左腕は限界だった。  
二人分の体重を支え、肘が伸びきって曲げられない。  
「ハワード…」  
シャアラの目が潤んでいる。  
「大丈夫だ…のぼるぞ」  
その目をまっすぐ見つめ、ハワードは精一杯の笑顔で答えた。  
「ハワード、一人で逃げて」  
「駄目だ!一緒にコロニーに帰るんだ!」  
ハワードは思わず大声を出した。シャアラと帰る、絶対に帰るんだ!  
「ハワード……うん」  
このときの二人は心の底から、二人とも生還することを信じていた。  
 
「ハワード、シャアラ!」  
「今行く!……帰るぞ」  
「うん!」  
次の瞬間、船が大きく傾いた。  
 
後で考えると、水路に落ちるまでは一瞬だったのだろう。  
だが、目も開かず息も吸えず、ただシャアラを強く抱きしめたあの時間は  
ハワードにとって、それまでの人生で一番長く感じられた時間だった。  
(このまま、砂の中で窒息するのか…)  
息苦しさに絶望しかけたとき、体がフッと浮いた。  
「……!」  
落下の衝撃でシャアラの手を離してしまう。  
気を失ったシャアラは声もなく落ち…続いて水音がした。  
次の瞬間にはハワードも速い流れの中に飲み込まれていた。  
 
「ケホッケホッ…」  
流砂の中で失神したシャアラは、砂も水も飲まずに済んだ。  
おそるおそる目を開くと、薄暗い人工的な天井が見えた。  
「砂は…?あっ、ハワードは!?」  
ガバッと起き上がり、周囲を見回す。  
自分がずぶぬれであること、近くで水流の音がすることに気づいた。  
「ハワード?ハワード?」  
 
薄暗い上に眼鏡を失ったのでよく見えない。  
手探りで動くうち、床の脇を流れる水流に落ちそうになった。  
「ここを流れてきたのかしら…ハワードは…?」  
目のあたりが熱くなり、鼻がツーンとしてきた。  
でも、座り込んで泣いている場合ではない。  
どこかでハワードが助けを待っているかもしれない。  
「ハワード!いたら返事をして!」  
シャアラは唇を噛んで、歩き始めた。  
 
 
「ハワード!」  
閉鎖された空間に声が反響する。  
「返事がないわ。ここにいないか、意識がないか…」  
ブンブンと頭を振り、嫌な考えを追い出す。  
(ハワード、生きてるわよね…一緒に帰るのよね…)  
 
「寒い…」  
急に寒気を感じてシャアラは自分の体を抱いた。  
(いけない、水に体温を吸われてしまう…)  
シャアラは慌ててパステルカラーのパーカーとブラウスを脱いだ。  
渾身の力で絞ると音を立てて水が落ちた。  
濡れた素肌に地下の空気が冷たい。  
「くしゅっ!…キュロットも絞らなきゃ」  
乾きやすそうなブラウスだけ身につけ、キュロットと下着も絞った。  
 
「ん…」  
再び下着とキュロットを身につけたとき、微かに人の声がした。  
 
「ハワード、しっかりしてハワード!」  
上半身だけ床にひっかかっていたハワードをどうやって引き上げたか覚えていない。  
シャアラは無我夢中でハワードの頬を張った。  
「意識が戻らない、どうしたら…はっ!」  
シャアラの脳裏に、あの島にいた頃の光景がひらめいた。  
海に出る前の心得として、知識の豊富なベルとカオルによる救命講座を受けたのだ。  
(たしか、こういうときは…)  
「人工呼吸。やるしかないわ…!」  
ベルの手つきを思い出し、気道を確保する。  
ちなみにベルはルナで見本を見せようとしたが、カオルが立候補した。  
(シャアラ、しっかり!やるわよ!)  
鼻をつまみ、そっと唇を寄せる。  
胸がふくらむのを確認して顔を離し、口に頬を近づける。  
(…まだよ、まだあきらめない)  
再び唇を重ね、息を吹き込む。  
「う…」  
ハワードの眉根が寄り、息が戻った。  
 
「ゲホッゲホッ」  
「大丈夫?大丈夫?ハワード!」  
砂混じりの水を吐き始めたハワードを横向きにして背中をさする。  
「…ぐ、シャアラ、シャアラ」  
「ハワード、ここにいるわ」  
「シャアラ…僕、手を離して…ゲホッ」  
意識が混濁したハワードは、大量の水を吐ききると再び気絶した。  
息も脈もあるが、体が冷え切って青ざめている。  
「ずっと水に浸かっていたから冷えたんだわ、どうすれば…」  
一瞬ためらい、それから思い切ってエンジのタートルネックを脱がせる。  
懸命に絞って水気を切り、それで体と髪を拭いた。  
「ズボンも絞らないと…」  
脱がすのはさすがに躊躇したが、このままでは冷え切ってしまう。  
(ハワード、ブリーフ派なのね…)  
 
