「もうすぐクリスマスねぇ」
「なんだシャアラ、唐突に」
メノリはイモのスープを作る手を休めず、聞き返した。
シャアラは指折り数え、チャコを振り返る。
「クリスマスよぉ。チャコ、そろそろよね?」
「ん?」
冬になり果物が採れなくなってから、チャコは精彩を欠いている。
シンゴはそんなチャコを心配そうに見つめた。
「そうやな。あのまま暮らしてたら明後日がクリスマスの計算や」
「じゃあ、明日はイブね!ホワイトクリスマスなんてはじめてだわぁ」
「ホワイトクリスマス、か…」
この雪の中、毎日狩りに出るベル、カオル、ハワード、ルナを思って
苦笑するメノリの袖を、隣で干し魚を手渡していたアダムが引っ張る。
「ねえメノリ、クリスマスってなに?」
「うむ、それはだな…」
「うはー、やっと着いた!火に当たらせてくれぇ」
「ただいま、みんな!」
「ベル、ハワード、おかえりなさい!」
「無事で何より。どうだった?」
「へっへーん、これを見たまえ」
トビハネ二頭を前にハワードの自慢話を30分ほど聞いていると、再びドアが動いた。
「……」
「たっだいまー、じゃーん♪ 見て見てー!」
ルナは2羽の野鳥を掲げた。
そしてカオルの手にあるもう3羽の野鳥と数匹の魚を指し示す。
「…すごいな、今日は」
流石のメノリも感嘆の声を上げた。
「そうだわ!」
皆にスープを取り分けていたシャアラは、急に瞳を輝かせた。
「明日のクリスマスイブに、パーティーをしましょうよ!」
「お、いーねー!」「いいんじゃない?」「いいと思うよ」「うむ、反対する理由はない」
「カオルはどうや?」「……」「よし、全員賛成ね!」と、すんなり決まった。
「クリスマスパーティーといえば、やどり木よねぇ」
シャアラがうっとり話すのを聞いて、メノリがむせた。
「メノリ、やどり木って?」
「あー…、クリスマスの晩にやどり木の下では好きな子にキスができる…だったか…」
「僕はやどり木の下にいる男女はキスしないといけない、って聞いたぞ?」
「あら、やどり木の下にいる女の子にキスをすると恋が叶うのよ」
言い争う3人を、楽しそうにルナが眺めた。
「へえ、色々あるのねぇ」
「ルナ、キスってなに?」
「これよ」
ルナはアダムの額にチュッとキスをした。
「!」
「…」
「お。ベル、カオル、火傷せぇへんかったか?」
「熱いんだから気をつけなよ」
シャアラは彼らにハンカチを渡しながらのんびりと言った。
「でも、この島にやどり木ってあるのかしら?」
そのときカオルの目が光ったのを誰も見ていなかった。
カオルナ編
翌日は久しぶりの晴天だった。
「ルナ」
外に薪を取りに来たルナを、カオルが呼び止める。
「それが終わったら、ちょっと付き合ってくれ」
「いいけど…?」
「うわあ、いい眺め。こんなところまで上ったのは久しぶりだわ」
「こっちだ、ルナ」
カオルはルナを一本の木の下にいざなった。
「あれを見ろ」
すっかり葉の落ちた巨木には、ところどころに大きな鳥の巣のようなものがついている。
「なに、あれ?」
「あれがやどり木だ」
「初めて見るわ。わたしパーティーって行ったことないから…」
「それが普通だろう」
言外に、あの3人は普通ではないと言い捨てる。
ルナは手を目の上にかざし、まぶしそうに見上げた。
「みんな喜ぶわ、ありがとうカオル」
「…」
そっぽを向いたカオルに笑いかける。
「この場所のこと、どうして知っていたの?」
「やどり木のある木には野鳥が集まる。だから調べておいた」
「そ、そう」
本当に何者なんだろう。
「取れるかしら」
「ああ」
幹に手をかけてスルスルと登り、無造作に2、3個つかんで降りてきた。
あっさり手渡され、ルナはクスクス笑い出した。
「どうした」
「いえ、よく考えたらわたしたちもやどり木の下にいるのね」
「どういう意味だ」
「メリー・クリスマス、カオル」
幹に寄りかかり、ルナは目を閉じた。
