いつもと同じ朝が始まった。
「はぁぁーーー!?」
早朝からメノリとハワードの叫び声が響く。
「・・・そんな声ださないでよ;」
ルナは困った顔をする。そう、今日はメノリとハワードは一緒に果物探しの仕事をすることになったのだ。
「はぁ・・・なんで僕がメノリなんかと・・・」
「それはこっちのセリフだ・・・いいか?私の足手まといになったら・・・」
「はいはい・・・あーーあっ。」
朝から雰囲気の悪い二人に一同は少々呆れ顔をうかべる。
「・・・大丈夫かな・・・」
ベルがゆっくりと溜息をつきながらボソッと言う。
「・・・うーん・・・まぁ、メノリはしっかりしているから大丈夫やとおもうがなぁー・・・」
チャコも呆れ顔で二人を心配する。
「はは・・・二人がなるべく喧嘩しないようにアダムも一緒に行かせるわ。」
ルナは内心やっぱりこの組み合わせはきついかな、とおもいながらも苦笑いしながら言った。
いつもどおり一同は働きにそれぞれの場所へとむかった。
「あーーー疲れたよ・・・メノリ、ちょっと休憩しようぜぇ?」
「何を言ってる。今来たばかりじゃないか・・・まったく」
「メノリー、これ食べれるー?」
アダムがさっそく果物を見つけた。
「・・・ぁあ、これは大丈夫だ。アダム、お前はしっかり働いて偉いなー」
メノリはそういうとアダムの頭を軽くぽんぽんと優しくたたく。
「・・・へへっ」
アダムはそれに嬉しそうに答えると、また探し始めた。
「ちぇ・・・なんだよ。・・・僕は暫く昼寝でもしてるか。」
そういうとハワードはちょうどいいと決めたところに横になる。
メノリとアダムはそれに気付かずせっせと作業を進める。
「ふ・・・此れだけあれば大丈夫か・・・よし、アダム!もう終わりにしていいぞ!」
「わかった。」
アダムは嬉しそうにメノリのもとへと駆け寄る。
「・・・そういえば・・・ハワードはどこにいるんだ・・・まさかサボってたり」
言いかけるとハワードを探し出す。
「ハワードー?どこにいるー!」
「ハーワードーー・・・」
暫く探すが見当たらない。
「どこいっちゃったんだろうね・・・」
二人の表情も次第に焦りの色をみせる。
「・・・そろそろ戻らないとみんな心配する・・・まぁまだ、昼だからいいものの・・」
「僕おなかすいたよぉ・・・」
「悪いがもうちょっとの辛抱だ・・・我慢・・・できるな?」
「うん!!」
そしてまた探し始めるが、一向に見当たらない。
「くそ・・・私としたことが・・・」
「とにかく今はさがさなきゃ・・・ハワード!!どこだ?!」
「・・・ふぁー・・・なんだよ・・・うるさいなぁ」
「・・・ハワード?どこだ!」
「・・・ここだよ、ここ。」
メノリは声が聞こえたほうを向くと眠そうにしゃべりながら未だ横になっているハワードを見つける。
「ハワード・・・また昼寝していたの・・?」
さすがにアダムも弱弱しくではあるが呆れた表情で言う。
「・・・お前・・・私たちがどれだけ心配したのかわかってるのか!!?」
メノリは相手の様子に怒りを隠しきれず怒鳴る。
「・・・んぁ・・そんなに怒るなって。今日は休日なんだ!!きゅ・う・じ・つ!!」
「な・・・なにが休日だっ!!この馬鹿っ!!」
「それよりメノリ・・・スカートの中・・・見えてるぜ?」
ハワードは相手の様子を気にすることなく相手をからかった。
「・・・!?ハワード!!」
やはり相手の発言が気になり、メノリはスカートを押さえ見えないようにと後退る。
「へっへーん!ばーか、さっきの場所からじゃ見えるわけないだろー!」
ハワードはやっと起き上がりメノリを馬鹿にする。
「・・・!?何なんだ!お前はっ・・・」
「ハワードぉ・・・メノリ・・・かわいそうだよ」
アダムはハワードに怒られそうだと思い弱弱しく言う。
「もういい!!帰るぞアダム!!」
「う、うん!!」
「はぁーーー!?・・・またハワードがねぇ」
昼食
