空中都市<<イグドラシル・シティ>>。  
 
 俺とアスナが共同で借りているスペースの奥には、仮眠室があった。シングルベッドが  
二つに、オレンジ色の明かりを発生させる燭台が一つあるだけの質素の部屋だ。  
 
 ただ、この仮眠室にはほかの部屋とちがって完璧な防音機能と錠前がついている。だか  
ら、というわけではないが俺とアスナ、リーファはよくここを使っていた。  
 いや、実は――現在進行形で使っている。  
「んちゅ……んっ、んふぅ、んんっ……」  
「ぴちゃ……れろっ……は、ふぅ……」  
 こんな光景を撮ってサーバーに上げでもしたら、アクセス殺到で回線落ちるだろうなぁ  
、などと頭の片隅で考える。  
 少々、思考が現実逃避めいているのは、ALOのアイドル二人から間断なく、奉仕を受  
けているからだ。思考をどこかにのがさないとあっという間に、射精してしまう自信があ  
る。  
「はふっ……んっ……キリト君、びくって、してる……」  
 俺から見て右側にはアスナが。  
「ちゅ……んっ……んっ……お兄ちゃんのここ、やわらかい……」  
 さらに左側にはリーファが。  
 左右のアスナとリーファが、俺の性器をフェラチオしてくれていた。  
 天井の燭台は淡いオレンジのライトエフェクトをまき散らし俺たちに陰をつくる。  
 二人の姿を二人ともまだ衣装を解除してないが、薄布の下に確かに存在する  
乳房が俺の太股に乗っかっていた。  
 そして、二人のフェラチオは――泣き出したくなるほど、気持ちいい。  
 種族の特長を表す色彩の異なる瞳をとろとろに溶かして、何かをねだるように俺を見上  
げる。  
「んちゅ……んっ……キリトくん……」  
「んっ……ちゅ、ちゅっ……お兄ちゃん……」  
 瞳を受けて俺は手を二人の頭に乗せた。微妙に種族によって微妙にコシの違う髪を梳く  
ように撫でる。  
「ん……」  
「はう……」  
 アスナが恥ずかしそうに目を細めて、リーファは幸せそうに微笑んだ。  
 それぞれ違う反応を見せる二人の艶姿にくらくらしながら、性器から与えられる快感に  
耐える――。  
「あ。お兄ちゃん、我慢してる……?」  
 リーファが人の悪い笑みを浮かべた。  
「我慢しなくてもいいのに、キリト君」  
「いや、そ、そんなこと言ってもさ……」  
 さすがに始まって五分で発射は、なんだかこう、男のプライド的ななにかが崩れてしま  
いそうで。  
 どうしたものかと考えていると、アスナがちゅるっ、と亀頭をなめあげた。  
「ぐ……」  
「んちゅ……キリト君、我慢しないで……いっぱい、しよ? ひさしぶりだもん……」  
 おもわずうなってしまった俺を慰めるように、アスナが上目遣いに言った。アクアブ  
ルーの瞳に薄い潤みの膜が張っている。  
「そうだよ、久しぶりにアスナさんも一緒なんだもん……ちゃんと、えっちしようよ」  
 アスナに先端を任せることにしたのか、リーファは俺の根本のあたりをなめ回しながら  
言った。  
 俺の弱みを知り尽くしている二人は、的確に刺激を与えてくる。  
「はむっ……んっ……キリト君のここ、かわいい……」  
「お兄ちゃん……ちゅぷ、んっ……」  
 
