<ボゥイの場合>  
夜な夜な雌猫を求めて徘徊するアンラッキーの感覚が、睡眠中の無防備な意識に干渉してしまう。  
日に日に女性に対して興奮を覚えるようになってしまうイーシャ。原因を知らない上に、  
彼女自身未経験であるから対処法(一人でするとか)も思い付かない。そんなある日、  
性的な事に聡いと思われるシャディに相談しようと、クラブの控え室でステージが終わるのを待つ事に。  
ショウタイムを終え、衣装(猫耳、猫尻尾付き)をつけたまま汗だくでやってくるシャディ。  
たちまち狭い控え室は上気する彼女の匂いで充たされる。  
イーシャは思った。  
シャディの髪はこんなにきれいで艶やかな金髪だっただろうか。  
彼女の体はこんなにしなやかで蠱惑的だったろうか。  
彼女の瞳はこんなに碧くて深い色だったろうか。  
そしてイーシャは無意識のままシャディの顔に手を添えて真正面から覗き込むと、  
困惑してシャディ意味のない事発する口を意識する。  
(シャディの唇はこんなに熱く潤っていたっけ?)  
 
<ナイトウィンドの場合>  
発情期を迎えたのは使い魔の猫だけではなかった。  
最近ダバールが、いわゆる普通でないやり方に懲りはじめているのだ。  
目隠しをしたり、後ろを求められたり、繁華街の路地裏でこっそりやったり、  
なんてのはまだ許せるのだが、  
「変身の魔法と例の腕輪でお互い猫になってやってみよう」などと言い出した日には  
黙ってライトニングをぶち込んでもガネード様は許して下さるだろう。  
ついでに足下に転がっている消し炭のようなものの命も、程々にすくって下さると良いのだが。  
 
<ナイトシェードの場合>  
(マーティのぼやき)どーすんのよ、姉さん今年も例のアレでしょ?  
使い魔の猫なんかもういない癖に、すっかり習慣化しちゃって。  
あんた生け贄になって慰めてきなさいよ。大仕事を前に体力は温存したいって?  
そりゃあたしだって毎日朝まで搾り取られたかないケド、肝心の姉さんがあれじゃぁねぇ。  
え? オランが近いって? …そうか、あの坊やか。姉さんのお気に入りだし、  
まだ若いしちょっと無理しても大丈夫でしょ。  
妖精の兄さんと嬢ちゃんはあたしの方で足止めしとくから坊やの誘導任せたわよ。  
 
<ラーンの場合>  
実家に戻ったラーンは魔術師の修行に明け暮れていた。  
充実していても物足りない日々、気が付けば心はあの草原の彼方に飛んでいる。  
 
今夜も使い魔の猫、リリが街へとくり出していった。  
神経をリンクさせてその感覚をフィードバックさせる。  
くり返される官能の時間、火照る体は素直に反応する。  
猫である違和感と、猫ではない違和感。おかしい、この感覚の先が何かに繋がっている。  
誰か居る?  
 
夜、屋根の上に登る。リリと二人でお月見。全裸で。  
月光のもとリリは町並みの方を見て居た。  
その視線の先、十軒ほど向こうの屋根の上。月明かりの下の小さなシルエット。  
長めの尻尾が不安そうに揺れている。  
「行きたいの?」  
短い泣き声。肯定の意志。  
誰よりもかの場所へ行きたい私には、リリをとめる事なんて出来ない。  
「…おいき」  
チリンッ、首の鈴を鳴らしてリリは駆け出す。屋根から屋根へととび移り、  
その興奮は術式を通して私にも伝わってくる。衝動、興奮、歓喜、熱く激しい感情もラーンの心に届かない。今の彼女は氷の檻。ただただ冷たく固まるのみ。  
リリが雄猫の所に辿り着く。寄り添い、じゃれあい、甘かみしあうニ匹。  
彼女は良いパートナーを見つけたらしい。私は…?  
月が隠れ、しばし闇に沈み景色。ラーンの心も闇が覆っていく。私はこのままこの地で、  
この場所で生涯を終えてしまうのだろうか?  
 
突然の緊張。警戒心。リリの野生が他の者の接近に気が付く。瞬間、冒険者時代に培った感覚が蘇る。  
感覚は鋭敏になり、体は次の事態に備えて筋肉を引き締める。  
愛用の槍と供にくぐって来た数々の修羅場はなにものにも代えがたい経験となって彼女を鍛えていた。  
だが遅かった。襲撃者はすでにラーンの目の前に立っていたのだ。  
  
 
月明かりの逆光の中でも独特の顔のペイントははっきりと見えていた。  
「行こうか」  
夜の男が手を差し伸べる。  
見える。その先には欲して止まなかった世界が、冒険が。  
猫の雄に選択権はない。どんなに求められても応じるか否かは常に雌がきめるのだ。  
「遅いわよ、…バカ」  
ラーンはその手を取った。  
 
そして、夜に消える―。  
 

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