「だめだわ。手も足も、全然温まらない…」  
いくら絞っても、湿った服で拭いている以上、余計冷やすようなものだった。  
シャアラは唇を噛み、乾きかけた自分のブラウスを脱いだ。  
「これの方がきっとまだマシ…あっ、あるじゃない、温かくて濡れてないもの」  
ぐっとあごをひいて微笑むと、シャアラは下着を残して服を脱いだ。  
二人の服は乾きやすいように広げ、ブリーフ姿のハワードを見下ろす。  
「うーん、うーん…」  
額に張り付いた金髪をそっと手でどかし、コツッと額を合わせる。  
肌が触れた瞬間、その冷たさにシャアラは震えた。  
「大丈夫よ、ハワード。いま温めてあげる」  
 
「ん…」  
「ハワード、目が覚めた?」  
「シャアラ…シャアラ!?生きてる?生きてるのか!?」  
「ええ、私たち二人とm」  
「うわー!ヒャッホーウ!シャアラー!」  
蘇生した瞬間、ハワードは顔を崩してシャアラに抱きついた。  
ぎゅうっと胸をおしつけられ、シャアラは赤面する。  
「よかったー!これ現実だよな!夢じゃないよな!?」  
ハワードは真っ赤になったシャアラをギュウギュウ抱きしめて叫んだ。  
(か、顔が熱いわ…さっきまであんなに寒かったのに…)  
 
「そ、その、ハワード!」  
際限なく興奮するハワードに抱きしめられっぱなしのシャアラは叫んだ。  
「うひゃー!あ?なんだ、シャアラ?」  
「あの、もう服が乾いたと思うから、その…」  
「あ?服?ああ、服ね、ふ…」  
沈黙が落ちた。  
シャアラの肩に手をおき、硬直する。  
「わああああ!」  
「きゃああああああああああああああああ!!!!!」  
シャアラは目に涙をため、慌てて腕で胸を隠した。  
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい、その…これしか方法がなくて…」  
 
しゃくり上げるシャアラの説明を聞いて、ハワードは涙ぐんだ。  
「僕のためにそこまでしてくれたんだな。自分だって危なくなるのに…」  
シャアラの頭を引き寄せ、胸に抱く。  
「そんな、ハワードこそ私のために戻ってきてくれて…」  
体温を取り戻した胸に顔を埋め、シャアラも涙ぐんだ。  
「いいんだ。シャアラが生きててくれてうれしいよ」  
「私もよ、ハワードが生きてくれて、本当にうれしい」  
「シャアラ…」  
 
真剣な声に顔を上げると、フッとハワードの顔が近づいてきた。  
薄い緑の瞳がシャアラの唇を見つめている。  
シャアラは目を閉じてその瞬間を待った。  
温かい唇がそっと触れ、ためらって離れる。  
シャアラは手探りでハワードの手を握った。  
どちらからともなく、指を絡ませる。  
 
ハワードは空いた腕をシャアラの背中に回した。  
彼女をぐっと引き寄せ、口を強く押しつける。  
シャアラは口を少し開いて受け入れた。  
 
九死に一生を得た二人は、陽の差さぬ地下でむさぼるようにキスを交わした。  
 
いつからかハワードはシャアラの事を目で追う様になっていた。  
もちろん自分と対等に言い合えるメノリが嫌いではない。  
長い共同生活の中、自分と同じタイミングで笑ったりできるシャアラに  
安心感を覚える様になったのはいつからだろう?  
 
カッコ良さなら悔しいけどカオルに  
体力ならベルに  
知識ならシンゴに  
あの中で自分の役割と言ったら皆を笑わせる事!(ベルみたいに誰かに従うのも性じゃない)  
そうする事で自分の立場を守っていた  
シャアラの前だけ・・・調子が狂う  
誰かの為に――人を助けるなんて自分の性じゃないはずなのに・・・  
真っすぐな瞳で゛生きてくれて、本当にうれしい゛なんて言われたら――  
意識があるはずなのに理性が何処吹く風、ハワードはシャアラを押し倒していた。  
 
(あら?なんでこんなこと、してるのかしら…)  
フワフワとしてよくまわらない頭で、シャアラは考えた。  
仲間の一人、友達の一人だったハワードと唇を重ね、組み敷かれている。  
(私…なんで…?)  
 
何の脈絡もなく、ベルの大きな背中が浮かぶ。  
「次は人工呼吸のやりかたを…えっと、誰か手伝ってくれないかな」  
そう言ったとき、彼はシャアラに背を向けてルナを見ていた。  
皆の視線がサッとルナに集まる。  
頼まれると断れない性格の彼女が口を開く前に、カオルが立ち上がった。  
「俺がやろう」  
 
その晩以来何度となく、シャアラは毛布を被って夢想した。  
横たわっているのはカオルでもルナでもなく、自分。  
ベルはそのあごをそっと持ち上げ、唇を重ねる。  
 
(ああ…)  
 
再び脈絡なく、メノリの凛々しい横顔が浮かんだ。  
ベルの手に落ちた姫君を颯爽と助ける妖精の剣士。  
船上でルナのために上演された劇は、シャアラの願望だった。  
たくましいベルに無理矢理奪われてしまう自分。  
気高く優しいメノリに助けられ、花園の上を飛びながら唇を…  
 
そんな場面を何度毛布の下で思い描いたことか。  
しかし、シャアラは自分では演じずに、その役をハワードに託した。  
 
(それは、私達が同じだから…)  
 
