五大神祭で賑わうタイデルの街の冒険者の店≪緑のさざなみ亭≫。  
 一年でもっとも客が入る忙しいこの時期、孤児院から出稼ぎにきたナジカ先生と子供達は宿を手伝う事になりました。  
 
「おいでやす、旦那はん」  
「お早いおつきで」  
「ぃ、いらっさいませ〜」  
 玄関でぺこりとと頭を下げて出迎えるのは、メイド服を来たエルフと15歳の少女が二人。  
エルフのナジカはぺこり、キーナはにっこり、その後ろのブランシュはおどおどと。  
 冒険者の店のはずなのに、何か間違ってる気がしないでもない。  
「ね、そこの君。なんて名前?」  
「キーナたんです」  
 若い冒険者に訊ねられ、キーナたんはあっさり応える。その『たん』禁止〜。  
 
 でも三人とも知らなかったのです。冒険者の宿のサービスがどんなものかを。  
 
 がっしゃ〜ん。とジョッキが割れる音が店内に響く。今日何度目だろう。  
「ご、ごめんなさい〜」  
 転んだ姿勢のまま、涙目で見上げるのはブランシュ。小柄な体と短い黒髪にメイドがよく似合う。  
しつかりしてるようで不器用さん。そこがまた可愛い。  
「あはは。いいんだよ」  
 店主のバソンさんは鷹揚に笑い、ブランシュに怒ってないよと全身でアピール。  
「うう。でもでも……」  
「慣れないうちは仕方ないさ」  
「はい……」  
 しゅんとうな垂れるブランシュ。そこで気付きました。  
「あれ、キーナは?」  
 昼間は一緒にメイド、もといウェイトレスをしていたキーナが見当たりません。  
「ああ。キーナちゃんなら、別の仕事をやってもらってるよ。もう夜だからね」  
「別の仕事?」  
 こくんと首を傾げるブランシュ。カチューシャとリボンで飾った黒髪もサラサラと流れる。  
「ああ。そろそろブランシュちゃんもいいかな。ディケイ頼む」  
 奥から出てきたギャルソンの格好のディケイに、バソンはそっと目配せ。  
「ん、そうか。ブランシュも、そっちで?」  
「ああ。お客さんにも人気高いからね」  
「分かった。ブランシュ、来てくれ」  
「えーと……」  
 ディケイお兄ちゃんとバソンさんの会話の意味が分からず、ブランシュはもじもじと立ち尽くしてしまう。  
「な、何するの?」  
「大丈夫。ただお客さんに接待するだけだよ」と笑顔でバソン。「キーナちゃんにもしてもらってるからね」  
「キーナが……」  
 だったらわたしもがんばろう。そう思って、ブランシュはディケイの後に続いて、階段を上がりました。  
<<緑のさざなみ亭>>は二階からは客が止まる宿泊用の部屋が並んでいる。  
その一番大きな部屋の前でディケイは止まった。  
「あの、ここって?」  
 大部屋の前でブランシュは立ち尽くす。ここは特別なお客さんの部屋だから立ち入り禁止と言われていた。  
 
