薄壁一枚通して聞こえる嬌声、隅っこで行われる淫行。  
剣を研ぐ音が荒い息に重なる。部屋は少し臭う。  
(何でこんな事になって・・・・て、痛て)  
手が滑って左の人指し指が少し切れた。  
 
冒険者たちは空を翔けていた。眼下に広がる紺碧の海原、晴天の青空、流れる雲。  
それらを満喫できるのも彼らがドラゴンの背に乗っているからだ。  
「すげぇ、正に絶景とはこの事だ!」  
(一応リーダーの)ライはあまりの景色の壮大さに心を奪われていた。横ではベリナスが即興で景色を 
讃える演奏している。この男、ゴツイわりに弦楽器を嗜む風流人なのだ。アラシャ、フィリアンは手拍 
子で調子を取る。  
皮ビキニの少女シアは景色よりドラゴンの頭部にて騎馬兵きどりではしゃいでいる。ドラゴンは正直迷 
惑ではあるのだが、恩義があるので親切にもつき合ってくれていた。  
対象的にベルモットは楽しめないでいた。パーティ唯一の魔術師ゆえ“落下制御”を待機させていたか 
らだ。  
『人間よ、そろそろ下ろすぞ。人目につきたく無いゆえに“落下制御”せよ』  
ドラゴンが促すとベルモットは呪文を唱える。6人分かけ終わるとパーティは空挺部隊よろしくシエン 
ト河畔に降下していた。別れの挨拶代わりに咆哮が木霊した。  
「本当、踏んだり蹴ったりだったよな。殆どボランティアだし」  
河畔に降下してベリナスが口を開いた。  
「言うな。罪無き人たちが大勢死ぬよりはいいだろ」  
ライが嗜める。内心、彼も同意見だがそう思い込んで我慢していた。  
「それだけど・・・・いい物あるの、はい!」  
精霊使い兼盗賊のフィリアンが背嚢からワイン2本と魔晶石取り出す。  
「あの研究所から失敬してきの。その、何・・・・見物料代わりに」  
ちょっと恥ずかしそうにモジモジするフィリアン。  
「やるじゃないフィリアン! しけてないで乾杯といきましょう!」  
アラシャの呼びかけに歓声を上げて冒険者たちは近郊の都市、リファールへとダッシュした。  
 
 
魔晶石をガメルに替え一行は宿場の三人部屋を二つ借りた。いくら仲間とはいえ、妙齢の男女が大部屋 
に泊まるのは抵抗がある。祝杯を挙げるため全員男部屋に集まった。  
「ではこのライシードル・アレリー、音頭をとらせていただきます。乾杯!」  
一同ワインを喉に流し込む。ちとほろ苦い、そこそこいい味。  
「何これ? 苦いイイ」  
シアが口を押さえて咽る。代わりにツマミに手が伸びた。  
「シアにはちょっと早かったかもね」  
アラシャが空の杯にワインを注ぐ。ベリナスの演奏に手拍子が続いた。  
宴会のボルテージは上がり出していた、が――――――――  
 
ガタン  
唐突にベルモットが倒れた。咄嗟にライが支える。  
アラシャも倒れかかったか何とか自分を支えた。二人とも顔に熱を帯びている。  
「お、おい一体何が・・・?」  
ベリナスが演奏を止めた。ライがベルモットの杯を取り匂いを嗅ぐ。途端に顔が歪んだ。  
「フィリアン! それ以上飲むな!」  
ライがワインを飲もうとしたフィリアンを制す。ビクッとして手を止めるフィリアン。  
「ベリナス! ワインの分析を手配してくれ! フィリアン、シアは二人の看病を! 俺は司祭を探し 
てくる!」  
テキパキと支持を出してライは駆けた。200m程ダッシュして、自分がリファールの地理が分からな 
い事に初めて気がついた。  
 