ベル、メノリ、カオル、シンゴ、ルナ、チャコ。  
それぞれ突出した能力を持つ仲間達の中で、「普通」の二人。  
ハワードはシャアラに八つ当たりすることが多かったけれど、  
それは、他の皆が強すぎてシャアラにしか甘えられなかったからだ。  
他の皆が平気でいるときでも、シャアラだけはハワードの不安を理解するからだ。  
 
ハワードがデザートローズを壊したときも全く腹が立たなかった。  
ハワードの不安がシャアラには痛いほどわかっていたから。  
カッとしたあとでハワードがどんなに後悔しているかもわかっていた。  
 
(そう、私と同じように感じるのは、ハワードだけなの)  
 
そして、自分を助けにハワードがやってきたとき。  
その目を見て、シャアラにはわかった。  
ハワードもそんなシャアラのことをちゃんと見ていてくれたことが。  
 
夢の世界でなく、初めて目の前に現れた等身大の男の子。  
いま自分を組み敷いているのは、そんな大切な男の子なのだ。  
 
「ハワード…」  
シャアラは吐息と共に囁き、乾きかけた金色の頭を抱きしめた。  
 
「ハワード、大好きよ…」  
 
地上でルナ達が助けられなかった二人を悔いて涙を流している頃  
地下の二人は別世界へと突入していた。  
ドローンに気付かれるまでの小一時間――  
 
「くすぐったいww」  
「・・・え・・・っ」言われて金髪がビクッと震える。  
「・・・初めて・・・?」深い緑の瞳がハワードを見上げていた。  
「シャアラも・・・?」  
「うん・・・」  
暗い地下の中でお互いの体温だけが存在を認める手段だった。  
コロニーに居た頃、級友達と下世話な話題で盛り上がった事もあったが  
いざ実戦となるとおぼつかない。  
寒さで震えていた鼓動が緊張の高鳴りへと変わっていった。  
 
砂漠を抜けた後、森へ腰を据えた一行は何も言わぬまま果物を口にしていた。  
「今日はここで寝よう」  
カオルの言葉に全員が同意した。  
かってルイが死んだのは自分の責任と思う事で心を閉ざし  
孤独に投じた自分を否定せずに受け止めてくれたのはルナだ。  
彼女の為にも今回の事が自分のせいだと崩れたくはない。  
 
ルナをお父さん・・・ポルトさんに続き大切な親友と仲間の二人を同時に亡くした悲しみが胸を襲った。  
(シャアラだって、これから好きな人と出会って幸せな人生があるはずだったのに・・・)  
自分はカオルと良いムードでいたのでは無いか・・・  
脱出の時もシャアラを見なかったのでは無いかと。  
 
あの時相手がルナだったら真っ先に駆け出していたかもしてない。  
ベルの足は一瞬の判断を誤った。  
自分は登って来る仲間を引き上げなければならなかったから  
仕方がないと言えばそれまでだが・・・  
 
「冷たいよ!メノリ・・・!!」  
静寂を破ったのはシンゴだった。  
カオルはルナの為、シンゴの慰め役に走った。  
 
(ハワード、どうするつもりなのかしら…)  
(ど、どうしたらいいんだろう…)  
二人はしばらくの間、不器用に舌を絡ませながら抱き合っていた。  
時折おずおずと相手の性感帯とおぼしきところ…胸とか股間とか…  
を触ってみるが、相手の体に緊張が走ると手を引っ込めてしまう。  
 
そろそろと伸びたハワードの指が、小振りな胸に三度目のトライをした。  
「きゃっ!」  
「ご、ごめん…」  
怒られたかのようにビクッとする金髪。  
「あ、いいのよ、こっちこそごめんなさい!」  
シャアラは慌てて言い、逃げた手を掴んで自分の胸に押し当てた。  
「んっ…!」  
「シャ、シャアラ…」  
手のひらに感じたシャアラの乳首が硬度を増したのを感じ、  
ハワードは頭に血が上って顔から火が吹き出るのではないかと思った。  
シャアラの顔を見下ろすと、こちらも真っ赤になってうつむいている。  
(こ、ここで頑張らないと男がすたる気がする…)  
ハワードはぎこちなく愛撫を開始した。  
 
(シンゴは問題外として、ベルやカオルならこんなときでも上手くやるのかな)  
両手で小さな乳房を包み、モミモミと頑張りながらそんなことを思う。  
ベルはなんだかんだいって16歳だし経験済みかもしれない。  
カオルは初体験だとしても、器用さと体力でなんとかしそうで不気味だ。  
(そういえば、あいつらとは猥談しなかったな…)  
しておけば良かった。  
猥談して、実践に役立つ知識を仕入れておけば良かった。  
ひたすら揉む以外のことが出来ずに、ハワードは深く後悔した。  
 
「ん…っ」  
ハワードが座った目で乳房を見つめ、揉み続けるなか、  
シャアラは漏れそうな声を噛み殺しながら赤面していた。  
最初は単調な動きだと思ったが、血行でも良くなったのか、徐々に感じやすくなってきている。  
ハワードの顔が妙に憂いを帯びているのも、なんだか新鮮でドキドキする。  
(ハワードにさせてばかりでは…)  
シャアラもおずおずと手を伸ばし、そそそ…と腹から下腹部を指でたどった。  
 
