※陵辱注意  
※スカトロ注意( んこの方では無いです)  
 
 
 
シリカ体育倉庫の悪夢  
 
 シリカがキリトを名乗る人物からのラブレターで体育倉庫に呼び出される。  
 不審に思ったシリカはキリトに相談すると、キリトは自分の名前を騙った人物を見てみたいと言い出し……。  
 シリカが体育倉庫で出会った以外な人物の罠にかかり、助けに入ったキリトまで伏兵に後ろから殴られ昏倒してしまう。  
 果たしてシリカとキリトはどうなってしまうのか……。  
 
 
 シリカこと、綾野珪子は14歳のごく普通の中学生だ。  
 とは言ってもこの特別な学校では、若干目立つ存在かも知れない。  
 シリカの通う学校は、SAO事件の被害者である中高生を社会的に救済する為に急遽作られた学校なのであるが、その生徒の男女比はオンラインゲームの男女比がそうである様に2割程度しか女子生徒が居ない。  
 その少ない女子生徒の中でも頭の両脇で結ばれたツインテールの所為か異性からの人気はかなり高い。  
 なので下駄箱にラブレターが入ってる事などは別段珍しい事でも無くファンクラブまで出来るほどのちょっとしたアイドルと言っても良い。  
 その日もシリカが下駄箱を開くと一枚の便箋が入っていた。  
 また交際申し込みを断らなければいけないのかと若干ウンザリしつつも差出人を確認しようと手紙を裏返すと少女の目はその名前に釘付けになる。  
 そこには「キリトより」と書かれていたのだ。  
 キリトとはシリカ自身とその相棒である使い魔のピナの命の恩人である人物で、彼女が度重なる交際申し込みを断る理由になっている意中の人物その人なのだ。  
 
 シリカは嬉しさと驚きで心臓の鼓動が早くなるのを感じつつも頭の中では冷静にこの手紙が本物なのか疑問に思っていた。  
 何故疑問に思うのかと言うと、第一にシリカは同じくキリトを慕っているリズベットと結んだ一ヶ月停戦の最中で、まだ自分の気持ちを相手に伝えて居ないのだしかも彼にはSAO内で結婚までした女性が居る。  
 第二に、キリトがいくら奥手だとはいえシリカとは携帯のメールアドレスを交換しあう仲で校内でも顔を合わせる事もあるのにわざわざ手紙で告白するとは考えにくい。  
 とりあえず手紙の中身を見てから考えようと誰かに覗かれない様にトイレの個室に場所を移して手紙を開いてみた。  
 手紙の便箋を開けるとコピー用紙に印刷された恋文にしては些か無粋な文面が現れた。  
 これだけでも怪しさ満点なのだが、文面の最後には放課後に体育館の倉庫で待つと書かれて居たのだ。  
 死と隣り合わせだったSAOの中を生き抜いたシリカの勘がこの手紙は危ないと告げいている。  
 そもそも校内ではSAO内での名前をリアルに持ち込む事はご法度なのにキリトよりと書いてあるのはおかしい。  
 キリトとシリカの仲を知っている人物が書いたとしか思えないが、二人の関係を知っている人物がこんな悪戯をするとは思えない。  
 これはキリトさんに相談しなければと思い彼にメールを送った。  
 
 キリトはメールの返信で昼休みに邪魔の入らない図書室で話そうと伝えてきた。  
 もちろんこの手紙の差出人はキリト本人では無かったのだが、キリトはリアルでも半ば元トッププレイヤーの黒の剣士である事がバレているとはいえ、やはり二人の関係を知っている人物となるとかなり限られる。  
 彼曰く、野生の勘がこれは罠だと告げていると言い。  
 同時に差出人の正体も気になるので自分が体育館に潜んで見守ると提案してきた。  
 シリカは昼休みにキリトと話せるだけでもこの手紙に感謝したいくらいであったので放課後もキリトに会えると考えると喜んでその提案に乗った。  
 けれど、まさかこの選択がシリカにとてつもない絶望と後悔を生むとは、彼女は夢にも思わなかった。  
 
 シリカが放課後に辺りの目を気にしつつ体育館の倉庫に向かったのは午後四時前であった。  
 この学校は開校して間もない上に生徒の授業構成もバラバラなのもあってまだまともな部活動という物は行われて居なかった。  
 なので体育館と言う普通の学校なら運動部が毎日練習に使っている場所であってもまったく人気が無かった。  
 どこかにキリトが潜んで居るとはいえ、まったく人気のない体育館と言うのはシーンとしていて不気味である。  
 体育倉庫の場所はすぐに分かったが、シリカは体育館に入る時と同じく周りをキョロキョロと確認し、同時にどことも知れぬ場所に居るキリトに何かあったら頼みますと心の中で念じてから倉庫へと足を踏み入れた。  
 
