バレッツ・オブ・バレットが終わった  
推理通りならこの部屋にいる<死銃>の共犯者は<死銃>がキリトに撃破された時点で去っているはずだった  
詩乃は目を開ける前に、周りの状況を探ろうとして 気が付いた  
 
(何かが・・・・乗ってる?)  
 
誰かが自分の体の上に覆いかぶさっている  
詩乃がそれに気が付いたと同時に、覆いかぶさっている当事者から声がかけられた  
 
「優勝おめでとう朝田さん、目、覚めてるんでしょう? ログアウトする所も中継で見てたよ」  
「!!・・・・・新川・・・・君?」  
 
目を開けると新川恭二が自分の体の上に覆いかぶさっていた  
 
「そんな・・・・なんで・・・・・?」  
「凄いよ朝田さん、本当はね、兄さんが君を≪黒星≫で撃ったらすぐにこれを注射する予定だったんだ」  
 
そう言うと恭二は銃の形をした玩具のような物から透明な液体の入ったカートリッジを取り出した  
 
「でも君が見事に大会で優勝してくれたからさ、撃つのはこっちだよ」  
 
そう言うと恭二はポケットから別の、赤い液体の入ったカートリッジを取り出すと、銃の形をした玩具のようなものに装填する  
 
「朝田さん僕に言ったよね、待ってて、って」  
 
そう言うと恭二は詩乃肩を押さえつけると首筋に玩具の様なものを宛がう  
 
「これはね無針注射器って言うんだ、薬が霧状になって粘膜下に直接拡散されるんだよ、即効で効果が出るから」  
 
そう言って恭二が引き金を引くと  
 
バシュウゥッ!  
 
「っあぁっ!」  
 
何かが首から入ってくる気味の悪い感触が詩乃を襲った  
 
「なに・・・これ・・・・」  
「今撃ったのは媚薬だよ、大型の動物でも一発で発情する強力な奴さ、体内残留期間が長いから、きっと効果が切れる事には僕から離れられなくなってるよ」  
 
な・・・・  
 
「なんで・・・こんなこと?」  
「なんでって? 待っててって言ってくれたじゃないか、だからずーっとまってたんだよ、此処で、君が優勝するか≪黒星≫に撃たれるのを」  
「!?」  
 
何と言うことだ  
彼が、<死銃>の片割れだったのだ  
詩乃は彼の下から逃れようともがいたが、恭二の力は思いの外強く、逃れられない  
 
「ダメだよ暴れたら、薬の効果が出るまでじっとしてて?」  
「このっ・・・!」  
 
詩乃はアミュスフィアから伸びたLANケーブルを恭二の首に巻き尽けると力の限り閉めた  
しかし・・・・  
 
「あは、朝田さん、薬が効いてきたみたいだね、全然力が籠ってないよ」  
「!!」  
「でも傷つくなぁ、こんなに抵抗するなんて、お仕置きが必要だね」  
 
そう言うと恭二は腰に付けていたウェストポーチからさっき詩乃に撃ったカートリッジと同じものを沢山取り出してきた  
 
「えーと、こっちが弛緩剤で〜」  
 
そう言うと恭二は注射器にカートリッジを装填し、詩乃の二の腕に押し付け  
 
バシュウゥッ!  
 
「ひううっ!」  
「これがホルモン分泌促進剤で〜」  
 
詩乃の右胸に押し付け  
 
バシュウゥッ!  
 
「きゃああっ!」  
「これが女性ホルモンで〜」  
 
今度は左胸に押し付けられ  
 
バシュウゥッ!  
 
「やめっ! っ゛あっ!」  
「これが幻覚剤〜」  
 
注射器が脇腹に押し付けられる  
 
バシュウゥッ!  
 