――――  
 
 あらかじめ言っておくと、俺もここまでの展開を予期していた訳じゃない。エクスキャ  
リバー取得の作戦会議と聞いて、俺がこのイグシティのホームを訪れたとき、アスナと  
リーファはあるアイテムを使用している最中だったのだ。  
 リーファに指定された時間にホームへ向かった俺は、俺は扉を五センチほど開けはなっ  
てから動きを止めた。  
 壁際に設けられたホームバーのスツールに、隣同士ですわるリーファとアスナが妖しい  
としか表現できない行為をしていたからだ。  
 ホームバーのカウンターに出現している透明な容器。その中には蜂蜜色の液体がなみな  
みと注がれている。その容器の中にアスナが指を入れていた。  
 俺は、中に入るのを忘れてその光景に見入ってしまう。  
「さ……リーファちゃん」  
「はい……いただきます……」  
 アスナは指をぬらしたまま、うなずいたリーファの唇に触れる。見た目にも柔らかそう  
な桜色の唇がおずおずと開かれ、アスナのこれまた整った指を迎え入れる。  
「はむっ……んっ……あ、みゃい……」  
 その様子はまるで母鳥が子鳥に餌を与えるかのように慎ましく、そして情感に満ちてい  
た。  
 背筋が震えるほどみだらな光景に、俺は声をかけるのを忘れてしまった。  
「ん……んっ……甘い……」  
「おいしい?」  
「はいっ……!」  
 頬を紅潮させながら、リーファが夢中で、アスナの指先に絡まった液体を舐める。  
 親指から順番に、小指まで。爪の先から、根元まで。  
「くすぐったいよ……リーファちゃん……」  
「んちゅ……んっ……んっ……ちゅる……アスナさんの指……あまくてっ……んっ……お  
いしいです……」  
 リーファは最後にくわえていた小指から唇を離した。ちゅるん、と抜かれたアスナの指  
は、今度はリーファの唾液でてらてら濡れている。  
「これ……本当にお酒なんですね……」  
「うん。本物の蜂蜜酒だよ。実は倫理コード解除状態で使うと、本当の酩酊感が得られる  
唯一のアイテムで。噂だと、デバック漏れのレアアイテムみたいなんだけど……」  
「は……なっ!?」  
 想像の斜め上をいくアスナの返事に俺はおもわず絶句する。  
 扉を開けはなってアスナとリーファのちょうど真ん中に踏み込んだ。  
 二人は俺の出現に目を見開いて驚いた様子だったが、俺はかまわずアスナに声をかけた。  
「あ、アスナ――。俺たち未成年――」  
 俺がそういうと、アスナはおもわず惚れ直してしまいそうなほど、素敵な笑顔を浮かべ  
ながらこう言った。  
「大丈夫よ。たぶん」  
「……」  
「大丈夫よ、うん」  
「……」  
 普段のアスナからは考えられない、中途半端というか、まったく理性が効いていないア  
スナの答えに、俺は首を傾げた。  
「あ」  
 よく見るとアスナの頬が赤い。  
「あ、アスナ……もしかしてもう、酔っぱらってる……?」  
 俺は状況を取り違えていた。どうやらアスナにはとっくに、お酒の毒が回っていたらし  
い。  
 
 そういえばスツールに座る姿がやけに色っぽい。腰のあたりにしなを作ってテーブルに  
身を寄せるアスナの服には、体の線をあらわすような複雑な皺と陰影が刻まれていた。お  
酒の水分がのこっているのか、唇が濡れて艶やかで――。  
「そんなことないよー。ちょっと味見しただけだもん。はい、キリト君もどうぞ」  
 再び、アスナが蜂蜜酒を指に乗せて俺の方に差し出した。  
 刹那の間逡巡するが、てらてら琥珀色に輝く指先とALOで体験するはじめてのアル  
コールに好奇心を刺激され、アスナの指をくわえこんだ。  
「んっ……」  
 アスナがくすぐったそうな声を上げた。  
 舌が蜂蜜の甘みとアルコールの刺激でちりちりした。でも癖になりそうなその味は、い  
ままで飲んだお酒よりも甘くて、何より口の中でずっと転がしていたいとおもわせる中毒  
性がある。夢中でアスナの指にしゃぶりついた。  
「んっ……キリト君……くすぐったい」  
「しかたないだろ……アスナがこんな飲ませ方するから……」  
「SAOの時だって、指まで食べてきたじゃない……」  
「あ、あれは不可抗力だろ……」  
「ふふふ……」  
 アスナが懐かしそうに笑う。  
 俺はひとしきりアスナの指を味わったあと、口を離した。  
「感想は?」  
「間違いなく、お酒でした」  
 現実空間ではあり得ないほどはやく胃の奥が熱くなった。胃がアルコールを吸収する、  
というプロセスを飛ばしているせいだろう。頭までくらくらしはじめた。  
 飲酒の経験こそすくないものの、胃の奥が熱いこの感覚はお酒のそれだと確信する。  
「そうだ。スグ――リーファは……」  
 そこで初めて直葉が今年の正月に、甘酒を飲み過ぎてへろへろになっていたのを思い出  
す。  
 俺はゆっくりとリーファの方を振り向く。  
「……はう」  
「やっぱりか……」  
 案の定、目をとろんとさせたリーファがいた。  
 アルコールに全くと耐性がないリーファが、バーカウンターにしなだれかかっていた。  
 乳房の片方がくにっとカウンターの上に乗り形を崩している。蜂蜜酒の入った容器を見  
つめる目には涙が浮かんでて、見つめる瞳は色っぽくて――。  
「じゃあ……キリト君、リーファちゃん」  
 するとアスナが手元にアイテムウィンドウを表示して、空のグラスをオブジェクト化し  
た。俺とリーファ、そしてアスナの三人分のグラスがカウンターの上に出現する。  
「一回オブジェクト化するとすぐに耐久度が落ちちゃうみたいだし、もったいないから三  
人で飲んじゃおうか」  
 アスナの誘いはMMORPGプレイヤーの矜持やら飲酒への抵抗感やらを、吹き飛ばす  
くらい魅力的だった。  
 