 そこには予想に反する人物が立っていた。  
 てっきりシリカはシリカの気を引こうとした男性からの手紙だと思っていたのだがそこに居たのは高校生くらいの女生徒だった。  
 シリカは驚きつつも声をかける。  
「あ、あの手紙を出したのは貴方ですか?」  
 その問にまったくと言って良いほど面識の無い上級生の女が答える。  
「ええ、そうよ。彼氏じゃなくて残念だったわね」  
 彼氏と言う言葉に咄嗟にシリカは反論してしまう。  
「べ、別にキリトさんはまだ彼氏ってわけじゃありません!」  
「へぇ、そうかい。でも呼び出しに応じてここまで来たって事はあんたはその気があるって事じゃないのかい?」  
 そう言ってこの女は顔に嫌らしい微笑を浮かべつつシリカを挑発した。  
 シリカは内心ムっとしてこの女とはもう話したくないと思い話を切り上げようとした。  
「話がそれだけなら私帰ります」  
 そう言って後ろを向いた瞬間、女に肩を掴まれ後ろに引っ張られて尻もちをつく。  
 シリカがお尻を打った痛みに顔を顰めててお尻を摩っているとその間に女は倉庫の扉を閉めてしまった。  
「話はまだこれからよ」  
 女はそう低い声で宣告した。  
「あんたは私の顔に覚えがないのかい。アタシはあんたの顔をはっきり覚えてるのにさあ」  
 そう言われてもシリカにはまったく見覚えが無い。  
「あんたをココで見かけた時は復讐の炎で腸が煮えくり返る思いだったわよ」  
 ココで見かけたという事はSAO内での恨みの事であろうか。  
 シリカは竜使いと言われただけあってアイドルの様にチヤホヤされていたので妬まれる事は多々あったが恨まれる様な事があっただろうか。  
「チッ、まだ分からないのかい。ならSAO内での名前を言えば思い出すかしら。ロザリアよ身に覚えがあるわよね?」  
 その名前を聞いてハッとした。彼女はシリカを付け狙っていたPKギルドのリーダーだった。  
 シリカは、その時に大人数で囲まれた恐怖が蘇り背筋が凍ったが、逆恨みを買っていた事には納得出来ない。  
「あ、あの時は貴方達が悪かったんじゃないですか。それに貴方達を倒したのはキリトさんですし」  
 そう反論するとロザリアは激昂し喚き散らした。  
「あんた達二人にハメられたアタシの怒りが分かるってのかい!?あの忌々しい黒鉄球の監獄でアタシがどんな惨めな思いをしたか!」  
 突然の叫びにシリカは気圧され閉口してしまう。  
「あれ以来、SAOがクリアされるまで延々と閉じ込められた挙句に途中からは食事まで出されなくなるし。手下達には責任を全て被せられ輪姦(まわ)されたのよ。あの地獄があんたに想像出来る!?」  
 続けて、浴びせられた罵声に滲み出るロゼリアの壮絶な苦しみが少女の心に突き刺さった。  
 確かに、知らなかったとはいえ自分が結果的に彼女を罠にかけたのは事実だった。  
 
「ごめんなさい。でも貴方がオレンジギルドの一員だったなんてあの時まで教えてもらってなくて」  
 咄嗟に謝ってしまったが、言い訳を続けてしまったのが再びロザリアの逆鱗に触れる。  
「ハァ?知らなかったから許してくれって、そんな言い訳通じるわけないでしょ!」  
 完全に相手の怒気に萎縮してしまったシリカはただ平謝りするしか無かった。  
「本当にごめんなさい。許してください、この通りです」  
 最後には土下座までしたがロザリアはまだ許す気が無いらしい。  
「ごめんで済んだら警察はいらねーんだよ、この甘ぁ!」  
 PKギルドのリーダーが言う台詞では無かったがシリカはそんな事に頭は回らなかった。  
「ど、どうしたら許してくれるんですか……」  
 シリカはもう既に狐の前に引き出されたネズミの様に恐怖していたが、どうにかその台詞を消え入りそうな声でひねり出した。  
「そうさねぇ、全裸で土下座したら考えてやってもいいわ」  
 悪役の台詞にしても余りに酷い仕打ちにシリカの顔に絶望の色が浮かぶ。  
「そんな……それだけは勘弁してください」  
 既にカツアゲに有り金を全部取られて更に服まで盗られる被害者の様な場面の台詞を口走る。  
「勘弁してくださいだってぇ?あんた輪姦されたいの?人が善意で全裸土下座で許してやるって言ってんのにそりゃ無いわよね」  
 相手は元オレンジギルドのリーダーなのである、本気になったら輪姦など躊躇なくしてしまうだろう。  
 この時にはキリトが影で見守ってくれている事を完全に忘れてしまっていた。  
「分かりました、それで許してくれるなら……」  
 そう言ってシリカはブレザーのボタンに手をかけ脱ぎ始める。  
「分かればいいのよ、さっさとしなさいよ」  
 周りには誰も居ない体育館だし倉庫のドアも既に閉められている、男性ならともかく女性に裸を見られるだけなら減るもんじゃないと自分に言い聞かせ最後に残った白地にワンポイントのリボンの付いたショーツを脱ぐ。  
 シリカの体はリアルに生還した際の骨と皮だけの様な華奢な体から比べれば女性らしい丸みを取り戻しつつあるが2年もの間病床で過ごした為に肌の色は生来の色白さを際立てていた。  
 それに成長期に寝たきりで過ごした所為か、身長と胸の大きさは2年前からほとんど成長していなかった。  
 こんな時でも脱いだ服を傍らに丁寧に畳んで置いてからシリカは土下座をした。  
「こ、これで許してくれますか……?」  
 倉庫の床の冷たさに顔を顰めつつも手と足を床に付けて土下座してシリカは許しを乞うた。  
「もっと頭を地面に擦りつけな!」  
 そう言われてシリカはおデコが痛くなるくらい地面に擦りつけた。  
 あまりの仕打ちに目に涙が浮かび床に零れた。  
 シリカが土下座している間にロゼリアはシリカの側まで歩み寄ると、突然倉庫に備え付けられていた小窓を開けてついさっきまでシリカが着ていた衣服を外に捨ててしまった。  
 窓が開けられた音に気付いてシリカが顔を上げた時には既に服は手が届かない所へと行ってしまった。  
「な、何て事するんですか!?」  
 慌てて抗議の声を上げるが既に遅い。  
「ハァ?誰が口答えしていいって言ったのさ、お仕置きはまだこれからだよ!」  
 身を守る物が何も無い現在の自分とこれから行われるだろう仕打ちを想像してシリカは絶望した。  
―――と、ここで突然閉じられていた扉が開け放たれた。  
 