「あっ…!」  
「ご、ごめんなさい、ハワード!痛かった?」  
「い、いや、ちが…」  
ブリーフに手を突っこまれ、いきなり勃起した陰茎を握られてハワードは腰を引いた。  
「触っちゃだめなとこだった?」  
きゅっと握っていた小さな手を、ぱっと離す。  
「や…、そんなこと…、ない…、よ…」  
ハワードは息を整えながら無理矢理笑顔を作った。  
危うく暴発するところであった。  
 
焦る脳裏にコロニーに居た頃の、ある日が浮かぶ。  
 
そう家族が留守の取り巻き一人の家で、たむろっていた日の事。  
なんて事ない、誰かが適当にモニター画面のチャンネルを替えて遊んでいた時だった。  
いわゆる未成年が見てはいけないチャンネルをクリックしてしまったらしい・・・  
 
「あ・・・あん・・・あああ・・・っっ」  
引き締まったボディを男の身体に激しく上下させ喘ぐ美しい女の映像ー―  
 
誰もが一瞬でモニターに釘付けになってしまった。  
「すげ・・・っ」  
リモコンを持った取り巻きが興奮する。  
年頃の男子生徒数人・・・青い欲望の色は隠せない。  
「なんだっこんなの!早く替えろ!!」  
ハワードは、口に咥えたポテトを落としていた。  
思わず赤面になってそう叫ぶ・・・  
「ご・・・っごめんすぐ替えるよ!」  
ほんの1、2秒だったと思う。  
それだけで身体が反応してしまった自分を悟られるのが恥ずかしかった。  
 
(そ・・・そう、たしかあの時の映像では・・・)  
克明に焼き付き青い脳裏には、かなり強烈だったのだろう。  
美しい女に男がしていた様にハワードはシャアラの乳房を口に含んでみる。  
 
「ふ・・(んん)」  
シャアラが小さく反応する。  
初めはゆっくりと舐める程度だったが、やがて口を尖らせて乳首を含んだ。  
口の中で舌につつかれ唾液に濡らされた乳房がテラテラと光る。  
ハワードの顔は真っ赤かだった。  
 
「あ・・・あたし・・・っ」  
同じく顔を真っ赤にしたシャアラがやっとの思いで囁いた。  
「し・・・下の方も・・・」  
 
「下・・・?」  
真っ赤な顔でそっとシャアラの下着の上を指で触れてみる。  
布ごしからもはっきり判るほど染めっていた。  
「触れてほしいの・・・お願い・・・・・・」  
恥ずかしくて泣きそうな声が闇に溶ける。  
お互い最後の下着を着けたまま重なっていたのだが、これではいけないと思い  
ハワードは自分のブリーフを脱ぎずらした。  
 
もともと日の光も差さない薄暗い地下水路の沿線。  
恥ずかしい部分は闇に混じってはっきり見えなかった。  
抱き合う時に接近する互いの赤い顔や息使いを感じながら  
羞恥心が薄れたのか、ぎこちない動きが少しだけ慣れてきた。  
 
ハワードはシャアラの下着へと左指を潜り込ませると先ほどと同じように触れる。  
さっきと比べ物にならないリアルな感触が指を濡らした。  
 
「う・・・」  
ぬちゃ・・・・ぬちゃ・・・  
映像でしか見たことが無かった女性の神秘から逃げ場を失った指が  
同じ場所から動かなかった。  
 
そんな闇の中でシャアラも又ハワードの勃起した陰茎を捉えた。  
「シャ・・・☆?■」  
青い性器がビクッと反応する。  
「いま・・・脱ぐから待ってね・・・」  
シャアラは少しだけ体勢をずらす様にお願いすると倒されたまま  
パンティを脱いだ。  
生まれたままの少女の身体が晒される。  
ハワードの陰茎を掴むと潤い溢れるソコへと持ち寄り、何度もスライドさせた。  
 
ぬるぬるぬる  
「シャアラ…」  
感じやすい部分に体温と湿り気を感じてハワードが眉根を寄せる。  
なんだか、いまにも出してしまいそうだ。  
 
ぬるぬるぬる  
「ハワード…」  
ハワードの陰茎を握って自分の陰部にスライドさせながら、シャアラも囁いた。  
「あんっ…」  
先程から、妙に一点だけもの凄く感じる部分がある。  
そこが気になって、陰茎を握り直すと集中して擦ってみた。  
 
「あんっ、…あっ、ああん!」  
(シャアラ、色っぽいな…(*´д`*))  
元々メゾソプラノ気味で大人びた声のシャアラが本気で喘ぐと凄い。  
ハワードの背筋は、色っぽいシャアラの声を聞くたびゾクゾクした。  
(あの映像の女なんかよりずっと色っぽい、凄いよシャアラ…)  
血液が陰茎に集中するのを感じる。  
(もう我慢できない…!)  
目の前の少女にこれを思うさまぶちこみたくなった。  
 