「っぁあぁあぁあああ!!」  
 
無針注射器で注射されるたびに体の中に冷たい物が入ってくる感覚に詩乃の体がびくんびくん跳ね回る  
 
「あはは、楽しいなぁ、朝田さんが跳ね回ってるの見ると僕も興奮してくるよ」  
 
そういうと恭二はまた新しいカートリッジを取り出した、赤い液体の入ったカートリッジ、最初に詩乃に打ち込んだものと同じだ  
 
「もう…辞めて」  
 
詩乃が涙目になって訴える  
しかし恭二は注射器を詩乃ではなく自分の首筋に宛がうと  
 
バシュウゥッ!  
 
「・・・あは」  
「ひっ」  
 
詩乃はその時、恭二の瞳の中に狂喜の光を見た気がした  
 
「今夜は二人の、新しい人生の始まりの日だよ、朝田さん」  
 
そう言うと恭二は注射器を投げ捨てて再び詩乃に覆いかぶさってきた  
 
 
「アサダサンアサダサンアサダサン」  
その奇妙な音が、恭二の口から漏れる自分の名前だとしばらく気が付かなかった。  
口が大きく開いた口から舌が伸びて、詩乃の顔を舐めようと近づいてくる  その時  
 
「シノン!」  
 
バタン!と言う音と同時に誰かが部屋の中に入ってくる  
 
「な!」  
 
恭二が慌てて振り向くとそこに一人の男が入って来ていた、キリトだ  
 
「キリト・・・君?・・・たす・・・けて・・・」  
 
ベッドの上で拘束されている詩乃を見たキリトが、怒りの視線を恭二に向ける  
 
「お前が<死銃>か!」  
「あ・・・・あああああああああああああああああぁぁぁぁぁっぁああああああああ」  
 
恭二がものすごい勢いでキリトの方へ駆け出した  
キリトも中腰になると恭二目掛けて駆け出していく  
たちまち取っ組み合いになり二人の男が詩乃の部屋で転げまわる  
 
「・・・・・」  
 
詩乃は虚ろな目で二匹の雄が取っ組み合う姿を見ていた  
体の奥が火がついたように熱くて怠い  
ベッドで横になっているはずなのに地面がグニャグニャと動いて気持ちが悪い、まるで船に乗っているかのようだ  
両胸の薬を打たれたところが疼いて仕方がない  
下腹の疼きに耐えきれなくなり内股をすりすりとこすり合わせる  
 
「っ・・・」  
 
目が霞んで二人が今どういう状況なのかわからない  
分からないが、恭二が勝ったらこのまま自分は彼に犯されてしまうのだろうか?  
キリトが勝ったら自分は助かるのか?  
しかし・・・・  
 
「はっ・・・ぁ・・・・」  
 
もしキリトが勝ってしまえばこの体の疼きはどうなってしまうのだろうか?  
私は・・・・  
ふと視線を動かすと、詩乃の目に先ほど恭二が頬りなげた注射器が目に映った  
 
「・・・・・」  
 
それから五分後  
 
 
恭二はキリトに縄で縛られ転がされていた  
余りに口やかましく騒ぎ立てるのでタオルで口もふさぐ  
恭二は恨みがましい目でキリトをにらんでいた  
 
「後10分で警察が来る、それまで大人しくしてろ」  
 
そう言うとキリトは詩乃の無事を確認しようと振り返る  
詩乃はベッドから転げ落ち、床の上でぐったりしていた  
 
「シノン!」  
 
まさか、薬を打たれたのでは?  
<死銃>は≪黒星≫に撃たれたプレイヤーだけを殺すと言う自分の推理は外れたのだろうか?  
キリトが詩乃を抱き起こすと、詩乃はゆっくりと目を開いた  
 
「大丈夫かシノン?」  
「薬・・・打たれちゃった・・・」  
「なっ!」  
「大丈夫、私が打たれたの、死ぬような薬じゃなくて、これだから」  
 
そういうと詩乃は注射器をキリトの首筋に充てると・・・  
パシュウ!  
 
「!?シノン!?」  
 
キリトは混乱した、シノンが何故自分に?  
 
