「全く、手こずらせやがって」
ジルバが吐き捨てるように言うと、ブリンドーが皮肉を見せて笑った。
「まあ、そう言うな。こうなれば可愛いもんだ」
ブリンドーの視線の先には、両手首と両足首を縄で固定されたルナ、シャアラ、メノリが転がされている。
ルナ、シャアラ、メノリはそれぞれ悔しそうな表情を見せて為すすべなくしている。
「ふふ、そうだね。でも、こいつら、どうするんだい?」
被虐的な笑みを見せるジルバに対して、ブリンドーは肩を竦める。
「お前の好きにしろ。俺は精々、こいつらを餌に残った奴らを片付けるさ」
「へえ、さすがだね。じゃあ、あたしは命令どおり、好きにさせてもらおうかね。こいつらには恨みもあるし、さ」
妖しく光る目を向けられた三人が心の中に恐怖を抱く中、ブリンドーはそんなジルバを見て逞しい笑みを見せる。
「程々にしろよ」
「さあね、それは、こいつら次第さ」
歩み寄ってきたブリンドーの意図に気付いたジルバが悪戯に笑って唇を突き出すと、ブリンドーはその唇に己の唇を寄せて、短い口付けを交わした。
「俺が戻った時、残った奴らはくたばってるか、惨めに跪いているか。どちらにしろ、その後はお前と一緒に過ごそう」
「ふふ、楽しみにしてるよ。あたしはそれまで、こいつらで遊んでるよ」
ジルバとブリンドーはお互いに笑い合って、そして震える三人に目をやった。
ルア、シャアラ、メノリは、これから始まることを予測して、それぞれ顔を蒼くした。
一方ブリンドーは、昨晩のうちから偵察に出ていたボブと合流した。小脇に早速一匹捕まえている。
「離せよぉ!僕になんかしてみろっ!パパが許さないんだからなぁっ!」
金髪碧眼の随分毛並のよさそうな餓鬼だ。大方いいとこのボンボンあたりだろう。
ブリンドーはめずらしく悪戯心が湧き、ぎゃあぎゃあわめく煩い口を黙らせるためハワードのために当て身を喰らわせた。
「・・何すっ・・ふっ・・!ごほっ!」
「他の仲間がどこにいるか白状しなきゃ、この世でもっとも屈辱的な思いをするぜ?」
痛みに痙攣を起こすハワードを小馬鹿にしたようにスラックスをひきずり降ろし、恐怖で縮んだハワードの粗末な性器を見て、ブリンドーは鼻で笑った。
「ハハハ!皮まで被ってんのか!おまえ童貞だろう?好きな女の前でみっともなく泣いてみるか?ああ?!」
一方、ジルバの目の前では、拘束を解かれたルナが未だ転がるメノリの側に立っていた。
「よ、よせ、ルナっ」
メノリは体をよじらせて抵抗するが、ルナは意に介すことなくしゃがみこみ、メノリと視線の高さを合わせる。
「・・ごめんなさい、メノリ・・でも、皆で生きて帰ることが大切なの。だから、私は・・・・」
「ルナっ、やめてっ」
傍観者となっているシャアラが声を上げたが、それを聞き入れることなく、ルナの口はメノリの口を塞いだ。
「・・ぅぐっ・・・・!」
無理やりに唇を塞がれたメノリが顔を顰める。
シャアラはその光景に目を逸らしたが、背後のジルバに髪を掴まれ、強引に視線を戻された。
「おいおい、せっかくあんたのお仲間が、あんたを助けるためにしてるんだ。目を逸らすのはルール違反じゃないかい?」
ジルバのなぶるような声を聞き、シャアラの目の端に涙が浮かぶ。
「・・お願い、やめさせて・・あんなこと・・・・」
「嫌ならやめればいいさ。あたしは提案しただけで、強要はしてない。そうだろ?」
メノリから唇を離したルナが、悲壮な、しかし諦めていない表情を見せる。メノリは唇を噛み締め、悔しさに顔を赤くしている。
「・・・・ごめんなさい、メノリ・・・・・・」
ルナは再びメノリと唇を合わせ、ジルバに見えるよう舌を突き出し、それをメノリの唇の中に押し込んだ。
ルナの視界の端には首に鞭を巻きつけられたシャアラの姿があり、それを知るメノリもまた、ぎゅっと目を閉じたまま、ルナの舌を受け入れた。
一方ブリンドーの目の前には、少年好きなボブが既に悲鳴さえ挙げられなくなったハワードを、ボロ雑巾のように激しく揺さぶっていた。
「ひゃははは!悪乗りしすぎだぞボブ?気色悪りぃ!」
「食わず嫌いは良くないぜぇ?ブリンドー。初モノだから締まりがいいぜ、こりゃあ」
子供の腕並に太さのあるボブの凶器のようなペニスは、下半身だけ剥き出しで哀れなハワードの子供っぽさの残る尻に叩き込まれ、ザクロ状になるまで抽送が繰り返されている。
「オラオラ、言えっ!!残りのガキ共はどこだ?!」
「・・・し、知らなっ・・、も、許し・・許してぇっ・・・」
激痛を通り越し、虚ろになった眼差しで必死に懇願する。
「おまえのちんぽも勃ってんっだろうがよ!?」
どれだけ馬力あるか分からない程のボブの握力でしごかれて、ハワードのペニスは血みどろになりながらも痛々しく勃起し、解放される瞬間を待ち望んでいた。
「ふん、意外と強情だな・・・。ジルバのお楽しみを邪魔しちゃ悪いが、やっぱり女の前でこの姿を晒される方が効きめがありそうだな」
「よし、このまま連れてこーぜぇ!!」
頭上で悪魔の会話が交されるのを、ハワードは発狂寸前の頭で理解した。
(シャアラ、メノリ、ルナ・・・嫌だ!見られたくない!)
