あんなモノを見てしまったせいだろうか?  
 時々お股がムズムズする。リザードマンの集落ではこんな事は無かったのに。   
どうしても我慢できなくて机や椅子の角にアソコを擦りつけてしまう。  
 あれだ、アラシャとフィリアンの『はんしょく』をみてからだ。そうに違いない!  
 その行為がエスカレートして今では下着を脱いでアソコを直接いじっている。  
 シア、16歳の夏の出来事であった。  
 
 
 芸術の街ベルダインに落ち着いてもう1ヶ月になる。  
 潮風と巨大帆船はもう見慣れた風景だ。  
 服装も少し変った。髭の衛視に“下着同然でうろつくのは公衆道徳に反する”と言われ、アラシャが 
お古のチョッキとスカートをくれたのだ。最初は抵抗があったがすぐ慣れた。  
 仲間たちは金銭に余裕があったので旅の目標に力を注ぎ始めた。シアは現在アラシャの実家に下宿し 
ている。  
 といってもアラシャはほとんど神殿に行ったきりで彼女の弟も昼間は仕事でいない。自然と一人の時 
間があったのだ。  
 朝、弟を見送ると部屋を掃除して風呂場へと向かう。別に綺麗好きな訳では無く、快楽を楽しむため 
である。一糸まとわぬ少女がそこにいた。  
「ン・・・・」  
 指がまだ発達していない肉芽に触れた。肩が震える。いつもながら肉芽への刺激が一番敏感に感じる。 
続いて空いている方の手が乳房を下からたくし上げる。  
 この1年でシアの乳房は随分発育が著しい。細い身体も丸みを帯びてきた。  
「ハ・・・・フゥ」  
 艶やかな声が上がった。既に乳首は勃起し、肌は薄く朱に染まる。  
 切ない、育ったリザードマンの集落で幼馴染のリザードマンが他の雌と交尾しているのを黙って見て 
いた時もそうだった。自分は繁殖相手を欲しているのだ。その彼も既に草葉の陰。  
 肉芽が摘むとコリコリといい感触がする。この1ヶ月で随分発達してきている。  
 陰唇から溢れる淫液が床タイルを染める。粘つき糸を引く所が卑猥に映る。  
 そろそろ限界だ。ラストスパートをかけるべく本能のまま一揆に敏感な所を貪った。  
「アア・・・・!」  
 仰け反るシア。軽い罪悪感が心に染みた。  
 
 
今日は家にアラシャの弟がいるので旧市街を散歩に出かけた。  
 最近、自慰の回数が多くなっている。菊門に指二本入れてしまうほどだ。不自然は行為だと判ってい 
るのだが身体が求めてしまう。  
(繁殖したい・・・・)  
 ここ数日繁殖への欲求は高まりつつある。だからだろうか、こうしてあても無く市街を彷徨っている 
のだ。日も落ちてきて西日が眩しく視界が悪い。  
 不意に腕をつかまれた。抗議しようと抵抗すると腕をひねられた。  
「お嬢ちゃん、君みたいな可愛い子がこんなところうろついちゃいけないよ、ヒヒヒ」  
 どうやら相手はスケベェ目的のチンピラの様だ。顔に嫌らしさが滲み出ている。  
「は、放せ!」  
「それは聞けない相談だなあ」  
 チンピラも手がシアの胸を乱暴に握る。  
「痛っ・・・・!」  
 殺られる! そう思った刹那、チンピラの手が止まった。恐る恐るチンピラの顔を見上げると苦悶の 
表情で凍りついている。そしてその視線は正面の斑のフードを着た人物に向けられていた。  
 フードの人物が疾風と化した。右の鉄拳がチンピラの顎に吸い込まれ、地面に這いつくばせた。さら 
に水月に爪先蹴りを食らわせると倒れたシアに対して手を差し伸べる。  
「怪我、無い?」   
シアの位置からは逆光になって顔は分からないがどうやら少年の様だ。  
「あ、ありがとう」  
 手を握り返しシアは立ち上がるが辺りが騒がしい。チンピラをのした事で野次馬が集まりだした。  
「こりゃいけない。走るよ、いい?」  
 少年はシアの手を掴むと返事を聞く間も無く走り出した。  
「ちょっと、いきなり・・・・」  
 シアは西方の密林育ちである。大地を駆けるのはお手の物のはずだが、少年の足についていくのがや 
っとであった。むしろ少年の荷物にさえなっている。  
「・・・・助けてもらったのは――――感謝するけど――――あなたは――――?」  
 全力走行で息切れしながらシアは少年に話しかけた。  
「僕は――――」  
 斑のフードが逆風でめくれ、見知った黒い肌と尖った耳が現れた。  
 
