「あぁ〜〜ん、エキュー、そこ、そこがいいのぉ……」
「ハァハァ、マウナさん、締め付けすぎですぅ」
テントの中で繰り広げられる、エキューとマウナの絡み。
女5人が同時に寝れるくらい広いテントだとはいえ、隣でそんなことやられて気づかないほど鈍感なイリーナではなかった。
(うわー、うわー! マウナったら、こんなところでしちゃってる)
内心できゃーきゃー言いながら、イリーナは目を開けるとこっそりと2人を盗み見る。
(………)
だが、何も見えなかった。
このテントには窓がない。隣で眠るプチーナやロリーナたちなら暗がりでもなんとか見えるが、少し離れると何も見えなくなる。
月明かりも入ってこない暗がりで、2人は何の明かりもなく抱き合っていたのだ。
(インフラビジョン……)
精霊使いならではのプレイだった。
きっと、2人の目には互いの股間がガンガンに熱くなって見えていることだろう。
ともかく、無意識ながらのデバ亀を封じられたイリーナだったが、それでも声と音だけはイヤでも聞こえてくる。
「イリーナたちに聞こえちゃう」
などと言いながらも激しく腰を動かしているらしい水音。
むしろ、見られて興奮を覚えているのではないだろうかと疑いたくなるほど、激しい。
「ままー? マウナたちはナニをしてるんでし……むぐっ」
「!!」
イリーナは、隣で眠っていたはずのプチーナが起きだしていることに飛び上がらんばかりに驚き、あわててその口を塞ぐ。
「あふぅ〜ん」
「あうぅ〜」
だが、2人は秘め事に夢中で、こちらにまったく気づいていない。
こんな密閉空間の中でよくそこまでのめり込めるものだ。
(プチーナ、し〜〜っ)
(しー、でしか)
イリーナは声を潜め、唇に人差し指を押し当てる。
プチーナはそれを真似、意図を察知したようで声を潜めた。
(ねぇ、まま。あの2人はなにしてるんでしか?)
(な、なにってそれはその……)
無垢な瞳がイリーナを見上げる。
どう答えてやるべきか。イリーナが思い悩んでいると、
(あっ、見てください。エキューのチンチンがマウナのマンマンに入ってまつ!)
(ぶーっ!!)
イリーナは噴き出しそうになるのを必死に堪えた。
(ぷ、プチーナっ! そんな言葉、いったいどこで……!)
(ヒースぱぱが教えてくれたんでし。プチーナもどんどん大きくなっているから、そういった知識も必要だろうっていってまちた)
いったいあの男は何を教え込んでいるのだろう。
確かに、プチーナは人間で言うと10歳前後くらいまでには成長していた。しかし、だからといってアルラウネに人間の生殖行為について教えなくてもいいだろう。
イリーナはあとで鉄拳制裁などと考えていたが、実際のところは、ヒースがどこぞから手に入れてきたエロ本(アレクラストにそんなものねぇ、とかいう突っ込みはなし)でハァハァしているところにプチーナに乱入され、誤魔化すために保健講座を行っただけである。
どっちにしろ、ごまかしでそこまで詳しく教える必要もないわけだが。
(と、とにかくそういうのは恥ずかしい言葉だから、無闇に口にしたら……)
(わたちにもマンマンありまつよね。ここにチンチン入れたらどうなるんでしか?)
と、プチーナはイリーナのお説教も軽く聞き流し、ぺろりと貫頭衣の裾をめくる。
(こ、こらぁ……って!)
プチーナはなんにでも興味を覚えるお年頃なのだろうか。水浴びの際に濡れてからパンツを履いていないそこに手を伸ばしていた。
ちゅ……。
(!!)
イリーナの耳に微かに水音が届く。マウナのものではない。もっと近く、つまりプチーナの股間からだ。
(わっ、まま、わたちのマンマンが濡れてまつ! おもらちしちゃったでしか?)
(ぷ、プチーナたちも濡れるんだ……)
などと、人体ならぬモン体の神秘に軽く驚愕しながらも、イリーナは声を潜めたまま続ける。
(おもらしじゃないよプチーナ。それはその、なんていうか……そう、男の人を受け入れる準備ができた証拠……って、何正直に!)
どうにかして誤魔化そうと思い、頭からチンチンとかそういった幼児語を追い払った結果、下品ではないがバカ正直にその液体の性質を教えてしまっていた。
ファリス信者はバカである……じゃない、正直者がバカを見る? なんか使い方が違う気がするけど、とりあえずイリーナがドジったことには違いはない。
(そうなんでしかー。受け入れるとどうなるでし? プチーナも受け入れてみたいでし)
(ああああああ!! そうじゃなくてぇー! ていうか仮にも女の子なんだから軽々しくそういうことを言っちゃいけません!)