――――  
 
 そんな紆余曲折があり、蜂蜜酒を三人で飲み干したころには、俺たちはすっかりできあ  
がってしまった。アルコールの毒はすぐに俺たちの脳髄をとろかして、瞬く間に倫理感を  
焼き尽くし、その結果が今の状況だ。  
「んぐ、んぐ――んっ、んぐっ! キリトっ、くぅん……」  
 アスナは根本のそれをリーファに任せて、亀頭を唇と舌で刺激してくる。  
 アルコールの効力だろうか。いつもより、アスナの口の中は熱くて、ぬるぬるとしてい  
た。  
 新婚時代にだって、なんどもしてくれなかったフェラチオの刺激は、セックスの膣道を  
わっていく感覚とは、明らかに違っていた。  
 下半身に焼け付くような心地よさを感じて、とうとう我慢の限界がきた。  
「ぐ……アスナっ!」  
 とうとう我慢しきれず、俺はアスナの口の中に吐き出した。  
 どぷ、どぷ、どぷ……  
「んっ――!」  
 アスナはくっ、と亀頭をくわえこんで、発射される精液をすべて口に含んでしまった。  
そしてそのまま、微笑を浮かべて、  
「んっ……ごくっ」  
 アスナが飲み込んでしまった。  
「アスナ……」  
「……飲んじゃった、キリト君の……」  
 アスナが苦笑いを浮かべた。美しく整った眉が、困ったようにきゅっとすぼめられてい  
る。  
「んー……アスナさん、いいなぁ……」  
 うらやましそうに呟いて、リーファがアスナの唇をとらえた。  
「んっ……アスナさん……ちゅ……んっ……お兄ちゃんの……分けて……」  
「んっ、リーファちゃん……」  
 アスナの舌先がちゅる、とリーファの上唇を舐めて舌を引き出す。  
 それが開始の合図になったのか、二人の唇からあらわれた舌が、ぴちゃ、ぴちゃと絡ま  
っていった。腕をお互いの背中に回して抱き合う。  
 衣装に包まれた体の一番つきだした部分がくっつきあい、静かな寝室に衣擦れの音を響  
かせる。  
「……んっ、ちゅ……んっ……お兄ちゃんの味がする……」  
 リーファがつぶやいた。アスナの口の中に吐き出したばかりだから、苦々しい液体が  
リーファの口にもわたっているはずなのだが、それを苦にする様子は全くない。そして、  
「んふ……はむっ」  
 いたずらっぽい笑みを浮かべたリーファがアスナの口に舌先をつっこんだ。  
「んんっ――!」  
 驚いて顔を引くアスナだったが、しばらくするとリーファの頬に指を当てて、リーファ  
の舌を受け入れていく。  
「ちゅ……んっ、んちゅ……んっ……リーファちゃんの舌……」  
「んっ……んっ……気持ちいいです……アスナさんのここ……」  
 しばらくして、二人は顔を離す。  
 微笑をたたえながら、アスナが舌をつきだすようにリーファに差し出した。するとリー  
ファは唇をとがらせて、ちゅるっ、とアスナの舌を唇で吸った。  
「食べちゃい……ますね……」  
 リーファは舌の外縁を丁寧に唇でくすぐったあと、アスナの舌を唇でくわえこむ。  
「は……んっ……んっ……」  
 
