「ア……ッ!」
イク直前、ヒースはイリーナの膣内(なか)からペニスを引き抜いた。
汗ばんだヒースの裸の体がイリーナの抱擁から逃れ、イリーナの手は中空を彷徨う。
引き抜かれたモノを求めて、ヒクヒクと蟲く秘唇が、涎を垂らす。
「あ…。ヤだ…ぁ、ヒース兄さん…」
「う、くっ…!」
引き抜いた後は自らのモノを2度扱き、達して、ヒースは欲望を解放した。
イリーナはその熱さを肌に欲していたが、狙いを誤ったのか、ヒースは白い精をすべて、シーツに溢した。
栗の花にも似た匂いが、部屋の中に充満する。
イリーナの嗅覚がそれをとらえる。耐えようもなく、切なくなる。
体にかけて欲しかったモノ。味わいたかったモノ。その匂い。
「あ…。兄さんの…ヒース兄さんのが…溢れちゃった…」
イリーナは、うっとりと熱に浮かされたように身を起こす。
裸の体を獣のように四ん這いにして、尻を高く上げ、顔を低くして、ヒースの股間近くシーツに溢された精液に舌を這わせた。
ペロペロと、ヒースがシーツに零した精液を舐めとる。
顔を前後させてシーツを舐める度に、ヒースの目前で、ゆらゆらと尻が揺れる。
「?!バカ! ヤメロ、イリーナ! ナニやってるんだ、お前はっ!? みっともない…っ!」
「だって…もったいないです。兄さんが…折角、兄さんが、私にくれたモノなのに…」
うっとりとしながらも悲しげに、上目遣いでヒースを見上げる。
シーツに溢れた精液を、愛しいモノを見る瞳で、舐めとり続ける。
「この、馬鹿…」
ヒースはしばらく放心し沈黙の後で、象牙色の髪を掻いて呟いた。
「美味しいです。兄さんの…匂い。ヒース兄さんの…美味しい…んん」
次第にシーツに這わせていた舌が、ヒースの内太股へと移り、体の中心に迫る。
そして…イリーナの唇が、ヒースのアソコに触れた。
「ん…っ! あ…イリーナ…」
ペロペロと舐める。
イリーナがハアハアと息を荒くして、ヒースの股間へと、深く顔を埋める。
その息づかい、舌づかいは、ヒースのモノをダイレクトに刺激する。
「イリーナ…。ん…ふ…っ!」
「あ…もう。兄さんの、こんなにして。ふふ、兄さんの美味しい…。イヤです。零すのは、もったいない…です」
うっとりと甘く囁くイリーナに、それ以上何もいえなくなる。
快感に震え、ため息をひとつ吐く。
尿道に残っていた精液をイリーナに啜りとられ、下半身と背筋が電流が流れたように痺れる。
欲望に身を委ねるきる決意をする。
イリーナの栗色の髪をポンポンと軽く叩いて抱き寄せ、ぐりぐりと掻き撫でた。
「あーもー、お前ってヤツは…どこまでエロ可愛いいんだ…。わかった。わかったから。
今度はお前の口に突っ込んで、いっぱいくれてやるから、ホラ……いっぱい舐め舐めしなさい。イリーナ」
ヒースは自らのモノを掴み、イリーナの唇を割り、口に含ませた。
嬉しそうにイリーナはヒースのモノを愛し気に、しゃぶり啜り続け、瞬く間に大きくする。
唾液の糸がイリーナの唇と、ヒースのモノの尖端を伝う。
何度も何度も、イリーナはヒース自身にしゃぶりつき、吸いたてて、両手で扱く。
「そんなにイリーナさんわ、俺様のおちんちんが好きか?」
ヒースが揶揄する。
「ん…好きです。ヒース兄さんが…。兄さんの…おちんちん…大好き…」
そんな猥語を口にするまでイリーナを調教するにも、時間がかかった。
「ぁく…そろそろ、出る…イリーナ…」
「あ…兄さん、私にかけて…! いっぱい、いっぱい、兄さんの熱いの…かけて…!」
両手と顔全体でイリーナは、ヒースのモノに擦りつきながら、懇願する。
ヒースはふと悪戯心をおこした。
「ご主人様って呼んだらな?イリーナ」
「ハイ、ご主人様…! 私に、ご主人様の、ねっとりして熱くって濃い精液を、いっぱいいっぱいかけて、汚して下さい…!」
淫らに懇願するイリーナに、ヒースはイリーナの望み通り、イリーナに顔射した。
顔に浴びせられるヒースの精液を、イリーナは恍惚とした表情で、大きく口をあけて受けとった。
イリーナは嬉しそうに、口の中に精液を溜めて…呑み干した。
その日からヒースは、イリーナに首輪をかけた。
錠をかけて、さらにハードロックの魔法をかけた。
もともとイリーナはチョーカーを愛用していた。そのせいだろうか。
そのチョーカーが多少変わっても、そのコトを変に思い、感づくモノはいなかった。