「おっと、そうはさせないぜ。今までの会話全部録音済みだぜ」  
 そう言って携帯電話を持って現れた少年を見てシリカの顔には感激で別の涙が浮かんだ。  
 目を潤ませているシリカを見た少年は、彼女の一糸纏わぬ姿を見て一瞬目を見開き慌てて目を逸らす。  
 その反応にシリカは、今自分が裸なんだと思い出し、慌てて体育座りに体を縮こまらせ恥じらう。  
「も、もう!キリトさん助けに来るのが遅すぎです!」  
 恥ずかしさで顔が真っ赤になりながらシリカは遅れて登場した騎士に文句を言う。  
「す、すまん。許してくれるなら俺が出てこなくても良いかと……」  
 そう言って顔を逸らしつつ頬を掻いているキリトを恨めし気に眺めていると。  
 ふと、そこに立つもう一人の人物の顔に狼狽や怒りでは無く笑みが浮かんでいる事に気付く。  
 まさか、まだ罠があるのではとキリトの方を向いた時にキリトの背後に立つ影が目に入った。  
「き…」  
 キリトさん!と叫ぶ間もなく、キリトの背後に立つ人物の手に持つ棒状の物でキリトは昏倒させられた。  
「ひっ」  
 一瞬、キリトが殺されてしまったのでは無いかと目を閉じて現実逃避したくなったシリカだったが。  
「うっ、痛ぇ……」  
 どうやらキリトのHPゲージを一撃で減らすほどの威力では無かったらしい。  
 頭を抑えて蹲るキリトをその手に掛けた人物が蹴り転がして倉庫の中へと運び込む。  
 棒でキリトを殴った上に更に蹴り転がすという暴挙に及んだ人物は知らない顔の男性だったが多分ロザリアの一味の一人だろう。  
 数瞬、体が硬直し見ているだけだったが慌ててシリカがキリトに駆け寄ろうとすると。  
「けっ、トッププレイヤーとは言えども、生身は大した事無いな。おっと嬢ちゃん近寄るんじゃねぇ」  
 その男はシリカがキリトに近寄るのを制すると、倉庫の中にあった縄跳びのビニール紐でキリトの腕を縛り、同じく倉庫の中にあったマットの上に寝かせると縄跳びの紐の端を丁度そこにあった平均台の足に結わえ付ける。  
「よし、やっと役者が揃ったね。このままコイツが見ている前であんたを犯すというのも一興だけど―――」  
 そう言ってじろりとシリカとキリトを眺めつつロザリアは続けた。  
「そうさね、あんたこの坊やの事が好きだったみたいじゃないか。その思いを遂げさせてやろうじゃないかい」  
 そう言って下品な笑みを見せるロザリアに手下の男が文句を言う。  
「ロザリアさん、そりゃねーぜ。俺もこいつらには恨みがあるんだぜ。俺にも味見させてくれたって良いじゃないか」  
 そう言って舌なめずりする男の顔に本能的に気持ち悪さを感じシリカは後ずさる。  
「お前はカメラを構えてな、なーにお前にも美味しい所を残しといてやるよ」  
 そう言われて手下の男は渋々頷いた。  
 そうしている間にキリトの意識も大分回復してきた様だ。頭の痛みに顔を顰めつつも目を開く。  
「お前ら俺を縛ってどうするつもりなんだ」  
 体の自由を奪われても尚。キリトは、戦意の失われて居ない瞳で悪党の二人を睨んだ。  
「お前は足を押さえな」  
 へいっと手下が返事をしてキリトの足を抑えるとロザリアはキリトすぐ横に立つと徐にキリトのズボンを脱がしに掛かった。  
 ズボンを途中まで脱がすとズボンのベルトで固定しキリトの下半身の自由まで奪った。  
「くっ」  
 状況の悪さと己の無力さでキリトは歯噛みする。  
 いくら索敵スキルの存在しない現実だとは言え、シリカの裸に動揺して後ろの人物の殺気にまったく気付かなかったのは自分の落ち度だった。  
「さてと、ここからはシリカ、あんたに働いて貰うよ」  
 誰があんたなんかの為に!と拒否したいのは山々だったが、二人を前にして逃げるのは難しい。  
 キリトの足が固定され手の空いた手下が扉を再び閉めてしまったし、私が逃げた後にキリトがどんな目に遭うかなんて想像もしたくない。  
「まずは―――、あんたの為に残してやったこいつのパンツをずり下ろしな」  
 一瞬なんて破廉恥なと思ったが、この現状では逆らう事も出来ず黙って従う他無かった。  
 シリカは恐る恐るキリトの濃い青色のトランクスに手を掛けてずり下ろす。  
 本当は目を瞑って手を動かすべきなのだろうが、思春期をSAOに閉じ込められて育ったシリカには男性器に対する興味の方が優先された。  
 キリトのそれは想像していたよりは小さかった、と言ってもシリカはそれを間近で見る事など初めてなので比較対象は乏しかったのだが。  
「なんだい、黒の剣士だからどんなエクスカリバーを持っているのかと思ったら萎んでるただの包茎じゃないかい」  
 エクスカリバーが男性器を指しているのはシリカでも何となく理解出来たが、それの状態に関する単語については知識が無かった。  
 