「・・ぅ、く、ふっ・・」
メノリの足を開き、破いたタイツの下の下着をずらし、そこを舐めているのはルナだった。
ルナは表情を浮かべず、淡々とした動作で行為を続けているが、責められているメノリの目からは、屈辱を露にするように涙がこぼれている。
歯を食い縛り、それでも声を漏らして涙を流すメノリの姿に、シャアラの顔が悲しみに歪む。その背後では、ジルバが笑っている。
「なんだい、メノリだっけ? 気持ちよさそうじゃないか。ルナって子がよっぽど上手いのかねぇ?」
揶揄するように笑うジルバの言葉が、メノリの頬を悔しさで赤く染めるが、ルナは止める気配を見せない。
一体、いつまでこんなことが──視線も逸らせないシャアラの考えることはそれだけで、そして不意に、その考えが中断された。
「・・ん? 戻ってきた・・のか?」
遠く聞こえた音に、ジルバの目が鋭くなる。
鞭を握る手に力を込めると、シャアラの首に巻きついているそれが締まりを強くした。
だが呻くことを堪えたシャアラの、好機の予感に潤む瞳が、ルナとメノリに向けられる。
ルナは行為を中断して静かな瞳をジルバの向ける視線の先に向けていた。メノリも、涙を流す目を向け、静かにその時を待った。
そして現れたのは・・・・・・現れたのは、残虐な笑みを見せるブリンドーと、下品に笑うボブだった。
「・・・・・・・・・・」
ただ、それだけではない。
ルナ、シャアラ、メノリが絶望のあまり言葉すら失ったのは、その理由は、ボブに抱えられているハワードの姿があったからだった。
口を半開きにした顔と乱れた髪で、固まった血のこびりついたものを晒し、涙を流して首を横に振る姿が、三人の言葉を失わせた。
「遅かったから心配したよ」
「ふん、誰のだ?」
そんな愉快そうな言葉が静謐な空間で交わされ、ジルバとブリンドーが口付けをして、時間が動き出す。
もはや・・・・・・もはや、抵抗する心など打ち砕かれ、それを証明するようにルナの目の端から涙がこぼれた。
嗜虐的性癖を持つゆえに、興奮しながらジルバとブリンドーがお互いの体をまさぐりあいながら、この場の主導権を握っている。
「なんだい、アンタも趣味が悪いねぇ・・・残りのガキ共を狩るんじゃなかったのかい?」
「ボブに言えよ。おまえこそ仲間同士でレズプレイさるなんて、悪い女だな。・・・そこがいいんだが」
アナルにペニスを突き刺されながら足をMの字に開かれ、男としてもっとも屈辱的な体勢で、それでもなお痛々しく勃起させているハワードのペニスを、ジルバが足先でなぞってみせた。ぞくぞくする刺激にハワードの背が震える。
「おっ勃てちまって、まあ・・。ほら、そこにおあつらえ向けに、濡れまんこがあるよ、ふふふ・・・」
ぼんやりする視線の先に、同じように足をM字に開かれ、ルナに敏感な箇所を舐められ、震えているメノリがいた。横には首に鞭を巻かれたシャアラもいる。
「あ・・やめろ・・やめろおまえ達・・・っ」
3人から呆然と注がれる視線が痛い。しかもそのうちの2人は、淡い恋心を抱いていた女の子だ。
「ん?おまえどの子が好きだったんだ?まあいい、よーし?連結するぜ!」
背後から下衆な笑い声であおりながら、ボブがハワードの足を抱えなおし、脅えて固まっているメノリに近付く。
「・・・もう、やめて!!やめてっ!!わたしはもう、死んだっていいから!見たくないっ・・・やめてぇっ・・!!!」
シャアラの悲愴な叫びが、むなしくあたりに響きわたる。
「う、ぁ・・・・!」
無理やりに押し入れられた硬い棒状のものの感触、それがもたらした痛みにメノリの顔が悲痛に歪んだ。
シャアラが咄嗟に顔を逸らすが、ジルバに髪を掴まれて、逃避は呆気なく終わった。
「ふふ、よかったねぇ。これであんたらも大人になったんだよ」
ジルバはブリンドーと舌を絡ませながら、視線だけを床に向けて、繋がっている二人を見据えた。
ハワードは涙を流し、メノリも同じく苦痛を露にした表情で涙を流し、体を震わせている。その隣ではルナが、目の前の光景に堪えられず餌付いている。
メノリの割れ目からは、赤い、しかしルナの唾液と自身の液で淡くなった血が流れている。
「ははっ!」
真下のメノリの表情に下卑た笑い声を上げたボブが腰を振れば、ハワードの体も必然的に揺れ、メノリの割れ目から硬くなったものを出し入れさせた。