夜の闇に、シャラリと金属質の音が鳴る。
ヒースがイリーナの首輪に犬用の鎖をつけて、クイッと曳いた。
「散歩に行くぞ、イリーナ」
「はい。ヒース兄さん」
「今は、ご主人様、だ。イリーナ。ペナルティをつけるぞ?」
「あんっ、ごめんなさい、ご主人様…」
シャラリと音をさせて、ヒースが鎖をひく。
たぐり寄せられた裸のイリーナの体が、ヒースへと引き寄せられる。
その唇が、ヒースに塞がれた。
イリーナの片足がヒースに大きく抱き上げられヒースの指がアソコに突っ込まれて、掻き回された。
「あんっ!あ!あ、あふ。気持ちイイ…。気持ちイイです…ご主人様ぁ…!」
「…こんなコトされても嫌がらないんだな、エロいイリーナさんわ」
「嬉しいです、ご主人様…。だって、私のご主人様は…ヒース兄さんだけ」
「うむ、当然だ。お前のご主人様は、俺様だけだからな…! 俺様から逃げようなど、考えないことだ。お前は俺様の、可愛いい愛玩用の牝犬。俺様の牝奴隷だからな!」
さわさわと、栗色の髪を撫でられる。
口ではいろいろと酷いことを言うヒースだが、イリーナはこんな時にヒースの意地悪さと優しさを同時に感じとる。
「ハイ。こんなことされて私、嬉しいんです。ご主人様。……アアンッ!」
「よしよし。今日もたっぷりと調教してやるぞ。牝犬なイリーナさんの、このビショビショなアソコに、ぶっといのをブチ込んでやるからな!」
「ア…アアッ…はあ、嬉しいです! お願いしますっ…ご主人様ぁ…っ…!」
イリーナがイク寸前で膣内をほじっていた指先を止め、お預けを食わせ、指をイリーナの膣内から引き抜く。
「ヒァ…?! ご主人様ぁ…ん、ンン…ッ!」
指先についたイリーナのラブジュースを舐めとりながら、ヒースはイリーナの膣に栓をする。
たっぷりと媚薬を塗った張り型を、イリーナのアソコにブチ込んだ。
「あぁぁん…っ!」
快感にイリーナは、まだ未成熟な体をくねらせる。
その下腹部はゆっくりと膨らみ、そろそろ目だってきている。
子供のような体型のイリーナが孕んだ姿は、中々背徳的でそそられる。
孕んだイリーナを首輪をつけて拘束し縛り、裸のまま野外で調教をする。
それがここしばらくの二人の流行りだった。
裸のイリーナの体にヒースの長めのマントを一枚着せると、イリーナはヒースの匂いに包まれて嬉しそうに笑う。
「じゃあ行くぞ、イリーナ。続きは公園で、じっくりとだな」
「あふぅ…ん。ハイ、ご主人様…」
そうしてギルドの寮を抜け出すと公園へと向かって、オーファンの闇の中に二人の姿は滲み溶けこんでいった…。
細くなった月あかりだけが、微かな光源。
公園の森の木陰で四ん這いになり、イリーナは何度も壊される。
「相変わらず強いしめつけがキモチイイぞ、イリーナ!」
「ふぁい、あ…ぃあ…ふひっ…! もっと…ご主人様、もっとぉ…!」
裸に首輪だけのイリーナが、尻を振りたくり、挿し込まれた張り型とヒースのモノを貪欲に絞りあげる。
体液の飛沫が、ひと突きごとに飛び散り、僅かな光源に光る。
イリーナの口内もヒースの指が入れられて、犯されている。
「あむ…ぅふッ…ン!」
ヒースの指を懸命に甘く噛み、舐め、啜る。
上下の口から涎が滴り落ちるが、それを気にする余裕はまったくない。
ヒース自身もイリーナの体に溶けこんだ媚薬の影響を受け、体がビクビクと反応していた。
『俺様から逃げようなど、考えないことだ』
ヒースの言葉が浮かぶ。イリーナは内心、笑った。
逃げる必要なんてない。
私が、ヒース兄さんを離したくないんだから。
嬉しいんだから。
兄さんと私の子。
イリーナは微笑み、そっと命を孕み、膨らんだ下腹部を押さえた。
激しく突きあげられ、えぐられる体内。体の奥を叩きつけられ、最奥に熱いシャワーを浴びる心地よさ。
どこまでも濡れて柔らかく、キツク絞りあげられる体内。どれだけ出しても出しても、飽きることがなく病みつきになっていく。
その快感に、二人の体はセックスの虜になっている。
何度も何度もイかされ、馬鹿になってしまいそうなくらいに。
それでもイリーナはヒースを求め続けていた。
セックスに溺れていた。
「ンん…んふぅ…っ! ひふ…っ アヒィッ!!」
閉じた瞳が、快感で裏返りそうになる。
嬌声が続く。
オーファンの夜が、明けるまで。
『終』