「う、煩い……」  
 自分の性器を馬鹿にされてシュンとなるキリトの顔を見たシリカはこんな時に不謹慎だが可愛いと思ってしまった。  
「このままじゃ、シリカも楽しめないだろうし。坊や、シリカにクンニしてやりな」  
 それを聞いた瞬間、シリカは顔が赤くなった。  
 昔、マセた友達に借りた10年以上前の少女漫画にその行為が描かれていたのでシリカもその単語が意味する事は知っていた。  
 けれど、そんな恥ずかしい行為を自分がするだなんてまったく想像した事も無かった。  
「ほら、さっさとこいつの顔の上に跨りな、流石にクンニくらい知ってるわよね」  
 それでも躊躇するシリカの腕をロザリアが掴んでキリトの真上まで連れて行った。  
 何も隠す物が無いので掴まれていないもう一方の手で秘部を隠すが、キリトもシリカの心境を察したのか目を閉じてくれている。  
 ロゼリアが無理やり跪かせようとするのでキリトの鎖骨の上辺りに腰を下ろしてしまう。  
「ひやっ!キリトさん見ないでください!」  
 自分の性器がこんなにも人の顔の目の前に晒されるなんて初めての体験だった。  
「分かってる」  
 キリトが目を瞑りながら返事をするが。  
「んぁ、息が掛かってスースーする」  
 普段あまり外気に触れない秘所の隙間に風が入り込んでシリカは身悶えた。  
「うぉ、スマン!」  
「はぁっ、ま、またぁ」  
 シリカには初めての事ばかりなので素っ頓狂な声を上げてしまう。  
 この絵だけならお色気漫画にある様な展開だが、現実はそう生易しい物では無かった。  
「そうねぇ、普通にやるんじゃ詰まらないからシリカあんたこの台詞を言いな。『何がキリトだよ クリトリス舐めろオラァァァ』ってね」  
 余りに卑猥な台詞にシリカは目を瞑ってイヤイヤと首を振る。  
「さっさとしろよ、オラァ!」  
 そう怒鳴ったロザリアに背中を蹴られ、シリカの白い背中に上履きの跡が付き、その反動でキリトの顔に跨る位置まで移動してしまう。  
「痛っ、あっあっ、いやぁっ!」  
 蹴られた痛みとキリトの唇が自分の下の唇とキスしてしまった感触に思わず黄色い声を出してしまう。  
 突然顔におぶさった物の衝撃で目を開けたキリトと目が合ってしまう。  
「キリトさん見ちゃだめええええええ!!」  
 そう言って思わず真下にあるキリトの顔を殴ってしまう。  
 キリトは抗議の声を上げようとするがふがふがするだけで声が出せない。  
 キリトが口を動かそうとする物だからシリカの下腹部には当然刺激が来るので。  
「あっ、や、やめて下さい……ぁっ」  
 シリカは喘ぎ声を出してしまう事になる。  
「さっきの台詞覚えてるんでしょ、さっさとしないと下の坊やが窒息死しちまうよ」  
 そう言われシリカは意を決してその恥ずかしい台詞を口にした。  
「な、何がキリトだ……よ? く、クリトリs舐めろぉらぁ……」  
 途中噛み噛みながらも、今後一生言わないだろう台詞を喋る。当然顔は火が出るほど真っ赤だ。  
 
「ほら、女にここまで言わせたんだ。坊やも舌出して喜ばせな」  
 キリトは屈辱に顔を歪めながらも、シリカに目で済まないとアイコンタクトを送りゆっくりと舌を女の子の穴へと挿し込んだ。  
「んあっ、ダメ!いきなり挿れちゃ……んっ……くぁ」  
 憧れのキリトさんとこんな事になるなんてと、羞恥で頭が真っ白になってしまう。  
「坊や、もしかして童貞かい?もっと甘いアイスクリームを舐める様に舌を動かしな」  
 ロザリアは指示を飛ばすだけでまったく動こうとしない。  
 時折、手下の男がカメラのシャッターを切る音がして、羞恥心に拍車をかける。  
 
