「僕、シャトルに言ってくる…」  
シンゴは、やはり元気とはいえない様子で言葉を発すると同時に森へと向かった。  
 
「何しに行くんだ…?」  
メノリが心配そうな面持ちでシンゴに声をかける。  
 
「…発信機作るのに使えるものがあるかもしれないからちょっと見に行くのさ…」  
シンゴは言いながらととぼとぼと歩いている。  
 
「しかし…一人で行ったら危険だ!」  
「そうよ、またへんな植物がいるかもしれないわ!」  
続いてシャアラも声を出す。  
「その時はその時さ…」  
 
シンゴの様子にメノリは不安げな顔をしている。  
「私も行く!…シャアラ、悪いがちょっとたのむ!」  
「わかったわ!」  
 
 
 
 
メノリはすでに離れていったシンゴのもとへと走っていった。  
 
 
「シンゴ、あんまり無理をするな…(何か声をかけてやりたいが…そっとしておくべきか…)」  
 
「うん。でも僕は無理なんかしてないよ…」  
不器用ではあるが、優しく声をかけたメノリだがシンゴは流すように話を聞いていた。  
 
「………………」  
 
 
 
 
 
 
 
一旦シャトルに戻った二人は必要なもの等をとるとシャトルを去った。  
そして、今度はみんなの家へと戻るため先ほど通ってきた道へ向かう。  
 
 
 
 
 
 しかし、二人はこの後何がおきるか、知る由もなかった。  
 
 
 
 
 
「シンゴ、やっぱりお前はすごいな!こんなに部品をみつけられるなんて…」  
メノリはシンゴを宥めるという理由でなく本当にそう思ったのでそういってみた。  
 
「そうかい、ありがとう…はぁ」  
やはりシンゴは俯いたまま歩き、眼はうつろな状態。あげくにため息。  
 
「シンゴ、何か困ったことがあるなら誰にでもいいから…言ってみた方がいいぞ?」  
 
「うん、そうだね。でも、大丈夫だよ…それに、あんまり迷惑をかけたくないし」  
 
いつもならメノリだったら自分の話にこんな風に返されたらムッとするはずだが、  
今回ばかりはそんな場合ではないのとどうすればいいのかわからなくとりあえずそっと  
しておくことしかできなかった。  
 
 
 
 
   どてっ…  
 
「…わっ!」  
シンゴは木の根と思われるものにつまづき、ころんだ。  
「シンゴ!大丈夫か!?」  
メノリは突然のことに、持っていた部品をその場へ置きシンゴの下へと行った。  
 
「ぅう…ごめん、大丈夫…」  
シンゴは特に怪我をした様子もなく大丈夫そうだった。  
「そうか…怪我もしてないようだな。よかった…」  
メノリはそういうと立ち上がった。シンゴも立ち上がろうとした。  
 
その瞬間。  
 
     シュッ!  
 
「はっ!シンゴっ危ない!!」  
ボーっとした様子のシンゴのもとへ触手がすばやく伸びていたのだ。  
それに気づいたメノリはすばやくシンゴに軽く体当たりをした。  
「っ…!?」  
 
 
「…!!」  
自分も逃げ出そうとしたメノリだが、もう遅かった。  
メノリの両腕には巨大うつぼの太い触手が巻きついていたのだ。  
「…ぅっ…!」  
メノリはそれを必死に振り払おうと腕を動かす。が、それは無駄な抵抗にすぎなかった。  
 
「めめ…っメノリっ!!」  
シンゴは突然のことに驚き体が動かない様子。  
 
「シンゴっ…逃げろ…っ」  
メノリは触手に抵抗しながらシンゴに叫ぶ。  
そのうちにメノリの体には数本の触手が絡み付いていた。  
「はやくっ…ぅっ…」  
触手がメノリの服の中へと侵入していく。  
 
「で、でで、で、でもっ…!!」  
シンゴはこの状況に焦るのではあるがどうすることもできなかった。  
「お前がいなくなったらみんながコロニーに帰れない!さぁ、早く!…あっ…!」  
 
「メノリーっ!」  
 
  どさっ!!  
 
「うわぁっ!」  
 
 
 
 ザシュッ!  
 
 
 
 
 
 
 
「か、カオル!…よかったぁ」  
シンゴはなみだ目になりながら突然の助けにほっと胸をなでおろす。  
 
 
カオルは触手に槍を投げつけ見事的中させた。  
 
 
触手は槍によって切れメノリは解放された。  
 
おろされたメノリはいったんしりもちをつくがすぐに立ち上がり  
部品のことを思い出しそれもしっかり持っていきその場を離れた。  
 
 
 
「はぁ…大丈夫か…?」  
カオルがシンゴとメノリに問いかける。  
 
「…ぼ、ぼくは大丈夫…だけど、メノリがっ」  
 
「………怪我とかはしていない…ありがとうなカオル。」  
メノリは迷惑をかけてしまったことに罪悪感を感じているようだ。  
 
「…ならいい。さっきシャアラが慌ててお前らが帰ってこないって言うからきてみたら…」  
 
 
「…部品も無事でよかったが……すまない…」  
 
「とりあえず助かったのだから良い。気にするな。」  
 
 
「シンゴ…私がちゃんとしてなくてごめんな…」  
メノリは悔しそうな顔をしながらも罪悪感に眼を細めながら言う。  
「違うんだ…全部僕が…ごめん」  
 
 
 
 
 
こうして無事にかえってこれた。  
 
 
その後この事は東の森へと行ったルナたちには秘密にしておくことにしたらしい。  
 

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