アスナは起床アラームを六時に設定している。
なぜそんな早い時間なのかというと、キリトの起床時刻が八時ちょうどだからだ。二時間早く目を覚まし、ベットに入ったまま、隣で眠る彼のペニスを咥えるのが大好きなのだ。
結婚して、ここ二十二層の森の中に引っ越してきてから、いっぱいキスをした、いっぱい抱きしめあった、いっぱいエッチもした。でも、フェラチオだけはしたことがなかった。
アスナは、フェラチオをしたくなかったわけではない。むしろかなり初期の頃から興味はあった。愛する人の分身をお口で気持よくしてあげている自分の姿を想像するだけで、もうゾクゾクしてくるのだ。だが、あいにくとキリトからそんな要求がなされることは一度もなかった。
なのでとても困った。アスナは自分から、キリト君のおちんちんをしゃぶらせてください! と直接訴える勇気を持っていなかった。いやらしい女の子だと思われたくなかったからだ。
だから、
「キリト君……な、なにか私にして欲しいこととかないかな……? キ、キリト君が言うんだったら、私はなんだってしてもいいよ……。その……気持ちよくなる方法を、他に色々あると思うんだけど……」
さり気なく言質を取ろうとしてみたが、
「うーん、とくになにもないよ。アスナがそばにいてくれるだけで俺は満足だから」
なかなか思い通りにはいかなかった。
もしかすると自分が愛する人は、そっち方面はかなり淡白なのかもしれない。思えば初体験の時は、キリトは論理コード解除設定のことを知らなかったのだから。そうなるとアスナは、増々フェラチオをがしたいなどとは口が裂けても言い出せるわけがなかった。
そこで思いついたのが、早朝フェラチオだ。
キリトが深い眠りに落ちている時にぱくっとやってしまえばいいのだ。
我ながら名案と思ったアスナは、善は急げと翌朝、気持ちよさそうに眠るキリトにフェラチオを敢行。小一時間ほどかけてゆっくりと愛する人の分身を口内で弄び、しっかり一仕事を済ませてから寝たふりをして、何喰わぬ顔でキリトと一緒に朝を迎えた。
以来、早朝フェラチオはアスナの大切な日課となった。
「キリト君……大好きだよ。ずっと、一緒にいようね」
キリトのあどけない寝顔は、アスナの大好物の一つだ。
寄り添って眺めてているだけで、きゅーんと胸が締めつけられてしまう。もう衝動を抑えられない。アスナは迷う素振りすら見せずに、キリトの唇を奪った。
「ちゅっ、ちゅっ……ちゅっちゅっ、ちゅぴっ……」
触れるだけの優しいキスを、何度も何度も繰り返した。そのキスは唇だけではなくキリトの顔全体にまで及び、いつしかそれは、犬のようにペロペロと舌を這わせる行為に変化した。
「ちゅるり……ペロペロ、はむっ、ペロペロ……くちゅりっ、むちゅちゅーっ!」
無抵抗なキリトの唇をこじ開けて、アスナは強引に自分の舌を侵入させた。キリトの口内をたっぷりと陵辱し、ちゅちゅーっと激しく吸引して心ゆくまで唾液を貪った。
「むちゅっ、むちゅっ、ちゅるり……ふぅ…………」
時計の秒針がゆうに五週はするほど大人のキスを続けたアスナは、ようやく唇を離してキリトの鼻先で法悦の吐息を零した。
すでに論理コードを解除しているアスナは、これだけでもうショーツがぐっしょりと濡れてしまっている。
「……キリト君、これからまたキリト君のおちんちんをしゃぶって精子をごっくんするからね。私がこんなエッチな女の子になったのは、全部キリト君のせいなんだからね。ちゃんと現実に戻っても責任を取らないとダメなんだぞ」
ぐっすりと眠るキリトの耳元でそう囁くと、アスナはキリトの指を操ってウインドウを開き、オプションメニューの恐ろしく深い階層にある論理コードを解除しようと試みた。
「えっ……なにこれ?」
アスナは訝しむ。
論理コード解除設定の中に、見慣れない『ペニスの詳細設定』という項目が存在したからだ。昨日まではこんな項目はなかったはずだ。アスナはしっかりと覚えている。まったく意味がわからない。
もしかするとドッキリかと疑い周囲を索敵してみたが、部屋にカメラが設置してある様子はどこにもなかった。
鼓動が早鐘を打つ。
神の悪戯か、あるいは悪魔の罠か。
そのどちらなのかはわからない。だが毒を食うなら皿までとばかりに、アスナはその『ペニスの詳細設定』とやらを思い切って選択してみた。新たなウインドウが開いた。そのウインドウには、サイズ、射精量、硬度、色艶……等々の細かい項目が表示された。
「ま、まさか……!?」
これはもはや間違いない。