 べろ……べろ、ぴちゃ  
 
 淫靡な音が自分のあそこから響き、シリカはもうお嫁に行けないと思い涙が出てくる。  
「へぇ、想い人にクンニされて泣くほど気持ちいんだ、こりゃ傑作だね」  
 そう言ってロザリアは哄笑する。  
 正直、この状況自体は屈辱以外の何物でも無いのだが。  
 羞恥と絶望に身を焦がして居ないと思わず声が出てしまう程に少女の体には刺激が強すぎた。  
「あんっ、いや……んっ……それ以上されると……もう我慢出来なひよぉ……」  
 キリトの舌がシリカのクリトリスやまだ何者も侵入した事のない入り口に触れる度に既に愛液が染み出すほどに感じてしまっている。  
「アタシが良いて言うまで止めたらあんたらの命は無いよ」  
 その言葉が本当かどうかは分からないが、目的の為ならPKも辞さないオレンジギルドのリーダーであるから最悪を想定しなければならない。  
 
ペロペロ……ぴちゃ……じゅる  
 
「うっ……やぁ……ひぅ……」  
 3分ほど続いただろうかシリカの体感では10分以上続いた気もする。  
 キリトが必死に舌を動かしシリカが必死に耐えるその構図もそろそろ限界に近づいた。  
「ん……くぅ……はぁ、もうらめぇ……げんかいぃ……」  
 シリカはついに耐えられなくなった。  
「生娘のくせにもうイっちまうのかい、あんたシリカがアヘ顔晒してイク所ちゃんとカメラに抑えて置くんだよ」  
 そう言ってロザリアは手下に命令するが。  
「ち、違……ぁう……そうじゃなくてぇ……も、漏れそうなの!」  
 シリカは恥ずかしりながら何とかそう告白する、自分の性器を目と鼻の先で舐め回されるのも消えてなくなりたい程に恥ずかしいが、その上放尿まで見られ人の顔にかけてしまうなど自殺ものの恥ずかしさである。  
「ぷっ、そっちなの。丁度良いから坊やに飲ませてあげればぁ?」  
 無常にも彼女はそんなとんでも無い提案を投げかけてくる。  
「そんな……ひ、ひどい……いっ……」  
 もう逆らう気力すら無くなり既に足腰すら立たなくなったシリカには拒否する事など不可能だった。  
「坊や、舌を動かすのはもういいわよ。口を開けてシリカのおしっこを飲んでやりな」  
 それまで熱心に舌を動かすだけだったキリトは口を開けてぱふっとシリカの下腹部を包み込む様に密着させる。  
 もう既に尿意の限界に差し掛かっていたシリカは、緊張の糸が溶けた様に暖かい水を放水した。  
「キリトさんごめんなさい!ああぁ!」  
 これまで以上の羞恥に人に尿を飲ませているという背徳感からシリカは両手で顔を覆いながら果てた。  
「クッククク、中高生の分際でスカトロプレイとはとんだ変態だね」  
 
 キリトは苦い顔をしながらも流れ出てくる尿を嚥下した。  
 じょーー、ごくごくごく。  
 自分の尿とは言え、シリカはその味を想像する事も悍ましかった。  
 それを飲まされているキリトの屈辱を思うととても遣る瀬無い。  
 最後の一滴まで搾り出すとシリカはぐったりと頭を垂れた。  
「放尿でイっちまったのかい。坊やシリカのまんこを舐めて綺麗にしてやりな」  
 そう言われ、キリトがゆっくりと這う様に舌を滑らせる。  
「ひやっ、あひっ……ふぁ……」  
 放尿の余韻で落ちかけていたシリカの意識が再び股間への刺激で醒まされる。  
「らめっ、そんな所舐めたら汚いです……くっ……」  
 飲尿させておいて何を今さらと思われるかも知れないが、  
 キリトにまるでウォシュレットの代わりをさせて居る様で申し訳なくなる。  
 
 一通り舐め終わったのか、唾液と愛液と尿でぐちゃぐちゃになったシリカの下腹部が滑りを持った輝きを放つ。  
「はぁ……はぁ……はぁ」  
 重度の羞恥心と屈辱でシリカは自我が崩壊しかかり絶望感で心が空っぽになる。  
 もうお昼に食べたパスタの味すらも思い出せない。  
「おいおい、まだ休憩には早いよ。本番はこれからよ」  
 そう言ってロザリアはだらりと体から力の抜けたシリカを持ち上げ、今度はキリトの股間の上に腰を降ろさせる。  
 ぐにゅっという変な感触に背筋に冷たい物が走る。  
 シリカが目を見開いて下を見ると、丁度自分の割れ目の隙間から棒が一本生えていた。  
 実際に自分に生えているわけでは無いと自分に言い聞かせて凝視すると、先程のぐったりとした一物から比べると痛々しいほどに固く膨らんだキリトのペニスだった。  
「ハッ、ガキのションベン飲んで勃起したのかよこの剣士様はよ!」  
 今まで写真を撮ることにばかり気を使って喋っていなかった手下の男が見下す様にキリトに吐き捨てた。  
「やろぉ、お前らただじゃ置かないからな……。乙女の純情を弄びやがって」  
 シリカは、自分の受けた仕打ちよりも私の気持ちをいたわってくれたキリトの心に砕け欠けていた心を取り戻す。  
「この世に悪が栄えた試しは無いんだ。きっとお前らも地獄に落ちるぜ」  
 キリトは、すっかり汚くなってしまいボロ雑巾の様にベタベタになった顔になっても、絶望的な現状に抗っていた。  
「あんた煩いよ、黙ってな」  
 そう言って、ロザリアはどこからか取り出したシリカには見覚えのある△の布切れを丸めてキリトの口に突っ込む。  
「お前ら絶対ゆるさ……ふごっ」  
 と、キリトの非難の声は途中で途切れる事になった。  
 
