シノン×キリト  
強制自慰  
 
 
 
 
「ふぅ……」  
学校帰りのいつものスーパー。今日のこの時間は挽肉の特売だ。  
今日は野菜炒めにしようと思案しながら私は買い物用のバッグをかけ直した。  
スーパーを出ると夕焼けが眩しい。帰宅ラッシュの電車を眺めながら私は  
新しく用意された住いへと足を向けた。  
私の名前は朝田詩乃、GGOにおける『死銃事件』からの生還者だ。  
 
SAD/SS『山猫は眠らない』  
 
あの事件後の後始末はあっという間に終局した。  
キリト…正式には桐ヶ谷和人に死銃の調査・接触を依頼した政府の人間。  
確か…菊岡とかいう名前だったか、その男からキリトと共に説明を受けた。  
死銃事件の主犯、新川兄弟のこと、現在逃亡中の金本のこと、  
3人が死銃を使い、殺害に至るまでの経緯。  
この菊岡という男はへらへらしているが実はかなりやり手のようだ。  
彼が担った事後処理はもとより警察の根回しに、報道規制、おそらく  
それ以外の分野にも彼の息がかかっているように思えてならない。  
そしてここから本題なのだろう、菊岡は言った。  
「キリト君の助けがあったとはいえ、今回の事件から生還したあなたを僕は高く評価しています」  
「……それは…どうも」  
「そこで…いかかでしょう?キリト君のように『情報提供者』となっていただけませんか?」  
情報提供者……ここ数年で急増しているバーチャル犯罪に対応する為、代価を与えつつ  
継続的な情報を提供するVRMMOプレイヤーのことだ。俗な呼び方をすれば  
『モニター』だ。つまりこの男の『モニター』となり『運営』されるということになる。  
キリトは横で「やめておけ、ロクなことにならないぞ」と言っているが……  
「わかりました。情報提供者の件、引き受けます」  
「そうですか。ありがとうございます。僕の部署ではいつも人手不足でして、あなたのような  
VRMMOプレイヤーが情報提供者になっていただけるのは大変ありがたい」  
「い…いえ、そんな……」  
「もちろん、それ相応の対価を用意させていただきます」  
それ相応の対価……概ね、まとまったキャッシュを払ってくれるのかと思っていたが  
情報提供者の対価とはそんなレベルのものではなかった。  
 
まず未だ行方を晦ましている金本が私を狙ってくる可能性がある為、  
新たな住まいが用意された。菊岡が用意したという新居に案内された私は息をのんだ。  
以前住んでいたアパートなど比べものにならないほどの上等なマンションだ。  
『高級』の部類に入るだろう。しかも私の境遇を知ってか電気、水道、光熱費にくわえ  
家賃は菊岡もちだ。『僕の隠れ家の一つでして』とのことだ。さらに奨学金制度も適応された。  
もう祖父母からのギリギリの仕送りに頼らなくてもよいのだ。  
菊岡はその点も抜かりはなかった。祖母からの電話では『あのお役人さんに感謝するんだよ』  
と泣かれた。最後にどうでもよかったが私に絡んでくる遠藤とその取り巻きが転校になった。  
菊岡曰く『朝田さんの円満な学園生活に支障をきたす輩と見えましたの  
で……まぁいわゆるサービスという事です』  
別に興味はなかったし、どうでもよかったのに…不憫な奴ら。  
 
オートロックのキーを解除して部屋に戻った私は食材を冷蔵庫に入れ、ベッドへとダイブした。  
ふかふかのベッドは心地よい。こんな生活ができるなんて夢のようだ。が、あまり甘えても  
いられない。出費を抑え、将来の為に資金を蓄える必要がある。  
奨学金もここを引き払う頃には全額返済しておきたい。  
「……………」  
私はふと顔を上げて、ベッドわきにあるアミュスフィアを見た。  
そして時計を見る。デジタル式の時計は17:52と表示されている。  
今日は20:00の約束だった。気兼ねなくGGОの世界を堪能できる環境に頬が緩んでしまう。  
それは彼も同じだろう。私は来たるべき時間に備えて、気を取り直した。  
「学生の本分は学業だもの…キリトに会うのはあとのお楽しみ」  
 