 アスナが舌をとらえられたまま吐息をもらした。リーファがゆっくりと首を引くと、上  
唇と下唇の間から、アスナの舌があらわれた。  
「ん――」  
 リーファが首を傾げて斜めにした。再び、今度は最初よりも深く、深く、アスナの舌を  
受け入れる――。  
「んっ……ふっ……んっ……んっ……」  
 アスナがきゅっ、と目を閉じた。前にも増して頬は赤く染まり、行為で性的な興奮を覚  
えているのは間違いない。  
 性の快感を得ているのは、リーファも同じようだ。狭い口の中でアスナの舌と舌を絡ま  
せて、興奮しているに違いない。  
 刺激しあったリーファとアスナは、「ぷはっ……」「んっ……」と顔を離した。  
 最後にちゅ、とひときわ大きな水音をさせるキスが交わされたあと、リーファとアスナ  
の頭が離れる。  
「はあ……はぁ……んっ……ごちそうさまでした……」  
「お粗末様……」  
「じゃあ、今度は……その……」  
 攻守交代とばかりに、今度はリーファが舌をアスナにさし出した。  
 いたずらをしたときのようにぺろ、と自分の下唇を隠すようにまろびでたリーファの舌。  
それを、こくん、と童女のようにうなずいたアスナの舌の先端がとらえる。  
 ちゅぷっ。  
「んっ……んっ……!」  
 リーファの舌の真ん中に、アスナの舌がつきたった。リーファの舌をくすぐるように上  
下させ、それからアスナは、上唇のあたりをそっとなぞり、再び舌を刺激する。  
「はぁ……はぁ……んぐ……んっ――!」  
 衣装に包まれたリーファの肩が細かく震える。緑がかった金髪が激しい舌戯の応酬に揺  
れて波立った。  
 アスナが淡く微笑んだ。  
「リーファちゃん……かわいい……」  
 そして最後に、自分の舌の腹をリーファの舌に押しつけて、なめ上げた。  
「んんっ――! んっ……!」  
 リーファの出したままの舌先がびくんっ、びくんっ、と痙攣するように震える。  
 そして――  
「……」  
「……」  
 アスナのアクアブルーの瞳と、リーファのエメラルドの瞳が絡み合った。  
「アスナ……さんっ!」  
「リーファちゃん……!」  
 一瞬の間があって、その一瞬を取り戻すかのように二人が唇をあわせた。  
 むさぼり尽くす、ディープキス。舌と舌が深く絡み合う。  
「むぐ……んんっ……んっ……!」  
「んんっ……はぅ……んっ! んぐっ……!」  
 どちらが先手をとっているのか、俺にも、おそらくリーファとアスナにもわからないだ  
ろう。金色と水色の髪がキスを交わすたびに淡く揺れた。  
 暗めに設定してあるとはいえ、もちろん明かりはある。中途半端な光源がちらちらと、  
なまめかしい舌と濡れた唇の動きをきらめかせていて――よけいに恥ずかしいんじゃない  
か、これ。  
 アスナとリーファは十分にもりあがっていた。  
 アスナはスカートからまろび出る長い脚を妖しくもじもじしているし、リーファは車座  
になった太股をもう片方の太股にすり付けていた。  
 気がつくと俺の性器は、目の前で行われた行為にすっかり硬さを取り戻していた。  
 
