「あたしね。お兄ちゃんとは冷却期間のつもりでいたの」
「その期間は、あたしたちの気持ちが本物かどうかを考え直す期間だったの。ほらアレよ、『恋人ごっこ』がどうこうっていうアレ。お兄ちゃんも覚えてるでしょ?」
「でねいくら考えてもあたしはお兄ちゃんのことが大好きで心の底から大好きでむしろ生まれる前から好き好き大好き超大好きなんだって答えしか見つからなかったの」
「でもお兄ちゃんがあたしのことをどう思っているかはわからなかったしお兄ちゃん自身が迷っているようにも見えたから待つことにしたのその間は辛かったよウソじゃないよ
本当に辛くて辛くて死にそうだったのお兄ちゃんのことを想って寝る夜はいつも枕を涙でぬらしてたわガマンしきれなくてひとりえっちで自分をなぐさめて終わったあとは余計せつなくて悲しくて
もっとはげしくしちゃうぐらいに辛かったんだよこのこと理解してくれてる?
もちろんあたしはちょっと独占欲が強すぎてお兄ちゃんのことを束縛しすぎちゃうけれどそれだって生まれた時からの付き合いなんだから知ってくれているはずでそういうところもひっくるめてあの日あの時あの場所で
互いの気持ちを確認し合って初めて愛し合ったんだよねそうだよね!
あたしはお兄ちゃんが好きだから他の女の子のことなんか一瞬たりとも考えて欲しくないのむしろ目を向けるのも嫌なのおはようからおやすみまで朝昼晩1年365日死んで生まれ変わってそして次の世でも恋人同士になって
あたしのことだけ考えててくれればいいのそれ以外は許さない許すわけにはいかないのけれどそういうわがままな想いがお兄ちゃんを苦しめていたんだとしたらこれからどうやって愛すればいいの
愛し方がわからないずっとずっとずーっと愛し続けてるだけじゃ駄目なのかなどこかで愛の形を間違えちゃったのかなだったらその間違いをお兄ちゃんが正してくれると嬉しいな
そうよあたしは叱って欲しかったのそして優しく抱きしめて欲しかったの今からでも遅くないと思うううんむしろここから本当のあたしたちが始まるのよ
そうに違いないわそうだって言ってよ認めてよそしてもう一度あの言葉を言ってスグ好きだよってううん先にあたしが言うよ
あたしはあたしは両親より友達よりあたし自身より天よりも地よりもこの世界のすべてよりも!!」
「お兄ちゃんのことが、大好きなのっっっ!!!!!」
「あたしはそれぐらいお兄ちゃんが好きなの。わかってくれた?」
「だから、やり直そ? もう一度、あたしを好きになって?」
「あのね、お兄ちゃん。あたしまだ智ちゃんのことが好きなの」
「だって、急に嫌いになんかなれないよ。前にいっぱいいっぱい言ったでしょ? あたしがどれだけお兄ちゃんが好きなのか」
「確かにあたしは前に、ちょっとだけ距離を置こうって言ったよ。だからって、別れたつもりなんてなかったの。そのつもりがあるなら、ちゃんと別れようって言ったよ」
「あたしとお兄ちゃんの距離はつながってるでもそれまでよりちょっとだけううんほんのちょっとだけ離れただけでも赤い糸はまだあたし達の小指に結ばれてるって信じてた」
「あたしいっぱい考えたよ考えて考えておかしくなっちゃいそうになっても考えてでもやっぱり答えはお兄ちゃんが好きっていうのしか出てこなくてそれなのにお兄ちゃんはいつの間にかあたしから離れてアスナさんと仲良くなっていつの間にかくっついちゃって
だからあたしお兄ちゃんに裏切られた気がしてでもそんなはずないだってお兄ちゃんは前と同じお兄ちゃんであたしに優しくてそうよ離れるなんてやっぱり無理だってお兄ちゃんは絶対あたしが好きあたしが好きあたしが好きってずっと自分に言い聞かせて!」
「でも良く見たらお兄ちゃんアスナさんにもすごく優しくてていうかあたしによりもずっと優しくしてあげてるのなんで信じられないあんな優しい目でアスナさんを見てどうしてなんでねえなんでそんなひどいことできるのなんでなんでなんで!?」