まぎれもなくこのメニューから、キリトのペニスがカスタマイズできてしまうのだ。
「で、でも……勝手にこんなことするのは流石にまずいよね……」
たとえ夫婦だったとしても、超えてはいけない一線は確かにあるだろう。そもそもアスナは、現在のキリトのペニスのサイズに不満があるわけではなかった。むしろかなり満足していると言ってもいい。
もしこれが現実世界ならば、ちょっとそれは厳しいんじゃないっすか、と少し二の足を踏むほど立派な物をキリトは装備しているのだ。
だから、わざわざペニスをカスタマイズする必要などなかった。
だが……目の前に開かれた果てない世界があるのだ。それがたとえ仮想(ユメ)だとしても。だったらアスナは、迷い続けても、答えがなくても、そこを目指してみよう、とかなり強引に自分を納得させた。
「設定を変更しても、あとで元に戻しておけば問題ないよね。キリト君、ごめんね。でも……全部キリト君が悪いんだよ」
そんなわけでアスナは、ペニスの詳細設定に取りかかることにした。
まずはサイズだ。
(XS、S、M、L、LL、3L)
どうやらサイズを選択できるようだ。なにが基準になっているのかよくわからない。ただ現時点でもキリトのはかなりの大きさなのだから、これで調子に乗って『3L』などを選ぶと、もうトンデモない物体が出てくることだけはある程度想像ができた。
なのでアスナは、『LL』を選択した。
次は射精量だ。
これは単純にスライダーバーで量を調節するようになっているようだ。
アスナは、むむーと整った眉根に皺を寄せてしばらく考え込み、スライバーバーをかろやかに操作してMAX値に設定した。
まぁ、こんな感じでアスナはこだわりのペニスの詳細設定を結構な時間をかけて行い、ちょっとした達成感に身を浸しながらキリトの論理コードを解除した。
すぐさま異常が起きた。
キリトの股間がむくむくと膨れ上がり、ズボンにみごとなテントがびっしと張られた。それは、ズボンの上からでもかなりの重量級だということが容易に推察できる。
「ちょ……こ、これは……」
この時点でアスナは、すでに心が折れそうになっていた。しかし、なけなしの勇気を振りしぼりって、キリトのズボンとパンツをおもむろに脱がせた。
「――――ッッ!!」
パンツの中からジャジャジャジャーンと飛び出してきた凶悪な肉塊を目の当たりにしたアスナは、叫びそうになった悲鳴をすんでのところで押し殺した。
その肉塊は、ギローンと臍の上まで反り上がり、極太の肉茎には異形と呼べるほどにびっしりと血管が浮き出ており、先端の巨大な肉キノコは禍々しいまでに黒光りしていた。
例えるなら、普段のキリトのペニスが片手用の両刃直剣だとしたら、今のキリトのソレはモンスターハンターの大剣だった。
それはゲームが違うよ! とアスナは設計者に抗議をしたい衝動に駆られた。
しかし、流石は『閃光』の異名を持つアスナだけのことはある。わずかな時間だけで折れそうになった自分の心を立て直すと、その凶悪な肉塊に向けて恐る恐る手を伸ばした。掴んでぎゅっと握ってみた。
カスタマイズしたキリトのペニスは、アスナの小さな手では完全に握り込めないほど太くて熱串のように熱い。手のひらからドクンドクンと命の鼓動が伝わってくる。
「す、凄い……まさかこんなに大きくなるなんて……」
これはちょっとヤバイだろ、とアスナはペニスを上下に優しくしごきながら思った。まさかこんなボスキャラがエンカウントするとは想定外だったのだ。こんな強大な敵をソロで相手にするのは、流石に無謀というものだった。
しかし、ここまでやってしまったからには後戻りはできない。いやっ、正確にはちゃんと後戻りはできる。単に設定をしなおせばいいだけなのだ。だが、アスナはそんなことはしない。面倒臭いからではない。逃げたくないからだ。
例え一人になったとしてもひたすら最前戦で戦い続ける。それが、かつては狂戦士と呼ばれたアスナの生き様なのだ。
アスナは、いきり立つキリトのペニスにぐっと顔と近づけてみた。むわっと鼻孔をくすぐる男の臭い。むろんそれが現実の世界のキリトの臭いでないのは理解している。しかし、アスナは興奮せずにはいられなかった。
「ちゅっ……ちゅっ……ぴちゅ……」
アスナはペニスにキスをした。優しく舌を操って、肉棒の付け根から先端までをゆっくり愛撫していく。肉キノコの傘の部分は特に重点的に行なった。SAOの世界ではそこに恥垢が溜まることがはないのだが、女の本能が常にそうさせるのだ。
愛おしい。
