「あんっ、ひんっ、あ、あ、あっ、ああっ、ふあっ!!」  
 今夜も嬌声が聞こえてくるのは、またまた飽きもせずファリス神殿のイリーナ部屋から。  
 今夜もヒースとイリーナはハッスルハッスルである。  
「そろそろいくぞ、イリーナ」  
 ヒースのピストンが激しくなり、よりいっそうぐちゅぐちゅという水音が高くなる。  
「あっ、あっ! ひ、ヒース兄さん、待ってください……んあっ! きょ、今日は危ない日……ああんっ!!」  
 バックから激しく突かれるイリーナは息も絶え絶えに重要なことを告げる。  
 だが、ヒースはにやりと妖しく笑ったまま、抜く気配を見せずイリーナの最深部をぐりぐりとこね回す。  
「ひ、ヒースにいさ……っ! ほ、ほんとに……っ! あうっ!!」  
「大丈夫大丈夫。そんな簡単にできやしないぞ」  
 パンパンと腰がぶつかる音。ぐちゅぐちゅと響く水音。そして抑えようとしてももれる自分の嬌声に混じり、血の気が引いていくような音をイリーナは聞いた気がした。  
「そ、そんなダメですっ! あんっ!! で、できちゃ……できちゃいま……っ! あああっ!! ふああああっ!!」  
 悲鳴のように叫ぶが、ヒースの手はがっしりと腰を掴んでいて、すっかり出来上がったイリーナの力ではそう簡単に引き剥がせなかった。  
 そうこうしているうちに絶頂を向かえ、膣全体が激しく収縮する。  
「う……出すぞ、イリーナ!」  
 びゅるるる、びゅくっびゅくっ!!   
「ふぁああああ……熱い……」  
 じんわりと膣の奥から広がってくる熱さ。いつもは心地よいそれが、日が日なだけにあまりよい気持ちではなかった。  
 頭の中を、ファリスの明るい未来設計という文字が躍る。いまどき、神にその身を捧げろ、なんていう古い考えは浸透していないが、まだ夫婦でない間に行き過ぎたことにならないよう、ファリスは厳しく教えているのだとかどうとか。  
 まぁそんなことはどうでもいい。  
「うう……ヒース兄さん、ひどいです……」  
 ヒースジュニアが抜き取られると、ゴプゴプと音を立てて泡立った精液が逆流してきた。  
「はっはっは。まぁ気にするな。それに、俺のじゃダメか?」  
 あくまでいつもの調子のヒースだったが、最後にフッ、と斜め45度の角度でキメて一言添えた。  
 それだけで、瞬時にイリーナの顔が真っ赤になる。  
「あ……う……い、嫌じゃないです……」  
「なら問題ないじゃないか」  
 ふぁさーと髪をかき上げ、快活に笑うヒース。  
「も、もう知りませんっ!!」  
 真っ赤な顔でぷん、とそっぽを向くイリーナ。  
 そんなに簡単にできない、と高を括っていたヒースだったが、世の中そう甘くないとわかるのはしばらく後のことだった。  
 
 
「なに? 生理がこないだと? お前、もう生理きてたの……はぎゃめごっ!?」  
 あれからしばらくして。  
 真っ赤な顔で報告に来たイリーナの言葉に、軽いジョブを決めたヒースだったが、刹那顔面にイリーナの拳が突き刺さった。  
「ど、どど、どうしましょう……! ほ、ほんとに出来ちゃいましたよ!?」  
「俺の顔はどうなってもいいんですか、いりーなサン?」  
 だくだくと鼻血を流しながら、ヒースが問うが、そんなことは眼中にないようだった。  
「ヒース兄さん、聞いてるんですか!? 責任とってくださいよぉ……!」  
「むしろ俺の話を、っていうか鼻血をどうにかしてほしいところだが……。よしわかった」  
「?」  
「イリーナ、結婚しよう」  
 ぱっ、とどこからともなく指輪を取り出すヒース。  
 その急展開に思わずぽかーんとなるイリーナ。硬直することやく30秒。  
「え、えええええっ!?」  
 
