その日メノリは果物を集める当番で、森の奥深くヘ入っていた。  
そしてやけに荒い呼吸や、かすれ声のようなものを聞き、とっさに身を隠しながらそちらの方をうかがった。  
「ハァッ、ハァハァッ…」  
「アア、っ……イイ〜! そこっ…そこがイイのぉっ〜!」  
……これは、まさか。まさかとは思うが、アノ時の声ではないのか。  
そんな、まさか。そんなはずはない。ここには中学生しかいないのだ。  
 
メノリはせっかく集めた果物を取り落とし、声の方へ近寄るため、四つん這いで歩を進めた。  
それに、どうも聞き覚えがあるのだ。このふにゃふにゃな老け気味の声。  
「はぁ、はぁ……っ、ったく、どこまでインランなお姫様なんだろうなっ…!」  
……そして、男の方のこの声!  
「らって、らってぇ……っ、はわーどの腰つきがえっちなんだもぉん……っ! あひぁっ、うああぁん……っ!」  
はたして、姿を見なくても判ってしまった。  
最近急に仲良くなった、流砂呑み込まれコンビ。  
 
木々の間から見た光景は、メノリの今までのアイデンティティーをまるっきり引っくり返したようなものだった。  
草の上、下半身だけ綺麗に裸になって寝転がったハワードの上に、同じく下半身だけ綺麗に脱いだシャアラが乗っている。  
脚をはしたなく下品な程に開脚しているため、結合部まで見えてしまう。  
てらてらと体液で濡れた淫部を、くちゃくちゃと卑隈な音をたてながら出し入れしている。  
「イイ、ぃんっ…すごぉく気持ちイイよぉっ…はわぁどぉっ…ぁん…っ」  
上に乗って、あさましくいやらしく腰をくねらせているシャアラの顔と言ったら!  
いつもは品行方正な印象を持つ眼鏡がずれ、その奥の瞳が情欲に濡れている。眼鏡を取るとかなり美少女な顔のシャアラだが、口元はだらしなく開き、ヨダレをたらたらと口の端から出しているところなど、直視するのが辛い程だ。  
 
「ここぉっ……! ここっ…、はわぁどのが、わたしのここを通るときがいちばん気持ちいいのぉっ……」  
ここ、としめすように、ゆっくりと中の場所をしめすようにシャアラがいやらしく腰を回転させている。  
「ここか! ここなのかぁっ…! ふおぉぉぉぉっ!!!」  
その挑発的なセリフに昂奮したハワードが、シャアラの子供っぽい腰を荒々しく掴み、高速で出し入れを始めた。  
まるで獣の交尾だ。  
「ああっ…! それっ…! すっごくイイっ…! はわぁどぉっ…! アアアッ」  
「シャアラぁぁっ!」  
 
一体、いつ二人はこんな関係になったのだろう。なんていやらしいんだろう!  
あのおとなしくて引っ込みじあんのシャアラが、まるで娼婦だ。  
そしてハワード。たしか、ハワードは私をくどいていたのではなかったか。もちろん本気にはしていなかったし、喧嘩ばかりで仲が悪かったけれど。  
メノリは知らず、二人に裏切られたような気分になっていた。  
 
あの流砂で流されて二人で行方不明の間にこんな関係になったのだろうか。  
でも二人はあの時洗脳されていた。ではあの後だろうか?  
いつも行動が一緒で、この間は崖に落ちた。  
でも、まだ二人とも子供なのにこんないやらしい関係になるなんて…!  
 
「あ、らめぇっ……! そこばかり突いちゃ…、わたしっ、イっちゃうょぉぉぉっ…」  
「イけ! イけ! イっちまえ! このインランっ…!」  
「あぅ、ぅぅんんっ……!」  
激しい突き込みが続いたかと思うと、二人の体がびくびくと痙攣し、硬直した。  
じわりとあたりに磯のような薫りが漂う。  
ひくひくと体を震わせていた二人が体を放すと、てらてらしたハワードの性器がシャアラの股間から出てくる。  
しばらくして、こぽりとシャアラのスジ目から、白濁した体液が流れ出る。  
 
「あん、ハワードのばかぁ。赤ちゃんできちゃうからナカ出しはだめって言ってるのに〜」  
「知るか。できたら産みゃいいだろ。貴族の血を引く僕のありがたい子種だぞ。庶民のおまえにはもったいないくらいだ」  
「またそんなイジワル言うのね…」  
シャアラは萎えたハワードの性器に、名残り惜し気に自分の性器を擦りつける。  
「おま○こからいっぱい溢れるよぉ…っ、ハワードぉ、…私まだ足りないの」  
「本当に『待て』もできないヤラシイお姫様だよなぁ。復活するまで待ってろよ」  
「でも……」  
「暇ならあそこでデバガメしてる高慢チキとレズプレイでもしてりゃいいだろ」  
あそこ、とハワードが顎で示した所はメノリが隠れている場所だ。  
気付かれていた。あまりのショックで凍りつき、体が動かない。  
「やん! 見てたの?! メノリ」  
シャアラがメノリに気付いて赤くなったのも一瞬だった。  
すぐに人の悪い笑みを浮かべ、丸出しの下半身を隠しもしないで近付いて来る。  
 
「く、来るなっ……!」  
「怒らないで、怖いわメノリ…。あ、もしかして…嫉妬しちゃった? メノリ、前からハワードの事意識してたものね」  
「わ、私は、こんな奴どうでもいいっ…!」  
「でも、湿ってる…」  
「あ!!」  
避ける間もなくフレアースカートの中に差し込まれたシャアラの手は、メノリの下着の上を的確になぞった。  
「や、やめろ…っ、…あ、そこっ…! グリグリするなっ…あ、っ」  
ひるむメノリの隙をついて下着の中に指を入れ、服の上からメノリの胸の先を撫でて来る。  
「気持ちイイ…? ねぇ、もっと私達仲良くなりましょうよ。私とハワードでメノリに色々教えてあげるよ。……こっちへ来て?」  
今度は引かれるままに、メノリは抵抗できなかった。  
 
 

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