「んっ、んっ……ぁぅ、んぁ……やぁ……」  
 
 深い挿入によっているのは俺だけじゃない。アスナも体をそらしながら、俺をうけいれ  
ていく。  
 どん欲に絡みつくアスナの中は、俺が抜こうとするとぎゅうっ、と締めつけて、逆に挿  
入するときには優しく絡みついてくる。  
 あらがい難い快感が背中に突き抜けていった。  
 
「んっ……いま、あぅぅっ、お腹の、おくぅっ……」  
 
 アスナがぐすっ、としゃくりあげながらむせび泣く。  
 亀頭をぬきとるたびに、アスナのそこが分泌した愛液がじゅ、じゅ、と音をたてて飛び  
散って、いつのまにか俺の股のあたりは水ひたしになっていた。  
 それでも俺は動きをやわらげなかった。アスナの、もっと乱れた姿が見てみたかった。  
 
「アスナ……中で出してもいい……?」  
「え……? うん……だいっ、じょうぶ……ぅぁっ、だよ……?」  
 
 その答えに俺は心のどこかでほくそ笑む。  
 実際に妊娠の危険があるリアルでのセックスと違って、VR空間の性行為に妊娠の可能  
性はない。  
 だから、こちらで致すときはいつも中で受け止めて貰っていた。  
 アスナにとっても、その中で出される感覚は多幸感を呼ぶらしく。俺がなかでぶちまけ  
た瞬間に、達してしまうということが何度かあった。  
 お腹がとける、キリトくんのでいっぱいになる、叫びながら絶頂するアスナ――。  
 いつもよりも太くて長いらしい俺が一番奥で吐き出したら、アスナはどんな顔をするだ  
ろうか――?  
 想像をするだけでも、楽しい。  
 アスナにそれを認識させるため、わざと耳元でつぶやいてみる。  
 
「じゅあ、たぶん、いつもより量も長さも段違いだろうけど……奥でうけとめてくれよ…  
…アスナ」  
「え……奥……?……や、やらっ!」  
 
 やっと俺がなにをしようとしているのか、理解したアスナが顔をひきつらせた。  
 
「そ、そんな……い、今……そんなことされたら、お腹溶けちゃうっ! 溶けちゃうよぉ  
――!」  
 
 じたばたする、アスナ。でもそのせいで膣道がぎゅう、と締まってちょうど引き抜かれ  
るはずだった俺のモノにとどめをさした。  
 その瞬間、俺のなかで最後の堰が崩れた。  
 あと何回かアスナの中を行き来するだけで、先端から吹き出すのを確信しもう一度大き  
く覆いかぶさる。抱えていた脚から手を離してアスナの後ろに手を回して彼女を逃さない  
ように抱きしめる。  
 二、三度あじわうようにアスナの中を行き来してから――  
 
「アスナ! もう出る――!」  
「い、いあぁぁぁぁっ! らめっ! やだぁっ! おかしくなっちゃうよぉ――!」  
 
 ごじゅ、ごじゅっ、ごじゅっ!  
 
 アスナの内側の分泌液をすべて越しとるように強くすり付ける。ざらざらした膣道が突  
き込む度に俺の性器の表面をこそいでいき、電撃のような刺激を与えてくる。  
 
「やらっ、んっ、やぁ……キリト君のばかっ……もうエッチも、料理もしてあげない  
っ!」  
「え? うおっ!」  
 
 その脅し文句に俺はおもわず腰の動きをとめてしまった。  
 アスナの顔をみた。目尻に涙をため、唇を尖らせるアスナ。  
 いつの間にか水色の髪が胸元まで落ちてきていた。勃起しきった乳首のそばをとおる髪  
が、アクセントになって白い肌を目立たせる。  
 アスナは二、三度迷うように唇が上下させ、最後にゆっくりと言葉を紡いだ。俺を狂わ  
せるのに一番の、言葉を。  
 
「でも……大好き……キリト君……」  
 
 その声はぞくりとするほど、淫らな響きを持っていた。  
 
「キリトくん……」  
 
 不自由な体勢にも関わらず、アスナが腰を動かしはじめた。  
 快楽に魅了され、透き通るような青い髪を振り乱し目に滴をうかべるアスナの姿は美し  
く、同時に男である俺にとって、とんでもなく魅力的だった。  
 