 
 んでもって、また数ヵ月後。  
「おー。イリーナ、ずいぶんハラでかくなったなぁ」  
「そんなミもフタも無い言い方しないでくださいっ!!」  
 マタニティーに身を包んだイリーナのお腹は、まさに妊婦さんといった感じに仕上がっていた。  
 ぼっこりと膨らんだお腹。だが、美しさを損なわない妊婦特有の膨れ方。  
 そしてもうひとつ。  
「乳もずいぶんでかくなったよなぁ」  
「うー……ヒース兄さんは毎日そればっかりです」  
 思わず赤面して胸を覆い隠すイリーナ。  
 その胸は、以前からは想像もつかないほど大きくなっていた。女性は妊娠すると胸が倍近くからそれ以上に大きくなるといわれているが、イリーナはその筆頭だろう。  
 軽く以前の3倍から4倍ほど大きくなっていた。  
「まさか巨乳イリーナを拝める日が来るとはなぁ。ファリス様様だ」  
 うしろからイリーナを抱きすくめ、その大きな胸をたゆんたゆんともてあそぶヒース。  
「ちょ、ちょっとヒース兄さん……そ、そんな触っちゃダメです……」  
「まぁまぁ、いいじゃないか。もう安定期に入ったし」  
 もにゅもにゅとその質感を楽しむように揉みしだき、そして乳首をくりくりと転がすヒース。  
「だ、だんだんいやらしくなってきてますよぅ……」  
「やらしくてしてるんだから仕方ないだろ」  
「も、もうわけがわかりません!」  
 と、毎度毎度のやりとりだったが、イリーナも妊娠してから結構ご無沙汰だったため、こんないじり方をされたら身体のほうが押さえが利かない。  
 ただでさえ、妊娠するまでほぼ毎日、ヒースの気分の赴くままにいろんなプレイをしてきた身体だ。  
 すっかり、身体がエロシチュエーションに順応してしまっていた。  
「口では嫌といっていても身体は正直だな、イリーナ?」  
 むくむくと勃起してきた乳首をつまみながらヒースがささやく。  
「うぅ……ヒース兄さん、汝は邪悪です……ひんっ」  
 ヒースは満足げに笑うと、イリーナのマタニティーと下着を脱がせると、そっと横たえた。  
「や、優しくしてくださいよ!」  
「わかってる」  
 ヒースはイリーナにキスすると、口の中に舌をねじ込んでイリーナを味わう。  
 同時に手を大きな胸に置くと、ゆっくりと揉みしだきながら不意をつくようにして乳首をこねくり回す。  
「んちゅ……ぐちゅ……んちっ……うむぅ……ふんっ……」  
 合わさった唇の間からくぐもったイリーナの喘ぎ声が漏れる。  
「ふっ。すっかりエロエロ妊婦だな、イリーナ」  
 唇を離し、ヒースが再びにやりと笑う。  
「だ、だってヒース兄さんが……あんっ」  
「いいからほら、足開いて」  
 ヒースがイリーナのお腹を優しくぽんぽんと叩くと、イリーナはおずおずと両足を開く。  
 恥丘に茂る陰毛は、僅かな間にすっかり大人のそれへと成長していた。  
「身長は変わらないまま、身体はこんなに大人になって。だが、このアンバラスなのがいい」  
 感慨深くしきりに頷きながら、ヒースはイリーナの秘所に手を伸ばす。  
   