ルナはメノリから帰ってくるのが遅くなった理由を聞くと、やはり呆れていた。
「・・・はぁ。今日はいつも以上につかれた・・・頭が痛い・・・」
メノリは言わんばかりの疲れた表情みせ。
「大丈夫?なんか・・・顔色も悪いけど・・・つらかったら休んでも大丈夫よ。」
シャアラが心配し、声をかける。
「いや・・・大丈夫だ。」
「・・おい!おまえら!食べないんだったら僕がたべてやってもいいんだぞ?!」
ハワードは相変わらず馬鹿みたいに食べる。
一同は相当呆れていた。
「なんか・・・メノリがかわいそうやなぁー」
チャコはハワードの様子をみながら手を横に上げため息をつき呆れる。
「みんな!午後もがんばろう!と・く・に!ハワード!!」
ルナが気合を入れると同時にハワードにも強く訴え。
「・・・はぁー」
「こっちが溜息つきたいくらいだ・・・行こう、アダム。」
こうして午後の活動が始まった。
「ハワード・・・仕事をしないのならば帰っていいぞ・・?」
メノリはもう怒る気も無い位呆れたのか、サラッと冷たく口を動かす。
「・・・だってあっちにいたらルナのやつうるさいだろ?他のやつらも・・・」
「はぁー・・・・お前、もう私に怒られるのに慣れたのか?」
メノリは大きく溜息をついた。
「・・・んなことはないけどよぉ・・・こっちのほうが静かだから昼寝しやすいと思ってな」
「・・・ったく・・・お前は・・・馬鹿にもほどが・・」
パタン
「は?メノリ?」「メノリィー!!」
途中でメノリの話が止まり、ハワードとアダムは不思議に思うとそこにはメノリが息を荒げながら跪いていた。
「おい・・大丈夫かよ・・・?」
「ちょっと・・っ・・熱っぽいが・・・はぁ・・・は・・だ・・大丈夫・・・だっ・・はぁ」
「メノリっ!どうしたのっ?!」
メノリは懸命につらさを堪え息を落ち着かせようとする。
「・・・はぁ・・私のことは気にするな・・・先に行ってろ」
「でも・・・」
「・・・は・・やく」
メノリは朦朧とする意識の中で必死にしゃべったせいかその場にパタンと横になった。
「・・・ハワードぉ・・・メノリ・・・メノリがっ」
「・・・ぁあ・・・」
「・・・どうすればいいの・・・?ねぇ、ハワード・・?!」
「お、落ち着け・・・えっと・・だなぁ・・えぇっと・・・」
ハワードとアダムは突然の事態に混乱してしまった。
「はぁ・・・はぁ・・・っ」
「・・・カオルールナーベルー・・・うわぁぁん」
「・・・おい!泣くなよぉ・・アダム・・・メノリは家につれて帰る・・」
「ハワード・・大丈夫なの・・・?ひっく・・」
アダムはとても心配そうな目でハワードを見つめる。
ハワードはさすがに相手は動けないだろうと思い、おんぶはせずにメノリの体を持ち上げた。
「・・・ハワード・・・悪いな・・・重い・・・よな・・・っ・・・」
「ばかっ・・・そんなこと言ってる場合か・・しゃ、喋るな!」
「・・・はぁ・・・はぁ」
「メノリー・・・」
(くそ・・・もっと僕がちゃんとやってればよかった・・・)
「・・・ハワード・・・はぁ・・っ」
「なななな、何だよっ!!?」
ハワードはいつもと違う様子の相手の顔を間近で見ぼっと赤面すると走りながらも早口で答える。
「はぁ・・・ありがと・・・なっ」
「・・・・あ・・ぁあ。この僕に大いに感謝するんだな!!」
ハワードは真面目な顔をしながらもふざけたことを言う。
「・・・っ・・・やっぱり・・・お前は・・・馬鹿だなっ」
メノリはそういうと苦しそうな顔をしてはいるがふっと微笑み。
「・・・ぁあ。」
ハワードはメノリの微笑んだ顔を見、また頬を赤らめ今回は自分も悪かったと思い相手の言葉に同意し。
「・・・ふふっ」
アダムは二人の会話聞きニコっと笑い。
「なんだよっ?!」
無事三人は家へと戻り、メノリはすぐに体を休めに女子部屋へと連れて行かれたが、
もちろんハワードはルナやチャコに長い時間おこられた。
end