「はぁ…ン…あ…あ」  
砂塵の舞う荒廃した世界、GGO。  
大戦で文明社会が滅んだ地球に移民宇宙船団に乗って帰って来た人々が  
暮らす社会という設定の世界だ。首都のSBCグロッケンはもと宇宙船であり  
その地下に崩壊した巨大都市があり、そこがダンジョンになっている。  
大戦の遺産である自動機械兵やミュータント、自立防衛兵器などと対峙し  
都市の奥へと進んでゆく。また『ゲームコイン還元システム』を採用しており  
日本で唯一、プロがいるММОゲームなのである。  
「くっ……ン…」  
首都の界隈を一人の少女…いや、少年がふらつきながら歩いていた。  
すれ違った男達やプレイヤータグが表示される者の全ての視線を集めながら  
歩く少年。それもそのはずだ。  
長い黒髪に白い肌、長い睫毛(まつげ)に縁どられた黒い瞳。  
このGGОでも稀なアバター、型番はM九000番系。  
その一見、美少女に見える顔が上気し、眼はうるみ、おぼつかない  
足取りで歩いている。さらには時折、花弁のような唇からこもれる甘い吐息。  
「なんか…すっげぇエロい」  
「動画保存」  
「声かけてみようかな」  
「あれって確か前にBОBに出場してなかったか?名前何つったけ?」  
「ちげーよ、あの型番F一三00番系だろ?」  
「パイオツでけぇー」  
(す、好き勝手言いやがって…んっぐ…)  
少年はぎりっと歯を食いしばって、路地を曲がり、指定された場所へと向かった。  
「はぁ…はっ…ン…」  
電子ロックされた扉に暗唱番号を入力し、扉を開く。  
その部屋に少年は倒れこむようにして入った。  
部屋の中は広く、ALОで借りている部屋と同じぐらいの広さがあった。  
清潔なダブルベッドにソファ、さらにはホームバーまで。  
棚には西部劇の酒場を彷彿させるような多くのボトルが陳列させている。  
ここGGОの世界では『VIPルーム』『プライベートルーム』と呼ばれる一室であった。  
ソファに深々と腰掛けている部屋の主は少年に向かって言った。  
「遅かったわね、10分も遅刻よ。キリト」  
 
「シ…シノ…ン」  
前髪を額に張り付かせた少年――キリトは弱々しく私の名を呼ぶ。  
潤んだ瞳に焦燥に駆られたような声、少女と見間違える美しい顔。  
そして何より、常にマイペースな皮肉屋が私の前に跪き、苦しげに  
こちらを見上げる姿は最高に気持ちいい。  
「なあに、キリト?」  
「お、遅れたのは…わ、悪かった…から…」  
「遅れた理由は何かしら?ALOにダイブしていたの?アスナとセックス?  
妹さんにパイズリでもされていたの?」  
一昔前の私なら口にすることすら憚るような言葉が次々に出てくる。  
殻に閉じこもり、あの忌まわしい過去から解き放たれる刻を待っていた  
あの郵便局から刻が止まっていた朝田詩乃ことシノンは黒ずくめの少年と共に  
死銃事件を終局に導いた。もう銃という言葉を聞いても、見ても、持っても、拒絶反応は起きない。  
私は過去を克服したのだ。学校に行き、最近になって親しくなった友人と他愛のないお喋りを  
しながら昼食を取り、付き合い程度にカラオケやウィンドウショッピングを楽しむ。  
遠藤達が転校した事も、多少効果はあったようで徐々に友人は増えている。  
仕送りでギリギリの生活をしていた頃とは雲泥の差だ。GGОの接続料を気にする必要もないし  
菊岡から『モニター』の要請があれば、その達成後、報酬としてかなりまとまった額の  
キャッシュが手に入る。好きな作家の本をハードカバーで購入した時は少々、感動してしまった。  
 