――――  
 
 装備を解除させて、二人を一糸まとわぬ姿にしたあと、横向きに抱き合ってもらった。  
「は……はずかしいよ……キリト君……」  
「お兄ちゃんのばか……」  
 アスナとリーファが言う。  
 お互いに隠すものがなくなったアスナとリーファは頬から首筋、胸元までを真っ赤にさ  
せていた。  
 抱き合っているせいで、二人の乳房がお互いの圧力でつぶれている。桜色の乳首と乳輪  
が重なり合う。  
 俺は身を乗り出してアスナの片脚を抱え込んだ。  
「ひゃっ……や……やだぁ……」  
 見事な脚線を描くアスナの脚を抱えて、そこをあらわにする。下着が存在しないそこを  
照明の下にさらした。  
「アスナ。さっきからじもじしてたよな。――もうぐちょぐちょに濡れてるよ……」  
「や、やだ! そんなこと……言わないでっ!」  
 アスナが悲鳴を上げながらリーファに抱きついた。  
「だ、だってリーファちゃんとのキス……気持ちよかったんだもん……」  
「あ、アスナさん……」  
 抱きつかれたリーファがどこか嬉しそうにつぶやく。  
 俺は苦笑しながら、潤んだ瞳でアスナを見つめるリーファの片脚を、アスナと同じよう  
に抱え上げた。  
「ひゃんっ――!」  
「リーファも……もう十分にとろとろだぞ……」  
「だ、だって……お兄ちゃんの舐めてるときから……その……アスナさんにも……えっち  
なことしてもらったから……」  
 リーファが恥ずかしそうにアスナに抱きついた。  
 二人ともそそのままうつむいて動かなくなってしまう。  
 おでこをひっつけて、無言でうつむき合う二人の姿はずっと見つめていても飽きないか  
もしれないが、俺の本能がすっきりしない。  
 
 今すぐにでも二人に襲いかかって犯しつくしたい。  
 泣き叫んで髪を振り乱して受け入れてくれる二人の姿を見たいと叫ぶ本能。  
 それを、何とか押さえつけて――そして俺はアスナの肢体に手を伸ばした。  
「んっ……私から……?」  
「うん」  
 アスナを仰向けに寝かして、リーファの上半身を横から乗せる。これで、アスナとは正  
常位で交われるし、腰を横にずらせばリーファと後ろから致すことができる。  
 不安げに見詰めてくるアスナの脚を持ち上げた。  
「あ……ああ……」  
 丸見えになったスリットに、指を近づけて、入れる。  
「んっ!!」  
 アスナのそこは特に抵抗なく、指を受け入れた。  
「はぁ……んっ……指……やさしい……」  
 とろけきった膣道で俺の指を受け入れるアスナは、出し入れされるたびにひくひく震え  
る。  
「リーファ……」  
「う、うん」  
 俺に促されて、リーファが、おずおずとアスナに手をむけた。手が向かう先は、アスナ  
の胸元。  
 
「あ……ふぅ……んっ……」  
 くにゅ、ふに。リーファの指が乳房に埋まっていった。  
 リーファは乳房の上に乗っているかわいい乳首を、人差し指で丹念にしごいた。  
「んっ……ひゃうっ……ぅあっ……んっ……」  
 アスナがリーファの指と俺の指が生む刺激にあわせて悲鳴をあげる。  
 リーファの指が乳首の表面を通りすぎるたび、うれしそうに揺れている。女性同士だか  
ら気持ちのいい場所がわかるのか、アスナの乳首はあっという間に張りつめてしまった。  
 俺もスリットの出口の間際に指を引っかけて、揺さぶる。  
 じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ――――。  
「ひゃ、ああああ! やぁ! うそっ、やだぁー!」  
 いつもよりすさまじい水音を響かせながらアスナが泣き叫ぶ。  
 とどめとばかりに、ぷくっ、と膨らんだ乳首にリーファが口をつけた。  
「んっ――あぅっ!!!」  
 俺に見せつける意図があるのか、横合いから乳首を犯すリーファ。唾液に濡れた舌がア  
スナの乳首を揺らすが、張りのある乳房がほとんど同じ位置に乳首を戻す。  
「んっ……おいしい……」  
 リーファは新しいおもちゃを見つけたような、純粋無垢な笑顔を浮かべながら、アスナ  
のそこを舐め回していた。もちろん、あいた片手は、きゅっ、きゅっ、きゅと乳首を刺激  
する。  
「んんっ――、あ、ああっ……やっ、いやぁっ!」  
 顔だけでなく、首筋――さらには鎖骨までを真っ赤にさせながら、恍惚の笑みを浮かべ  
るアスナのそこに狙いを定める。  
「いやぁ……」  
 ちゅっ、とアスナの入り口に、俺の亀頭がキスをする。  
 アスナが背筋を震わせたのが分かった。  
「アスナ……一気に、いくよ……」  
「い、いれるの……いや……いまは、いれちゃだめ……」  
 アスナは幼い子供がするように、ふるふると首を振った。  
「や……だめ……やめてよぉ……お願い、キリトくん……やさしくして……」  
 