「はあ……はぁ……はあ……キリトくん……出して、いいよ……気持ちよくなって……な  
かで、出して……」  
 
 そしてアスナが甘く、こうつぶやく。  
 
 もっと――と。  
 
「あ、アスナっ!」  
 
 アスナの挑発が頭の芯を揺さぶる。  
 俺はアスナの腰をウエストをがっつりつかんで、腰を動かした。  
   
「ああああっ!」  
 
 アスナももう、快感を隠さない。泣き叫ぶ声には明らかな甘みがあった。  
 ただただ自分が気持ちよくなるためだけに腰を動かしてしまっている俺を、アスナは一  
生懸命に受け止めてくれている――。  
   
「はっ――あっ――やあっ!」  
 
 温かいそこを何度も行き来する。突きこむたびにアスナが悲鳴を上げたが、とてもじゃ  
ないが止められない。  
 
「あぐっ――んっ――あああっ!  
 
 アスナがほんの少し身をよじった。  
 じゅごおっ、と貫いている場所がわずかに変化して、俺の最後の最後の関を打ち壊した。  
 もう次はだめだと、アスナの腰に当てていた手を肩に移動させて、抱きしめる。  
   
「あああ……ふっか――深いっ!」  
 
 先端が一番奥に当たったのがわかる。  
 止めとばかりにもう一度、アスナの奥に先端を叩きつけた。  
 
「あぅっ!」  
 
 アスナの背がソファーを蹴るように反らされる。そのせいでいままでぐりり、とアスナ  
をえぐってしまい結果として――俺が限界だった。  
 尿道口への刺激に、俺はとうとうアスナの一番奥に吹き出した。  
 
「ぐっ、アスナっ!」  
 
 腰のあたりから走っていく粘液を、アスナの奥そこにぶつけていく。  
 
「ああああっ! んっ! キリトくんっ!」  
 
 お尻のあたりをびくびくと震わせながら、アスナが上体をおこして俺にしがみついてき  
た。  
 
「はぐっ! んっ――っ! 熱いぃっ! お腹溶けちゃう!」  
 
 両手を回してくるアスナに逆らわず、俺はアスナに吐き出しつづける。  
 
 どくんっ、どくんっ、どくんっ!  
 
「んっ――っ! んっ――! あうっ!」  
 
 奥底でおこなわれる射精が砲弾のようにアスナに突き刺さっていくのを感じる。  
 
「はっ……ああっ……んっ……」  
 
 どくんっ、どくんっ……  
 
 もう幾度目かわからない律動を終え、やっと俺はアスナの中にすべてを注ぎ込めた。  
 
「はふ……はぅ……」  
 
 至近距離でアスナの声が聞こえてくる。  
 俺はアスナの体から上体を離した。  
 
「……ああっ……んっ……なか……まだあついよ……」  
 
 自らも腰をうねらせてオーガズムの余韻に浸るアスナの姿を視界にとらえた。  
 胸元までを真っ赤にして、時折手足をびくんと振るわせ、涙を流しているアスナの姿に  
感動する。まだ性器を結合させているので、その付け根の部分は、とびちった愛液にぐっ  
ちょり濡れている。  
 
「はあ……はあ……はあ……」  
 
 幸せそうな声のアスナ。俺は砂の上下するおなかをちょっとこずいてみた。  
 おへそのあたりを押しつけてみると、アスナがくすぐったそうに身をよじる。  
 
「あっ……やっ……おなかのなかで……動いてるよ……」  
「ああ……ありがと、アスナ。受け止めてくれて……」  
 
 俺がそういうと、アスナが美しく微笑んだ。  
 そのほほえみに誘われて、俺はアスナの頬をなでる――。  
   
「えっ、いやぁぁっ!」  
「はっ!?」  
 
 アスナが激しく震えだした。今ふれた部分は別段、弱い部分でもなんでもない。ただ頬  
にふれただけだ。  
 過剰な反応に俺が驚いていると、はっ、と我に返ったアスナが右腕を振るい、しばらく  
指を動かし続け、ぴたっととまった。  
 
「だめ……かも……キリトくん……」  
「な、なにが?」  
「や、やっぱりだめっ! 《発情》のステータス異常……直ってないよ!」  
 
 な、なに?  
 それこそ俺とおそらくアスナも、一番恐れていた事態だろう。  
 俺もあわててステータスウィンドウをポップすると、やはりステータス《絶倫》の一文  
字が浮かんでいる。  
 