「シリカのファンクラブの奴に売り付けようかと思って取って置いたパンツが役に立ったわね」  
 やっぱり、と思ったシリカだったがショーツが一枚有ったからと言って唾液塗れになったらもう履くことは出来ない。  
「さてと、それじゃ本番初めて頂戴よ。それとも腰が抜けて自分じゃ動けないのかしら」  
 どうしてもロザリアはキリトとシリカをセックスさせたいらしい。  
「仕方ないわね、手伝ってやりな」  
 そう言ってロザリアは手下に命令した自分は手を汚したくないらしい。  
「えー、俺がやるのかよ。なんかベタベタしてアレに触りたくねーよ」  
 酷い言い草だが、シリカの下腹部は本当にベタベタしていた。  
 ハンカチでもティッシュでも何で良いから拭き取りたいがそんな物は全て外に捨てられてしまった。  
 それ以上に癇に障る下衆なんかに体を触られたくないという気持ちも湧いてくる。  
 
「じ、自分でやります」  
 シリカは意を決して言った。  
 せめてキリトさんとのセックスくらいは無理やりじゃなく自分からしたいとそう思ったのだ。  
 キリトは舌が疲れたのかそれともアゴが疲れたのかとにかくパンツを咥えたままの顔で、君がそんな事する必要は無いと頭を振って訴えてきた。  
 望まない状況での事とは言え、シリカには半分くらいは本心からキリトと結ばれたいと思う気持ちもある。  
 こんな状況でしてしまったら、もう次からは後ろめたさから二度として貰えないだろうという気もするが。  
 どの道アスナさんが居る限り、そんな機会は巡ってくるハズも無いという諦めもある。  
 ならばココでだけでも、キリトさんと結ばれたいと思うのは罪なのだろうか。  
 そう思いながらシリカは中腰になり、斜め上を向いたキリトのペニスを自分の花弁にあてがいゆっくりと腰を降ろす。  
「ぐっ……かはっ……ひっ」  
 足をゆっくりと開き、半分ほど挿入した時点で痛みの余りこれ以上1cmも入れられないとシリカは思った。  
「はぁはぁ……もう入りません……」  
 涙目でそうシリカは訴えた。  
「何言ってんのまだ全然入ってないじゃない、こんなんじゃ動いたらすぐ抜けるだけよ」  
 それでも動く気配の無いシリカを見て業を煮やしたロザリアは無理やり挿入する事にしたらしい。  
「仕方ないわね、手伝ってあげるわ」  
 そう言ってシリカの両肩に手をかけ体重をかける。  
 流石に二人分の体重を膝立ちで支えられる訳も無く、一気に全部を押し込まれる。  
 その瞬間シリカは自分の体内でブチっと言う音がし、体を突き刺された様な痛みに悲鳴を上げる。  
「ひいいぃぃぃ!痛い!痛い!イタイ!」  
 シリカはSAOの中では貫通ダメージを受けた事もあったが、あの世界では嫌な感触はあるものの痛みに関してはほとんど感じた事が無かった。  
 この痛みはクリティカルヒットに相当する痛みだった。もし現実にHPバーがあれば一気に黄色ゾーンまで減った事だろう。  
「あが、あががががが……だはっ」  
 瞬間的な痛みは頂点を過ぎた物の、下腹部に突っ込まれた物が膣の奥の壁に当たっている違和感は重くシリカの脳に届いていた。  
「何壊れたロボットみたいな声出してんの、ウケるw」  
 芝生が生えた様な喋り方をするロザリアの声もどこか遠くから聞こえる気がする。  
「ほら、挿入ったんならさっさと動いて坊やを楽しませてやんなよ」  
 そう言いながら、ロザリアがシリカの背中をまた蹴ってくる。  
「えぐっ、がっ……はひっ……いっ」  
 SEXが気持ちいだなどと言っている人は嘘つきだ。こんな痛くて不快なだけの感覚が気持ちいわけがない。  
 シリカは初めて感じる痛みに動く所の話では無かった。  
 余りに痛いので下腹部を摩ってみると結合部から漏れでた血が手に付いていた。  
 12歳からSAOに閉じ込められていたシリカには生理の痛みとも最近まではまったく無縁だったのだ。  
 それがいきなり破瓜の痛みに耐えられるわけがない。  
「ひーふー……はぁはぁ……」  
 荒い息を吐いて何とか耐えようとするがお腹の痛みで頭まで痛くなってくる様だ。  
 シリカが蹴られても動く気配が無いのに業を煮やしたのかロザリアは恐ろしい事言い出した。  
「これじゃ埒が明かないね、そうだ。あんたもう写真は良いからこいつの尻の穴犯してやりな」  
 手下の男は待ってましたとばかりにカメラをロザリアに預けてからいそいそと制服のズボンのベルトを外し始める。  
「お、やっと俺も楽しませて貰えるのか。このまま放置だったらオナってぶっかけでもしようかと思ったぜ」  
 下半身を露出した手下の男は加虐的な笑みを見せる。  
「俺は前の穴のが好みだが、シリカの『シリ』を犯すというのもおもしれぇ」  
 手下の男はシリカを乱暴に前に押し倒し、平泳ぎの様な体勢にさせる。  
 キリトの顔がすぐ近くに寄るが今の涙と破瓜の痛みで苦悶の表情を浮かべる顔はキリトには見られたくない、しかもその痛みの原因がキリトのペニスなのだから尚更だ。  
「キリトさん見ないでください……!」  
 シリカはキリトに顔を見られない様にキリトの体に密着する様にしがみつきキリトの顔とその上で縛られている腕の間に顔を埋めた。  
 