 じゅぽおっ!  
 
「ああああああ――っ!」  
 リーファを押しのけるほど強く、背をそらしたアスナを、俺は容赦なくせめる。  
「やだっ……おかしくっ……おかしくっ、なっちゃうよぉー! んんっ――!」  
 言葉はリーファのキスで飲み込まれた。  
「んぐっ! んっ! んっ!」  
 くぐもった喘ぎ声が仮眠室に響いた。リーファは快感から逃れようと身をよじるアスナ  
の体をつかまえ、喘ぐアスナの口を犯し続ける。アスナの瞳から宝石のような涙が流れて  
いった。  
「んっ! んっ! あぅ……んっ! いやぁ……いっちゃうっ! いっちゃうぅ――!」  
 切なくさえずるアスナの声に興奮したのは俺だけじゃなかった。  
「アスナっ……さんの……声……かわいい……」  
「ひあっ! おっぱいだめぇ! つまんじゃだめぇ!」  
「ほら、お兄ちゃんに見てもらいましょう」  
 リーファは盛り上がった乳房の天頂を親指と人差し指で摘んでもちあげ、指の腹で転が  
す。  
「あうっ、んっ! キリト君みちゃいや……」  
 無茶言うなよ。  
「アスナさん……ちゅっ!」  
 そうして恭しく摘んだ桜色のつぼみに、リーファが舌を落とした。  
「あああああああ――――」  
 
 乳首を左右、上から刺激されたアスナがびくんびくん、はねた。  
 ちょうど突こうとした瞬間アスナが達してしまい、柔肉かきゅうっと締まる。  
「あ、アスナ!!」  
 俺は予想外の刺激に襲われた。正直まだ十往復くらいしかしていないのに、アスナがど  
ん欲に締め付けてきて――。我慢しきれなかった。  
 どぶっ、どぷっ、どぶっ  
「はうっ」  
 射精の衝撃のせいか、オーガズムと達した衝撃でそらしていた背を今度は丸める。  
 ぐっ、ぐっ、ぐっ、と断続的におこなれる射精の刺激に、アスナは耐えきってくれた。  
「はあ……んっ……キリト君……キリト君……キリト君……」  
 愛おしそうに下腹部を両手でなで回す。そのお臍の下のあたりにはきっと、俺が吐き出  
した精液があるはずだ。  
「キリト君の……熱いよ……お腹の中にいっぱい……」  
「うん。受け止めてくれてありがと……」  
 俺はそんなかわいい言葉をくれるアスナの手に手を重ねた。いつもと変わらないやさし  
い体温が手のひらから伝わってくる。しばらくそのまま見つめあっていると――。  
「あ、あの……お兄ちゃん……そろそろ……」  
 リーファがものほしげに、アスナの下腹部を見つめていた。  
 
