ブリンドー達からハワードを奪い返す。
その作戦はものの見事に失敗した。
ルナ達の策は見破られ、ルナはあっさり射殺された。
ブリンドーのレーザーガンにうち砕かれたルナの頭部はヨーグルトのようになって、
そこから溶け残った目玉がこぼれ落ち、頭部を失った肉体は力を失ったように地に伏した。
無惨な最期だった。
ハワードはどさくさにまぎれて逃げ出すことに成功した。
カオル・ベルもやむなく撤退した。ルナの遺体を回収する余裕さえなかった。
そしてメノリは――
「はあっ……はあっ……」
激しく息切れがする。
走るたびに植物の葉が頬を裂き、足に根が絡まり転びそうになる。
ただでさえ限界近い疾走の上に、ジルバに撃たれた電磁ウィップの電流が、
メノリの体を駆け抜けて、今も体中に耐え難い痺れをもたらしている。
（ルナ、ルナ――）
涙が頬を駆け下る。
底抜けの明るさでいつもみんなに元気をくれたルナ。
あの笑顔を見ることはもう二度とない。
そのことが今や自身の命さえ危うい少女の胸の動機を忙しなくする。
――その足にレーザーガンが焦げ目をつくった。
「うわああああああっ！！」
絶叫し転がるメノリ。超高熱のレーザーはメノリの右のアキレス腱を切断していた。
ゆっくりと三人の人影が迫ってきた。
「これはこれは、青毛のお嬢ちゃんかい」
ブリンドーがレーザーガンをひっさげて立った。
「お前が考えたのか？なかなか悪くない作戦だったが、相手が悪かったな」
「げはあ！！」
ブリンドーは「ふん！」と地を這うメノリの腹を蹴り上げた。
「この餓鬼、ふざけたまねしやがって」
「おいたをした嬢ちゃんには罰が必要だねえ」
三人の悪魔にかこまれてメノリは絶望に目の前が真っ暗になった。
「残りの餓鬼共の居場所をはけ。そうすれば楽に殺してやる」
「いやぁぁぁぁぁ！！」
ボブがメノリの服を引き裂いていく。
暴れるメノリには、その度に、ジルバの電磁ウィップがその力と意志を剥ぎ取る。
やがてメノリは素っ裸にされてしまった。
「へへ、たまんねえな、処女を姦るのはよ」
「あんたこれで十四人目だろ」
「十六人だ」
メノリの目が釘付けになる。ボブは下半身を脱いだ。
黒々と毒々しく反り立つ逸物はまるでビール瓶だ。
メノリにとって初めて目にするそれは、あまりにも凶悪だった。
「へっへっへ、それじゃいただきまーす」
「あんたも好きねえ」
「ふっ、うっかり殺しちまうんじゃねえか、首絞めるの好きだもんな」
もはや身動きできないメノリの女性にボブの男根が押し当てられた。
「い、いやぁぁぁぁ、ひ、ひぎゃあああああっ！！」
絶叫が森に木霊する。
――メノリの処女が散らされた。
メノリの処女はこの上なく暴力的な仕方で散らされてしまった。
処女膜が突き破られ、破瓜の血が溢れる。
ボブの男根は亀頭の部分がまずはいると、残りを一気に腰で押し込んだ。
「ひぐぅぅぅ！！ぎぃやああああああっ！！」
おぞましい絶叫が響き渡る。メノリは仰け反って血反吐を吐いた。
三十センチ近い男根が根本まで挿入されて、ギシギシと異様な音を立てる。
異物が侵入した秘所は子宮の奧で無理な圧力に泣いた。
その涙が血となってメノリの膣口から溢れる。
その血を潤滑油にしてボブは逸物の運動を始めた。
ボブの尻が打ち付けられて、メノリの未発達な恥骨に衝突する。
その度にパンパンという音が響く。メノリの黒目はひっくり返って、泡を吹いていた。
その口の中にブリンドーが逸物を突っ込んだ。
「ぶぅうううううううう！！」
「オラァ、しっかりしゃぶれや」
「はっはっは、果報者ねえ、嬢ちゃん。
やがてボブが大量の精子をメノリの膣内に放った。子宮はボブのザーメンでいっぱいになってしまった。
口にはブリンドーが精液を放つ。
拳で顔面を殴られながら無理矢理嚥下させられる。
ボブはタフで十数回もメノリの膣に精を放った。妊娠したのは間違いない。
メノリは重力制御ユニットと引き替えで、遺跡に返された。
無惨な肉体をみなに晒すメノリだが、彼女の地獄はこれで終わらなかった。
最初皆がメノリを見たとき、頭に浮かべた言葉は、