「だ、だってセックスすれば……直るんじゃないのか、これ。さっきユイは、たしかに―  
―あっ」  
 
 ユイの言葉を一言一句思い出して、自分の思考に穴があるのに気がつく。  
 
「あ、アスナ……さっきユイが言ってた。ステータス異常を解消するのには、ストレスを  
消さなきゃいけないって……」  
「え、ストレス……? 消えないよ……?」  
「え……?」  
 
 俺は驚いてアスナの顔を見た。いつも通り、とはさすがに行かないが、何割か理性を取  
り戻した表情でアスナが続けた。  
 
「えっちすれば……たぶん一時的なストレス発散になるけど、一時的だし……それでもス  
トレスって本人にもわからない形でたまっていくから、消すなんて無理だよ……」  
「じゃ、じゃあ……」  
 
 最悪な結論にたどりつく。《ビルドエラー》なんてレベルじゃない。そもそもストレス  
解放のシステムとして、破綻している――。  
 
「だめ……だめ……腰、うごいちゃう……」  
 
 いままで我慢していたのかアスナの中に突き刺しっぱなしだった性器がぎゅうっとしご  
かれ、さらにうごめいた。  
 言葉のとおり、胸をぷるぷると振るわせながら腰を動かし、アスナが第二ラウンドのゴ  
ングをならしてしまった。  
 じゅる、じゅると卑猥な音がリビングに流れていく。正常位の格好なのでアスナはほと  
んど腰を動かせない。でも――、そのわずかなグラインドを必死でこなしている。  
 
 じゅっご、じゅっご。  
 
 出し入れする度に肉ひらがまくれあがって、結合部からさっき俺が出したものと、アス  
ナの愛液で混ざり合ったものが巻き散らされる。  
 
「あああああっ! 気持ちいいっ!」  
 
 もう声を我慢することすら忘れて、アスナが叫ぶ。  
 
「こんな……こんなの! じ、地獄みたいだよぉ……! 気持ちよくて……! 終われな  
い……!」  
 
 どうしても腰をとめられないのか、とうとうアスナの瞳から涙がこぼれ落ちる。  
 そしてそれによって昂ってくる自分の性器に絶望する。ステータス《絶倫》も《発情》  
絶好調で発動してる……。  
 
 終わりがない――。  
 
 ユイを呼んで改めて対策を、と考えたところで俺の方に限界がきてしまった。  
 脳髄を溶かす白くて甘い毒がばちばちと思考を浸食してくる。そしてアスナの動きはそ  
れを引き出してくる――。  
 アスナと落ちる地獄なら、いいかなと思いつつ俺はアスナの両足を抱え上げた。  
 先ほど出したばかりの精子があふれてくるそこへ、俺はもう一度、奥のおくまで性器を  
突きこんだ。  
 
「あ……っ! やあ……キリト君……助けて……」  
 
 アスナと目があった。目には恐怖と期待が渦巻いてい瞳に吸い込まれるように俺はもう  
一度アスナに覆い被さる。やはりおとなしくなる気配をいっさい見せない性器が、アスナ  
の柔筒を食らいつくす勢いで割り込んでいく。そこから与えられる快楽に俺は酔いはじめ  
ていた。  
 
 抱えた脚を肩に乗っけて、深くアスナを貫きつつ、乳房をやや強引にもみ上げる。  
 
「んんんんっ――!」  
 
 アスナが眉をしかめたが、すくなくとも痛みではなさそうだった。手のひらで乳房を絞  
りつつ、先端の乳首を親指でこじりつつ、ごつんごつんと性器でアスナの奥を貫き続ける。  
 
「うっぅぅっ! んあっ! ああああっ! ま、またっ!」  
 
 膣道から得た快感にアスナが背をそらして小さく絶頂する。自分でも信じられない、と  
いう表情で目を開くアスナがお腹を波立たせた。  
 締め付けてくる快感を得るため俺は容赦なく自分をアスナにつきたてた。  
 さっきアスナの中に発射した精液とアスナの分泌する愛液がすさまじい勢いでソファー  
を汚していく。  
 そんな様を眺めながら、触れていた乳首を指で思い切りつまんで、引っ張ってみる。  
 
