「ひゃあ、冷たいですね〜」  
「ホント、気持ちいいわねー」  
「水浴びなんて初めてでつ!」  
「水を飲むのとはまた違った感じでいいでち」  
「冷たいでし〜」  
 人里から少し外れた湖に、三者三様の歓声が響き渡る。  
 季節は夏真っ盛り。  
 ヤスガルンのヴァンパイアも倒し、それからは結構まったりとした冒険を続けてきたへっぽこーずは、まったりムードを引きずったまま夏休み気分というワケである。  
 ちなみに現在湖で戯れているのは、イリーナ、マウナに始まり、チビーナ、プチーナ、ロリーナのアルラウネ姉妹である。  
 ついでに言うと、分かりにくいからこっちで勝手に語尾を変えることで区別してある。  
 でつ→チビーナ、でち→プチーナ、でし→ロリーナ。  
「ヒース兄さんたちも早く早く〜!」  
 湖の中からヒースたちを呼ぶイリーナ。  
 断っておくが、イリーナたちはちゃんと水着らしきものを身に付けている。  
 決して素っ裸で乱交パーティとかではない。  
「お、俺様は体力の限界だ……」  
「ま、マウナさぁ〜〜ん……ああ、やっぱ疲れた」  
 呼ばれたヒースは全身汗だくで湖岸にへばっていた。ついでにエキューもだ。  
 ここまで大量の荷物を持たされたせいである。  
「ぶるるん」  
「情けないなー、ヒースもエキューも」  
 そんなヒースとエキューを見下ろし、ノリスが笑っている。その横には、荷馬のはずのジェイミーもいる。  
 馬がいるのになぜヒースたちが荷物を持たされたかというと、理由は簡単である。  
 旅にはお約束、ジャンケンで負けた人が荷物を背負うというゲームをマウナが突然提案したからだ。  
 果たしてアレクラストにジャンケンがあるのかは分からないが、異常な負け率を誇ったヒースとエキューというわけだ。  
「ま、そこで休んでおれ。体力が回復したらこっちへこい」  
「水はここにおいておきますぞ」  
 ドワーフ2人組みも冷たいもので、そういうとさっさと湖のほうへ向かっていった。  
 どちらも服を着たままだ。ドワーフにはあまり水浴びの風習はないのかもしれない。  
「それにしても、あのエキューが珍しいわね。疲れを押さえ込んででも飛び込んでくるものかと思ってたけど」  
 ちなみにこのお話では、ヒーイリは当然としても、エキューマウナ的カップリングで進めようと思う。  
「そうですねぇ。ヒース兄さんも意外と大人しいですし……言いだしっぺなのに」  
「まぁ、あいつらもそこまで露骨じゃないわね、きっと」  
 
「だが俺は露骨にエロいのだ」  
 どこぞの傭兵スナイパーっぽいセリフを吐き出し、ヒースは邪悪な笑みを浮かべた。  
 すでに日は落ちていて、湖岸にはテントが立てられている。  
 夕食も済んでいる。  
 こんな時間に、夜這いでもしようというのだろうか。  
「チッチッチ。甘いな。夜這いの前にも、することがあるだろう」  
 ヒースはレンジャー技能をふんだんに使って忍び歩く。  
 茂みに身を伏せ、葉っぱひとつ揺らさず、慎重に目的地へと進む。  
 幸い、どこぞの温泉のようにトラップのひとつも設置されていない。当たり前といえば当たり前である。  
 ばしゃっ、ぱしゃっ。  
 ヒースの耳に水音が聞こえてきた。目標はもう近い。  
「今日は楽しかったですねー」  
「そうねぇ。もうクタクタよ」  
 イリーナとマウナ、そしてアルラウネーズがはしゃぎ回る声が聞こえてきたところで、ヒースは茂みに小さな隙間を作った。  
 覗きこむと、一糸纏わぬ姿で水浴びする女性陣の姿があった。  
「ザ・覗き!」  
 ヒースは口の中で叫んだ。  
「水着なんてヤボったいもの……いや、まぁあれはあれでよかったけど……やっぱり覗くなら裸だろう」  
 妙な理屈をこねて、わざわざ夜、水着を脱ぎ捨てて水浴びをするその機会を待っていたわけである。  
 昼間、ろくすっぽ遊びもせずに。  
 断言しよう。こいつはバカだ。  
「バカで結構。そのおかげでこの光景を拝めるのだからな」  
 そういって覗きを続行するヒース。  
 いつもベッドの中で見るのとはまた違った味わいがある。女同士ということで惜しげもなく裸体を晒している。  
 やっぱりイリーナの関心は、ハーフエルフらしからぬマウナの微巨乳であり、うらやましそうに鷲づかみにしている。  
 マウナもそんな行為に慣れた様子で、はっはっはとふんぞり返って笑っている。  
「おお……これはこれは」  
 ヒースが感嘆の声を漏らしたときだった。  
「……!! そこっ、誰かいるわね!!」  
「……!! やべっ」  
 突如、マウナの鋭い声が響き渡った。一瞬の油断が、ヒースの行動を遅らせた。  
 マウナが石礫を拾い上げ投擲する。しかし、ヒースの潜んでいるところとは違う、あらぬ方向へと石は飛んでいく。  
 パカーンッ!!  
