直葉×キリト  
4巻ネタバレ有り  
微エロ  
 
 
 
日が暮れ、空が夜のとばりを降ろした夢魔の時間。  
シンと静まりかえった家の中で微かな電子音が響く。  
「はぁ…んっ…んんっ」  
少女はヘッドホンを付け寝間着のズボンをずり降ろし、  
濡れそぼった秘所に手をあてて指で陰核を弄っていた。  
「あっ…はぁん…」  
豐に育った乳房をさらけ出し、固く勃起した乳首をコリコリと  
扱き、自身を慰めていた。  
ノートPCに映るある画像を見ながら、必死で声を押し殺す。  
「…んっ……くふっ…」  
ディスプレイに映る動画にはある少年が映っていた。  
それは少女の兄、いや、正確には『従兄』である。  
少女の母、桐ヶ谷翠(みどり)の姉の子供だ。  
幼い頃、交通事故にあい両親とも他界し翠が引き取ったのだという。  
当時は少女も幼く、『お兄ちゃんができた』と喜んだ。  
幼少時は一緒に遊んだが、ある日を境に兄はあまり人と関わろうとしなくなった。  
少女と一緒に習っていた剣道をやめ、小学五年になるとネットゲームの世界に没頭した。  
幸い学校の成績は優秀であった為、父や母は特に注意することもなかった。  
少女もゲーム嫌いであった為、兄が没頭するモノに興味がなかった。  
が、忘れもしない2022年11月、仮想世界への接続機器(ナーヴギア)が開発され  
同時にナーヴギア対応のVRMMORPG『ソードアート・オンライン』が発売された。  
ネットゲームに自身の居場所を求めていた兄も当然の如くそれを購入した。  
が、『これはゲームであっても遊びではない』と開発者が謳ったとおり  
仮想世界を舞台にゲーム内で死ねば、現実世界のプレイヤー自身も死ぬという  
死のRPGだった。購入接続者は1万人。日に日に死者が増えていく。少女は  
気が気でなかった。毎日の新聞に兄の名前が記載されていないか、見る度に  
命が削られていくような思いで調べた。そして2年後、SAOから帰還した  
約6000人の中には兄の姿があった。仮想世界から目覚めた兄の姿を見たとき  
母と共に兄に抱きつき、泣いた。2年間ため込んだ分の涙を流した。  
命を賭けたゲームから生還した兄は逞しくなっていた。肉体的にではなく、人間として  
成長していた。その少年の名は和人。桐ヶ谷和人と言った。  
その日から少女は兄に恋をした。兄ではない従兄の和人という一人の男性に  
恋をしたのだ。  
「くっ…んはっ…はふ…」  
それから少女は自慰の虜になった。兄の映像データをPCに保存し、  
取り込んだ映像をオカズにして毎日のように使った。  
SAOから帰還しても、仮想世界に引き寄せられる兄に少しでも近づくため  
より安全性が向上したアミュスフィアを購入し、ALOにダイブした。  
少女は絶頂に達し、ふるふると震えた。ゾクゾクと背筋を昇ってくる快感。  
画面では兄の顔がアップになっている。  
「はぁ…はぁ……お兄ちゃん…大好き…愛してる」  
倒錯した思想に耽りながら少女はねっとりとした愛液をディスプレイの兄の顔に塗りつけた。  
少女の名は直葉。桐ヶ谷直葉と言った。  
 
SAO/SS『ベイビーリーフ』  
 
「……お兄ちゃん……なの……?」  
「え…………?―――スグ……直葉……?」  
「……酷いよ。……あんまりだよ、こんなの……」  
少女はウインドウの左端に触れ、浮かび上がる確認メッセージを確認せず  
叩き割るように拳を振った。  
 
次に覚醒した自室、アミュスフィアを外し、そのまま床に叩きつけようとするも  
それ以上力が入らなかった。ベッドの上に置き、こぼれ落ちる涙を拭こうともせず  
しばらく放心した。徐々に思考が追いついてくる。  
昼間、病院に着いていった時、失恋した。  
あの病院で彼女――――結城明日奈を見るまでは。  
SAOから解放されても未だに眠り続ける年上の少女。  
兄が明日奈を見る眼をみれば理解できた。嫉妬もしたが  
女性として何一つ勝てる要素はなかった。現実世界では仕方ないと思った。  
だが、仮想世界にはキリトがいる。少しの間でも楽しかった。  
ALOにダイブしていて一番楽しかった。  
会ったばかりだったが、失恋した事も言った。流れる涙を見てキリトは言った。  
――――向こうでも、こっちでも辛い時は泣いていいさ。  
ゲームだから感情を出しちゃいけない決まりはないよ――――  
キリトの胸の顔を埋めてしばらく泣いた。リアルで失恋してもキリトがいれば  
立ち直れる。ゆくゆくはオフで会って、ステキな人だったら、お兄ちゃんに紹介して  
ダブルデートなんて……それはちょっと欲張りすぎかな?  
その想いも僅かの内に砕け散った。  
――――自分もう一度……アスナに――――  
兄がキリトと知ったのはつい先ほどだった。リーファとしてキリトに恋をし、失恋する  
ならまだしもルール違反してリアルの事を喋った。  
キリトが和人なら何を言っているか悟るだろう。  
妹が兄に恋していたと言う事を。  
たとえ悟らなくても、悟らないふりをしても感情が高ぶっている今なら、  
何もかもぶちまけてしまいそうだ。  
「はは……あたしが馬鹿だったんだ…勝手に恋して、嫉妬して、失恋したんだ…  
い…1日の内に2度、失恋する…なんて…世界中探しても……あんま…いないよね。  
あ、あたしだけ…かも…あはははははははは――――」  
あまりに度を超した悲しみは逆に笑いを引き起こすこともできるのか。  
そんな感情表現も人間にはできるんだ…と少女は客観的に思った。  
が、その笑いはすぐ変わる。  
「――――んぐっ…ん…ひっく、っく…うう…うあああああああっ!」  
乾いた笑いは空間を引き裂くような絶望の涙に。  
ひとしきり泣いた後、ドア越しに兄の声が聞こえた。  
 