「あのね、キリト」  
 
詩乃は注射器を頬り投げるとキリトの頭に手を回した  
 
「今打ったのね、媚薬なんだ、私も打たれちゃって、体に力が入らないの」  
「媚薬?」  
「うん、でね、体の疼きが止まらないの、切なくて、苦しくて、お願いキリト」  
 
詩乃が自分の顔をゆっくりとキリトに近づけていく  
 
「慰めて」  
 
そう言ってキリトに口づけすると、ゆっくりと床に倒れこんだ  
 
 
 
(なん・・・で・・・どうして・・・・朝田・・・さん・・・?)  
 
恭二は自分の目の前で起きていることが認められなかった  
あと少しで自分と、自分の最愛の人は結ばれる運命だった  
なのにいきなり男が乱入してきて  
今、その男と詩乃がキスをしている  
キスをしながら詩乃は自分を包む薄い布を自分からはぎ取っていくではないか!  
自分の時はあんなに抵抗したのに  
 
(あいつが!)  
 
そうか、あいつがバレット・オブ・バレッツの時、シノンが抱きついていた男なのか確か、キリトとか言っていた  
 
(キリトォォオオオオオオォォォォオオオオオオオオ!!)  
 
こんなことはあってはならない、許されない、詩乃は自分と結ばれるはずだったのだ  
自分の方がずっと前から詩乃を見てきた  
ずっとずっと前から好きだった!  
この前詩乃が他の女共に絡まれていたとき、助けたのは自分じゃないか!!  
なのについ昨日ぽっと現れた男に、心を開いて、体まで許すというのか!!!  
君をずっと見守ってきたのは僕なのに!!!!  
 
「ん・・・・ちゅ・・・・ふ・・・ん・・・んん・・・・・んっ・・・ちゅ」  
 
詩乃と男のキスするくぐもった音が部屋の中に響く  
見たくない、聞きたくない、なのに目が離せない、耳から入ってくる音が頭の中で響き渡る  
 
「キリト君・・・いいよ・・・んっ・・・・・あっ・・・は、初めて・・・だから・・・・ふぅっ・・・優し・・くっ」  
 
(!!)  
やめろ、やめろやめろやめろやめろやめろ  
 
「ンググゥウウウウー、ンンウグゥウウウウーーーンングウウーー!」  
恭二がくぐもった声をあげても二人きりの世界に入っている詩乃とキリトには届かなかった  
 
「シノン、ゆっくりするから」  
「うん、あっ・・・ん・・・・キリト君詩乃って、呼んで」  
「・・・っ詩乃」  
「あっ・・・・・〜〜〜っつっっ!!」  
 
薬のせいだ  
キリトに体を貫かれながら詩乃は考えた  
恭二に打たれた薬のせいで、自分はこんなにも乱れてしまったのだ  
普段の自分なら、であってまだ二日目の男相手に、こんなことをするはずがない  
そう思いながら詩乃は自分の足がキリトの体に回るのを止められなかった  
キリトの熱いモノが自分の体を引き裂いて、貫いてくるのが気持ち良くてたまらない  
一突きされる毎に、肺の中に溜まった空気が熱く湿った唇から漏れ出て、キリトの吐息と混ざり合う  
 
「キリト・・・・キリトぉ!」  
「シノン・・・詩乃ぉっ・・・!」  
 
切なくなって名前を呼ぶ、名前を呼ばれてもっと切なくなる、もっと強く抱きしめて欲しくて、自分の方から強く抱きつく  
 
「はぷ・・・ん・・・・んぅ・・・ちゅ・・・れぅ・・・はぁ・・・・・・」  
 
舌を絡めて熱いキスを交わす、キスすればするほど心地よさが訪れ  
そしてそれ以上の疼きが体の奥からあふれ出す  
まるで蚊に刺された後のようだ、痒くて掻き毟ると掻き毟った分だけまた痒くなる  
しかし止められない・・・  
もう、自分では止められはしない  
 
薬のせいだ  
詩乃の体を貫きながらキリトは考えていた  
詩乃から打たれた薬のせいか、それとも詩乃の体から匂い立つ甘い香りのせいか  
キリトは詩乃に誘われるままに体を重ねてしまっていた  
自分にはアスナと言う恋人がいるのに、詩乃の誘いを断れなかった  
罪悪感に胸を焦がされながらも、詩乃の燃えるような熱い体から離れられない、それに  
 
(本当に、大丈夫なのか・・・?)  
 