「あいてっ!!」  
「……?」  
 だが、その石は寸分たがわず目標に命中した。  
 虚空にぶち当たってぼちゃんと石が水面に消えると同時に、じんわりとエキューの姿がにじみ出てきた。  
「……インビジか」  
 ヒースはほっと安堵の息を吐き出した。  
 エキューは眉間からだくだくと血を流しながら水面に浮かんでいる。  
 よく見れば素っ裸だ。何をしようと思っていたのだろうか。  
 
「ったく、エキュー! こんな詰まんないことして……大人しく待ってなさいよ」  
 腰に手を当てずかずかとエキューに詰め寄るマウナだったが、最後のフレーズだけは赤面気味に耳元でささやくだけだった。  
 その一言で、まるでゾンビのようにがばっと起き上がったエキューが、  
「ママママ、マウナさんっ!! 待ってますっ、待ってますからこの傷を癒してくださいっ! 具体的にいえば口移し的ヒーリングで……わいたっ!!」  
「調子に乗るな」  
 マウナの必殺デコピンが、石で抉られた額の傷にクリーンヒットする。  
「退場!」  
「はーい……」  
 エキューは前を隠してすごすごと退散した。  
「やれやれ……人騒がせなバカだ」  
 ヒースは茂みの中で肩をすくめる。  
 ガゴオオオンッ!!  
「ヒイッ!?」  
 そんなヒースの傍らに、巨大な岩石がぶち当たった。土煙を巻き上げ、土砂を撒き散らす。  
「ヒース兄さん? 何やってるんですか?」  
「い、いりーなサン……」  
 ヒースが気づいたとき、目の前には笑顔のイリーナが仁王立ちしていた。  
 片手には今しがた投げたものと同クラスだろう、巨大な岩石が。タオルすら巻かず、貧乳とわずかな陰毛を晒したままだったが、それが逆に怖い。  
「覗きですか?」  
「い、いや俺はたまたま通りかかったところで……」  
「そうですか。じゃあわたしが水切りでもやろうと思って投げた石が、たまたまあらぬ方向へ飛んだとしても文句はないですよね?」  
 笑顔のまま、岩を万力のような力で掴んだまま、サイドスローで素振りをするイリーナ。  
「いやいりーなサン、水切りというのはもっと平べったくて小さい石でやるもんだと……ていうかそれは岩だろう!」  
「何か言いましたか?」  
 ヒュ―――ッン!! ガシャッ、バシャッ、ゴシャッ、バッシャアアアアンッ!!  
