「ヒース! ヒース兄さんっ?!」
イリーナの怒声が聖堂に響きわたる。
「なんでしょうイリーナさん?」
「また私が眠っている間、勝手にポリモルフかけましたね!」
中年のヒースは16才のイリーナを見下ろし笑ってみせる。
「うーん。俺様やっぱり若いイリーナと、しっぽりじっくりヤる方が楽しいからナー?」
「あーなーた!! そのせいで気付かずにお買い物に行って、ご近所でヘンな顔されたじゃないですかぁっっ!!!」
(メキョ)
「グハァ…ッッ!!?」
栗色の髪の少女が、魔術師ギルド名物のホラ吹き高導師を、拳ひとつで吹き飛ばした。
「──あ〜あ、またやってるよ先生たち」
「ホント懲りないね〜」
離れた所でクスクスと笑いを噛み殺す『子女塾』の生徒たち。
オーファンのファリス神殿は、今日も平和である。