このところシアの様子がおかしい。  
 いや、様子というよりも、見るからにおかしい。  
 皮のビキニを内側からはち切れんばかりに押し上げる双丘。  
 僅かだが、見慣れているものなら違和感を覚えるくらいの膨らんだ下腹部。  
「あははは。太っちゃったかな」  
 シアはそういって笑っている。  
 鈍感な男たちはそれを信じ込んでいる。  
 だけど、同じ女性であるあたしとお姉さまは、それが肥満とは違うことに気がついていた。  
 お姉さまは女のカンていうやつだろう。  
 でもあたしは違う。  
 それを見てしまったのだから。  
 
 
 
 あれは数ヶ月前。  
 とある冒険のついでに、シアの故郷であるリザードマンの集落に立ち寄ったことがあった。  
 以前この村を脅かしていた魔術師――シアの実父だけど…――を倒したことで平和を齎したことになっているので、割とすんなり受け入れられた。  
 そしてそのまま一夜を明かすことになった、その日。  
「……おしっこ」  
 夜中に目を覚ましたあたしは、もぞもぞと寝床を抜け出すと外へと出た。  
 明かりは持っていない。おしっこに行く程度なら、インフラビジョンで見える視界で十分だった。  
 それにしても、このリザードマンの村にはトイレというものがない。  
 別に誰が見ているというわけでもないけど、あたしは気恥ずかしさから自然と村の外れのほうまで歩いていった。  
「……このへんでいっか」  
 湿地帯に近いこのあたりには、割と丈の長い植物が多く生えている。  
 手ごろな茂みでパンツをさげて腰を下ろしたあたし。そのままおしっこを済ませてさっさと寝なおすつもりだった。  
 だけど、そこであたしの長い耳に誰かの声が聞こえてきた。  
 咄嗟に出掛かっていた尿意を我慢した。誰かが近くにいるのにおしっこできるほど、あたしは羞恥心がないわけじゃなかった。  
 
「……るぅぅ……」  
「うー」  
 
 シアの声だった。  
 だけど、何て言ってるのかまではわからない。シアが使っていたのは、リザードマン語だった。  
 そしてもうひとつ、リザードマンの唸り声。  
「……なにしてるんだろう……?」  
 あたしは興味本位で、茂みから顔を突き出してみた。  
「……!!」  
 そして、声を上げそうになって咄嗟に口を塞いだ。  
 小さな篝火が照らし出すそこで、裸のシアとリザードマンが重なり合っていたからだ。  
 シアは普段から人間の衣服を煩わしく思っている節があったけど、これはそういう次元を超えた状況だった。  
 明らかに、2人は抱き合っている。しかも、リザードマンの股間からは、立派な物体がそそり立っているのだ。  
「……!!!」  
 そこを直視して、今度は悲鳴をあげかけた。  
 一部の爬虫類がそうであるとは知っていたが、まさかリザードマンもそうだったなんて思わなかった。  
 リザードマンのそれは、二股だったのだ。エルフや人間のそれすらマトモに見たこともないのに、初めて目にするそれがこんなグロテスクなものだなんて。  
 あたしは思わず、胃の中身をぶちまけそうになった。  
 
「熱い……」(以下翻訳)  
 
 だけどシアは違った。熱に魘されたような瞳でリザードマンを見つめると、その二股に裂けた剛直に手を伸ばしていた。  
 右手で1本ずつを愛おしそうに撫で、くすくすと笑っている。  
 対するリザードマンも、心地よさそうに目を細めている。  
 
「シア。お前の産卵孔、濡れている」  
「うん。シア、いつでも受け入れられるぞ」  
 
 リザードマンの手がシアの股間に伸びる。爪のない指の腹を使い、シアの割れ目を弄繰り回す。  
 薄毛のエルフであるあたしとは違って、豊かな陰毛に覆われたシアの秘所から水音が聞こえた。  
 いや、実際は聞こえなかったのかもしれなかったが、そう感じさせるほど、異種族同士である2人の行為はとてつもなく淫らに見えた。  
 どうやら、リザードマンにとって人間の陰毛や愛液が物珍しいようだ。  
 執拗にシアのそこを攻め立てまくっている。  
 