「かわいそう」でも「無惨」でもなく「穢い」だった。
顔は拳骨でぶくぶくに膨れあがり、僅かな切れ目から涙を流している。
真っ裸の秘所からはさっきまで大量に注ぎ込まれていた精子がとぽとぽと溢れてきている。
「汚い、汚いわメノリ」
「…………」
カオルは黙って立っていたが、不意に口を開いた。
「なぜ、生きて帰ってきた――？」
その言葉にその場の空気が凍り付いた。
そしてある種同調した。
「ルナは死んだ。なぜ、お前が生きている――」
カオルは泣いていた。
「俺はルナが好きだった。密かに愛していた」
カオルは涙に震えながら秘めていた思いを吐いていく。
「作戦が失敗したのはお前の誘導が悪かったからだ。
ルナが死んだのになぜお前が生きてきた」
「そうだそうだ。お前のせいで重力制御ユニットが奪われたじゃないか。
これで僕たちが帰れる見込みはなくなったんだぞ。それどころか、
奴らが僕たちを生かしておく理由がなくなったんだ」
「そうだよ、せっかくあとちょっとで宇宙船も完成していたのに」
「メノリ……君は穢れているよ。もう生きている価値もない」
メノリは自分の耳を疑った。返ってくる言葉は仲間達の慰めなどではなかった。
どこまでも冷たい視線だった。
「この、生き恥さらしがあ！！」
「ぐぼお！！」
ハワードがメノリの腹を蹴った。何度も、何度も。
みな止めようともしない。いや、アダムだけが「みんなどうしたの？止めてよ」
と飛び出たが、ハワードに蹴散らされてしまった。
「はい」
カオルは手を挙げて発言した。
「仲間を裏切り、重力制御ユニットを譲り渡し、生き恥をさらしたメノリは、
死罪が妥当と判断される。こいつではらわたを引きずり出してやろうと思うがどうだ？」
カオルは高々と禍々しく黒曜石のナイフを掲げあげた。
「さんせーい」
「な、何を行っておるんじゃ、お前達」
ポルトが慌てて止めようとするが、皆に蹴り飛ばされてぴくりとも動かなくなる。
「う……ひぁ……」
メノリは辛うじて立ち上がると、逃げようとした。
しかし、全身打撲の上にアキレス腱を切られたメノリは走ることが出来ない。
忽ちみんな――シャアラ・カオル・ハワード・ベルに押さえられた。
「しっかり押さえていろよ、ベル」
「分かってる」
「では、いくぞ」
カオルは黒曜石のナイフの先端をメノリの鳩尾にあてがった。
そして一気に押し込んだ。
「！」
メノリの体がびくんと跳ね上がる
カオルはそのまま黒曜石のナイフに力を込めると、すーっと下にナイフを下げていった。
刃先が会陰まで達してメノリの腹がぱっくり割けた。
「ぎゃああああああああ！！」
メノリが鮮血にまみれた絶叫を上げる。
カオルはメノリの大腸を掴むと、腹から引きずり出し、黒曜石のナイフで切り裂いた。
大腸が切れて中から糞便が溢れ出す。
皆も思い思いの内蔵をメノリの腹から引きずり出した。
「ぎぃげええええええっ！！ぐおおおおおおおおおおっ！！」
「これは膵臓かな」
「盲腸はこれか」
「理科の解剖実験みたいね」
「ぐぎゃああああああああっ！！ぐおおおおおおおおおおおおっ！！」
狂っていた。何もかも。狂ってしまったのだ。
メノリは余りの激痛に気も狂わんばかりに暴れ回るが、四人の力に押さえ込まれていては、
どうすることもできない。
「ぐぎゃああああああ！！痛えええええ！！痛ええええええええええ！！」
「ははは、こいつの内蔵、切って口の中に詰め込んでやろうぜ」
やがて全ての内臓が引きずり出され、メノリのお腹は文字通り空っぽになった。
みんなはメノリとメノリの内蔵の残骸を捨てると、チャコが待つ遺跡の中に帰っていった。
「おと……うさま……」
メノリはもうしばらく息があったが、やがて死亡した。
ブリンドー一味は元より少年少女達を一人も生かしておくつもりなどなかった。
幻影の森を突破したブリンドー達は鶏を絞めるように生き残りの
シャアラ・カオル・ハワード・ベル・アダム・ポルトたちを殺害した。
チャコは粉々に粉砕された。
あの日ソリア学園を旅立った七人と一匹は二度と故郷・ルカA2に戻ることはなかったのだ。
（終わり）