「ここで、客の接待をするんだ」  
とディケイに言われても、どんな接待かブランシュはピンと来ない。  
「まあ緊張するな。これ飲んでみな」  
 ディケイが差し出したのは、木の実をくり抜いたコップ。ストローが刺さってる  
「フルーツジュースだ、客に失礼ないように、今のうちにリラックスしておけ」  
「う、うん」  
 ひどい偏食でフルーツと野菜しか食べられないブランシュは、はにかんだ笑顔でジュースを受け取り、飲む。  
 ちゅー、とストローを通して甘い果実の味が口に広がり……ぼとっと落としてしまう。  
「あ、あれ?」  
 急に体が痺れて動かない。目の前がゆらゆらと揺れて、視界が安定しない。  
「へ、へんだよディケイお兄ちゃん……。なんだかフラフラしちゃう……」  
「それでいいんだよ」  
 今にも倒れそうなブランシュの肩を抱いて支え、その華奢な体躯を味わいながら、耳元でディケイは囁く。  
「暴れられると面倒だからな。ちょっと痺れさせてもらった」  
 そしてディケイの手が、メイド服の上からブランシュの股間をまさぐる。  
「きゃっ!?」  
 体は痺れてるのに、何故か敏感に反応してしまい。ビクッと腰を震わせ、ブエアンシュは顔を赤く染める。  
そしてじゅっと股間が潤う感じがした。  
「あ……や……」  
「うん。やっぱり初めてか。味見しようかと思ったが……生娘の方が高いからな」  
 そしてディケイは、ブランシュの肩を抱き、落ちた木の実を拾って分厚い扉を開けた。  
防音のしっかりほどこされた分厚い扉を。  
「ディ、ディケイお兄ちゃん?」  
「ん? まだ気付かない?」  
 朦朧とする頭でフラフラするブランシュに、ディケイは淡々と語った。  
「お前はな。売られたんだよ。今日からここで客に抱かれるんだ」  
 ≪緑のさざなみ亭≫の「ドレックノールの間」。ここは冒険者達の性欲処理のサービスをする部屋。  
そして今ここでそのサービスをするのは……。  
「キーナ!」  
 部屋の中を見て、ブランシュが精一杯の声で悲鳴を上げる。か細く小さなものだが。  
 ベッドが幾つも並べられた大部屋。壁は厚く、外に声が漏れないようになっている。  
そのベッドの一つにキーナがいた。メイド服は引き裂かれて半裸にされ、四つん這いで。  
そしてキーナの背後に膝立ちで座り、腰をパンパンと打ち合わせる若い男。あのキーナに名前を聞いた冒険者だ。  
「はぁ、はぁ。どうだい、キーナたん……」  
 繋がった腰を無我夢中で振り、若い冒険者は遠慮なく精を放つ。  
「……はぐぅ…! アア、いやぁ……ぐぅ…」  
 精を受けたキーナの大きな身体が男の下でガクガクと揺さぶられていく。  
よだれの滴る口からは声にならない喘ぎが漏れ……、その涙の溢れる瞳は虚ろでもう何も映していない。  
「あ、ああ……キーナ…キーナぁ!」  
 ブランシュの涙混じりの声にもキーナは全く反応しない。  
「へー、新しい子か。可愛いなぁ」  
 その代わり、空いたベッドに座っていた少年が反応する。まだ若い、ほとんどブランシュと同じ年の男の子。彼の目に映るのは、可愛らしいメイドの少女。  
 
「お待たせしました。お相手をするブランシュです」  
 ディケイは恭しく挨拶し、ブランシュをベッドへと寝かせる。  
「ああ……」  
 起き上がろうにも、相変わらず体は反応しない。なんとか首だけを横に向けると、そこには四つん這いで犯されているキーナの姿。  
「そんな…なに、これ……」  
「ほらブランシュ。今日のお客さんだ。ちゃんとお仕事するんだぞ」  
 黒髪をよしよしと撫で、ディケイは早速歩み寄ってきた「客」に顔を向けた。  
「見ての通りの可愛い小娘です。初物ですので、特別サービスになりますが」  
「初めて? 大丈夫だよ、ボク優しくするから」  
 にこやかに笑いながら、額当てにつんつんとした黒髪の少年が寄ってくる。目を血走らせ、股間を膨らませながら。  
「といっても、ボクも初めてなんだけどね」  
「え……? なに? なんなの?」  
 まだよく状況が飲み込めず、ブランシュは呆然と呟く。  
 
 新しい仕事言われ、ディケイに案内されたのはこの大部屋。その前にジュースを飲まされたら、体が痺れて動かなくなって。  
そして部屋の中ではキーナが裸にされてヘンなことされてて……。わたしにも男の子が近付いてて……。  
 
「ディケイお兄ちゃん……どうして…」  
「安心しろ。お前らが稼いだ金は、ちゃんと孤児院に送ってやる。これで弟や妹が飢えないで済むんだ。嬉しいだろ?」  
 ディケイが離れ、代わりに見知らぬ少年が上に乗ってきた。  
「かわいいなぁ」  
 そして体重を乗せながら、ぎゅっと抱きしめてくる。  
「いや……イヤーっ!!!」  
 麻痺した体に、精一杯の悲鳴。だがそれを聞く者は誰もいない。  
「それじゃあ、ごゆっくり」  
 悲鳴を背に、部屋を出たディケイは扉を閉めた。部屋の中の音は外には漏れない。あとにはただ犯されるキーナとブランシュだけが取り残された。  
 
