『・・・おいカオル、ほらお前も見てみろよっ』
『・・・・・・。』
草むらの陰から、ハワードとカオルがコソコソと何やら覗き見をしていた。
もっともカオルはハワードに無理矢理誘われた様で、仕方なくそれに付き合っているという感じがした。
「きゃッ冷たぁぃ! ルナったらぁ〜〜!」
「あははっごめんごめん。…っはぁ……やっぱりこんな日は、水浴びに限るねー」
「そうだな…幸い男子共は狩りに行っているようだし、しばらくはゆっくり出来るだろう」
今日の天気は真夏日のように晴れており、正に絶好の水浴び日和だった。
女性陣たちはここぞとばかりに、服を脱いで裸になった開放感と冷たい水を気持ち良さそうに浴びている。
『くぅ〜〜っ 一緒に水浴びしてぇなぁ・・っ・・・ってあれ? カオル、どこ行くんだ?』
『・・・・くだらん。俺は食料を探してくる。一人で勝手に見てるがいい。』
『ちょっ・・・待てよカオルっ! あ、ルナがこっち向いてるぞ。こりゃおいしいなぁ〜』
『・・・・!?』
ハワードの「ルナ」という言葉に反応し、カオルは湖の方へと視線を移した。それはもう鬼のような速さだった。
『嘘でしたぁっ ハハッ! カオル、お前やっぱり見たいんだろ?』
『・・・・・ふん、お前と一緒にするな。』
そう言うとカオルは立ち去るのをやめ、ハワードと一緒に眺めることにした。
『・・・っ見るのかよ!』
「…それでルナ、面白い物を見つけたと言ったが、何だ?」
「あ…うん、シャトルの中で拾ったんだけど……これっ」
「"媚薬"…って書いてあるわぁ。」
ルナが見せた物は洒落た小瓶で、中には透明な液体が入っていた。外装のシールはボロボロだったが、辛うじて"媚薬"と読む事ができた。
「早速塗るね〜。 …うわっこれ水っぽくなくてドロドロだ…」
「…って何故私に塗るんだルナ!? 止さないか…ぁっ ぁ…あッ」
ルナは液体を乳首の先から胸全体を撫で回すように塗り、小瓶から取り出されたドロドロの液体が真っ白なメノリの身体を汚してゆく。
「…ふぁ…っもうやめろ…っルナ…!」
「あら、でももう全部塗っちゃったよ? 私も使いたかったんだけどなぁ・・・」
ルナはメノリのお尻を両手で丹念に撫で回し、媚薬を塗りたぐった。
肌が敏感になる箇所だけが、ドロドロになっている。
「あぁ…ぁ…っ!!!」
「ルナ〜ぁ、わ…私は見物してるね…っ」
シャアラはルナの暴走でどうしていいか分からなくなったので、傍から眺めることにした。
「そうだっ、私メノリのを使わせてもらうね!」
「…ふぁ…っ?」
そう言うとルナはメノリに抱きつく形になり、身体を合わせた。液体でドロドロになったメノリの乳房に、ルナの胸が粘りを帯びて密着した。
「おい…っルナ、何を…っしてるんだ…!?」
「だから…メノリについたのを貰ってるんじゃない… んん…っ」
お互いの身体を合わせると、背丈が同じぐらいの為か乳首が互いに触れ合った。
ルナはまるで確信犯的にそれをメノリのモノと擦り合わせ、肌を快感に震わせている。
「はぁ…はぁ…何だか気持ち良くなってきたね、メノリ?」
「ん…っ!!ぅ…ぁ…っ! 塗られた所がひどく熱い… はぁ…っはぁ…っ」
媚薬が効いてきたのか気持ちが良いのか、メノリの思考はおかしくなってゆく。
ルナはお構いなしにメノリの唇を奪い、舌を絡める音をたてながら更に身体を擦りつけた。
「んん… チュッ ん…っふ…ぅ…」
『おいカオル・・・・、何だか大変なモノ見ちまったな・・・』
『ルナが・・・ルナが・・・・。ル・・・・・・ブツブツ』
ハワードは目の前の出来事が理解できなかった。
また同時に冷静なカオルでさえ、目の前の現実が何なのか分からなかった。
『シャ・・シャアラ・・・ハァハァ・・・』
『・・・ベル!!?』
突然二人の後ろに立っていたのはベルだった。
『は・・・ははっベル、お前も覗いてたのかぁ?』
『覗きは関係ないっ!これは俺たちの問題だ!』
『・・・・・。』
ベルとハワードがやり取りしている間にも、ルナとメノリは身体を合わせて媚薬の艶かしい感覚を愉しんでいた。
そしてまた男性陣たちも、湖で戯れる雌としての女を眺め、その感覚を楽しんで――いられるはずがなく、もう我慢の限界だった。
『俺は、どれだけ我慢できるかのゲームをしてるんじゃないっ!!』
『あ、ああ・・・それは分かるけどな、ベル。』
『・・・・・・。』
そして男達の理性と我慢が限界点を突破し、一斉に草むらから飛び出した野獣は、女性陣が裸で戯れている湖へと走り出すのだった。
「きゃあぁぁっぁぁぁあ!!!!」
「はぁはぁ…あ、ベル…ハワード……」
「ぁあぁ…気持ち良ひぃ……っ」
―その後、全員がどうなったかは分からない。
ただ・・・媚薬を身体中に塗りたぐり、薬の効果で敏感になっていたルナとメノリは、悦んでそれを受け入れたのかもしれない。
終。