 にちゅ、ぐちゅり、くちゅくちゅ、ぶちゅり……  
 
「ふあっ、んんっ……はぁぁん……あっ、あんっ」  
 水音とともにヒースの指がイリーナの中に埋没する。  
 
「濡れ濡れだな」  
「ふぅぅぅん……」  
 イリーナはシーツをかみ締めて羞恥に耐える。だが、ヒースの手腕が恥ずかしがる暇など与えるはずがない。  
 空いた片手でイリーナの巨乳を再び攻め始める。ふにゅふにゅとその大きな胸が形を変え、乳首がこりこりと転がされる。  
「あんっ、あうっ!! ひんっ、あっ、あっ、ああっ!!」  
 その波状攻撃にイリーナはかみ締めていたシーツを口から離し、びくびくと全身を震わせて快楽に打ち震える。  
「ひ、ヒース兄さんっ、きもちいいですっ……も、もっとしてください……っ!」  
「ふふ。もっとほしいか、イリーナ?」  
 つぷり、とイリーナの膣内から指を抜き尋ねるヒース。  
「ふぁ……抜かないでください………もっと、もっとしてほしいです……」  
 くねくねと自分から腰をくねらせておねだりするイリーナ。ぱっくりと口を開けた秘所から、だらだらと愛液があふれ出てきている。  
「妊娠中にずいぶんと溜まってたようだな、イリーナは」  
「は、はいぃ……えっちなの、いっぱい溜まってます……ヒース兄さんと違って、あんまりオナニーもできませんでしたもん……」  
「う……知ってたのか」  
 何気に自家発電現場を目撃されていたことにいまさら気付かされながら、それでもヒース師匠は言葉攻めをやめない。  
「じゃあもっとエロくおねだりしてみ?」  
「はふ……い、イリーナのえっちなおまんこに、赤ちゃん入ったおまんこに、ヒース兄さんの熱いの突っ込んで、ぐちゅぐちゅにかき回してください……」  
 ついに自分から割れ目を指でぐいっと押し広げ、穴を全開にさせながら懇願するイリーナ。  
 クリトリスが包皮から顔をだし、ヒクヒクと蠢く。穴が収縮して愛液がぴゅるぴゅると吹き出る。  
「よーし。じゃあエロ妊婦イリーナさんにご褒美だ」  
 ヒースジュニアがイリーナの割れ目に押し当てられ、にちゅりと粘っこい水音が鳴る。  
「ふぁあ……はやく、はやくいれてください……っていうかエロ妊婦って言わないでくださいよぅ……」  
「まぁまぁ。よし……ほら、よーく味わうんだぞ」  
 にちにちと入り口で円を描いていたヒースだったが、イリーナの腰と膨らんだお腹に手を置くと、一気にその中を貫いた。  
「ふにゃあああっ!! は、入ってくるっ、ひ、ヒース兄さんのおっきいのがっ、うあっ、お腹の中にっ!!」  
 久しぶりのヒースジュニアに、全身を震わせてその心地よさをむさぼるイリーナ。  
 瞬間、ヒースジュニアが強烈に締め付けられた。  
「お? もうイったのか、イリーナ?」  
 優しく腰を動かしながらヒースがたずねる。  
「は、はい……あ、あんまり久しぶりすぎて……も、もう」  
 だんだんと尻すぼみになっていく。そんな恥らうイリーナを見て、ヒース師匠の嗜虐心に火がつかないわけがなかった。  
「はっはっは。そうかそうか、そんなによかったか。じゃあほれ、もっと味わえ」  
 そういうと、ヒースは腰の動きを早める。  
 
「ふぁ! ひんっ! だ、だめですヒースにいさっ……ま、まだイったばかりなのに……っ! そんなはげしっ!! あんっ!!」  
「ダメ? その割りにずいぶん気持ちよさそうだぞー。ほれほれ、せっかくでかくなったおっぱいもいじってあげなきゃな」  
 さらにヒースは、お腹に当てていた手を胸に移動させると、円を描くように揉みはじめた。  
 もちろん、時折乳首をいじることも忘れない。  
「ひあっ! ふぅ、ふぅっ、あんっ、あっ、あ、あ、あ!! も、そ、そんなっ!!」  
 膣内と胸のダブルパンチに息も絶え絶えに喘ぐイリーナ。突かれるたびに豊かな胸がばゆんばゆんと揺れ、大きなお腹がベッドの上で踊る。  
「ふみゃっ、あんっ、ひぐっ!! あ、赤ちゃんに届いちゃいますっ!! ひ、ヒース兄さんのがっ、奥までぇっ!!」  
「ふむ。そしたら、エロい子供になるかもしれないな」  
 膨らんだお腹をぽんぽんと叩いてから優しくなでながら、ぐりぐりと一番奥でジュニアをえぐるように回転させるヒース。その快感に足の指先までぞくぞくと震わせ、よだれを垂らして悦に浸るイリーナ。  
「ほーれ、立派なエロ子供になれよー。なんつってな」  
「うあああぁぁぁ……だ、ダメですっ、ほんとにもうダメですっ……あっ、あっ、そ、それいいですぅ!!」  
 もうちょっとしたおふざけにも反応してくれなくなった。そろそろイリーナが限界近いようだ。身重の身体だし、これ以上イかせ続けるのもやばいかもしれない。  
「よし、じゃあ俺も……もう少しだ、イリーナ」  
 ヒースは片手で腰を掴み、もう片方の手はやはり巨乳を堪能するように胸をもてあそびながらラストスパートをかける。  
 
