!!!」  
何が聞こえているんだーーー!?  
 
暴れ出したルナを取り押さえると変わりにメノリが号令を出した。  
 
皆配られた果物に手をつける。  
「あのぅ、僕にはまだくばられてないのですけど・・・。」  
上でシンゴが何か言っている。  
 
シャアラはシャアラで果物カオルを食べたくないとか、殺せないとか  
涙を浮かべて我侭をいっている。  
 
「俺がやるよ・・・。」  
ベルが棍棒でメノリを殴りだした。  
 
もう嫌だ  
耐えられない、コイツらとはやって行けない。  
 
 
けれど僕達のこの星でのヤヴァイヴァル生活は続いていく  
 

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