暗闇の中でシャアラの股間と判るべき処へそれをあてがって見る。  
「あ・・・っ’」  
「ェ・・・違った・・・?」  
顔から火が出そうだ。  
「う・・大丈夫よ・・・ゆっくりやれば」  
自分の下で少し息の上がったシャアラが囁く。  
 
(もう一度)  
「う・・・っ」  
今度はハワードが声を漏らした。  
ズプ・・・  
ゆっくりだがソレがちゃんとシャアラの内壁へと入った。  
「いくぞ・・・」  
「ァ・・う・・ん」  
初めてだけに堅かった。  
 
「うぅ・・・」  
声を立てまいとしてシャアラは眉根を寄せてギュッと目を閉じた。  
下腹部の辺りから異物の感触を感じる。  
「はぁ・・・ハワー・・・ド・・・」  
シャアラも動きを助ける為に腰を浮かす。  
「あ・・シャ・・・!」  
精一杯――体重をかけ奥へ沈む様に促す。  
「きつ・・・」  
内壁に抵抗され何度も外へ飛び出そうとするのだ。  
「あぁ・・・」  
「あ・・・っ」  
ハワードはシャアラの両腕を地べたへと押さえつける。  
半場強引に中へ押し込んだ。  
 
「ぁぁ・・・!」  
「うッ・・・あッッ!!」  
ハワードの怒張は内壁の中でうねりを見せる。  
 
「・・・・・ッッ・・・!!!」  
必死に堪えているシャアラの様子は更に欲情を引き立てた。  
「シャアラ…声・・・聞きたい・・ 」  
荒い息使いで圧し掛かる。  
 
「は・・・恥ずかしい・・・っ」  
「誰も居ないってば・・・!」  
男としての征服欲が映像の女をチラチラとよぎらせる。  
ハワードの言葉にシャアラが答えた。  
 
「あ・・っ!あ・・っ!あ・・っ!」  
腰の動きに合わせて大人びたシャアラの声が地下にこだまする。  
「あああっ・・・!!!」  
開き直ってしまうと何ともない様に思えた。  
自分を貫く相手に身体のすべてを委ねる。  
「あ・・っ!あ・・っ!抜かないで・・・ハワード!」  
ベルの大きな背中を逞しいと思っていたが、こうして闇の中ハワードと  
一つになるとその身体はシャアラに安堵と快楽すべてを与え、とても逞しかった。  
昨日までは仲間の一人、友達の一人だった二人は一線を越える。  
 
「抜か…ないで…って、言われても…」  
正直、もう限界だった。  
そもそも挿入前から果てそうだったのだ。  
シャアラの熱い胎内に包まれて、目が眩みそうだ。  
「僕…もう…」  
「ハワードと、ずっと、こうしていたい…、あんっ!」  
深い碧の目が、うるうると見上げてくる。  
「く…っ!」  
ハワードは唇を噛んで耐えた。  
 
「あっ、ああん、あんっ」  
ハワードの陰茎は年に似合ってまだ細かったが、長さは十分あった。  
細いとはいえ、未通だったシャアラの堅い膣内にはちょうど良い太さだ。  
それが、押し込まれ、引き出されるたびに声を上げずにはいられない。  
「あんっ、いいっ、ハワード、いいの…っ!」  
シャアラは背中を反らせ、涙を流して悶えた。  
こんな快感は生まれて初めてだった。  
だから、何度目かにハワードが腰を引こうとしたときも腰をつかんで止めた。  
「や、いやあ、抜かないで…、ハワードぉ」  
 
「シャ、シャアラ…」  
ハワードはうわずった声をやっと絞り出した。  
「抜かないと…、僕、もう…」  
「もっと、もっと、ハワードのおちんちんで私の中をぐちゃぐちゃにかきまぜてぇ!」  
(う…)  
その声を聞いて、さらにハワードは追い込まれた。  
 
(なんてコトを言うんだ、シャアラ…)  
セクシーヴォイスで爆弾発言をかまされ、ハワードは目の前がくらくらした。  
射精の衝動で、睾丸が痛いくらい張りつめている。  
(いけない、このままでは…)  
冷静に考えれば腰の動きは止めるべきなのだが、動かしたまま考える。  
(このままでは、シャアラの中に…)  
ハワードは唇を強く噛んで理性を取り戻し、シャアラの肩を掴んだ。  
「シャアラ、よく聞くんだ」  
 
「あ、あんっ、ハワード、なに?…んっ、ああんっ!」  
「うっ…」  
とろんとした深緑にみつめられ、確実にカウパー線液が漏れた。  
「はぁ、はぁ、…シャアラ、僕はもう、出ちゃいそうなんだ…」  
「んっ、んっ、…出る? あっ、ああっ」  
「そう、出ちゃうんだ。その…精液が」  
シャアラは小首を傾げて数秒考えた。  
「それって…」  
「そう、シャアラを…妊娠させちゃうかも…んっ!」  
妊娠するシャアラを想像しただけで、またカウパー線液が漏れた。  
 
