ピンクのつのにピンクの胴体。胴体に足はなく、接しているのは襞のようなものだけ  
「なんかこう。暇っすよね」  
「あのアスナとやらでもで来ないっすかね」  
隣にいるのはピンクのつのとピンクの胴体をした軟体動物。いわゆるダチというやつだ  
「ははーん。さてはあいつとやらを狙ってるな」  
「そ、そんなことないっすよ」  
ピンクのつのがさらにピンクに染まり、つのごととくるりとターンした  
つのが紫のグラーデションを描く脳に触れる  
 
眼前に浮かぶは金の髪に緑のローブ。白の胸当てをまとった少女の姿。  
次に浮かんだのは黒い髪に無駄な肉のないスマートな体  
スマートの体の視線にあるのはヘッドギアをかぶった茶髪の女  
この女は前に見たことがある  
おそらくスゴーがとらえているあの女だ  
スマートな体の男はこうべを垂れ、軽く額に口づけをかわす  
視界から女と男の姿が消え、壁が映し出された  
目まぐるしく人の姿が移動し、足が止まった  
周りに人はいない  
急に嗚咽が聞こえてきた  
 
「これはいける…いけるかもしれない」  
口がないのに口角が上がるのを感じた  
「突然何を言い出すんっすか」  
ピンクのつのが覗き込んできた  
「あの女を利用すれば3Pも夢じゃないぞ…とにかくこれは報告だ」  
軟体動物とは思えない速度で走りだした  
「ちょ、ちょっとまってくださいよ〜」  
背後から声が聞こえる  
でも、立ち止まっている時間はない  
これはチャンスなのだ  
 

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