ラムリアース賢人会議の決議が出た。
シェレアは、放逐されることになった。
パオラは親友であり後輩のハーフエルフを、抱き締めて泣いた。
ハーフエルフらしい、力のない細身の身体を抱き締めて、震えて泣いていた。
「ゴメンね。今までありがとう、パオラ…」
シェレアは親友の癖のない黒髪に顔を埋めて、涙を堪えていた。
先にパオラに泣かれてしまって、シェレアは懸命に堪えるしかなかった。
数日でシェレアはラムリアースを離れる事になるだろう。
親しい、この親友とも…もう。
「愛してるわ…シェレア」「私もよ、パオラ…」
パオラの告白を、シェレアは自然に受け入れた。
二人の小さな魔女は、まだ異性と触れ合った事のない、みずみずしい果実のごとき唇を、そっと触れ合わせた。
シェレアのウェーブのかかった金色の髪からのぞく先のとがった耳が、恥ずかしさで赤くなる。
可愛いいとパオラは思い、そして返って切なくなった。
「愛してる…行かないで」「行きたくないわ。でもダメなのよ、パオラ…」
片方の手の互いの指を絡ませ、もう片方は互いの顔に這わせ、艶やかな髪を絡ませた。
「愛してる…」「ええ、パオラ…私も」
その夜、パオラとシェレアは一緒にお風呂に入り、同じベッドで眠った。
一夜限りの優しい愛を、交わした。