「これは媚薬よ。それも結構長引くヤツ」  
スクール水着状の皮鎧を着たハーフエルフの娘が答えた。  
ライとベリナスは冒険者の横の繋がりを頼んで何とか王家にコネクションを持つ同業者を見つけ調べて 
もらった。分析の結果ワインの一本に媚薬が入っていた事、そして“解毒”が使える司祭が出計らって 
いる事である。  
「大体2,3日は発情するみたいね。でも安静にしていればいずれ治るわ」  
「そうか・・・・すまない、無理いって」  
ライは真摯に頭を下げる。  
「いいのよ、冒険者の世界は持ちつ持たれつだから。じゃ、お大事に」  
ハーフエルフはそう挨拶すると席を立つ。後ろ姿を見送ってライはつい目を背けた。彼女が半ケツだっ 
たからである。彼女は向こうで給仕の娘を口説いているエルフにヘッドロックをかけはじめた。  
 
 
フィリアンはアラシャの胸元を開いて汗をぬぐった。  
肌が熱い。吐息のたびに形のいい乳房が上下し、乳首が立っているのが分かった。  
「アラシャ、ゴメン。私があんな物もって来なければこんな事には・・・・」  
「気にしないでいいのよ。調子に乗ってガブ飲みした私にも非はあるわ。」  
会話をしながら上着を脱がせ背中を拭く。球の様な汗。アラシャの鼓動が手に伝わる。  
媚薬による発情を抑えるのは想像するより苦しいらしい。  
分析を手配してくれた冒険者の仲間にも媚薬を嗅いだ少女がいて、その効果を抑え苦痛を感じるよりは 
本能に身を任せる方を選ぶという。アラシャは意志の力で耐えているが、このままでは精神が参ってし 
まうだろう。  
「シア、看病は私一人で大丈夫だからベルの様子を見てきて」  
「うん、わかった」  
シアは素直にうなずいて隣の部屋に向かった。隣の部屋のドアが開く音を確認すると顔を赤らめて上着 
を脱ぎ始めた。下着だけの姿となりアラシャの横に添い寝する。  
「耐えられなくなったら、その・・・・私が相手・・・・するから」  
「フィリアン・・・・」  
二人の手が絡み合い、そして自然と唇が重なった。  
 
同刻、男部屋はシアの訪問に慌てまくっていた。  
ベルモットはどうしても我慢できず、いたし始めたのだ。自分のカマを掘られるよりは、と二人は背を 
向けて武器の手入れをしていた時、シアが入ってきた。  
「とととと! シアちゃん、どうしたの?」  
ベリナスが冷静を装って対応した。  
「フィリアンお姉さんにベルお兄さんの様子を見てきてって頼まれたのっ」  
「あいつなら大丈夫だよ。今寝てところだ」  
「そう? よかった」  
「ベリナス、ちょっと・・・・」  
ライがベリナスを側に呼んだ。  
(お前はシアを連れて散歩してきてくれ。理由は・・・・分かるな?)  
「(ああ、流石に女の子の前じゃ、なあ・・・・)シア、リザードマンの言葉を教えてくれよ。ここじゃ病 
人がいるから外に行こう」  
「うん、いいよっ」  
二人が外へ行くのを窓から確認するとライはベルモットに声をかけた。  
「ベル、もういいぞ」  
「す、すまねえ」  
呻き声が聞こえる。ほのかな花の匂いがライの鼻腔をくすぐった。  
 
 
粘液がクチャクチャと淫猥な音を奏でる。  
アラシャとフィリアンは抱き合い唇を貪っている。舌と舌が絡み合い、唾液が口元から漏れて筋を作っ 
ていてもお構い無しだった。やがてアラシャの舌が抜かれ唾液が糸を引きフィリアンの口内へと消えて 
いく。  
「フィリアンの耳、美味しそう・・・・」  
濡れた唇が頬を伝いエルフ耳に至る。舌が耳の奥まで進み蝸牛をも愛撫せんとする。  
「あ・・・・耳は・・やめて・・・・ヘンになっちゃう」  
「ほっとひだんはいへき(おっと油断大敵)」  
フィリアンの小振りだが形のいい乳房が揉まれ突起部を摘まれた。ビクン、と震えるその隙を逃さず福 
耳を軽く甘噛みする。  
「ゥ、ウン! も、もういいでしょ? このくらいにしようよ」  
「だ〜〜〜め♪ 相手してくれるって言ったよね?」  
アラシャは後ろを取ると首筋に舌を這わせながら両の乳房を愛撫し、更に自分の乳房をフィリアンの背 
中になすりつける。既に乳首は立っているためそこだけ敏感に感じる。エルフ特有の白い肌が朱に染ま 
り始め伝わる体温も高ぶりだした。  
「ほ、本当に止めよう・・・・声、聞こえちゃう」  
「でもフィリアンのここはそんな事言ってないよ」  
アラシャの右手が下着の中に潜入し陰唇を撫でた。そこは既にジワッとした湿り気が生じていた。  
「やめて欲しなら・・・・」  
最も敏感な肉芽を弄りながら囁いた。  
「私のここ、舐めて」  
恥ずかしそうにフィリアンはうなずいた。  
 