「…わかったわ」  
シャアラは残念そうにつぶやき、手を離した。  
ハワードはいまにも暴発しそうな陰茎を素早く抜き取る。  
「あ、よ、よか…って、シャアラ、何して…うっ!」  
普段のおっとりぶりからは想像もつかない早さでシャアラは体勢を変えた。  
うっすら充血してぬれそぼる陰茎に手を添え、ぱくっと加える。  
ハワードの脳髄衝撃が走った。  
「うっ、あ、出、出る…っ!」  
 
びゅるっびゅるっびゅるっ…  
熱いゼリーのような塊がシャアラの喉に貼りついた。  
小さな口の中で、陰茎はビクンビクンと跳ね上がっている。  
その拍動に合わせて舌の上に、頬の裏に、再び喉に。  
息が出来なくて咽せた拍子に、肉棒が口から飛び出してしまった。  
「あっ…」  
 
思わず目を閉じたシャアラの顔に白濁した液が容赦なくふりかかる。  
メガネを外した美少女が自分の体液で汚れるのを、ハワードはぼんやりと眺めた。  
(なんだ、これ…?すごく興奮する…)  
シャアラは苦しげに咳き込みながら口をぬぐう。  
髪も、顔も、胸元も、どこもかしこもべたべただ。  
「ケホッ、ケホッ…」  
 
(そういや、この星に来てからオナニーなんて滅多にしてないもんなぁ)  
精液の多さに自分で驚きながら、ハワードは苦笑した。  
夏こそ、人気のない森の中や夜中の床下でできたものの、  
男女混合で狭い中に寝ていた冬などはにっちもさっちもいかなかった。  
海の上でも辛いものがあったが、一人になれる夜の見張りの時に散々やっていた。  
でも、砂漠に入ってからはそうもいかなくて…  
(シンゴはまだ精通してないとしても、ベルやカオルはどうしてたんだろう…)  
ベルはなんだかんだ言って16歳だし、やりたい盛りだろうに。  
カオルに関しては、精神力でなんとかしそうで不気味だ。  
 
(すごい…、これがハワードの…)  
シャアラは陶然とその味を味わった。  
本来、お世辞にも美味ではないものだが、シャアラには甘露に思われた。  
(おいしい…)  
「ごめんな、シャアラ…って、シャアラお前…!」  
眼前の美少女は、胸や頬についた精液を指ですくいとり、ちゅぱっと舐めていた。  
「お、おい、無理すんな」  
「…え?」  
精液のせいで喉がからんでいる。  
「無理?してないわ…おいしいもの…」  
シャアラは淫蕩な表情で微笑んだ。  
 
「ハワード、もっとほしい…」  
普段のシャアラからは想像もつかない艶のある表情に、ハワードは硬直した。  
「ね、もっと…お願い…」  
放出し終わってしぼんだ性器に触れられ、ビクッと腰が引ける。  
だが、シャアラはかまわず、四つん這いで女豹のように近づいてきた。  
「ハワードのおちんちんが欲しいの…」  
 
(シャアラ、またなんてコトを言うんだ…)  
ハワードは思わず後ずさろうとして腰を抜かす。  
シャアラはその股間に躊躇なく顔を埋め、さも愛しそうにチロッと舐めた。  
「うあ…」  
敏感になっている先端に触れられ、思わず声が出る。  
「ん」  
温かい口中に含まれ、舌で嬲られるうちに、14歳の陰茎はたちまち硬度を取り戻した。  
「あ、ああ…」  
後ろ手をつき、背を反らしてうめき声を上げる。  
陰茎はほぼ先ほどの大きさを取り戻していた。  
「ああ…シャアラ、凄い、いいよ…」  
 
(かわいい…)  
意識したことはなかったけれど、こうやってみるとハワードは本当に美しい。  
つり上がった眉に少し垂れた目。淡い緑の瞳。  
白い肌を紅潮させ、ややだらしのない顔で喘いでいる。  
(なんていうのかしら、この気持ち。そう、愛しい…)  
シャアラはハワードにのしかかり、屹立した陰茎に手を添えた。  
「はぁ、はぁ、あ、シャアラ…?」  
シャアラは優しく微笑んで、そっと腰を落とした。  
重力に従って落ちる腰に陰茎が深々と突き刺さっていく。  
「あ、ああ…」  
 
騎乗位で下から突き上げていると、シャアラの声に艶が増してきた。  
(そういえば、シャアラはまだイッてないんだっけ?)  
さっきはハワードが興奮しすぎて早く終わってしまったのだ。  
(よし、今度はイかせてやらないと…)  
 
「あっ、あっ、あっ」  
脚のバネを使い、ハワードの動きに合わせて弾む。  
荒っぽいやり方だから、さっきより滅茶苦茶に胎内を突かれる。  
「ああん!」  
急に腰を引き寄せられて大声が出た。  
ハワードがシャアラの腰に手をかけて起きあがり、キスを求めてくる。  
舌を絡ませあっているうちに、今度は胸を愛撫された。  
 