カオルはしばし青空を仰ぎ、それから仕方ないという顔で微笑んだ。
ルナの両脇に手を突き、ゆっくり唇を近づけていく。
「ん…」
「寒くないか?」
「う、うん…、んっ、あぅ」
ルナはコートと上着の前をすっかり開き、シャツを捲り上げられていた。
カオルはルナの右の胸にかがみ込み、桜色の先端を口の中で転がしている。
左の胸はすでにキスマークで真っ赤になっていた。
「熱いくらい…」
「ここは?」
耳元で囁き、右手をスカートの裾から侵入させる。
「んぁっ、あっ、あんっ」
タイツの上から刺激されて、ルナは悲鳴を上げた。
「あ、下着が濡れちゃう…っ」
「どうする?」
カオルが耳を舐めた。
「ひゃうっ」
「やめるか?脱ぐか?」
「あっ、あっ、ああっ」
「それとも、このまま続けようか?」
カオルの息も荒くなっている。
「ぬ、脱ぐわ…」
ルナは目に涙をためてタイツと下着を一気に下ろした。
木の幹に向き合うように上体を押しつけ、脚を開いて腰を突き出す。
長い肌色の足と背中の反り具合が扇情的だ。
カオルはカオルでこの展開に自分を見失っていた。
とりつかれたように黒いズボンを下ろし、カオルズスピアーを取り出す。
ルナのスカートを捲り上げ、押しつけてから躊躇した。
「ルナ、いいのか?」
「うん」
「いくぞ」
「ちょうだい、カオル」
立ちバックの無理な体勢でカオルを受け入れながら、ルナは指を噛んだ。
自分の胎内にカオルが入ってくるのは嫌な感じではない。
なのに、泣きたいような気持ちがする。
カオルの腰が動き始めると、声が出るのを止められなかった。
ルナは幹にしがみついて涙を流した。
「ルナ…ルナ…」
カオルはうわごとのようにつぶやきながら腰を使った。
カオルズスピアーが奥に当たるたび、ルナが大きな声を上げる。
やがてルナの脚が震えだし、腰が砕けてくる。
「あ、あ、あ…」
カオルは崩れ落ちそうになるルナを抱え、腰を打ち付けた。
奥へ、奥へ。
「く…っ」
やがて、歯を食いしばり、目を閉じて理性で抜いた。
雪の上に濃厚なタンパク質が飛び散る。
「はあっ、はあっ、はあっ」
雪の上に片膝を立てて腰を下ろし、息を整える。
ルナも木の根元にぺたんと座り込んでいた。
視線が出会い、ルナが微笑む。
思わず目をそらすと、顔をのぞき込むように近寄ってきた。
そのままなんの躊躇いもなく、股間に顔を埋める。
「ルナ…!」
濡れた股間を舐めとっている。
「ありがとう、カオル…」
「な、なにがだ」
「うん、色々と…」
14歳のスピアーは瞬く間に復活する。
ルナは舌と唇を使って懸命に奉仕した。
「カオル…」
「なんだ」
「今度は…口の中に…出していいよ…」
その頃スターホールでは
「もうお昼なのに、ルナ遅いわねぇ」
「なにか探しにいったようだぞ」
「カオルが一緒やから、大丈夫やろ」
などと言われていた。
インターミッション 〜ベルシャ〜
「なあに、ベル?こんな森の奥に連れてきて」
「シャアラの意見が聞きたかったんだ。これ、どう思う?」
ベルが指さした先には、さほど大きくない針葉樹があった。
「まあ、もみの木だわ!」
シャアラがうれしそうに手を叩く。
その顔を見てベルもうなずいた。
「植物に詳しいシャアラが言うなら間違いないね。じゃあこれを切って…」
「え?」
「いや、クリスマスツリーがあったほうがいいかと思ったんだけど…」
「切る?」
シャアラの表情がこわばった。
「え?」
「かわいそうよぉ、『天使達のゆりかご』を切るなんて!」
「え、なに?」
「いまつけた名前よ!ベルのバカァ!」
「え、ご、ごめん?」
「掘って」
「え?」
「掘って持ってきてよぉ」
「わ、わかったよ」
シャアラの顔が明るくなる。
「良かったぁ。あ、わたしごちそうの準備があるから!」
「あ、シャアラ」
シャアラは軽やかに駆けて、木々の向こうに消えていった。
「…掘るか」
ハワメノ編
「ハワード、ちゃんと押さえていろと言ったろう」
