「うう、おえ……」  
メノリは便所に駆け込み、胃の内容物を吐瀉した。  
そのまま震える。  
(孕んでしまった……)  
それは疑いようのない事実だった。  
もう生理が来なくて大分たつ。  
あの時中出しされたハワードの精液によって妊娠してしまったのだ。  
(お父様……)  
メノリは涙を流した。  
どうすることもできない。ハワードに強姦されて生まれた子を産むことは出来ない。  
そして何よりその事実を父に知られてはならない。  
メノリはふらふらと便所から出る。  
ハワードの陵辱により身も心もぼろぼろの上、あまりにも過酷な事実だった。  
(もう嫌だ……もう……)  
メノリはこのときのために用意していた剃刀を手に取った。  
「さようなら、お父様……」  
メノリは剃刀を首にあてがうとそのまま横に引いた。  
ぷしゃあ。  
剃刀はメノリの頸動脈を切断していた。  
血が噴水のように凄まじい勢いで噴き出す。  
メノリは血まみれになり、そして死んだ。  
 
(終わり)  
 

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