下半身では根元と入り口がこれ以上ないほどぴったりとくっついている。  
(なんだか、上も下もキスしているみたい…)  
動きはないが、気持ちが高まってくる。  
もちろんシャアラは対面座位などという言葉は知らない。  
と、ハワードが一気に肉棒を抜き去った。  
「え!?」  
失望と驚きでとまどうシャアラをくるっと向こうに向ける。  
よろっと女の子座りしそうになるシャアラを後ろから貫いた。  
「あん!」  
もちろんシャアラは背面座位などという言葉は知らない。  
今までと違う角度で刺激され、身もだえた。  
ハワードは後ろから胸をつかみ、あごに手を添えて横を向かせる。  
そして後ろから顔を覗き込むようにキスを交わした。  
 
「ん…」  
あごから首、鎖骨、腰のくびれをすーっとなぞり、右手が接合部に達した。  
襞を掻き分け、陰核をみつけてむき出しにする。  
「んむっ!」  
親指で強く刺激され、シャアラは思わず腰を浮かせた。  
が、すぐに押さえつけられ、後ろから穿たれる。  
ハワードが取り巻きから献上された雑誌で見たことのある体位だった。  
豆をくりくりとこね回され、シャアラの目に涙が滲んだ。  
「んあっ!」  
思わずキスを中断し、声を上げてしまう。  
ハワードはシャアラの耳元で囁いた。  
「シャアラ、今の自分の姿を想像してみろよ…」  
 
「や…」  
後ろから抱かれ、脚を大きく開き、男根をくわえ込み、胸を揉みしだかれる。  
元々お姫さま願望のあるシャアラは若干被虐体質で、Mの気があった。  
かつ、想像力が異常にたくましい性質で、なにごとも美化する傾向がある。  
つまり、このシチュエーションはまさに大好物だった。  
「やあん…」  
シャアラの甘い声を聞いて、ハワードは張り切った。  
腰を使って突き上げ、陰核を剥いては強く刺激する。  
 
「や、あ、あ、やあ、やなのぉ…」  
シャアラはいやいやをするように首を振り、甘い声を出した。  
「ほら、ここ、触って見ろよ…」  
「ああ…」  
息を切らしながら、ハワードがシャアラの手を接合部に導く。  
血管が浮き出たハワードの陰茎が、自分の襞一杯にねじ込まれている。  
「や…」  
「濡れてるぞ、ほら…」  
溢れ出る愛液をすくいとらせ、頬に塗りつけ、口に含ませた。  
シャアラは陶然としてそれを受け、ハワードはその顔に興奮する。  
「いくぞ、シャアラ」  
「あああああああ!!!!!」  
シャアラの腰に手を当て、ラストスパートをかけた。  
 
水流の音、水音しかない地下水路に、粘膜の音とシャアラの嬌声が響き渡る。  
「や、や、あああ!!!!」  
シャアラが体をこわばらせた瞬間、ハワードは閃いて陰核を剥いた。  
「ひっ、あ、あ、あ…」  
ガクガクと体を震わせるシャアラを後ろから抱きしめる。  
胎内がビクンビクンと拍動し、ハワードはシャアラが達したのを悟った。  
脱力したシャアラをきつく抱き、肩に頭を押しつける。  
(どうしよう…)  
愛しくてたまらない。  
 
「少し休むか?」  
「……」  
反応がないシャアラから、ずるりとまだ屹立した陰茎を抜いた。  
シャアラはそのままうつぶせに倒れかかり、ゆっくり手を突いた。  
四つん這いになり、こちらに性器を晒すような形になる。  
ハワードは唾を飲み込んだ。  
「シャアラ?」  
「…大丈夫、あの、すごく…」  
「すごく?」  
「すごく良かっただけ。ハワードの、その…」  
 
(よかった。じゃあ、本当にイったんだ…)  
内心ホッとしながら、ハワードは声を張り上げた。  
「そりゃ当然さ!なんたってこのハワード様は天才だからな!」  
「そう、天才。素敵よ、ハワード」  
優しく相づちをうってシャアラは笑った。  
そして、甘い声を出した。  
「ねえ、頂戴?」  
 
 
【地下二人、仲間心知らず】  
 
「ねえ、頂戴…」  
シャアラは潤んだ瞳で再びハワードの前に膝を付いた。  
グラビアのようなグラマー美女でも無い彼女だが、  
先程浴びせられた精液でドロドロになり床に這う様は  
妖艶で何とも言えないなまめかさを放っていた。  
 
尻餅をついて大股を開いている自分の性器を  
口に含もうとしたシャアラをハワードは一瞬止める。  
 
「ま…待てよ」  
「…?」  
「どうせならさ…」  
寝そべるシャアラの両手首を腰をかがめ握りしめる。  
 
「シャアラの胸に挟んでほしいんだけど」  
雑誌の受け売りだが、今なら何でも要求できそうだ。  
「あん…胸に?」  
 
「うまく…できるか判らないけど…ハワード、手を…」  
「あぁ…うん!」  
ハワードが手を離し、地べたへ背中をつけると  
シャアラは小ぶりなおっぱいで性器を挟もうとした。  
「ハワード…私の胸じゃ挟めないわぁ…」  
「両手で持ち上げるんだってば…」  
「あん…うん」  
グラビアモデルの様にはいかなかったが  
おっぱいで、性器を挟もうとシャアラは目一杯身体を押し付けた。  
縋るように小さな口で懸命に性器を吸い取る。  
 