「どひぇぇぇぇ……」  
 イリーナが岩をサイドスローで水面に向けて投げた。  
 岩はワンバウンド、ツーバウンド、スリーバウンドしてから水柱を立てた。どう見ても、水面ではなく湖底でバウンドしている。  
「退場しますッ!!」  
 そんなものを見せ付けられては、さすがのヒース師匠も逃げ出すしかないのであった。  
 
「まったくもう」  
「なんていうか、男って単純ね」  
 イリーナとマウナが、それぞれのパートナーを追い払い、腰に手を当てため息をつく。  
「まま、どうしたんでつか?」  
「あっ、な、なんでもないよチビーナ」  
 さっきまで姉妹たちとはしゃいでいたはずのチビーナが、首を傾げてこちらを見ていた。  
「それにしても……アルラウネってやっぱり成長が早いわね」  
 そんなチビーナを見つめ、マウナはしみじみと呟いた。  
 そう。チビーナたちはそれぞれ、少しずつ成長していたのだ。  
 まずはチビーナ。  
 全世界のロリー人を敵に回すかのように、一番すくすくと成長していた。  
 身長はほとんどイリーナと変わらないし、胸の大きさといいお尻の肉付きといい、完全にイリーナのコピーだ。双子の姉妹といっても納得できるくらいだろう。  
 ただひとつオリジナルと違うところは、股間が無毛であることだけだった。  
「ままー、背中洗ってほちいでちー」  
「あ、はいはい〜。待っててね」  
 プチーナは、ほどほどに成長していた。  
 身長はイリーナの胸に届くか届かないか。まだまだ子供の域を出ていない。  
「でし?」  
 ロリーナはほとんど成長していないも同然だろう。  
 名前の通り、一番のロリ度数をキープしている。チビーナいわく、「ちっちゃな姉妹」の称号も伊達ではないようだ。  
「あーん、やっぱりロリーナが一番可愛いわ」  
 マウナは姉妹たちを見比べ、頬を緩ませてロリーナを抱き寄せた。  
「わわっ。どうしたんでし、マウナー?」  
「ん〜、なんでもないのよ〜。ちょっとアンタが可愛すぎなだけよ〜」  
 マウナはニヤけたままスリスリとロリーナに頬ずりする。  
 ほんの少し、精霊使いとしての力を解放すれば分かるのに、こうしているだけでは植物モンスターとは思えないほどの肌触りだ。  
「んーにー」  
 ロリーナは喜んでいいのか困っていいのか分からず、されるがままにスリスリされ続ける。  
 さらにマウナのおっぱいでパフパフまふまふされて、すっかり愛玩状態である。  
「うにゃあー……まうなー」  
「ん〜? なーに、ロリーナ?」  
 エスカレートしはじめたマウナは、ロリーナのほっぺたにちゅーちゅーしていた。  
「なんか、おまたがむずむずするでしー」  
「ん……?」  
 マウナはロリーナを解放し立たせると、足を開くように言った。  
 ロリーナは素直に言われたとおりに従う。マウナは覗き込むようにロリーナの割れ目を見上げた。  
「あら……ロリーナったら、濡れてるじゃない?」  
 アルラウネが愛液を分泌するなんて初耳だ。  
 マウナは試しにロリーナの割れ目に指を這わせてみた。  
 ぬちゃ……  
「ひゃあっ!」  
 指先に愛液よりも少し粘り気のある感触が伝わり、水音が鳴った。  
 遅れて、びくっと身をすくめて悲鳴をあげるロリーナ。  
「あらー……こんなにちっちゃくても感じるのね……。余計にモンスターだとは思えなくなってきちゃった」  
 マウナはその反応ににんまりと微笑を浮かべた。  
 そして、悪戯心が湧き上がってきた。  
「まうなー、なんか変でしー」  
「じっとしてロリーナ。今あたしが治してあげるから」  
 
 マウナはロリーナの手を引いて、岩陰へと移動する。イリーナは姉妹たちの背中を流してあげるのに夢中で気づいていない。  
 連れ込んだ岩場にタオルを引き、そこにロリーナを座らせる。  
「はい、ロリーナ。ちょっと足開いてくれる?」  
「はいでしー……」  
 羞恥を知らないロリーナは、言われたとおりにぱかっと足を開く。  
 子供そのものの幼い割れ目が露になる。その中心からはじんわりと愛液が滲み出している。  
「どれどれ。じゃあまず触診するわね」  
 マウナは好奇心で満ちた視線でロリーナの割れ目を眺めながら、指を伸ばした。  
 にちゅ……ねちゃ……。  