「んっ、あっ……ふぁっ……」  
「いつもとは違うさえずりだ」  
 
 今度ははっきりと聞こえる、シアの喘ぎ声。  
 弄られる度に身体をぴくぴくと小刻みに跳ね上がらせ、口を押さえて喘ぐシア。  
 そして、もう我慢できないといった様子で、リザードマンの剛直を握って扱き立てている。  
 
「シア、もう我慢できない……入れて」  
「……尻尾なしと交尾すると、尻尾のやり場に困る」  
 
 シアは四つんばいになり、愛液でテラテラとぬめった秘所を、両手で広げて見せた。  
 とろとろと粘り気のある愛液が滴るのが、篝火に照らされここからでもよく見えた。  
 だが、どうやらリザードマンは戸惑っているようだ。尻尾を当てもなく彷徨わせている。  
 このときは知らなかったけど、どうやらリザードマンは交尾の際、尻尾と尻尾を激しく絡み合わせるそうだった。  
 
「シアの脚でも身体でも、好きなところに巻きつけて……」  
 
 シアが何事かを囁くと、リザードマンはシアの脚に尻尾を巻きつけ、それをたくみに使って器用に大きく脚を開かせた。  
 シアの秘所が完全に目の当たりにされた。  
 ひだがぱっくりと口を広げ、ピンク色の穴が何かを求めるようにヒクついている。  
 
「シアの産卵孔は不思議だ。……うー……とても、熱いぞ」  
「……!! 痛い!!」  
 
 影がひとつに重なった。  
 リザードマンが心地よさそうなうめき声を漏らし、少し遅れてシアが悲鳴を上げる。どうやら、リザードマンの剛直が侵入してきたようだ。  
 想像するしかなかったが、あの二股のが同時に入ってきたのだろうか。  
 だとしたら、処女には相当辛いのだろう。  
 あたし自身が処女だから、破瓜の痛みというのはわからない。だけど、あんなものが2本同時に入ってきたら、きっと冒険で負うどんな傷よりも痛いだろう。  
 
「シア、どうしたのだ」  
「……な、なんでもない。続けて……」  
 
 リザードマンは痛がるシアが不思議でたまらない様子だった。  
 それもそうだろう。普通、処女膜があるのは人間やエルフなど、一部の哺乳類と妖精だけなのだ。  
 破瓜という概念のないリザードマンにとって、快楽はわかっても破瓜というのはわからない。  
 最も、人間やエルフの男だって、破瓜の痛みを理解しているものはいないだろう。……他人のことはいえないのだけれど。  
 でも、シアは健気に痛みを堪えて、リザードマンを促していた。  
 両目には涙がたまっているのが、ここからでもわかるくらいだった。  
 
「うーっ……うるぅぅ……!!」  
「ひぐっ!! あぐ……んっ!! はぁんっ!!」  
 
 まるでそれは、奇妙な踊りだった。  
 シアの脚に尻尾を絡めたリザードマンは、踊るような激しい勢いでシアの膣内に剛直を送り出していた。  
 されるがままのシアは、目を見開き、また硬く瞑り、苦痛に呻いていた。  
 あそこまでいったら、愛液は潤滑油の役割を果たしていないだろう。遠目でわかるくらいに、シアの出血は激しかった。  
 リザードマンの剛直が往復するたび、血の混じった愛液が飛び散り、太ももに血の筋が作られていく。  
 
「シア、不思議だ。今までのどのアルラッハとも違う……!!」  
「うぐぅ……!! ひんっ、ああっ……き、気持ちいいのか……?」  
「よくわからない……だが、とても熱くて、きついぞ」  
   