興味津々な瞳でイリーナを見上げるプチーナ。
イリーナはお説教しながらもどうしたものかとあわあわ混乱するばかりだ。
(受け入れるってことはエキューたちみたいに、マンマンの中にチンチンを入れるんでしよね)
しかし、そんなイリーナをよそにプチーナの好奇心はどんどん膨れ上がっていく。
濡れ始めた割れ目を、自分の手でぐにぐにと弄りながらどうやってそれが入っていくのかを調べているようだ。
(あっ、穴が開いてるでし。ここにチンチンが入るんでしね!)
見つけるが早いが、プチーナはつぷつぷと膣口に指を押し入れていった。
(あああああ!! ダメっ、ダメダメ! そんな乱暴に扱っちゃいけませーん!!)
処女膜が傷ついたらどうするの!と思ったが、仮にも植物型モンスターであるアルラウネに、処女膜など存在しない。
(じゃあどうすればいいんでしか?)
イリーナに腕をつかまれ、ちゅるんと膣内から指が抜け落ちる。
プチーナは自分の割れ目と指、イリーナの顔を順に見比べてたずねた。
(そ、それは………)
このまま「寝なさい」と無理やり寝かしつけても、これだけ興味津々のお年頃だ、こっそり起き出していじくり出すかもしれない。
最悪、いまだにギシアンやってるエキューとマウナに乱入していくかもしれない。
それなら、いっそ自分が……。
(ああ、ファリス様。これは年頃の娘に親として大切なことを教えてあげるのです。決して疚しい気持ちとかは!)
などと懺悔じみた祈りをファリスに捧げ、イリーナはプチーナの身体を後ろから抱きしめた。
(じゃあママがやってあげるから、もう自分でいじっちゃダメだよ?)
(はぁーい。わかりまちた!)
本当にいいのだろうか。まだためらいはあったが、勝手も分からず自分でやって傷つきでもしたら大変だ。
納得させる理由を無理やりいくつも作り出してから、イリーナはプチーナの股間に手を伸ばした。
ちゅく……。
(ひゃ。くすぐったいでし)
(あっ。プチーナ、声が出そうになったらこれを噛んで)
イリーナはハンカチを差し出し、それを握らせる。迂闊に声でも上げられたら、エキューたちに気づかれかねない。
「あふぅ〜〜ん、らめぇ!」
「マウナさん、マウナさぁぁん!!」
(………)
いや、むしろその言葉はそっくりそのままエキューたちにパスするべきだろう。
こっちのことなどアウトオブ眼中だとでも言いたいくらい、大声で喘ぎあっている。
(と、とりあえず)
イリーナは気を取り直し、ゆっくりと手を動かし始める。
わずかにぬめり気のある愛液が指先に感じられる。
くちゅ、にちゅ、くちゃぁ。
(んふっ……くすぐったいけど、なんかヘンな感じもちまつね……)
プチーナが腕の中で身じろぎする。感じているようだ。
(身体は小さくても、中身は立派なんだなぁ……)
そこが人間との違いなのだろう。一般的に、モンスターは早熟である。
ゴブリンなどは見た目ではわからないが、実際にプチーナくらいに成長すれば、普通に生殖し繁殖できるのだ。
ロリーナだって、まだ繁殖するまでには至らないだろうが、そのための機能はもう備わっているはずだ。
もっとも、イリーナにはアルラウネがどうやって生殖して子供――種を作るのかまでは知らなかったが。
(あっ、まま、そこなんか痺れまつぅ……)
(アルラウネにもあるんだ……)
イリーナが無意識にいじっていたのは、クリトリスだった。自ずと自分がオナニーするときと同じ手つきになっていたようだ。
(えっとね、プチーナ。ここは女の子が一番気持ちいい場所だよ。だけど刺激が強いから、乱暴にしたらダメだよ)
耳元で囁きながら、優しく指の腹でクリトリスをこすってやるイリーナ。
そのたびにプチーナの身体がぴくんぴくんと震え上がる。
(はぁい……あひゃっ!)
いじくるたびに、どんどん愛液が溢れ出してくる。
小さな割に、自分とほとんど変わらない量だ。
(そして、このねばねばのおつゆが出てきてる穴が、男の人が入るところ……もっとも、プチーナたちはどうやるのかは知らないけど)
イリーナは、まずくにくにと入り口で指を動かし愛液を指になじませてから、穴を押し広げるように指を1本だけ侵入させていった。
(あぁ……まま、指がはいってくるでし。さっき自分で入れたときより、なんかジンジンちまつ!)