「挿入る前に一応ほぐして置くか」  
 手下の男は両手でシリカのお尻を掴むと、お尻の穴を広げようと横に引っ張ったり指を入れようとしてきた。  
「ひぃっ、広げないでっ……あっ……何か入ってる!?」  
 排泄の穴を広げられて他人に見られるという羞恥とその穴に何かを突き入れられる感触に言い様の無い不安を感じた。   
「指一本しか入らねぇな。だが、繋がってる所が丸見えでメッチャエロいな。もう我慢出来ねぇ」  
 そう言うと手下の男は自らのペニスをシリカのまだ何も挿入られた事の無いアナルに当てがう。  
「い、いや!そんなに太いの入るわけないです!」  
 シリカの抗議など意に介する事なく、猛った獣の様に手下の男は無理やり突き刺す様に挿入してきた。  
 ミチミチ……という嫌な音がする様な急な拡張にシリカはお尻の穴まで裂けてしまうかと思った。  
「ひぎっ……んぁ……ひぃっ」  
 ついさっきまで処女だったシリカが一度に前後の穴にペニスを入れられるなんてSAOに閉じ込められた最初の日以上の恐怖と絶望だった。  
「痛い!!お願いだから抜いてください……死んじゃう……」  
 シリカは心の中では「キリトさん助けて!」と叫びたかったが。これ以上無いほど近くに居るキリトが限りなく遠い。  
「入れたばかりで抜くわけねぇだろが、俺が楽しんだら抜いてやるよ」  
 そう言うと手下の男はシリカの腰を掴むと体を打ち付ける様にシリカの尻を犯した。  
 ズンズン、ゴリゴリ。後ろの男が動く度にシリカの体も動き前の穴のペニスもピストン運動をする。  
「いやっ……やめっ……ひっ……あっ……あああッ」  
 シリカが声を上げると抱き着いているキリトの耳に直接聞こえてしまうが、シリカにはそんな事を気にしている余裕は無かった。  
「うおっ、この穴よく絞まるな……」  
 シリカの体内で擦れる2本のペニスのせいか次第に痛みの感覚が麻痺し脳を溶かす様な別の刺激がシリカの頭の中を駆け巡る。  
「うっ、うっ、あっ……くぅ……ああっ……中で……擦れて……やぁ……」  
 嫌なはずなのに、体が熱い。頭も電流が流れる様に痺れる。  
「き……りと……さん、キリトさん!……んあっ……ダメ!」  
 脳内麻薬で頭が真っ白になったシリカは今一番好きな人の名前をポロリと呟いてしまった。  
 本当は、もっと恋愛を重ねてからムードのある部屋でキリトさんとしたかった、けれどこの瞬間もキリトさんと繋がっているという事がシリカが現実を認識出来る全てだった。  
「キリトさん!キリトさん!キリトさん!」  
 キリトさんと話をしたい、キリトさんと会える。シリカは、そんな些細な希望の為に危険な罠に足を踏み入れてしまった己の愚かさを呪ったが。  
 今はキリトと一つになっているという事に心を集中しようとシリカは思った。でないときっと私の心は壊れてしまう。  
「はぁはぁ……あんっ……気持ちいいです…キリトさん……あっ」  
 自分の事を無視して気持ちよくなろうとしているシリカに苛立ったのか手下の男は腰を振る力を一層強める。  
「うぁっ……くぁ……いっ……うぁ……ふぅふぅ……」  
 パンパンとリズミカルな音がシリカのお尻から響いてくる。  
「ひぃっ、そんあに強くした……らぁっ……変になっちゃ……あぅ……あ、あ、ああああー!」  
 手下の男が一番奥までペニスを突いた所でシリカは痙攣する様に背筋を伸ばして上を向いた。  
 シリカは目の奥に光が走る様な感覚と膣がきゅーっと絞まる様に痙攣する感覚を同時に感じ、一瞬遅れて両方の穴の奥に何か熱いものが注ぎ込まれる熱さを感じた。  
 シリカの下のキリトと後ろの男もほぼ同時に射精してしまった様だ。  
「うぉ……いきなり締め付けやがって。お陰で出ちまったじゃねーか」  
 そう、不満気な声を手下の男が漏らし。出しきって萎んだペニスが抜け落ちる。  
 手下の男はシリカの後ろから退いて汚れたペニスをティッシュで拭き取っている。  
 閉じる物の無くなったシリカのアナルは未だに丸く赤黒い穴がポッカリと開き、そこから注入された白く濁った精液が垂れ流れ淫靡な光景になっていた。  
 その下のキリトとの結合部分からも破瓜の血に混じり漏れ出した精液で二つの色のコントラストを放っていた。  
 