 2人の行為はどんどんとエスカレートしていく。  
 リザードマンはすでに立っているのもやっとなのか、シアの身体に覆いかぶさるように腰を動かしている。  
 シアも、痛みはまだあるらしいけど、こなれてきた様子で、リザードマンに語りかける余裕が出来てきたらしい。  
 何事かを囁き、苦痛で歪む顔に小さな微笑を浮かべた。  
 
「シアの尻尾も、不思議な感じだ」  
「や、やめて! そこは排泄孔……!!」  
 
 リザードマンは再び身体を起こすと、シアのお尻をぺたぺたと撫で回し、自分たちなら本来尻尾があるそこを大きく左右に押し広げた。  
 肛門が丸見えになり、さすがにシアも羞恥を覚えて、真っ赤な顔で拒否反応を示した。  
 しかしリザードマンには、やはり羞恥の感情がないらしく、不思議そうな顔でシアのお尻を広げたまま、興味深げに肛門をいじっていた。  
 そんな常識を逸脱した光景に、あたしはすっかり本来の目的を見失っていた。  
 
「……んっ!」  
 そして、気づけば丸出しのままだった自分の秘所に指を伸ばしていた。  
 2人の生殖行為に、すっかりそこは濡れそぼっていた。  
 薄い陰毛を掻き分け、真っ赤に充血した肉豆を包皮の上からいじり、愛液を垂らす膣口を指の腹でこする。  
 エルフの繁殖力が低いのには、ひとつの理由がある。  
 他の動物のように繁殖期があるわけでもなく、人間のように年中発情しているわけでもない。  
 こうして、性衝動に駆られるということが、滅多にないのである。  
 だけど、たまにこうして、どうしようもなく発情するときがある。  
 時期の問題や他人に影響されてなど、いろいろと理由があるがあるけど、ひとつだけ共通していること。  
 
「ふぁっ……!!」  
 それが、今まで堪えていたものが一気に爆発したように、淫乱になってしまうことだった。  
 あたしは左手で口を押さえ、嬌声を押し殺しながら自慰に耽った。  
 木に背中を預け、肉豆の包皮を剥き、直に押しつぶすように弄繰り回す。  
 膣口の入り口で指をこねくり回し、たっぷりと愛液を滲み出させると、それを肛門にまぶし始める。  
 こんなときでも、自分の指で破瓜してしまうかもしれないという不安だけは残っていた。  
 そこでこの淫乱な頭がはじき出した回答が、肛門を使うことだった。  
「うああぁぁぁ……!!」  
 潤滑をよくした肛門に、小指がぬぷぬぷと飲み込まれていく。  
 普段なら絶対に考えも付かないことだった。本来なら汚物を出すための器官に、指が侵入していくなんともいえない感覚。  
 背筋を何かが駆け上がっていく。  
 
「シアっ、シアっ……!!」  
「ふぐっ……あっ、ひぁんっ、んんんっ!!」  
 
 ちらりとシアたちの様子を伺うと、向こうはそろそろ終わりに向かっているようだった。  
 さっきまでシアのお尻をいじっていたリザードマンは、尻尾と手でしっかりとシアの腰をつかむと、今までに増した勢いでピストン運動をしていた。  
「ぁぁん……!!」  
 それを見て、あたしも段々と上り詰めてくる。  
 にゅぷるっ、と肛門から小指が抜け落ちる。次は人差し指を入れてみた。  
 一番細い小指とは違って、意外なほど段違いな異物感があった。入り口で侵入が止まってしまう。  
「ふぅぅぅ……んっ!!」  
 それでも無理やり、ねじ込むように人差し指を押し入れた。  
 たったそれだけで、お腹がパンパンになったような錯覚に陥る。そのままなじませるように、何度か指を出し入れしてみた。  
 引き抜くだけで肛門がめくれ上がりそうになり、押し込むと口から内容物があふれ出してきそうな圧迫感。  
 最初は不快だと思ったそれが、行為を繰り返すうちに段々と快楽へと変わってきた。  
「あっ、ふっ、はふぅ、ひんっ!!」  
 段々と声が上ずってきた。我慢しきれないほどの快楽。割れ目から止めなく溢れ出す愛液。  
 
「よし、出すぞシア――!!」  
「!! ひぁぁぁぁぁ―――ッ!!!」  
 
「……んんんんん―――ッ!!」  
 ぷしゃああああああっ!!  
 