 黒い肌の少年、ジールはシアのかつての仲間である。ダークエルフとの混血児で迫害から悪事に走り、 
後に心を入れ替え共に仮面の魔術師であるシアの実父を倒したのである。  
 騒ぎを避けて二人は新市街の噴水広場へとやってきた。  
 噴水が少し欠けている以外はヒューリカーのゲートを通ってきた時と変っていなかった。ここなら夕 
刻でも吟遊詩人や旅人も多く、フードを被った物がいても目立たない。  
「ふう」  
 二人は噴水の縁に腰を下ろして一息つく。  
「あのね・・・・ジール、ありがと」  
「礼には及ばないよ、友達じゃないか」  
 ふとジールは気がついた。自分はシアを友達と呼んだ。  
(友達、か・・・・)  
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。  
 会話が続かない。この二人、それほど親しい間柄ではない。  
「あの、ジール」  
 きっかけを掴もうとシアが口火を切る。  
「どうしてベルダインへ?」  
「君に会いたかったから」  
 シアの胸がキュンとした。  
「・・・・と、言ったら嬉しい?」  
 ニヤッ、と笑ってジールがおどけて見せた。だが彼の笑顔はすぐに困惑へと変る。シアが顔を伏せて 
嗚咽し始めたのだ。  
「・・・・ジールのいじわる・・・・シア、会いにきてくれたの嬉しかったのに・・・・」  
「お、おいシア」  
 シアの肩を抱いて落着かせようとするが、どうも周りの視線が痛い。別れ話をして女の子を泣かした 
様に見えているらしい。  
「場所、変えようか?」  
 とりあえず二人は埠頭へと向かった。  
 
「・・・・そう言う事だったのか」  
 事情を聞きジールは思春期の少女の思いをくだらない冗談で返したのを後悔した。  
 リザードマンの集落でシアの事は聞いていたつもりだったが、女性と接した経験の無い彼には乙女の 
思春期など知る由のなかった。  
「シアは『はんしょく』したいの・・・・ジール、しよ」  
「え? でも・・・・」  
 ジールは迷った。彼とて童貞ではない。密林では時にスキュラやワータイガーの夜伽を勤めた事もあ 
る。もっといかがわしい行為をしこまれた経験だってある。  
「だ、駄目だ。もっと自分を大切にするんだ、シア」  
 勇気を持って突き放すジール。  
「何で? 雌が雄を誘ってるんだよ。意気地なし、それともシアの事嫌いなの!?」  
「そんな事は無い! けど、僕は・・・・」  
 ダークエルフの血が混じっているんだ、危うく出かかったその言葉を必死で飲み込んだ。それを言っ 
てしまったら自らの存在否定に繋がるし、亡き母親への侮辱にもなるからだ。  
 だが目の前の少女がいとおしいと思うのは事実であった。  
「どうなの? 答えて、ジール!」  
 シアが急かす。ジールの脳内は混線し、どうにも収拾かつかなくなった。  
「僕は、僕は・・・・!」  
 彼は強引にシアの唇を奪う事で回答した。  
 西の果ての村で厄介者扱いされて育った少年にとって、密林で育った少女は眩しかった。  
 初恋といってよかったかも知れない。仮面の魔術師の命令でシアの尾行をするのは密かな楽しみだっ 
た。  
 冒険者を誘き出すのに彼女の全裸の幻を創った時は不覚にも欲情してしまい罪悪感を覚えた事もあっ 
た。  
 今その少女が自分の腕の中にいて唇を重ねている。  
 
(女の子って・・・・柔らかいんだな)  
 肩に右腕をまわし抱き寄せる。キスをしたのはジールの方だがしだいにシアの舌が絡みつき始めた。 
彼はそっと胸元へと左手を伸ばした。小さくシアの肩が震えたが拒んではいない。  
(意外と大きい。着痩せするタイプなんだな)   
 軽く膨らみを握ると肉が少し余った。そっと包む様に繰り返しに愛撫し、人差し指と中指で起ちかけ 
た突起を摘む。  
「ウン・・・・!」  
 シアの唇が離れて唾液がツーと妖しい糸を引いた。  
「もっと・・・・続けて」  
 要求通り肩を抱く右手で乳房を愛撫し代わりに左手が腹部を伝い下着の中へと侵入し始めた。  
 露出している肌よりも暖かく、しっとりとした茂みをかき分けて右手が進む。茂みが途切れたあたり 
に何かクレバスの様なモノが触れた。それは僅かに濡れていた。  
「そこ・・・・気持ちいいの」  
 中三本指がサワサワとじれったく撫でる。やがてジールはコツを掴み人差し指と薬指で陰唇を左右に 
開き、中指で優しく入り口をなぞった。さらに乳房への愛撫を下から支える型に移行し乳首を弄り、耳 
朶をしゃぶる。  
「アアン・・・・」  
 半開きの口が甘い歌声を奏でる。シアは空いた片乳房を弄り口にも指が進入させた。  
 それからは二人とも無言だった。シアの軽い呻きと細波以外は服の粘つきと着ずれ音だけが聴覚を支 
配した。少女特有の香りもあってジールの男根が起立し、シアの腰を突いた。彼女もそれに気がつき振 
り返る。  
「・・・・ジールの“産卵管”、入れて」  
 