 ぐちゅっ、ぐちゃっ、にちゅっ、びじゅっ、ぐちゅるっ、ぐぱっ!!  
 
「あんっ、ひんっ、ふぐっ、あぐぅっ!! も、も、うイっちゃいますっ!! だめっ、出るっ、出ちゃいま……っ、おっぱいでるぅぅ!!」  
「ぐっ、イリーナっ!!」  
 瞬間、ヒースジュニアがイリーナの最深部で爆発した。  
 同時に、  
 
 びゅるっ!! びゅるるるっ、びじゅっ!!  
 
「うぁぁぁ……お、おっぱいでてるぅ……」  
 イリーナの乳首から勢いよく母乳が吹き出た。  
 ぴゅるぴゅると吹き出る母乳を顔に受けながら、イリーナはくてりと枕に頭を埋め、余韻をむさぼった。  
 
 
 んでもって――。  
「ふぐっ!! ひ、ヒースにいさっ……う、生まれそうです……っ!!」  
「な、なに!? い、いよいよかっ!!」  
 大慌てでヒースは部屋の隅においてあったものを持ってきた。  
「ひぐぅ……ひ、ヒース兄さん、も、もうホントに出てきそうで………って、そ、それは何ですか?」  
 ヒースが持っているもの。どうみても、巨大な注射器にしか見えない。  
「知らんのか? 妊婦は出産の前にコレをするのがしきたりなんだ」  
 イリーナは陣痛に伴った汗とは別に、冷や汗が流れるのを感じた。  
「そ、それってもしかして……」  
「浣腸に決まってるだろ。さぁー、ケツを出せ、イリーナ」  
 言うが早いが、ヒースの手がイリーナのマタニティーをめくり、電光石火の早業でパンツをずり下ろす。  
「ちょ、ちょっと待ってくださいヒース兄さんっ! そ、そんなのやってる暇なんてないですっ、ほんともう生まれちゃいま……」  
「問答無用!」  
 つぷり、と先端がアナルに突き刺さる。  
「い、いやぁぁぁぁ!!」  
 
 
 がばっ!!  
「はっ!!」  
 布団を跳ね除け、全身汗でぐっしょりになったイリーナが飛び起きた。  
 冬の朝の室温が肌に突き刺さる。周囲を確認するが、浣腸器どころかヒースの姿さえない。  
 あわてて自分のお腹に視線を下ろす。  
「お、おっきくない……」  
 子供なんて1人も入る余地のない、平坦なお腹。  
 もちろん、胸だっていつものぺったんこなままだ。  
「ゆ、夢……?」  
 確認するように呟く。  
 ついにやってしまった、夢オチ!!  
「そ、そういえば部分部分が結構はしょられてたし、現実にはちょっとありえないかなーっていうノリだった気がっ」  
 夢だとわかり、ほっと胸を撫で下ろすイリーナ。  
 同時にちょっと残念だと感じたのは、ママになれなかったことだと納得しておくことにする。  
 決して浣腸プレイに興味があったわけではない、絶対に! …よし。  
「だ、だけど初夢がこんなだなんて……」  
 さっそく、今年1年が不安になるイリーナだった。  
 だが、同時に少しだけ期待しているのも事実だったりしたりして。  
 
 余談。  
「そういえば初夢は正夢になるっていうな。イリーナの初夢はどんn……んぎゃろごぐっ!?」  
「そ、そんなの知りません! 知りませんったら知りませんっ!!」  
 なぜか問答無用でぶっ飛ばされるヒースが観測されたりしたりして。 

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