「んひっ……まうなー……ヘンな感じでしー」  
 そっと割れ目をなぞると、粘着質な音とともにロリーナが身をよじる。  
「これは女の子なら必ずそうなることだから、慣れておかなきゃダメよ」  
 最もらしいことをのたまり、マウナはどんどん指を動かしていく。  
 にちゃ、ねちゃ、くちゅる、ちゅぶちゅぐ……。  
「はふっ、あんっ、ひゃああ……」  
 上下にこすったり、ぐりぐりこね回したり。そうするうちにどんどん愛液の分泌量が増えてくる。  
 程なくしてマウナの指はぐちょぐちょになってしまった。  
「あらあらー。大洪水ね。ちょっときれいにするわよ、ロリーナ」  
「ふ、ふぇー……きゃふうっ!!」  
 マウナはロリーナの太ももを両手で押さえると、割れ目に顔を近づけてぺろりと舌で舐めあげた。  
 とたんにロリーナの身体がえびぞりになり、びくんと大きく震える。  
「ん……甘。愛液っていうより……んちゅ、ぺちゃ……花の蜜みたいね……ちゅぷ……」  
 マウナは口の中に広がる甘い味に、ますます舌を激しく動かして愛液を掬い取った。  
 蜂蜜なんかよりもずっと甘くて口当たりがいい。ひょっとして、金目の猫がマンドレイクの種を奪ったのは、薬になる以外にもこのことを知っていたからではないだろうか、と疑いたくなるほどだ。  
「ふあああ……まうなー、まうなー……おまたの奥がじんじんするでしー」  
 マウナが舌を動かすたびに、ロリーナは身体をびくびくさせ、前屈するようにしてマウナの頭を掻き抱いた。  
 頭にしがみつかれてもマウナは止めようとせず、ついには指を使ってロリーナの割れ目を広げ始めた。  
 そこには人間と同じように、ぽっかりと膣口が広がっていた。  
「処女膜はないのね……当たり前か」  
 処女膜があるのは人間と亜人種、一部の動物だけである、と以前聞いたことがあるような気がする。  
 人間を模しているとはいえ、さすがに生殖器までは完全にコピーできないようだ。  
 そもそも生殖機能すらないというのに、なぜ穴だけは開いているのだろうか。  
「……ま、いっか。気持ちいいみたいだし」  
 快楽のためだけについているとも思えなかったが、自分は学者ではない。そんなことはヒースにでも研究させればいい。  
 自分はロリーナに女の快楽を教えてあげるのだ。などと勝手な言い訳をつけて、マウナはロリーナの膣穴に舌をねじ込んだ。  
「ふひゃあああっ! そ、それっ、なんか気持ちいいでしー……」  
 ロリーナはそろそろ限界が近いようだ。四肢の先端がぴくぴくと振るえ、全身が痙攣するようにしびれ始めてきていた。  
「ロリーナ、もうイっちゃうのね……イっていいのよ、ロリーナ」  
「ふぁぁぁ、イ、いっちゃうってなんでしかー……? あっ、あっ、ふひっ、あひゃっ!」  
 マウナは答えず、代わりに舌で膣内をぐにぐにとこねくり回し、そして指でクリトリスらしき突起を探し当てると、それを指の腹でぐにぐにと擦った。  
「あぁああぁぁっ!! ふみゃあああああ!!!」  
「!?」  
 ロリーナがひときわ大きな絶叫を上げる。  
 ぴゅしっ!! ぴゅるるるるる〜〜〜〜っ!!  
 次の瞬間、ロリーナはおしっこっぽいものを吹き上げながら絶頂を迎えた。  
 しばらくびくびくと身体を震わせていたが、程なくして岩を背中にぐったりと脱力するのだった。  
 
「おい! 今の悲鳴はなんだ………あ?」  
 ロリーナの悲鳴を聞きつけ、ヒースたちが駆けつけてきた。  
 だが、その場に広がる光景を目にして唖然となった。  
「……」  
「……」  
「ままー?」  
「ままー、どうしたんでちかー?」  
「ふぇぇぇ」  
 イリーナが水面からお尻だけを突き出して突っ伏して気絶していた。  
 そんなイリーナを心配そうに介抱するチビーナとプチーナ。  
 マウナは、水面からふたつの山が浮かんでいるかのように胸を突き出しながら目を回している。  
 ロリーナは、岩場に腰掛けて幸せそうな顔をしている。  
「な、なんなんだこりゃ?」  
「……さぁ?」  
 マウナはすっかり忘れていた。  
 ロリーナたちアルラウネの絶叫には、人を気絶させる力があるということを。  
 

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