「うーん。やっぱり女の子は柔らかいなぁ」  
 ブランシュの小柄で華奢な体を抱きしめたまま、少年はすりすりと胸に頬を寄せた。少女の薄い胸は、膨らみはほとんど感じられない。  
「や……やめて、ください……」  
 目から滲む涙が頬を伝い、ブランシュは精一杯の声で哀願してみた。  
だが少年はその涙をぺろっと舐め、  
「ダメだよ。お金たくさん払ったんだから」  
「そんな……」  
 ブランシュの頭の上に少年が手を上げる。きゅっと目をつぶるブランシュ。  
だが頭をよしよしと撫でるだけだった。  
「うん……。綺麗でイイ匂い」  
 サラサラの短い髪の感触を手で感じながら、鼻を寄せて匂いを嗅ぐ。  
「……んふぅ…やめて…」  
 異性に体臭を嗅がれ、紅くなっていた顔がさらに恥じらいに染まる。  
と、口にむにゅっと柔らかいモノが押し当てられた。  
「!?」  
 目を開けると眼前に少年の額当てが見える。そして口に触れるのは少年の唇。  
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」  
 初めてのチュー!?  
 その事に思い至って、ぽろぽろと涙がこぼれる。  
 少年はちゅーと口を押し付けたまま、少女の柔らかくて甘い唇を吸い、  
たっぷり味わってからようやく口を離し、ついでにぺろっと目から流れた涙を飲み込む。  
 
「うう……」  
 嫌なのに、体は動いてくれない。横を見ると、涙の向こうにキーナがいた。  
 大好きなキーナ。仲良しのキーナ。  
 その大事な親友も、ベッドの上で男に上から抱きしめられ、ゆらゆらと身体を揺らしている。虚ろな乾いた瞳で。  
「ほら。相手はボクだよ」  
 メイド服の上から胸が鷲掴みにされる。華奢な薄い乳房が無理矢理握りしめられた。  
「いた……あんっ!?」  
 痛い、と思ったのも一瞬。胸がキュンと高鳴り、甘い疼きが胸の奥から湧き上がる。  
「はぁ……なんで…」  
 股間がきゅっと湿り、熱くなる。未知の感覚にブランシュは戸惑った。  
「クスリ飲まされてるね。感度よくなる」  
 独り言のように少年は呟き、メイド服の襟元に手をかけた。  
「服は破いていいって言われてるんだ。料金内だから」  
胸元の赤いリボンが飛び散り、あっさりと白いエプロンと黒い服が破かれるイ。  
「きゃっ」  
 咄嗟に隠そうとするが、腕はやっぱり動けない。晒された胸も隠せない。  
 声は出せるのに。腕が動けば、精霊魔法が使えるのに。悔しさにまた涙が溢れる。  
「ふ〜ん。女の子の下着ってこうなってるんだ」  
 薄い胸よりもそれを覆う布地に少年は興味を持ったようだ。  
「これ、もらっとくね」  
 言って、ブランシュの可愛らしい胸帯をするすると取り、自分の胸に当てたりする。  
「ヘンタイ……?」  
 思わずぼそっとブランシュは呟いてしまった。  
「違う違う。ボク、盗賊だからね。変装することもあるんだ」  
 時には女装することもあるのだろう。もっとも下着まで凝ってるわけではなさそうだが。  
「それより。おっぱいカワイイな」  
 胸帯を取ると、桃色に色付く乳首がツンと上を向いている。そのピンクに少年は口を寄せ、ちゅっと含んでみた。  
「きゃうっ」  
 ベッドの上でびくっと少女の背筋が上がる。その反応に興奮して、少年は鼻息荒く乳首にしゃぶり、舌で転がした。  
「あっ……んぅ……ああっ、あうっあっ……はぁん…」  
 甘い吐息とともに、すりすりと太股が擦りあわされる。  
「だめ……だめだったらぁ……」  
 敏感な少女の反応に、少年は調子よく乳首を舐め、そして強く吸う。  
「ひっ…!?」  
 きゅーと乳首を吸われる感覚に、頭の芯から痺れ、ブランシュは白い首を仰け反らせた。  
「あっ……アウッ!」  
 無意識にせり上がった脚が少年のお腹に当たる。  
「ふぅん。おっぱい感じるんだ」  
 胸から顔を上げニヤッと笑う少年の満足気な顔に、ブランシュは何故か悔しさがこみ上げる。  
「ち、ちがう……わたし、そんなんじゃ…」  
「クスリのせいもあるけど、おっぱいだって」  
 ピンと指で弾くと、尖った乳首はゆらゆらと揺れた。  
「はうっ!」  
「ほら。こんなに気持ち良さそう」  
「やだ……たすけて、助けてよぉ…」  
 