 向こうで、シアの悲鳴があがった。  
 そして、あたしも押し殺した絶頂の悲鳴を上げた。  
 シアのほうは、リザードマンの剛直が最奥部に突っ込まれ、大量の精が解き放たれたようだ。  
 ここから見えるだけでも、大量な白濁液が痛々しく晴れ上がった膣口から逆流してきている。  
 あたしのほうは、そんな光景を見つめながら、ぐったりのその場に尻餅をついた。全身の力が抜け、本来の目的であったはずのおしっこが自分の意思とは関係なくあふれ出し水溜りを作った。  
 ぬぷりと肛門から指が抜け落ちる。その指から、地面に出来た大きな水溜りから、あまり嗅ぎたくはないツンとした異臭が漂っている。  
 あたしは数年ぶりに味わった心地よい絶頂に浸りながら、しばらく夜風に吹かれていた。  
 
 
 あたしが知っているのはそこまでだった。  
 気づいたらシアとリザードマンの姿はなく、我に返ったあたしは羞恥心で死にそうなりながら後始末をし、そそくさと寝床に戻った。  
「大丈夫だよ、大丈夫」  
 シアは膨らんだお腹を優しく撫でながら、微笑んでいる。  
 シアにもそれが太ったのではないことなど、わかっているのだろう。  
 だけどあたしは不安で仕方がなかった。  
 シアのお腹にいる子は、いったい何者なんだろう。  
 人間の赤ちゃん。リザードマンの卵。  
 それとも、人でもリザードマンでもない異形。  
 あたしはそれが生まれてくる日を想像すると、恐ろしくて仕方がなくなるのだった――。  
 
 
(イシュハー……お前とは交尾できなかったけど、お前の血はこれで受け継ぐことが出来る)  
 シアは能天気に笑う内心で、今は亡き大好きだったリザードマンの姿を思い浮かべていた。  
 ゴブリンとの抗争で死んでいった幼馴染のリザードマン。  
 交尾の約束をしたが、それが果たされることなく死別したリザードマン。  
 だが、シアはイシュハーの血を受け継いだ子をその身に宿すことが出来た。  
 イシュハーが最後に交尾し、別のメスが産み落とした卵から生まれた子と繋がり、この子を孕めたから。  
 産卵場に産み落とされた大量の卵からイシュハーの子だけを見つけ出したのは、まさに愛の力だった。  
 だが、イシュハーの血が混じっているとはいえ、そのリザードマンはイシュハーではない。  
 それでも、シアはそのリザードマンと交わった。  
 人間独自の感情が、どこかで歪んでしまったのかもしれなかった。  
(イシュハー。やっぱりわたしは尻尾なし……だけど、お前の子を孕むことが出来た。やってみないとわからない……もっと早くやっておけばよかった)  
 それでも、シアは愛おしそうにお腹を撫でた。  
 それは一途な愛情なのか。それとも自己満足。現実逃避。  
 シアの感情を表す言葉はいくつもあったが、それらはすべてリザードマンにはない感情。  
(……この子が生まれたら、イシュハーと名づけよう)  
 シアの心が正常なのか異常なのか、それはフィリアンにはわからなかった。  
 だけどひとつだけ、今のシアを表現するとするならば。  
「母性、か……」  
 フィリアンは呟き、優しくお腹を撫で続けるシアを見つめるのであった。  
 

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