「――――スグ、いいか?」  
直葉は反射的に「やめて!!開けないで」と言おうとしたが、「うん…」と  
力なく返事をした。  
「どうしたんだよ、スグ。そりゃ俺も驚いたけどさ……またナーヴギアを使ったことを  
怒ってるなら、謝るよ。でも、どうしても必要だったんだ」  
(お兄ちゃんはわかっていない。どうして…明日奈さんの事はあんな眼で見るクセに。  
そんなに明日奈さんの事で頭がいっぱいなの?それともわからないふりをしてるだけ?)  
「違うよ、そうじゃない。あたし…あたし…自分の心を裏切った。  
お兄ちゃんを好きな気持ちを裏切った」  
(そうだ。明日奈さんを見る眼を見て自分は兄が『好き』と気持ちを裏切って、押し殺した)  
「全部忘れて、諦めてキリト君のことを好きになろうと思った。ううん、もうなってたよ――――  
なのに……それなのに……」  
(お兄ちゃんは優しすぎる。それに鈍感すぎる。だけど、それだから好きに――――)  
「え………」  
(でもお兄ちゃんも知っているんでしょ?)  
「好き……って……だって俺たち……」  
(そんな顔しても…………知っているんだよね?知らないワケないじゃない!)  
「知ってるの」  
「……え?……」  
「あたしももう知っているんだよ」  
「あたしとお兄ちゃんはほんとの兄妹じゃない。  
あたしはそのことを、もう二年も前から知っているの!!」  
少女は頭を振って叫ぶと、一気に和人に詰め寄り、ベッドに引き倒した。  
体格差はあっても、SAOで2年も眠ったままだったのだ筋力、体力は著しく劣っており  
まだ完全に回復していない。毎日剣道で鍛錬している少女に適うハズはなかった。  
「なっ…スグ…何をするんだよ!?」  
「あたしもわからないよ…でも、でも…眠ったままの明日奈さんよりあたしを見てよ。  
あんな眠り姫なんかより、あたしを見てよ!!」  
直葉は和人の上着をシャツごとまくった。露わになるキリトの上半身。  
女性のように白い肌と薄い筋肉がうかぶ腹部を見ると、じゅんと下腹部が疼く。  
「お、お兄ちゃん…お兄ちゃんがSAOにいる間の2年で、あたしも  
あたしも育ったんだよ。おっぱいとかお尻とか、見せてあげる」  
早口でまくし立てながら直葉も上着を脱ぎ、シャツを捲った。  
ブラジャーを付けていなかったのか、ぶるんとこぼれ落ちる二つの膨らみは15歳と  
思えないほど育っていた。白く実った二つの膨らみに桜色の突起が初々しくその  
存在を主張している。  
「やめ…やめるんだ直葉!俺達は兄妹なんだぞ!こんなこと許されるハズがない!」  
「お、おっぱい好きでしょ?あ、明日奈さんとはまだしてないんでしょ?お兄ちゃん  
も初めてなんでしょ?触って…お、おっぱい触って」  
和人の手を取り、直葉はゆっくりと膨らみに沿わせようとする。  
「直…葉っ!やめ――――っ!」  
ぐにゅっという感触と共に和人の指が沈んだ。凶悪な柔らかさに思わず  
反応してしまう。  
「んっ…あ…」  
直葉もまた兄の手の温かさを感じ、自分でも驚くほど甘い声を上げた。  
(オナニーとかしたよ。あたし。お兄ちゃんで何度も、何度も  
いっぱい、いっぱい…ああ…お兄ちゃんの匂い…お、おかしくなりそう)  
直葉は口が裂けても言えないような甘美な思いを胸中に秘めた。  
「お兄ちゃん…あたしを…抱いて。い、一回だけでいいから…お願い」  
「す…直葉……」  
 
続  
 

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