「こっちはと」  
 ブランシュの哀願を聞かず、少年は今度はメイド服のスカートをたくし上げる。  
目の前に真っ白な白いレースが広がった。  
「やっぱり女の子はここも違うんだ」  
 当たり前のことを呟き、少年は股間を覆う白い布へと手を伸ばす。  
「もう濡れてるよ」  
 言葉通り、中心が染みになって濡れている。  
「うそ……言わないで、やだ……」  
「ウソじゃないよ」  
 さっと少年は器用な手つきでパンツを脱ぎ取る。  
「あっ!?」  
 股間にスースーと空気を感じ、ブランシュはきゅっと緊張した。だがパンツはもう脱がされたあとだ。  
「ほら。濡れてる」  
 そして濡れた白い下着を眼下に突き出され、ぽたぽたと涙がベッドを濡らした。  
「いやぁ……ひどい、こと、しないでぇ…」  
「う……ごめん」  
 さすがに悪いと思ったか、少年はパンツをしまい込み、再びスカートの中に視線を移した。  
「わぁ。女の子ってこうなってるんだ」  
 ぴっちり閉じた割れ目はほんのりと濡れて甘い香りを放ち。薄い頭髪はまるで産毛のようだ。  
「見ないで……ください……。うぅ…」  
 さすがにそれは聞けない。  
 スカートの中に手を伸ばし、指をそっと割れ目に触れさせる。  
「あっ……」  
 するとブランシュの腰がビクッと跳ね上がる。  
「イヤ…です。やめて…もう許して…許して」  
 今度は頭をスカートの中に入れて、舌で触れてみた。  
「ひゃうっ!?」  
 口いっぱいに甘い酸味が広がり、そして苦い後味が残る。これが女の子の味なんだ、と思い、  
少年は舌を走らせて割れ目をしゃぶって、味を確かめた。  
「アアッ! ヒイアアーっ! やああっ!!!」  
 舌がタテ筋に沿って舐めるたび、腰が激しく上下し、そして甘い喘ぎと蜜が漏れた。  
割れ目から噴き出す蜜を、少年はじゅるっと音を立てて飲み干す。  
「アアーッ!」  
 甲高い声を上げ、ブランシュは背筋を仰け反らせ、緊張を高める。  
「イヤッ! イヤッ! イヤーっ!」  
 ちゅーと秘所を味わう少年は、その上にある肉の芽を舌に感じ、ツンと突付いてみた。  
「アウゥーっ!」  
 頭が真っ白になり、仰け反った姿勢で全身が極限まで緊張する。  
「わっ」  
 そして内側から溢れる蜜に、少年は慌てて口を離した。  
「はぁ……ハァ……あぁ…」  
 下半身からの強烈な刺激からようやく解放され、少女はぐったりとなり息を整える。  
「うん。おいしかったよ」  
 スカートから顔を上げた少年は、ブランシュに口を寄せ、よだれを垂らしている口に再びそれを重ねる。  
「んっ……」  
 もう抵抗せずキスを受け入れた。すっぱいキス。  
 
自らの愛液が少年の口を通じて、口に広がる。  
「いやぁ…」  
 涙目で見上げるブランシュに、少年はゾクゾクと背筋を震わせた。もう我慢も限界。  
 そそくさと焦った手つきでズボンをずらし、股間を開ける。  
「きゃっ!」  
 バンと勢いよく飛び出した肉の塊りに、ブランシュは咄嗟に顔を背けた。それ以上は体が動かない。  
「ほら。こんなにビンビン」  
 ブランシュの手を取りあえてソレを握らせる。  
「ひいィッ! きゃっ!」  
 手に触れる生暖かい怯えるブランシュが、さらに欲情をそそらせる。  
「はぁ、はぁ……。ね、ねえ、もういいよね。いれるね」  
 いれる、というのが何なのか分からずに、ブランシュはただぎゅっと身を硬くする。だが力が入らない。  
スカートが捲し上げられ、濡れそぼった秘所が晒される。太股を少年の手が掴み、横に広げられる。その合間に割って入る腰。  
「あ……」  
 そこでようやくブランシュは気付いた。何をされるか。  
 あそこに、肉の入り口に、少年の欲望の先端が押し当てられる。  
「いや…やだ、ヤダヤダヤダ…」  
「いくよ」  
 ぐいっ、と秘肉が押し広げられ、ナニかが侵入してくる違和感。  
 