つい先程までは恐怖すら感じていたのに、今では巨大化したキリトのペニスが愛おしくてたまらない。そんな気持ちに呼応するかのように、アスナの愛撫は徐々に激しさを増していく。
「ペロペロ……ちゅちゅっ、ペロン……ちゅぴっ、はむっ、ちゅぱっ……ちゅぱぁっ……」
アスナは陰茎と同じく巨大化した陰嚢をぱくっと頬張り、口腔内で器用に睾丸を見つけて舌先でコロコロと転がした。もちろん左右交互に行う。剛直を握る右手にが込められ、シコシコするスピードがシフトチェンジ。実に小慣れたコンボだった。
尿道口から、ぷにゅ〜っと無色透明の粘液が湧き出してきた。
カウパー液だ。
アスナは性知識としてそのことは知らなかったが、しばらくしごいていると出てくる液体という認識を経験として持っている。そのねばっこいのを視認すると、アスナのテンションは「ウホッ」と跳ね上がるのだ。
肉先にこんもりと溜まったカウパー液を、アスナは欲望の赴くままにぺろっと舐め取った。無味無臭。すぐに鈴口から新鮮なのが湧いてくる。それが肉先から垂れそうになるまでじっくりと我慢して、再び犬のようにぺろっと舐め取った。
そんなはしたない行為の連続は、例えようもないほどにアスナの下腹部の奥底を甘く疼かせた。
「ちゅっ、ちゅぴっ……れろれろ……ちゅっ……ちゅぱっ……。大丈夫だよ。キリト君(のおちんちん)は私が守るから……」
アスナはあ〜んと大口を開けて、キリトの亀頭をぱっくりと咥えた。お口の中が一ミリの隙間もなくペニスに占領されてしまうほどの巨大さだ。
「はむっ……くちゅくちゅ……ちゅぱぁっ、ずちゅっ……じゅるる……」
亀頭に歯を立てないように注意をしながら、アスナはゆっくりと頭の上下運動を開始した。
もの凄い存在感だった。
自分で好んで咥えているはずなのに、アスナは口内を強引に犯されているような錯覚を覚えた。
「ちゅぱっ、ちゅぱっ……ふぁぁむ……んん……っ、ぬちゅちゅっ……ずりゅりゅ……ちゅぱぁ……ちゅぱっ……」
螺旋を描くように舌を回転させて、アスナは口内に突き入れられてくる亀頭をねぶった。時折、肉棒がビクッと反応を示すと、嬉しくなって俄然にやる気が増してくる。
「ちゅぱぁっ、ちゅりゅ、んっんっ! ふぁああっ、むちゅり……ちゅぱっ! ずちゅちゅっ! んっ! んん……っ!」
口腔ピストンが加速した。
アスナは鼻息を荒げて、アイス棒のようにペニスをしゃぶった。かなり顎は疲れてきたが、そんなことはお構いなしに奥へ奥へと突っ込んだ。
目の前がぼーっと歪み頭がクラクラしてきた。いつものペニス酔いだ。お口で奉仕をしていると、アスナは決まってこんな感覚に陥ってしまう。
「ふぁぁむっ……はぁ、はぁ……。キリト君のおちんちん……美味しいよ……。早くキリト君のおちんちん汁を飲ませてぇ……」
亀頭から口を離すと、アスナは発情した牝の表情で、唾液でまみれた肉棒に頬ずりをした。
愛おしさが止まらない。
キリトが起きていれば絶対に口にはできない恥ずかしい淫語も、気分を高める効果が非常にあった。もっとエッチな言葉をキリトに聞いてもらいたい思いと、聞かれなくない思いがアスナの中で相反していた。
「ちゅぴっ、レロレロレロ……ちゅるりっ、ずりゅりゅ………ちゅっ、ちゅっ、レロレロレロ……」
アスナは尿道口をほじくり返すように舌先を乱舞させ、同時に張り詰めた玉袋をがしっと握って睾丸マッサージ。実に巧みにペニスを射精に追い込んでいく。
ビクッビクッ! とペニスが狂おしそうにひきつけを起こした。
射精が目前に迫っていることを素早く察知したアスナは、再度大口を開けて亀頭を丸呑みした。精液は絶対に口内で受けると心に決めているのだ。
後は、もう無我夢中になってペニスをしゃぶり尽くすだけだった。
「ずりゅっ! ずちゅちゅっ! ちゅぱぁっ、ふぁむ……むちゅっ、ちゅぷ……じゅぽっ! じゅぽっ!」
美しい栗色の髪をかき乱しての高速口腔ピストン。
嬲り、吸いつき、舌で絡め取り、嗚咽がするくらい喉の奥まで突っ込んで、もはやアスナのお口は完全に性器と化した。
「ちゅぱっ! ちゅぱぁっ! ぬちゅっ、ずりゅりゅ……じゅぽっ! ずちゅぅぅっ! ずちゅちゅーっ!!」
口腔内の亀頭が極限まで一気に肥大化。
それは、解き放たれる直前の現象。
アスナはピタリと口腔ピストンを停止させ、疲れ切った顎に目一杯の力を込めてがっぷりと肉棒を咥えた。
刹那、ペニスが爆ぜた。
どぴゅぴゅっっ!! ぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅ!!