 
(あ、あいつら〜〜〜〜)  
己の分身を握ってベルモットは悶々としていた。  
せっかく一発抜いて後は寝て過ごそうとしたのに、隣部屋から悩ましい嬌声が聞こえてきたのだ。彼は 
盗賊の心得があるのでつい聞き耳を立ててしまう。媚薬の効果もあり嬌声に反応して分身がムクムクと 
黄泉返ってきた。  
ライにも嬌声が聞こえるのか隣部屋の方を気にして誤って手を切っていた。  
(ええい畜生!)  
ベルモットは二度目の発射を迎えるため分身を握った。  
 
 
下着を脱いでM字開脚したアラシャの陰唇にフィリアンは恐る恐る顔を近づけた。意外と茂みが濃く、 
ある種のイソギンチャクを思わせる。舌が陰唇に触れる。乳製品の香りがした。  
「そう、続けて・・・摘んだり噛んだりして・・・・」  
言われたとおり肉芽を唇で摘み、陰唇を甘噛みする。その度にアラシャの嬌声が上がった。舌で愛撫し 
ているうちに味も変ってくる。未熟成のチーズの香りから酸味のあるヨーグルトに近い香りになってき 
た。不思議な女の匂いがフィリアンの性的欲求を刺激した。  
(やだ、濡れちゃう・・・・ダメ・・・・!)  
何時の間にか自らを慰めているフィリアン。その痴態をアラシャは見逃さなかった。  
「今度はフィリアンの番。さあ、お尻を向けて」  
フィリアンに下着を脱がせ四這いにさせるとプリンとした尻が姿を現した。ほのかに朱に染まり手の平 
が吸いつく。陰唇はヒクヒクと躍動する一枚貝、その上の茂みは薄い銀毛がしっとりと濡れる。菊門は 
綺麗な桃色だった。  
「可愛い。フィリアンのお尻、食べたくなっちゃった」  
尻肉に唇が触れ、チュウチュウと淫らな音を立てる。その間にも陰唇や肉芽を攻めるのを忘れない。粘 
つく淫液が水飴の様に指に絡む。  
「あん! い、いい・・・・わ、わた、し・・・・イッちゃうンッ・・・・!」  
「まだまだ」  
十分に濡れた人差し指で菊門を撫でる。ニュルン、と指が進入した。キュウキュウと指を締めつける感 
触が心地よかった。  
「そん、な・・・・ところ・・・・汚い・・・・」  
「フィリアンに汚いところなんて無いよ」  
菊門の奥、直腸内をなぞる様に動かした。アラシャは時々リズムを変えたり指を捻ったり変化を加えた 
ところ、硬直していたフィリアンはヨガリはじめた。嫌悪より快楽が勝ったのである。止めとばかり充 
血して大きくなった肉芽を軽く噛む。  
「ヒ・・・・ヒヤン、アア!!」  
フィリアンの身体が海老反りになり陰唇から冷たい淫液がアラシャの顔めがけて噴出した。  
 