「・・ぅあ、ぐっ・・・・!」
メノリとハワードの呻き声が重なり、そこにシャアラのしゃくりあげる声、そしてルナの餌付く音が醜く調和して響き渡る。
「あらあら、初めてだってのに、激しいことだねぇ」
「最近のガキはこういうもんだろう。はは」
間近で繰り広げられる陰惨な光景を見ながら、ジルバはブリンドーの硬く勃起しているものを取り出し、それを細やかな指で握って前後に扱く。
ブリンドーはジルバの首筋を撫で、赤く濡れている唇を舐めた。
「・・う、うあ、やめろっ、やめ、ろぉっ・・・・!」
今まで苦痛の、咳のような呻き声しか上げなかったハワードが言葉を発し、その声が何を表しているかを悟ったジルバの目が細められる。
「ボブ、止めな」
「あん?」
深く腰を落とした姿勢で動きを止めたボブの下でハワードが唇を噛み締め、そしてその体が小さく震えると、メノリは目を見開き、唇を震わせた。
「ふふ、初めてで中に出すなんて、はしたない坊やだねぇ、ほんとに」
ジルバが声を上げて笑うと、シャアラが涙を流して首を左右の振り、擦れた声を発した。
その声を打ち消すように、ルナが四つんばいになって口を開き、喉の奥からせり上げたものを吐き出した。
「まだまだこれからだぜぇ!ほらほら、おっ勃たてろ!!」
ボブは射精し萎んだハワードのペニスを、化け物並の力でしごきあげた。元々血みどろだったハワードのペニスはだんだんと赤黒さを増し、粘着質な音をたてて皮がずるりと剥がれ落ちた。
「ひいぃぃぃ――!!」
「あははは・・・!!死ぬかもしれないよ、そいつ!!・・・はぁはぁっ・・もう我慢できない・・ぶち込んでおくれよ、ブリンドー・・・」
ジルバはわざとルナ達に見えるように、大きく足を開きながらブリンドーのそそり勃ったイチモツの上に腰を落とした。
「ああっ・・・たまんないっ・・!!今日は最高だよっ・・!!もっと突いてぇ・・!」
口の端から涎を垂らしながらあえぐ獸達を尻目に、メノリは血と精液がまざり汚い色に染まった液体が、自分の性器から流れ落ちるのを、絶望的な眼差しでで見つめた。
「メノリ・・・ごめんなさい・・もう少しだけ、・・・耐えて」
3人組がセックスに気を取られている隙に、ルナがメノリとシャアラの肩に手を置き、小声で話しかけてきた。
「アダムには伝えてあるの。カオル達が策を練って、きっと助けに来てくれる!・・・負けないで、信じて」
「でも・・・もう、ハワードが・・・」
噛み締めすぎて血の気をなくしたシャアラの視線の先には、誰の目にも明らかに発狂したハワードの、生涯忘れられないだろう引き釣り笑いをおこした顔があった。
そして──そして、どれだけ経ったのか。
「ぁ、あん、はぁ、あ、あっ!」
四つんばいになったジルバの尻とブリンドーの腰がぶつかると、肌の鳴る小気味いい音が響いた。
ジルバは笑みを浮かべて頬を赤くし、開いた口から喘ぎ声を上げて、脳内を満たしていく快楽に酔いしれている。
「はは、ははは、ははっ!」
ハワードは半狂乱になった笑い声を高く上げ、既に失神しているメノリの腰に、自分の腰を叩きつけている。
メノリの開いた割れ目からは精液がこぼれ、だらしなく開いた口からは涎、更には涙や鼻水まで流れ出ている。
「・・もう、もうやめて・・いや、いや・・」
空虚な、瞳の色彩の失せたシャアラの口からは、ただ声だけが無為に発せられる。
「・・ちっ、ったく、手こずらせやがって」
その場から姿を消していたボブが唐突に姿を見せると、ジルバが喘ぎながら目を向ける。
「は、ぁ、や、、やった、かいっ?」
「ああ、やったよ」
凶悪に歪められたボブの手は鮮血に染まっていた。
「・・よ、し・・! あ、あ、あ、は、ぁ!」
ジルバが胸を床に押し付け、震えると、ブリンドーも腰を止めて溜息を吐いた
そして・・・・・・そして、シャアラの虚ろな声と、ハワードの笑い声と、メノリの呻き声と、それらが渾然一体となり、狂った場の空気を絡め取るように響く中、ルナはいつまでもいつまでも──。
「・・・・大丈夫、助けが・・カオル、ベル、シンゴ、チャコ、アダム・・・・信じてるから、絶対、絶対に・・・・」
いつまでもいつまでも、薄笑いを浮かべて囁き続けた。
合作、終わり。