ヒース先生の雑学講座。
第1回:アルラウネの受粉について。
アルラウネ。植物型モンスターである。
同種族マンドレイクの上位種にあたり、マンドレイクに人間の血を与えることによって生まれる。
性格はその血の持ち主に影響され、ほとんどその人間のコピーになるといって過言ではない。
アルラウネは植物であるから、繁殖方法も植物のそれと似ている。
即ち、雄蕊の葯(やく)の中で作られた花粉が、雌蕊の柱頭につくことで受粉され、受精にいたる。
まぁこれは科学の授業ではないのでそのへんの説明は省くが、要するに雄蕊と雌蕊がくっつき合えばいい。植物版セクロスである。
普通の植物は自力で動くことが出来ないため、ほとんどの場合、受粉は何か他のものを媒介して行う。
花粉を風に乗せる、蜜を吸いにきた昆虫に付着させるなどである。
だが、アルラウネは自力で動き回ることが出来る。
そういった場合、果たしてどうやって受粉するのだろうか。
ここに実験体を用意してみた。
「はふぅぅぅ……」
シュクバの森の中、熱っぽいため息をつくアルラウネがいた。
実験体その1、チビーナである。
チビーナは前回の話(注:湖岸キャンプ話)の設定を利用するため、顔つきや性格だけでなく、身長から体型まで血を与えたイリーナに限りなく近くなっている。
「どうしたでし、チビーナ?」
そこへチビーナの姉妹であるプチーナがやってきた。実験体その2である。
まだまだチビーナよりも頭1つ分ほど小さいが、こう見えてプチーナはすでに受粉できるくらいに成長していた。
もう1人の妹、ロリーナだけがまだ受粉も出来ないお年頃である。花にたとえるなら、まだ蕾なのだ。
「ちょっと、身体が疼いてるんでつ……」
チビーナの自我では、その疼きがどこからくるのかいまいちわかっていなかった。
どうやら、生殖行為に関する知識がないあたりもイリーナに似ているらしい。そのはずだ、血を与えたとき、イリーナはまだヒースと今のように濃い関係ではなかったから。
だが、季節は春。アルラウネの本能が、子孫を残そうとフル活動しているのである。
「? チビーナ、なんか服が膨らんでるでしよ?」
プチーナが心配そうに近づくと、チビーナの貫頭衣の下腹部あたりが不自然に膨らんでいることに気づいた。
「朝からこうなんでつ」
「ヘンでしねー?」
プチーナは首をかしげながら、好奇心でチビーナの服をめくりあげた。
「きゃあ!?」
「あっ、プチーナやめるでつー!」
次の瞬間、ビンッ、とプチーナの手を振りほどくようにそれが跳ね上がった。
チビーナの顔や身体に似つかわしくない、直立したブツが聳え立っていた。
これこそがチビーナジュニア、アルラウネの雄蕊である。その形状は、まんま男のマグナムだった。
ただし、これでもかってくらい皮を被った包茎だったのだが。
「ふ、ふええええ?」
やはり知識が乏しいプチーナは、それをみて困ったような声を上げた。
しかし、不思議とどんどん身体の奥から何かがこみ上げてくるのがわかった。
全身がかぁっと熱くなる。
「な、なんか変でし……チビーナのこれ見てたら、あたち……」
まるで真夏か、温泉の中にでも叩き込まれたかのように熱い。
プチーナは熱にうなされるかのようにふらふらと、服を脱ぎだした。
全身にびっしょりと汗が浮かび、汗と何かでネトつく下着も脱ぎ去った。
「チビーナ、あたちなんか、ぬるぬるしてまつ……」
プチーナが違和感の正体である樹液のように粘り気のある愛液が滴る股間を弄りながら呟く。
そしてふらふらとチビーナに擦り寄っていく。
「あたちも、なんだかこれがジンジンしまつ……」
チビーナも、プチーナの臭いに惹かれるように、右手で雄蕊をこすりながらプチーナを押し倒した。
植物であるが故、雄蕊と雌蕊を両方持っているアルラウネ。
だが、自分で動けるからといって、自分の雄蕊を雌蕊に挿入することなど不可能だ。
だから、こうして同族のいわゆる発情期にある相手を押し倒して受粉するのだ。
「プチーナ、ここすっごくネトネトしてぐちょぐちょでつ」
チビーナの指がプチーナの割れ目を弄る。
そのたびに奥からどんどん愛液が溢れてきて、指に絡みつく。
この樹液のような愛液は、発情期のアルラウネを引き寄せる臭いを発し、自分と相手に効果が及ぶ催淫作用がある。
「チビーナのこれも、すっごくガチガチで……見てるだけで悶々するでし」
ちょうどシックスナインの体勢を取り、プチーナは割れ目をいじられながらもチビーナの雄蕊を握り、こする。
強弱をつけこするたびに、厚い皮の合間からちろちろと亀頭のようなものが見え隠れする。
そうするたびに、チビーナの割れ目からも次第にトロトロと愛液が溢れてきた。
「あっ、あっ、プチーナっ、もっと強くしてほしいでつ……!」
「チビーナもっ、もっと激しくして……もどかしいでし……!」
2人が互いも更なる快楽を求め合い、互いに口を使いだした。