「うわ、エロっ。両方の穴から精液垂れ流すなんてとんだビッチだな」  
「本当に良い格好だね!後はこの写真を明日ばら撒けば……ウフフ」  
 下衆な二人はそう各々呟いた。  
 シリカは、イッてしまった余韻でどこか遠くで聞こえる声はまったく頭に入ってこなかった。  
 シリカは、この先に自分とキリトを迎える運命すらもうどうでも良くなってしまい、意識を失いかけた時。急に扉が開け放たれる様な音を聞いた気がした。  
 
 
「キリトくん……キリトくん……キリト!」  
 俺は殴られて倒れてから何をしていたんだったか意識が朦朧として思い出せない。  
 シリカが泣きそうな顔で俺を見ていた様な気もする。  
 そうだ!シリカ、シリカはどうした?  
「シリカ!!」  
 俺は思わず大声でシリカの名前を叫んでしまった。  
「ちょっと、落ち着いてキリトくん。シリカさんならすぐそこに居るよ」  
 ここで俺はようやく視界の状況を認識し出した。  
 ここは体育館の倉庫の中で目の前に居るのはアスナ、そしてすぐ側にぐったりと横たわり上から上着をかけられたシリカ。  
 何故、ここにアスナが居るのか疑問に思ったが、俺が一番安心出来る顔が見れて少しほっとする。  
「もうビックリしたんだからね。キリトくんが昼休みにシリカさんと話があるから今日は一緒に昼食を取れないって言うから、何の話をしてたのか放課後に聞こうと思っても携帯の電源切ってて通じないし。  
仕方ないから校門の前で待ってたんだけど全然キリトくんが現れないから嫌な予感がして探しに行ったんだけど。  
キリトくんの教室がある3階まで行こうとしたら窓から体育館の方に制服が落ちてるのを見かけて―――」  
 アスナは俺を探してる間に異変に気付いたらしい。だがもう一つ気になる事がある。  
「ここに居たもう二人はどこへ行った?」  
「ああ、何か悪そうな人達ね。このカメラの中身をばら撒かれたくなかったらどうのこうの言ってたけど。カメラを叩き落として踏潰したら慌てて逃げて行っちゃったよ」  
 それは有り難い、あの画像が衆目に晒されたらシリカは生きていけなくなっていたかも知れない。  
 それともう一つだけ確認して置くことがあった。  
「ここに来たのはアスナ一人か?」  
「う、うん。状況を確認してからと思ったから」  
 それは有り難い、シリカを守れなかったのは自分の責任だが。シリカの為にも今回の事は穏便に済ませたい。  
 裁判沙汰にでもなってセカンドレイプの様な事になるのは避けたいし、そもそもレイプの証拠になる体液は自分のも含まれている。  
「逃げて行った二人はSAOでオレンジギルドの一員だった奴らだ。そいつらを捕まえた俺と……シリカを恨んで罠にかけたらしい」  
 アスナは、そんなどうしてオレンジギルドの人間がという顔をしていたがクラディールの事でも思い出したのか納得した様だ。  
「で、罠にハメられたからってシリカさんとハメハメしてたんだ……。私とは、リアルではまだ1回もしてくれてないのに……」  
 急にアスナが遠い目をして非難する様に俺を睨んだ。  
「いや、手足拘束されてて仕方無く……。というかアスナはやっと体のリハビリが済んだばかりじゃないか」  
 そうなのだ。アスナとは病室で再開の際に口づけしたっきりそういう事は一切して居なかったのだ。  
 最も、リハビリが終わって間もなく運動も制限されているアスナとセックスするなんて俺には出来るはずもない。  
「好きでも無い人だったら、その……勃起したりしないんじゃないの?他にも抵抗する事だって出来たはずよ」  
 無茶を言うな好きか嫌いかはともかく、健全な16歳だったらあんな事されて勃たたないワケが無い。  
 だが、何をされたかはアスナにも喋る気は無かった。  
「そ、それよりシリカが心配だ!シリカは大丈夫なのか!?」  
「もう、話逸らすそうとしてー。シリカさんは気絶してるみたいだよ。あんな事されたんじゃ無理も無いけど……」  
 
 その後、アスナがシリカの汚れをシャワールームで流してから体操着に着替させてタクシーで送り届けたらしい。  
 逃げたロザリアとその手下の2名は総務省SAO事件対策本部の人間にお願いして他のオレンジプレイヤーと同じ施設に送ってもらった。  
 刑事告訴するわけにも行かないし、SAO事件の事は専門の所に任せるのが最善と判断しての事だった。  
 シリカは数日臥せっていた様だが、アスナがお見舞いに行ってくれたお陰か学校に登校出来るほどには回復したらしい。  
 今回の件は痛ましい事件だったが。あの二人も言わばSAOの被害者の一人だ、彼女たちを一方的に責める事は自分には出来ない。  
 SAOから開放される事は出来たが、事件の傷跡はまだ完全には癒えていない。  
 今回の事件でキリトはそれを痛感した。  
 SAOは、まだ終わって居ないんだ。俺たちはそれを乗り越えて行かなくちゃならない。  
 けれど、俺たちは一人じゃない。SAOでも現実でもたくさんの人に支えられて生きているんだ。  
 「例え現実が辛くても仲間が居れば乗り越えられる」  
 掛け替えの無い仲間の顔を思い浮かべながら。そうキリトは呟いた。  
 

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