それに伴って今まで抑えてきた箍(たが)が外れたような気がした。  
その日を境に身体が疼くようになった。自慰は性欲処理程度に週に1度するかしないかの頻度だったのが、毎日の様に興じた。まるで自慰を覚えたばかりの思春期の少年の  
ように激しく喘ぎ乱れた。とくにGGОでPKをやった後、ログアウトしてから  
最低3回はしないと火照りが治まらなかった。オカズはヘカートUでPKした相手の消える様。  
初弾で腕を撃ち抜き、次弾でもう1本の腕を撃つ。何もできないプレイヤーを  
じっくり時間をかけて分解するのは最高のオカズだった。  
(オナニーなんて誰でもしている…オカズなんて人それぞれだ…)  
イッた後の心地よい余韻の中でそんなことを考えていた。  
同年代のもっと進んでいるコは恋人とのセックスに興じ、  
また金銭目当てに中高年に股を開いているコもいる。  
性欲なんて誰でもある。そう性欲なんて誰でも………が、私のは少し特殊なモノだったようだ。  
俗にいうなれば私は『S』…それも『超』がつくほどのサディストだった。  
そして私の倒錯した性欲を満たしてくれるのは、目の前の少年だ。  
「た…頼む………も、もう…限界」  
「何を言っているのかわからないわ。ちゃんと具体的に言ってもらわないと…ねぇ?」  
キリトが何を言わんとしているか私は知っている。  
彼に苦痛とも快楽とも言える感覚を与えるモノを装着したのは私だからだ。  
「あ…お、俺の」  
「俺?『私』の間違いでしょ?」  
「くっ…わ、私の…は、はしたない…チ、チンポに…イ、イかせてください  
…も、もう射精し、したくて…たまらない…んです」  
キリトは歯を食いしばって言った。ああ…すごく…ゾクゾクする。たまらない表情だ。  
「そう…なら、全部脱いで、私の目の前に晒してくれる?」  
「う…く……」  
キリトは忙しくベルトを外し、ズボンを脱ぎ身につけている下着以外は全て脱ぎ去った。  
透き通るような白い肌が私の前に現れた。女性の私でも羨むような肌だ。  
「ふふ…男なのにブラとストキングにガーターベルト…とんだ変態ね」  
「こ、これは…お、お前が無理矢理着せたんだろ!」  
「当たり前じゃない、キリトは私のペットなんだから」  
 
テイミングスキルいう能力がある。ALOなどファンタジックなMMOで可愛らしいノンアクティブ  
モンスターを愛玩用ペットにするための能力だ。女性プレイヤーが多いMMOでは  
ごく当たり前の能力だがこのGGOには存在しない能力でもあった。  
もともと男性プレイヤーが多く、PKなど当たり前に起こる殺伐としたMMOに  
ペットなど必要はない。私もそう思っていた。が、アップデートされたSBCグロッケンの  
地下ダンジョンで、私はソレを見つけた。それは一粒の錠剤だった。  
その錠剤の名前は『スレイブタブレット』。過去の遺物の一つであり、服用した相手を  
そのプレイヤーの意志に関係なく奴隷にできる凶悪なアイテムだ。  
運営スタッフが遊び半分で作ったがテイミングの対象を人間にとれるということで  
倫理コードやハラスメントコード等の問題で削除されたアイテムの一つのはずだ。  
総督府にもっていけば、それこそプロプレイヤーが1年かけて稼ぐ額と同じ  
電子マネーで引き取ってくれるだろう。だが、私はそうはしなかった。お金などもう心配ない。  
満たされないのはこの性欲だけなのだから。  
「パンティーから勃起したチンポが飛び出しているわよ。本当、変態ね。  
ああ、心配しなくても動画は録画しているわ、こんなキリトをみたらアスナなんか  
卒倒するでしょうね…」  
「…GGOの中だけって…や、約束だろ…」  
「ええ、もちろん。リアルでアスナとセックスしまくっているキリト君だもの。  
干渉はしないわ。私との仲はGGOの中だけ…」  
「…もうやめてくれ、こんな―――」  
「チンポ、扱きなさい」  
「ま、待て…あっん…はああああっ!」  
私が発した言葉と共に右手がキリトの意志とは関係なくチンポを激しく扱きだした。  
ここに来る前に特注の精力増強剤を飲ませているのだ。  
射精感はとうに限界を超えているだろう。そこにきてのオナニー禁止。  
それでも理性を保っているのはさすがキリトというべきだろうか…  
「こ、こんなぁ…あっ…ああっ…ふっ」  
右手の親指と人差し指、それに中指で肉棒を摘み、シュッシュッシュッと強制的に自慰  
を強いられているキリト。それはあたかもチンポを生やした女性がオナニーをしている  
ように見える。必死に喘ぐ声はキリトのそれだが、甘いとろけた声は間違いなく女性のものだ。  
「あははは、人前でチンポ扱くなんて最低ね。どんだけ変態なの?」  
「あぐ!こ、こんな…お、俺の意志じゃ…」  
キリトは潤んだ目で私をみるがシュッシュシュと擦る度にわき上がる快感に反論できないようだ。  
「俺?…まぁ良いわ。すぐにそんな口は聞けなくなるもの…それに私も…んふ」  
キリトのオナニーに高ぶった私は下着の中に手を入れ、胸に指を添えた。  
「あっあっあっ!」  
男で言うのならフィニッシュ直前のような速さで扱きまくっているキリト。  
「こ、こんな…あっな、何で…も、もう出そうなのに…」  
キリトが絶頂に達しそうになると手が棹を扱くことをやめる。  
服用した相手の意識も奪えるとはまったくよくできた薬だ。  
「ん…射精したい?残念、それも私の命令がないと出来ないようにしてるの」  
「そ、そんな――――」  
「私がイクのと同時にイかせてあげる。それまでアスナとのセックスでも  
オカズにして耐えていれば?取り巻きの連中でもいいわよ、特に巨乳の妹さんなんてどう?」  
 