「う…ん、んふぅ…ふ…んン…」  
ちゅぱ…ちゅぱ…  
ハワードの怒張がシャアラの舌によって舐めとられていく。  
 
「あ…っシャアラ…気持ちいイ…ィ」  
又爆発しそうだった。  
(出そう…っっ)  
ぺちゃ、くちゅ…っ  
 
「ふぅぅん…はふ…っんん…」  
性器をはみながら、シャアラの膣もまた泉が沸き返っていた。  
 
【出して良いのよ】  
(SEXがこんなにも気持ちが良いなんて…!)  
誰に教わった訳でもないけど、気持ち良すぎる。  
空を飛んでいる様だ。  
 
シャアラもまた自分の溢れ出る泉に興奮したのか、  
片手をそこにあてるとじっくりと擦った。  
イクとこまでイッてしまおうか、この際――  
こんな機会、もう無いかも知れない…っっ  
「あぁ…ッッ!出…!!」  
言ってすぐ再びハワードから新鮮な精液が放出された。  
「うゥッ…!」  
再び口に、顔に、たっぷりと浴びせた。  
「けほ…っけほ…っ…またかかっちゃった」  
困った様な声で囁く。  
「ハァハァ…何回だって良いじゃんか…」  
だんだん興奮も判ってきて、コントロールができる様になって来た。  
 
暗闇の中シャアラの身体を辿ると、  
ぐっしょり濡れた膣へと手を差し入れる。  
「あん…っ」  
「はは…シャアラこそまたグチョグチョになってるじゃん…んーーw」  
肩に手繰り寄せ抱きしめると思いっきりディープキスをかます。  
が、(うっ…苦っ!!!!)眉間に皺が寄る。  
(ひょっとして僕の精液…?なんてマズ…!)  
ハワードの口の中に、シャアラが散々飲み込んでいた  
精液の味が広がる。  
我を忘れていた時は、全くといって良いほど気付いていなかった。  
この苦くてお世話ににも上手いと言えない精液を  
シャアラは(おいしい)と言って舐めたのだ。  
―愛のなせる技か…ジーンとなった。  
「ほしいんじゃないのか?」  
「え…」  
「僕の上に乗れよ…」  
「ハワード…」  
 
よく濡れた膣は、もはや抵抗なく男根を飲み込む。  
二度目の騎乗位だが、さっきと違うのはシャアラがハワードの首に手を回し、  
二人が密着する形になった事だ。  
それから体制を横に向け、抱き合う。  
「ハァ…、ハワードが…あ…居てくれ…良かった…」  
(一人じゃなかったから、貴方と一緒だったから  
 こんな闇でも平気で居られるの…)  
快楽と人肌の温もりに安心し、暫くすると  
シャアラは可愛いらしい寝息を立てていた。  
 
(疲れた…ちょっとだけ寝ても…良いよな…)  
ハワードも安堵のため息を付いた。  
闇の中、二人は繋がったまま互いを強く抱きしめ、僅かな眠りに付いた。  
 
乾いた服を着て、水路の淵を地上目指して歩いていた二人がサヴァイヴに拉致される数時間の話…。  
 
 
おまけ  
 
--人間を発見しました。二名。射殺許可を、サヴァイヴ。  
「…待て。彼らは…あれは何をしているのだ」  
--生殖行為かと思われます。射殺許可を。  
「しかし…画像のデータをすべて送れ」  
--はい。  
「…やはり、彼らはおかしい。引き続きデータ収集を」  
 
数十分後…  
「なぜあの雄は子種を相手にかけるのか。あれでは受精できぬ」  
--人間が活動を停止しました。脳波、体温に変化が見られます。  
「なんと…!生殖行為の半ばで、目的を果たさず寝るとは…」  
ピーピーピーガガガガガ、チーン  
 
「理解した。彼らの目的は融合そのものにあるようだ。  
 生物の生存本能に逆らうほどの力を秘めているのか、あの行為は…  
 不思議だ、不思議な力だ…」  
サヴァイヴはモニターに一人の少女を映し出した。  
「ルナ…」  
室内のモニターが次々とルナに切り替わる。  
「ルナ…(*´д`*)」  
ルナの腰、ルナの尻、ルナの脚、ルナの唇、ルナのうなじ…  
「私がルナに興味を持つのも、あの不思議な力のせいか…?」  
 
--人間が活動開始。下流に向かい歩き始めました。指示を。  
「生きたまま捕獲せよ。生命維持に必要な条件を転送する」  
--了解しました。  
「捕獲した後、ナノマシンを注入して他の人間に合流させる」  
自分を惹きつけてやまないルナの不思議な(魅)力…  
その謎に迫るため、あの二人から情報を引き出し、あわよくばルナと…  
「私もルナと融合する…(*´д`*)」  
 
数日後…  
「一体どういうことだ…、まさか!」  
そして、サヴァイヴはセイフティプログラムを発動させた。  
「…サヴァイヴだ!」  
 
「もしもその勇気がないなら、…私をとりこんで!」  
心臓がないはずなのに、サヴァイヴの胸は高鳴った。  
 
おまけ・完  
 

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