(プチーナの中、キツいね……)
比べる対象が自分しかないのだが、ヒースに仕込まれたイリーナは、今では指3本くらいなら入ってしまう。
それに比べて、プチーナの中は1本がやっとで、しかもそれをきゅうきゅうと激しく締め付けてくる。
これがもし、自分の股間に繋がったジュニアだったら、1分も持たないだろうと思う。
(プチーナ、動かすね)
イリーナはゆっくり、プチーナの膣内で指を動かし始めた。
他人の勝手はわからないが、自分がやられて気持ちいいように。いつもヒースにされているのを、自分で慰めているのをトレースしながらゆっくりと。
ぐちゅ、びちゃ、にちゃり……。
(あふっ、あんっ、ひん……まま、ままぁ)
どんどんプチーナの愛液の分泌量が増えていく。プチーナ自身も感じているようで、潜めていた声がだんだんと大きくなり始めていた。
(んふっ……くふっ、あふっ!)
すると、プチーナはイリーナに言われたとおり、ふるふると震える手でハンカチを握り締めると、それを口へと運んでぎゅっと噛み締める。
(プチーナ、偉いね)
イリーナもこの雰囲気にのってきたのだろうか。
くすりと微笑むと、プチーナの膣内に突っ込んだ指を出し入れしたり、中を軽く引っかいたり、耳を舐めたりしながら与える快感を高めていく。
(んっ、ひぅ、あふぅ、あはぁ)
そのたびにプチーナの反応は大きくなり、身体が大きく震え、膣内が収縮していく。
(ままぁ、な、なんかきそう、きちゃうでしぃ〜……)
(プチーナ、イっちゃいそうなんだね)
イリーナが指の動きを早くする。
プチーナがされるがままに弄繰り回され、快楽に耐え切れずお尻をイリーナの股間にこすり付けて悶えている。
さらにイリーナは無防備なぺったんこおっぱいに手を伸ばし、すでに硬くなっていた乳首をコリコリと摘みあげる。
(あふっ、あああっ、いひゃあああ!! イ、イっちゃうって、こういうことでしか!? まま、ままっ、プチーナ、イっちゃうでしぃぃ!!)
(うん、イって、プチーナ。いっぱい気持ちよくなって!)
イリーナが巧みに乳首とクリトリスを同時に攻め上げた次の瞬間。
(あにゃああああああ!!!)
びくんっ、びくくっ、がくがくっ!!
ぷしゅうううっ!!!
プチーナがハンカチを目いっぱい噛み締め、全身を痙攣させながら愛液を噴き出し絶頂を迎えた。
ビリリ、と小さな音を立ててハンカチに亀裂が走る。
(あふぅぅ………)
プチーナは朦朧とした目で惚けていたが、やがてすやすやと寝息を立て始めたのだった。
(あは……あんなに乱れてたとは思えない。寝顔はかわいいなぁ)
イリーナはまさに娘を思う母の目でプチーナの頭を撫で、毛布をかけてやった。
「イクぅぅぅ、エキュー、またイっちゃうわ!」
「マウナさんっ、何度でも出しちゃいますよ! せっかくなら赤ちゃん作っちゃいましょうよ!」
(………)
エキューとマウナは相変わらず、愛し合っていた。
……お前らいったい、何ラウンド目?
そして翌日。
朝起きてみると、チビーナがいないことに気づいた。
不安になって探してみると、前回参照、素っ裸のヒースとチビーナがみつかった。
「ひっ、ヒース兄さんっ!!」
人目で状況がわかった。ヒースがチビーナを襲うなどとは考えられない。大方、暗がりで自分と間違えて襲い掛かったのだろう。
しかし、そこで唐突に昨夜自分がプチーナにやったことを思い出す。
(ああぁぁぁぁあぁあうあうあうあう!!!)
とたんに羞恥と後悔が押し寄せる。娘のような存在に、なんてことをしたんだろう。
これでは自分はヒースと同じではないか。
「あああん、もう、バカーッ!!」
イリーナは自分に対するやり場のない感情を、ついついヒースにぶつけるのであった。
「はぎゃああああ!!」
「えーん、わたしもバカー!!」
そしてその後、ゴンゴンと木に自分の頭を打ちつけるイリーナが目撃された。
もちろんというかなんと言うか、イリーナの額が割れる前に木がへし折れたわけではあったが。
ちなみに余談だが、プチーナは何事もなかったようにけろりとしていた。
なんにでも興味を示す年頃だが、どうやら興味を失うのも早い年頃のようだった。