「――――ッッ!!」
アスナは声にならない悲鳴を上げながら、マグマのように熱した白濁汚液を受け止めた。
ずぴゅっずぴゅっ!! どぴゅっどぴゅっどぴゅっ!! ぶちゅぶちゅぶちゅちゅーっ!!
「――――ッッ!?」
まだまだ射精は止まらない。むしろこれからが本番といった感じで、ペニスはさらに勢いよく膨張と収縮を繰り返した。
のたうつように大暴れする肉棒をしっかりと咥えながら、アスナは餌を頬張るリスのようにぷくーっと頬を膨らませて精液を受け止めた。
ずぴゅっどぴゅっぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅ!!
とうとうアスナのお口は許容限界が超えた。
行き場を失った精液は、アスナの口角から泡を噴いて吐き出され、さらには喉ちんこをやすやすと突破した。瞬間、逆流した白濁が、アスナの鼻の穴からブブーッ! と外に向けて噴射された。
「ふんぐぅぅぅぅぅ……ッ!!」
優に一リットルを超えるほどの欲望を出し切ったペニスは、ようやくその狂おしい運動を終えた。
アスナはペニスからゆっくりと口を離した。
鼻と口が精液で塞がれて息ができない。視界の右端に表示された酸素ゲージが、どんどん減っていくのが見えた。そのゲージがゼロになった時、それはプレイヤーの死を意味する。
アスナは焦った。
精液で溺れ死ぬような不名誉な死に方をするわけには死んでもいかない。すぐに口内に残されたキリトの白濁を飲み込む作業に取りかかった。
ドロドロのゼリー状の精液は非常に飲み込みにくく、オマケにイカのように生臭くて味はかなり苦い。アスナは現実世界で一度も精液を味わったことはないが、それがかなりのこだわりをもってプログラムされていることだけはわかった。
決して美味というものではないが、それでもキリトの中から出てきたものである。アスナはそれを飲むのになんの苦痛も感じなかった。初期の頃は確かに少々戸惑ったりもしたが、今ではむしろ喜びすら感じる行為である。それに、慣れるとなかなか癖になる味でもあった。
いつものように半ば固形化した白濁を、上手に舌を使って唾液で溶かしながら少しづつ飲み込んでいく。が、量が半端ではない。酸素ゲージの減り具合を考えると、このままでは間に合わないと判断。かなり無謀な行為になるかもしれないが、アスナは一気に飲むことを決意した。
ゴクッ……ゴクッ……ゴクッ……!
喉仏を動かしてひたすら精液を飲む。
アスナはただそれだけのことに集中した。もう必死の形相だ。なにせ命がかかっているのだから仕方がない。
「ングッぅぅぅ……ッ! くうぅぅ……っ! ぷはぁぁーーっ!! はぁ……はぁ……し、死ぬかと思った……」
危機一髪で全ての精液を飲み干したアスナは、獣のように荒々しい呼気を繰り返した。
「ふふっ……もうっ、キリト君、いっぱい出しすぎだよ」
アスナは妖艶に微笑んだ。
精液まみれになったとしても、彼女の美しさにはひとつの陰りも見えることはなかった。
アスナは口元にべっとりとへばり付いていた精液の残りカスを手で拭ってぺろっと舐め取ると、尿道に残っている精液を吸い出そうと再びペニスに顔と近づけた。
そこで、キリトとばっちり目が交差した。
「アスナ……なにしてるの?」
「キ、キリト君――ッ!?」
目を覚ましたばかりのキリトは、ちょっと状況が理解できない様子だ。
「なにがあったの……? なんかヒットポイントがごそっと削られるような衝撃を受けたんだけど――って、な、なんだこりゃ!?」
キリトは自分のペニスの凶悪な変貌ぶりを見て驚愕した。
「ちょ、これはどうなってるの!? ア、アスナ、もしかしてなにかやったのか……?」
「違うの! キリト君、こ、これは違うのよ!」
アスナは必死になって言いわけしようとしたが、鼻から精液を垂らしながらではまったく説得力がなかった。