チビーナはプチーナの割れ目に吸い付き、じゅるじゅるといやらしい音を立てながらその愛液をすすり上げる。
プチーナはチビーナの雄蕊の皮の中に舌を突っ込み、中側からそれを舐めたてる。開いた手も休めず、割れ目をこすり上げている。
「あひゃ!!」
「ひんっ!!」
お互いが快感に引いてしまった腰を、お互いが掴んで引き戻す。
腰と足がガクガクと震える。
「プチーナ、あたちもう……」
「あ、あい……」
次に何をすればいいか、本能が教えてくれた。
ごろんと横になって足を広げるプチーナに覆いかぶさるチビーナ。
「あ、待ってください」
「ふぇ?」
「これ、剥いたほうがいいでしよね……」
プチーナはチビーナの包茎雄蕊に視線をやると、起き上がって両手で包み込むように掴んだ。
そして皮に指を引っ掛け、
「えいっ」
「ひゃああああ!?」
可愛らしい声とは裏腹に、一気に全開まで皮を剥き上げるプチーナ。
チビーナは思わぬその衝撃に悲鳴をあげ、背中をのけぞらせた。もしかしたら、必殺技の悲鳴レベルの声が漏れたかもしれなかったが、そもそもアルラウネ自身にこの悲鳴は効果が無い。
プチーナは平然とした顔で、その反応が面白かったのか、にんまりと笑いながらチビーナの雄蕊の先端をいじる。
「チビーナ、かわいいでし……これがいいんでしか?」
と、ぐにぐにと指の腹で刺激するプチーナ。
「あきゃあああ……らめっ、刺激、強すぎでつ……!」
チビーナは背中をのけぞらせたまま、腰を浮かせてビクビクと震える。
「あぁ……チビーナ、凄いでし、割れ目からもドロドロ出てるでし」
プチーナはその反応に艶っぽい笑みを浮かべ、右手で雄蕊を、左手は穴の中に突っ込みかき回す。
水音が徐々に大きくなり、雄蕊からもじっとりと我慢汁のようなものが溢れ出し、そちらからも水音を立てる。
「あっ、ひっ、あふっ、にゃああっ、ら、らめっ、もう、ぷちーなっ!!」
「ひゃああ!」
チビーナはもう辛抱たまらん、といったようにプチーナを押し倒し、雄蕊を割れ目に押し当てた。
「んんひゃあああああっ!!」
「あうううっ!!」
ぐいっと腰を押し込むと、割れ目を押し広げてチビーナの雄蕊がプチーナの雌蕊に侵入した。
次の瞬間、
びくんっ、びくくっ!! ぶびゅうううっ、ブゥーーー!!
「あひっ、あつっ、なんかっ!!」
挿入の瞬間にチビーナの雄蕊から花粉が弾け飛んだ。アルラウネの花粉は、柱頭が雌蕊の奥、人間でいうと子宮の位置にあるため、奥まで届いて受精しやすいよう液状で発射されるのである。
だが、発射してもチビーナの雄蕊の硬度は戻らず、プチーナを押さえ込みながら狂ったように腰を動かし続ける。
「あひっ、あふっ、んんっ、ひっ、あっ、ふっ、ひっ、んぐっ!!」
「あぎゃんっ、ちびーっ、なっ、はげしっ!!」
プチーナは腕を押さえ込まれ、されるがままに雌蕊を引っ掻き回される。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立て愛液が弾け、割れ目が捲れ上がり、矯正と激しい息遣いがこだまする。
結合部からあふれ出した花粉が逆流し、ぷちぷちと泡を作る。
「あひっ、だめっ、また出る、またいくううう!!」
「ひあっ、へぅ、あっ、あ、あたちも、チビーナのがっ!! あああああああ!!」
ぎゅうう、とプチーナが雌蕊全体を収縮させ、チビーナの雄蕊を締め付けた。
びゅくうううっ、びゅるるるっ、びゅっ、びゅうううう!!
チビーナは腰を突き出し、プチーナの一番深く、雌蕊の最奥部の柱頭に雄蕊をこすりつけた。
同時に発せられた花粉が、プチーナを撃つ。
プチーナも全身を震わせ、足をチビーナの身体に絡みつかせてビクビクと絶頂を迎えた。
これで、アルラウネの受精の完了である。
「はぁはぁはぁ……」
チビーナは、全身の力が抜けたようにぐったりと倒れこんだ。
もうその雄蕊は硬さ、大きさを失い、次第にクリトリスサイズの小さな突起に戻っていった。
だが――
「チビーナぁ……次はあたちでしぃ……」
「ふぇ?」
チビーナが顔を上げると、そこには股間からボタボタと花粉をたらしながら、雄蕊を直立させているプチーナがいた。
「あたちだって、受粉したいでし……」
アルラウネの春は、まだ終わらない。
こうして受精を果たしたアルラウネは、数日後には果実を結ぶ。
お腹がぽっこり膨れ上がり、再び雌蕊を刺激してやることでアルラウネは果実を生む。
そしてその果実が大地に落ち、硬いその実を虫や動物が食べたり、腐ったりすることで地面に種が落ち、そして芽を出すのだ。
なお、まるでココナッツのように硬い実だが、アルラウネの尿にはその実を溶かす性質があったりなかったりするらしく、自分のおしっこをかけて種を取り出し、自分たちの集落に持ち帰るのが普通だというらしい。
ちなみに今回の講義はここで終わりである。
だって妊娠出産系は、ふたなり以上に読む人選びそうだから。