(産卵管=生殖器はすなわち哺乳類ならペニスに該当しそれを女性器に挿入する事は生殖行為にあたり 
・・・・)  
 ジールにとってこの『産卵管挿入要請』は最後通告に等しかった。  
 今までは成り行きでシアを愛撫していたものの、彼女を抱くつもりは無かった。できればこのまま終 
わって欲しい、と願っていたがそれは叶わぬ希望となった。ここで彼女との性交を拒否すれば二人の関 
係は終わりなのだ。  
(・・・・仕方ない)   
 取りあえずフードを敷いてシアを寝かせと下着を脱がせにかかった。  
 ムワッと甘酸っぱい香りがジールの鼻腔を撫でた。シアの股間は霧吹きをした様に濡れている。ジー 
ルもベルトを外して砲身を上げた男根を取り出した。亀頭が綺麗な桃色に輝く。  
 シアの両足を開くと肉芽に亀頭を擦りつけてじらす。  
「いれるよ、いい?」  
 恥ずかしそうに無言で頷くシア。それを確認すると肉の亀裂に男根を突き刺した――――  
「ンン!」  
 半分程挿入したところでシアガが呻いた。同時に陰唇が締めつける。  
「(そりゃ初めてだろうな)痛かったら止めるけど・・・・?」  
「いいの・・・・構わないで」  
 シアを気遣いながらも抜き差しを続ける。彼女の膣はきつくて温かく、そして快感だった。  
 辛そうなシアを案じて抱きかかえる様に覆いかぶさり口を塞ぎ同時に胸を愛撫した。それを受け入れ 
るかの如くジールの後頭部を抱える。  
 陰唇は裂け苦痛の証拠として流血が認められる。だが二人共行為の続行を望んだ。  
 ズッズッズッズッズズッズッズッズッズ――――  
 堅く濁った音だけが二人の耳を覆った。  
(これが女の子の身体なのか。すごい締めつけ・・・・爽快だ・・・・!)  
(今この瞬間、ジールがシアの中にいる・・・・)  
 男と女、苦痛と快楽、繁殖欲と恋心が混じりあい二人の刻を演出した。  
 やがてジールの限界が近づいてきた。唇を離し囁く。  
「ねえ、そろそろ出すから手を離して」  
「駄目!」  
 答えるが早いかジールの顔を抱き両足で挟み込んだ、瞬間――――  
 ドプゥ!  
 シアの膣はタップリと精液を受け止めた。  
 
 
「何で、中出しさせたの?」  
 ジールが射精の脱力感から回復して最初に口にした言葉はそれだった。  
「・・・・ジールの子供、欲しかったから・・・・」  
「・・・・だからって!」  
 ハーフエルフの子供はたとえ人間でもその子孫は極低確率でハーフエルフが生まれてくる。そういう 
子供は親の片方がエルフの場合より顕著に差別される。ハーフダークエルフなら尚更である。チェンジ 
リングが間引きされる例も珍しくない。  
「もしかして自分みたいな黒い肌と尖った耳の子供が生まれるのが怖いの?」  
「え?」  
「自分が不幸だったからって生まれてくる子供も不幸だってどうして言えるの!?」  
 見透かされた――――ジールは彼女の感覚の鋭さに驚嘆した。  
「シアは密林で唯一人の“賢い尻尾なし(人間の事)”だったけど不幸だとは思わなかった! だって 
仲間がいたから・・・・!」  
 目頭が熱い。思いを叫んでいたら涙が出てきた。  
「だから・・・・支えたり愛してくれたりする誰かがいれば・・・・不幸になんてならないよ・・・・」  
 その言葉はジールの全てのわだかまりは崩壊していった。  
「シア、僕は・・・・」  
 重なるシルエット、月明かりが二人を祝福した。  
 
 
「・・・・で、君は何もする必要は無い、と判断した訳だ」  
 夜のベルダインを衛視と小さい者が見回っている。小さい者はグラスランナーである。  
「だって恋人同士が愛を語らってたんだよ」  
「青カンまでいってかい?」  
 若い衛視があきれた。  
「サーが聞いたら失望するよ。不肖の従者だってね」  
「それは無いね。あの人はそんなに器の小さい人じゃないもん」  
 衛視はため息をつく。  
「・・・・やれやれ。じゃあお喋りはこの位にして任務にもどるか」  
 二人は市街の治安を守らんと夜の闇へと消えていった。  
 
 

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