「く、くううううう!」  
以前、一度だけ直葉が自慰をしているところをキリトは見た事があった。  
ズボンを降ろし、胸元を開いて、喘いでいる姿をドアの隙間から  
偶然にも覗いてしまったのだ。あの衝撃は今でも忘れることはない。  
キリト―――和人の着衣を鼻に押し当て「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と喘ぐ  
直葉は何とも淫らだった。直葉は実の妹ではない。従妹だということだ。  
求められ、それに答えれば一緒になれる。法的には認められている。  
が、ずっと妹として接してきた直葉に恋慕など考えられなかった。  
頑なに戒めていた。しかし、今は―――――――。  
(き、気持ち…んっ…いや…はぁ…ダ、ダメだ…ダメだ)  
直葉の喘ぎ声、豊かすぎるほど育った胸、切りそろえた髪からのぞく項。  
直葉の身体に欲情している!?恋人は明日奈なのに!  
「あっ…ダ、ダメだ…こ、こんな…や、やめなきゃ…」  
「はっはっ、ん…いいわ、いいわよその表情、イ、イクッ!キリトもイって!イきなさい!」  
ピンと爪先が伸び、私は絶頂した。  
「え――――ん、んんんあああああっ!」  
それと同時にキリトはグググッと何かが肉棒を駆け昇ってくる快感に声を震わせた。  
虚を突かれた格好になったキリトは口を『あ』の形で開けたまま静止した。  
「あああっあーあああーああああっ!」  
ピュ…と先端から透明な体液が飛び出し、続けてぶばっと白濁液が周囲に散った。  
ガクガクと痙攣しながらキリトは必死でその肉棒の射精を止めようと先端に手を当て、  
棹を握りしめた。しかし、一度、射精による快感に腰は振るえ手に力が入らないようだ。  
「はっあああっ!と、止まっ…ダメ止まっ――あああ」  
空腰を振り、のたうち回るキリトはさながら陸にあげられた魚のようだ。  
二度、三度、大量の精を吐き出したキリトはぐったりと身を横たえた  
「う…うぅ…あ…ダメェ…そんな…スグ…で…ダメなのに…」  
小さく震える度にピュッと先端から残った白濁液を射精するキリトの姿に  
私は大いに満足した。ふるふると軽く身悶えた後、キリトに歩み寄った。  
「どう?キリト…溜めたミルク吐き出す感覚は?」  
「はー…はー……わ、私…」  
「ここまできたら挿れたいでしょ?」  
「挿れ……?」  
「ここに…」  
私はキリトの顔を跨ぎ、秘唇を広げて見せた。  
 
続く  
 

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