――ハワードが脱獄囚に捕まった。  
カオルは一人救出に向かおうとしていた。そんなとき。  
 
「まだ分からないの」  
ルナはカオルの手を強く掴んだ。  
「ルイが最後に言った言葉の意味」  
「!」  
 
『僕の分まで、生きろカオル!!』  
 
言葉がルナとルイが胸の中を反芻される。  
カオルはもういつでも死んで良いと思っていた。  
親友を失い、一人生きさらばえて、この無人惑星に漂着した。  
むしろ死に場所を探していた。だからブリンドー達との決戦に一人で臨むつもりだった。  
だが、よく考えれば二つ死ねない理由があった。  
一つはルナが言った、気付かせてくれたルイの最後の言葉。  
そしてもうひとつは――  
「あんっ!」  
カオルはルナをぐいと抱き寄せた。そして耳元でささやいた。  
「今夜は離したくない」  
 
――遺跡の一室。  
そこに生まれたままの姿の少年少女がいた。  
初めて心の闇を語ったカオル。そのときからルナとカオルは結ばれたのだった。  
そして死を賭した戦いの前に二人の男女は強く惹き合った。  
「カオル……」  
ルナが愛おしげにカオルの肌をなでる。  
そこには大トカゲなどの怪物との戦いで受けた疵痕があった。  
「カオル、いつもみんなのために戦って、傷ついて」  
「ルナ、お前もだ」  
「え?」  
ルナは驚いた。  
「お前がいるから俺達はこの星で生き延びることが出来た。  
お前の明るさがみんなを救っているんだ」  
ふとルナの顔から涙が伝った。  
「どうした?どこかいたいのか?」  
「ううん、違うの」  
ルナは思い出していたのだ。父の最後の言葉を。  
 
『ルナ、生きるんだ。どんなつらいことがあっても、負けるんじゃない』  
 
「私も、みんながいるから生き延びてこれた」  
「ルナ」  
カオルは語りだした。  
「俺はもういつ死んでもいいと思っていた。だが、今は違う。  
一つはお前が気づかせてくれたルイの最後の言葉。そしてもう一つは」  
カオルはルナの唇を奪った。  
「う……んんっ……」  
そのままねっとりと二人はディープキスを交わす。  
「ぷはぁ」  
解放されるとルナは体が熱くなってきていた。  
「お前だ。お前を守るために、俺は絶対死ねない」  
ルナは涙を流した。  
「うん、カオル。みんなで生きて帰ろうね。きっと」  
 
カオルがルナを組み敷く。  
そのままルナの胸に顔を埋める。  
「あっ、はあっ!!」  
カオルの唇がルナの乳首を吸う。  
まだ幼い膨らみを優しく揉みしだき、頂点の蕾をかわりばんこに吸う。  
それだけでルナの体の熱はますます熱くなっていく。  
「ああ、カオル、いいよお」  
ルナはよがり泣きを始めた。  
そんなルナの、今度は女性に顔を移して、カオルはつぶやく。  
「ルナ、綺麗だ」  
ルナの女性はもううっすらとしめっていた。  
そこにカオルは顔を埋める。  
「ああっ!!はあっ!!」  
カオルはルナの女性を丹念に舐め、クリトリスに優しくキスをする。  
それだけでルナは登り詰めていく。  
「ああ、駄目、いっちゃう!!」  
びくんびくんとルナの体が痙攣した。軽く達してしまったらしい。  
「カオルぅ、今度は一緒に……!」  
「分かった」  
カオルが自身をルナにあてがい押し込んでいく。  
 
――死ぬかも知れない。  
 
明日を知れぬそのことが二人の情熱に火をつけた。  
「ああ、カオル、いい!!」  
「ルナ、ルナ」  
二人は今はもう何も考えずに、ただお互いを求めていたかった。  
そうして汗まみれになって、何度もまぐあった。  
生きている証をお互いの体に刻むように。  
そうして二人は抱き合い意識を失った。  
 
決戦の朝が来た。  
 
(終わり)  
 

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