詩乃の体は本当に燃えるように熱い  
自分の下で悶えている少女は全身がイチゴのように赤く染まっている  
詩乃の足が自分の腰に回っていく  
 
「キリト・・・・キリトぉ!」  
「シノン・・・詩乃ぉっ・・・!」  
 
名前を呼ばれて呼び返す  
抱きつかれて、さらに強く抱き返す  
 
「はぷ・・・ん・・・・んぅ・・・ちゅ・・・れぅ・・・はぁ・・・・・・」  
 
求められて唇を突き出すと貪るように舌を絡められる  
 
「ん・・・・ちゅ・・・んん」  
 
詩乃の体が、熱い、柔らかい、いい匂いが鼻孔をくすぐり頭がボーっとしてきた  
ぼんやりとした頭の中で、詩乃とつながった部分と、そこから送り込まれてくる快楽が意識を支配していく  
他の事が、一切考えられなくなっていく・・・・  
止められない・・・  
 
薬のせいだ  
キリトが詩乃を貫くのを涙を流しながら恭二は考えていた  
自分が打った薬のせいで、詩乃はあんなにも乱れているのだ  
あの薬は本来人間に使う用途の物ではない  
年老いてセックスレスになった絶滅危惧種動物を無理矢理交配させて子供を産ませたり  
競走馬の種付けに使われるものだ  
そんな強力な薬を打ったから詩乃は乱れているだけなのだ  
断じて、あのキリトと言う男でなければならなかったわけではない  
あの男は僕が居るべき場所を強引に力ずくで奪っただけだ  
詩乃が受け入れてる訳じゃない!!  
しかし・・・・  
 
無情にも詩乃の足はキリトの腰に回っていく  
 
「キリト・・・・キリトぉ!」  
「シノン・・・詩乃ぉっ・・・!」  
(やめろぉ!やめろおぉぉ!)  
 
二人がお互いの名前を呼び合う 耳をふさぎたいのにそれもできない  
 
「はぷ・・・ん・・・・んぅ・・・ちゅ・・・れぅ・・・はぁ・・・・・・」  
 
キスする音がここまで聞こえてくる  
 
(アサダサンアサダサンアサダサンアサダサンアサダサンアサダザン)  
 
二人から目が離せない  
二人の動きが段々と、早くなっていく  
 
ピンポーン!  
 
「!?」  
「!?」  
「!?」  
 
いきなり部屋のインターホンが鳴ると三人が一斉に体を硬直させた  
 
「あっ」  
「!んんっ!?」  
 
キリトが体を震わせると、キリトと詩乃の結合部から熱いものが解き放たれる  
 
「ん!! あぐ、んう!!! く・・・んんっ・・・んっ」  
 
詩乃は耐えきれなくなって自分の小指の付け根に噛み付いた  
キリトの性を体で受け止めていく  
 
「ん・・・ふぅ・・・ふうぅ・・・・ふっ・・・〜っ!」  
 
がくがくと詩乃の体が震える  
と・・・  
 
ピンポーン!  
またチャイムの音が鳴リ響く  
 
「すいませーん、どなたかいらっしゃいますか?○○署の者ですが」  
 
警察だ  
キリトが通報してからもう15分立ったのだ  
キリトは急いで立ち上がると衣服の乱れを整える  
虚脱感が凄まじいがそんなことは気にしてられない  
しかし詩乃はぐったりとしてまだ動けそうになかった  
キリトは詩乃をベッドに運ぶと上から毛布をかぶせる  
ついでに衣類も布団の中に押し込んだ  
行為中は気が付かなかったが近くでサイレンの音がしている  
そして・・・・・  
 
 
 

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