「イヤアアアアアアアアアアァァァァーっ!!!」  
 
 不思議と、痛みは無かった。  
 ただ失ったという喪失感がぽっかりと胸に広がる。  
「ああ……アアアアァ……」  
 下半身にずっしりと突き刺さる異物感。少年が、見知らぬ他人が、胎内に入ったのだ。無理矢理に。  
 
「抜いて……抜いて、抜いて抜いて、抜いてええぇぇぇーっ!!!」  
 
「ああぁ…イイ、すごくイイ!」  
 だが一度入った異物は奥まで突き刺さり、股からは血が流れる。痛みは無く、下半身からは圧迫感と、そして強烈な快感が波となって襲ってきた。  
「あああぁーっ!」  
「くうぅ! すごおい! こんな…!」  
 不意に強烈な締め付けを感じ、少年もガンガンと腰を振り回す。がむしゃらに。  
「アアッ! あうううぅ! やああーっ!」  
 頭が真っ白になる。ただただ気持ちいい。きもちいい。  
 初めてなのに。薬のせいだろうか。うん、そうだ。  
「アアアッ! はああっ!」  
 ベッドの上で少年が激しく腰を振り、一緒になってブランシュの腰も回る。  
華奢な脚が高々と上がり、ゆらゆらと揺れた。  
「くうぅ! サイコー!」  
 少年が上から抱き付いて、キスしてくる。ブランシュも口を合わせながら、少年の背中に手を回して、抱きついた。  
同時に、上げられた脚が腰に絡み、激しく締めつける。  
「もう…いくよっ!」  
「だめ……ダメダメ、ナカはダメっ!」  
 不穏な空気を感じた時にはもう遅かった。  
 ヌルッ、と熱く濃い液体が体の奥に発射される。  
「ダメエエエエエエぇぇぇっ!!!」  
 
 絶望が視界を黒く染め、絶頂が真っ白に染める。  
「お願い! ナカは、ダメ、出さないでえええぇーっ!」  
 絶叫を上げながら、ブランシュは少年にしっかりと抱きついた。射精して身体を穢す少年へと。  
 
「あ…アァ……」  
 呆然と呟き、虚ろな瞳で宙を見上げるブランシュの横で、少年は「ふぅ」と息を吐き、身なりを整える。  
「ひどい……ナカに出すなんて…」  
 ぽかんと開かれた股間からは血に混じって白い精液が吐き出されていた。  
「よかったよ。ありがと」  
 そんな茫然自失とするブランシュにキスし、少年は部屋を出て行った。  
 キーナを犯していた男も出ていて、部屋には犯された少女二人が残される。それも一瞬。  
「よう、初仕事ご苦労さん」  
 入れ替わるように入ってきたのはディケイと、そして、  
「ブランシュ……キーナ……」  
 アイルだった。  
「あ……助けて……」  
 微かな希望を込めてブランシュが言う。だがその願いも虚しく裏切られる。  
「祭りの間は、稼ぎ時だからな。まだまだ客の相手をしてもらうぜ、二人とも。  
孤児院に仕送りするためだ。イヤとは言わないよな」  
 そこでディケイは背後のアイルを振り返り、  
「と、その前に。アイルがお前らを抱きたいんだと。客としてな」  
「ぼ、僕……」  
 ふらふらとアイルはブランシュに寄る。股間を膨らませて。  
「なんだアイル。ブランシュがいいのか?」  
「う、うん……」  
「じゃあ、愉しんでおけよ。俺は仕込みがあるからな」  
 そして、立ち去るディケイの背後で、処女を失ったばかりのブランシュに、今度はアイルが覆い被さっていく。  
「イヤアアアアアアアアアァァァァーっ!!!」  
 悲痛な叫びを背に、ディケイは扉を閉めた。  
 
「あ、ディケイくん。子供たち見えへんかった? どこにもおらんのよ」  
 ≪緑のさざなみ亭≫の一階。階段を降りて来るディケイにメイド服のナジカが尋ねてくる。  
みんなの先生、エルフのナジカ。エルフの例に漏れず美しい容姿をしていた。  
「ああ。みんななら、お客さんの接待をしてますよ」  
 ぺろっと舌を舐め、事も無げにディケイは続ける。  
「先生も、接待を頼めますか? ブランシュとキーナだけが足りないもんで」  
「ええよ。何をするん?」  
「それじゃあこっちに来て下さい……」  
 内心ほくそ笑みながら、ディケイは決めていた。  
 先生の初めての客には俺がなろうと。  
「みんな待ってますよ。先生が来るのを」  
   
 祭りは始まったばかり。  
 
(おしまい)  
 

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