――――  
 
 今度はリーファの体を味わうべく、俺は腰を横に動かして狙いをつけた。  
「んっ……」  
 リーファはお尻を小さくふるわせて、見せつけるように自分の肉ひらを右手で開いた。  
股の間からわずかにのぞく、サーモンピンクのスリットは肉ひら艶やかな光を反射させ  
ていた。  
「リーファ……いくよ」  
 さっそく復活した性器をリーファに押しつける。俺の亀頭を肉ひらが柔らかく受け止め  
てくれた。  
「お兄ちゃん……熱いの……はやくっ……」  
 俺に向かって自分の肩越しに訴えてくる、リーファの顔がものすごく魅力的だった。  
 思い切り腰を叩きつける。一気に奥まで突き刺した。  
「ひあああっ!」  
 ぐずぐずにとろけたリーファのそこは、いとも簡単に俺を飲み込んでしまった。先端か  
ら根本までを一気に舐めあげれた感触は、危うく果たしてしまうほど甘美だった。アスナ  
と一戦していなければ、危なかった。  
「んっ……ふっかいよぉ……」  
 アスナに比べれば性交の絶対経験がすくないリーファがすがりつくようにアスナの体に  
腕を回した。  
 ただ、それが快楽から逃げる手段には結びつかなかった。まだ陶然としていたアスナが  
リーファの肩に手を回した。  
「リーファちゃん……」  
 リーファの下からちゅぱっ、ちゅぱっ、と音がしはじめた。  
「や……アスナさんっ……おっぱいかんじゃやだ……だべちゃやだっ……!」  
 なにやってるんだろうと、残った理性で考えようとしてやめた。  
 ひょこひょことポニーテールが揺れる。  
 アスナがリーファの耳を甘噛みした。じゅるっ、と波うった膣道が射精を誘惑する。  
「リーファ!」  
 俺は腰をつかんで、リーファの中に性器をたたきつけた。  
 先端がごつん、ごつんとリーファの奥を押し上げている。アスナの中にまき散らしたば  
かりだというのに、射精の欲求が腰のあたりに溜まってきた。  
「熱い! おなか……おなかっ、あついよお!」  
 
 軽く背をそらしたリーファをがつがつ揺らした。  
 じゅぷっ! じゅぷっ! じゅぷ!  
「あ、ああああああっ! やだ! お兄ちゃんっ! やだぁ!」  
 体をくねらせて突き刺される快感から逃げようとするリーファが、アスナに捕まった。  
「リーファちゃんっ!」  
「はぐっ――!」  
 本当にリーファの体の下ではなにが行われているんだろうか。  
「んっ、あうっ……んっ……んっ……下も……んっ、上もぉ……!」  
 どうやら、アスナもアスナでリーファを責めているらしい。リーファの体から徐々に力  
が抜けていき、アスナにしなだれ掛っていった。  
 ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ  
 じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽぉ  
「ひ、いやぁ――! いっちゃうよぉ――!」  
 リーファが大きく背をそらした。その瞬間、性器を包んでいた柔肉が狭くなり、最後の  
一線を越えさせる。  
 俺はぐっ、とリーファの腰を引きつけ、可能な限り、リーファの奥で吐き出した。  
「んっ――! はあっ!」  
 そらされた背中の曲線がきれいで美しかった。最奥で注ぎ込まれるたびにリーファが体  
を揺らす。ぎゅっ、ぎゅっ、と締めてくるリーファに残らず注ぎ込み、俺はずるっと性器  
を抜いた。  
「ふあっ!」  
 リーファが栓を抜かれたような声を出した後、横向きにベッドに倒れ込んだ。スプリン  
グがぎしっと音を立てる。  
 俺も連続二度吐き出していて、これ以上は無理だった。彼女たちの足元で胡坐をかいて、  
今達したばかりのリーファと、達した余韻に浸っているアスナの艶姿を眺めた。  
「はぁ……はぁ……はぁ……」  
「んっ……はぁ……はぁ……」  
 目から力をなくし、宙を眺めるアスナとリーファは、トーンの違う呼吸を繰り返してい  
る。  
 オレンジ色のライトエフェクトが降り注いでいて、汗にまみれた二人の体をいやらしく  
映し出す。呼吸をするたびに乳房やお尻が揺れていた。  
 出したばかりなのに、俺はごくりと息をのんだ。  
 精液が二人の秘処から流れ出ていた。アスナのそこから流れた白い液体は、尻たぶのほ  
うにゆっくりと流れていて、リーファは横向きに倒れたせいか、お尻の山の方に精液を流  
していた。  
 二人ともお腹に手を当てていた。注ぎ込まれる快感というのは男の俺には理解できない。  
 
 でもどこか幸せそうな二人の姿を見て、俺はたまにはこういうのも悪くないな、と思っ  
ていた。  
 
 
 
 

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