「メノリが引っ張りすぎなんだよ」
「ほら、もう一度やるぞ」
「命令するなよ」
天井の飾りを数個とりつけただけで、洞窟の中はすっかり険悪になっていた。
「だいたい、なんで誰もいないんだよ」
「私に聞くな。ルナとカオルは山に何か取りに行ったようだ。
チャコはシンゴが外で調子を見てる。ここは暗いからな。
シャアラはさっきベルに呼ばれて森に行った。アダムはその辺にいる」
「なんだ。全部わかってるじゃないか」
「うるさい。ほら、そっちを持て」
「はーいはい。わかりましたよー」
「ほら、そんなふざけた態度でやってると危な…きゃっ」
「わっ」
バランスを崩したハワードは、メノリを巻き込んで床に倒れ込む。
二人の上に、飾ろうとしていたありあわせの布がふわりと落ちた。
「う…、だからふざけるなと…。ん?」
メノリは足の指に変な感触を感じた。
柔らかかったものが、何故だか徐々に固くなっていくような…
「なんだ?」
その形を確かめるようになぞる。
すると、固さだけでなく大きさも増すのがわかった。
「うーん…」
メノリは首を傾げ、起きあがって布を取り去るそぶりを見せた。
「ま、待て…」
「なんだ、ハワード?」
「見ないでくれ…」
「何を言っている」
「それから…」
「なんだ?」
「…やめないで…くれ」
「ハ?」
メノリは再び足で探り、謎の物体を指で確認した。
「これか?」
ぐにぐにと動かしてみる。
「あ、ああ…。ちょっと待って…」
ハワードがそのあたりを手で探った。
「ハァ、いいよ。どうぞ」
「ちょっと待て…」
今度はメノリが止めた。
「貴様、私に何をさせようとしている…」
ハワードがズボンを下ろした結果、メノリの足指にはじかにそれが触れていた。
いかにタイツ越しにでも、ここまできたらその正体はわかる。
「やめるなよ、メノリ、頼むよ…」
「ハワード」
「だいたい、お前のせいなんだぞ。お前がいじるから」
「私のせい?」
メノリが意外そうな声を出した。
「こうなっちゃったら、辛いんだぞ。服にもしまえない」
確かに、このサイズのままでは再びズボンを履くのは困難だろう。
「どうすればいいのだ?」
「僕がいいって言うまで、さっきみたいに触ってくれ」
「それで、問題は解決するのか?」
「ああ」
メノリは考え込んだ。
「私の責任ならば、いたしかたあるまい」
「早く…辛いよ…」
ハワードが情けない声を出す。
メノリは途方に暮れた顔をしながら、再びそれに触れた。
「あと、できたらタイツ脱いで…」
「注文が多いな」
「どうだ?」
「ああ…順調だ…」
グニュグニュグニュグニュ
メノリとしても、素足の方が指が動かしやすかった。
気色は悪いが、早く終わるならその方がいい。
「強くないか?」
「いや…そのくらいが…」
ハワードの荒い息づかいを聞いていると、メノリにも興奮が伝わってくる。
徐々に、どうしたらハワードが喜ぶかがつかめてきた。
「ああ…いいよ、メノリ…」
「そうか。それは良かった」
「そこ…いい…」
指でしっかり挟んで皮を大きく動かしてやると、ハワードは声を上げた。
「そ、そのまま…もっと強く…」
「こうか?」
「そう…、凄いよメノリ…」
メノリは気をよくして、ギュッギュッと強くしごいた。
「う…もうちょっと…」
ハワードが切なげな声を出す。
流石のメノリも少しだけ可愛いと感じた。
「あ…もう…」
声に合わせてしごき上げる。
「うっ」
メノリはハッと気づき、慌てて布を取り去った。
同時に自分の足とタイツも避難させる。
そんなものをかけられては後始末が大変だ。
ハワードは地面の上でエビのように丸くなり、射精していた。
「ここが洞窟で良かったな」
その場所の土を掘って捨てるのを手伝いながら、メノリは笑った。
「ちぇ」
見られたくない姿を見られてハワードはいじけている。
その顔を見ながら、自分が少し濡れたのは秘密にしようとメノリは思った。