(私、残酷でしてよ)  
 
リスリーは、夢をみていた。  
 
ファンドリアの隠れ家で、ソファに座り寛いでいる。  
ソファの傍らには全裸のイリーナがしなだれかかる。布一枚、身につけないその身体には、犬用の首輪だけ。  
伸びる鎖の先はリスリーが握っていた。  
ファンドリアに来てからずっと、イリーナには服を与えていない。  
だが今ではもう、イリーナ自身が裸を晒すこと、見られることに快感を覚えていた。  
何人もの男達に貫かれ恍惚を覚えて、すでにイリーナはファリスの教えを棄てている。  
そのイリーナがソファの下から、ものほしそうな目でリスリーを見上げる。その身体は微かに震えていた。  
それも当然だ。イリーナには今日で4日間、大好物のアレを与えていない。  
今日の客の為、男断ちをさせているのだ。しかし身体が震える程に欲しいのだろう。  
「ご主人様…」「ダメですよ、イリーナ」「ちょっとだけでいいんです。お慈悲を…」  
リスリーは考え込むフリをする。これが散々狂わせてきた、イリーナをなぶる最後になる。  
「そうですね。イリーナ、私の前にはいつくばり背を向けなさい」  
イリーナは言われた通りにした。  
リスリーは履いていたサンダルから右足を抜いて、そのままイリーナの秘所に突き入れた。そのままグチャグチャに掻き動かす。  
「きゃぅんっ!!あぁっ!あァんっ!!…」  
よつんばいのイリーナは犬の様な嬌声を上げて、小さな白い尻を振り上げリスリーの足の指を貪る。  
「あん!あァっ!あぁ!ありがとうございます!ご主人様…ぁ!!」  
4日ぶりに与えてられた性の快感にイリーナは悶え、そのまま絶頂を迎えて床に突っ伏した。身体が快感にブルブルと震える。  
「イリーナ、綺麗になさい」  
リスリーにそう命じられイリーナはトロンとした瞳のまま、身体の向きを変えた。  
組まれたリスリーの足に顔を近づけ、自分をイカせてくれたご主人様の足に丁寧に舌を這わせて、着いた愛液を舐めとった。  
 
「…そろそろお客人が来る時間です。イイコにしていなさい。イリーナ、後でタップリとご褒美が貰えますからね?…そうそう、『あの男』に出会ったらイリーナはなんと言うんでした?」  
「『ヒース兄さんのオチンチンじゃ、満足出来ないの。もっともっと大きなオチンチンで、イリーナのお口とおまんことお尻を、同時にグチョグチョにイカせて欲しいの。兄さんには、無理です』」  
「…よろしい。素直で綺麗ですよ、イリーナ」  
部屋に男が入ってきた。背は低く禿頭で、過剰なくらいにふくよかだった。汗の臭いが5歩先からでもわかる。  
「おお!!これがあのイリーナですかな?!『ファリスの猛女』で『吸血鬼殺し』『ワイバーン一撃』の…!なんとちっみっちゃいお嬢ちゃんだ!」  
「ご訂正ください。『ファリスの猛女だった』イリーナですよ?」  
「おお、そうでしたな。『聖女喰い』リスリー殿の名は伊達じゃあない。今や『ファリスの猛女殺し』『吸血鬼殺し殺し』としてファンドリア中で有名ですぞ!」  
 
「どうも。ではそのイリーナを見ていただきましょう。イリーナ、こちらへ来て腹を見せなさい」  
イリーナはリスリーと客人の前で寝転がり、無防備な白い腹を見せた。当然下の茶色い茂みも露になる。  
「足を開きなさい、イリーナ」  
イリーナは言われた通りにする。ヒクヒクと濡れてうごめく秘裂を男達の目の前に晒す。  
「ハハハ、随分とインランな猛女様だ。グチョグチョじゃあないか!!おお、よしよし」  
「ご客人の趣味通りに飾れるようにピアスやアクセサリーは一切つけておりません。これからいかようにもどうぞ。  
ご自分で愛でるなり、使用人の肉便器にするなり。もちろん、獰猛でかつ従順な番犬にもなります。なに、ちゃんと食事と大好物のアレや玩具を与えておけば、大人しいものです。  
…そういえば、ファリス神殿のナンバー2。あの守銭奴もどこで聞き付けたか、イリーナを欲しがってきましてね。いやはや、とんだスキ者のようです。  
中々良い値段を付けてくれましたが、当のイリーナが『ファリスの高司祭』に売られるのを嫌がりましてね」  
イリーナは肯定するようにブルブルと首を振った。  
「当人の希望もいれて、貴方様にお譲りすることにしたわけですよ」  
禿頭の客人はハァハァと息を弾ませて、イリーナの身体のあらゆるところを太い指で撫でまわした。  
「頂きましょう!!」「お買い上げありがとうございます」  
リスリーは微笑んで、イリーナの首輪の鎖を客人に手渡した。  
 
「ご挨拶なさい、イリーナ」  
命じられ、イリーナは床に座りおした。  
「はじめまして。新しいご主人様。イリーナをどうぞかわいがってください」  
はいつくばりイリーナは客人の靴にキスをした。  
「よしよし、かわいがってやるとも。タップリとな」  
男はマントをイリーナの肩にかけようとした。イリーナは嫌がり身をよじる。  
「これこれ、我が家までの辛抱だ。『裸で歩く罪』『良いモノをさらさない罪』の両方の罪を侵したくないのだよ。一部のファラリスやマーファ信者らがおこした『裸族認定裁判』は長引いてて面倒だからねぇ」  
リスリーがピシリと床を鞭打つとイリーナは大人しくマントをはおった。  
イリーナと客人が退出する。  
「楽しかったよ?イリーナ」  
リスリーは満足気に笑みを浮かべた。  
そう、なにもかもが思い通り…。  
 
 
(…!?)  
身体をさいなむ激痛にリスリーは我にかえった。  
すべては、朦朧とした意識がみせた、夢。  
残酷な現実は、視界に『魔女』と『魔術師』の男を映す。  
リスリーは彼等に、ライトニング・バインド(電撃の網)で、焼き魚にされているのだった。  
(…神よ!!…せめて、夢の中のまま、死なせて欲しかった…!!!)  
 
 
(終)  
 

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