「恥ずかしい・・・・人前でお漏らししちゃうなんて・・・・」  
枕に顔を埋めて恥ずかしがるフィリアンを尻目にアラシャは顔にかかった淫液の味を楽しんでいた。甘 
酸っぱくてアンモニア風味のスモモの様な味。  
「これ、オシッコじゃないよ。絶頂に達した時に噴く潮だわ」  
「エ・・・・? お漏らしじゃない?」  
不思議そうにフィリアンが振り向く。  
「嬉しい、感じてくれたんだね。こんどは一緒に・・・・」  
松葉を重ねるがごとぐ互いの陰唇を合わせて腰を突き出した。二人とも潤滑液は十分湧き出しているた 
めニチャニチャと淫音が興奮を誘う。  
「ア・・・・フィリアン、可愛い・・・・ゥア」  
アラシャはフィリアンの右足を抱えひたすら陰唇を擦りつけた。  
「・・・・キャ、ハン! アラシャ、素敵ィ・・・・!」  
フィリアンも勃起した乳首を摘んで腰を振る。  
嬌声と淫音、一枚貝とイソギンチャク、スモモとヨーグルト、その全てが合わさり部屋はクラクラする 
程の雌の香りに満ち溢れた。その中で絡み合う淫獣の雌2匹がいた。  
「ンア・・・・アラシャ、イッていい?」  
「よくってよ・・・・私のフィリアン!」  
グラインドが早くなりそれに合わせて淫音はさらに激しくなる。  
そして――――――――同時に上り詰めより高い嬌声が響いた。  
 
情事の余韻を楽しむ様に二人は抱き合っていた。  
「強引だったけど、素敵よアラシャ」  
フィリアンが唇を重ねてきた。負けじとアラシャも舌を絡める。  
「あのね、今度は私がアラシャを攻めたいんだけど・・・・ダメ?」  
愛しいエルフ娘のおねだりにアラシャは妖艶な微笑みで答えた。  
 
 
ライたちがいる部屋とは反対側の部屋では長い黒髪の女性が騎上位で楽しんでいた。  
「ねえ、お隣さんが凄いから私、のってきちゃった。」  
「それじゃ僕も頑張らないと」  
男性は下から突き上げながら女性の豊かな乳房を揉む。  
「私、貴方の赤ちゃんが欲しいの。今日は中に出していいわ」  
「いいのかい? 君は王女様つきの騎士だろう。時間は取れるのかい?」  
「大丈夫、後輩も育ってきてるしドレックノールとのトラブルも解決したし・・・・」  
彼女は事件の衝撃なる真相を知っているのだがそのあたりはぼかした。  
やがて男性の限界がくる。全ての子種を吸い取らんと女性の締めつけが射精を促す。  
「赤ちゃん、何て名ずけようか」  
「ハハハ、まだ気が早いよ」  
男性は愛しい恋人の美しい黒髪を優しく撫でた。  
 
(ウ・・・・俺、死ぬかも)  
既に五度目の射精を向かえベルモットは憔悴していた。  
隣部屋の情事はまだ続いている。分身は言うことを聞いてくれない。  
自分に“眠りの雲”をかければいい、気がついたのは七度目の射精を迎えた後だった。  
 
 
六日後、冒険者達はベルダインにあるアラシャの実家を目指して街道を南下していた。  
お肌ツヤツヤのアラシャとフィリアンに比べてベルモットの顔色は青い。  
小高い丘を越えると巨大な岩山が見えてきた。難攻不落の要塞都市、ザーンである。  
「だいぶ遅れてしまったからな。アラシャの大伯父さん、待ちくたびれてるだろうな」  
「別に急ぐ事は無いよライ、それよりベルの身体が心配だからザーンに寄ってかない?」  
(誰のせいだ、誰の!)  
ベルモットは抗議したかったが恥ずかしいので止めた。  
「そうだな、報酬より仲間の無事。寄ってこう」  
ザーンへ向かう冒険者達の最後尾、アラシャとフィリアンは手をつなぎ笑顔で合図しあう。そのさまを 
見ていたのは事情を知らないシアだけであった。  
 
『アラシャとフィリアンの二人のお姉さんは、時々“はんしょく”します。メス同士で“はんしょく” 
するなんて人間は不思議です。シアも早く“はんしょく”できるようになりたいな。 
(シアの日記より抜粋)』  
 
THE END  

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