「あぐっう! おっぱいやだっ!」  
 
 絶頂したばかりで敏感な乳首をこれでもかとせめる俺の手を止めようと、アスナが手を  
出してきたが、俺は逆にその手を片手で拘束する。そして一気に彼女の頭上に両手を押し  
つけた。  
 
「ああっ……いや……」  
 
 両手を頭の上に固定されたことで、いままで二の腕で隠されていた真っ白な脇が露わに  
なる。乳房のテクスチャにもテンションがかかり、乳輪の形を変える。  
 俺は肩に乗っけていた脚を再び元に戻して、汗まみれになった乳房に口をつける。  
 
「あうっ……んっ! やあ……っ! んっ、んっ!」  
 
 両手を頭上でおさえつけられたアスナが激しく抵抗をはじめた。快楽から逃げるように  
身をよじらせる。だが体の奥深くに一本杭を打ち込まれている状態で、しかも腕を封じら  
れている現状では大した抵抗はできない。アスナの、ただただ、体を揺らすだけの動きを  
愉しみながら、口のなかで乳首を甘噛みした。  
 
「ふあっ!? 噛まっ、噛まないでぇ……っ!」  
 
 もうなにをされても気持ちいいのか、わずかな刺激でさえアスナは敏感に反応する。  
 一度も口にしたことは無いけれども、アスナにはきっと、いじめられる才能がある。き  
ゅっと窄めて睫毛をゆらし、頬を朱に染めて恥ずかしがる。アスナの姿は可愛らしくも艶  
やかで、実に「そそる」のだ。  
 前歯で噛んだ乳房の先端を舌先で刺激する。  
 
「ああっ! うそっ! うそっ! やだぁっ! 食べちゃやだあ!」  
 
 美しい顔をくしゃくしゃにして、俺が指を滑らせるたびに背をそらし、再び絶頂したア  
スナの股から透明な潮が吹きだした。  
 
「はああああっ! くっ! いやああ……っ! でちゃってる……」  
 
 びしゃああっ! びしゃああっ! と断続的に吹き出す潮が俺の下腹部にあたって、跳  
ね返りそしてアスナ自身も汚していく。太股のあたりが精液と愛液と、いまの潮の汁でぬ  
れてしまった。  
 
「あああっ……ああっ……もうっ、もう……ごめん……ごめんね……」  
 
 絶え絶えの息の合間に響くアスナの嗚咽も、今の俺には極上の音楽に聞こえてしまう。  
 潮吹きで脱力したアスナが汗に濡れて輝いていた。  
 その姿に無意識にむくうっ、と性器がもちあがり――。俺の意思とは無関係に射精を開  
始した。  
 
「――!」  
 
 再びはじまった膣と子宮の蹂躙にアスナは声もなく絶叫する  
 内側に吐き出されるたびに背伸びするようにのびあがり、受け止める――。  
 
「は……あっ……おなか……とけ……」  
 
 長い長い射精が終わり、アスナがこわばっていた体から力を抜いた。わずかに隙間の空  
いた秘裂から濃い粘液が漏れ出してくる。  
 
 俺は突き刺したまま、アスナを抱き起し、糸の切れた人形のように脱力したアスナを膝  
の上にのせる。  
 アスナの両手を彼女の体のうしろで抱えながら、やっぱり萎えない性器で何度か奥を小  
突いてみる。  
 
「んっ……んっ……あ……キリトくん……」  
 
 腰の動きが自由になった瞬間、アスナがソファーのスプリングをきしませながら腰を上  
下させた。  
 胸元をすりつけてくる。充血し小豆のように育った乳首を俺にすりつけてきた。  
 手を後ろに固められているので、不自由なはずの体勢で脚をうごかし、貪欲に快楽を求  
めてくるアスナ。  
 
「あああっ……あああっ……んんっ……」  
 
 幼い子供のようにしゃくりあげる。その様がまた俺の加虐心を刺激する。  
 出しても萎えない、俺の性器を体の中で感じているのか、アスナが艶然と唇を笑みにか  
えた。  
 緩く……腰を動かし始める。アスナに刺激されて、俺もまた腰を動かしはじめる。  
 
「き……りと……くん……んっ……」  
 
 俺の名前を呟く唇を唇であじわいながら、終わらない快楽の地獄に俺たちは二人で一  
歩一歩進んでいった。  
 

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