寝台の上。まだ着衣のままのヒースの身体の下に、神官衣の上着の上に、淫らに転がる裸体のイリーナ。  
イリーナの裸を目にしたのは決して、はじめてではない。  
はじめてではないが、見慣れたハズの裸に胸が高鳴る。興奮に体が強張る。  
頭にも、下腹にも血がのぼって火照り、息をするのも辛い。  
「…見せてもらうぞ。イリーナの身体を…」  
ヒースの手がイリーナの身体に伸びる。イリーナの膝を抱き寄せ立てる。  
ベッドの上で誰にも見せたコトのない、本来不浄の場所と教えられたハズの箇所を、  
膝を立てて足を開きヒースに晒して、羞恥に、イリーナの身体が震えた。  
そんなイリーナの様子が、返ってヒースの欲情と嗜虐心を煽るコトをイリーナは知らない。  
ごくりとヒースの喉が鳴る。口の中は反対に、からからだ。  
唇を舌で湿らせて、ヒースはイリーナの膝に手を伸ばし、指先で割り開いた。  
ヒースの視界にイリーナの秘密の場所が露になる。  
独特の女の匂いがヒースの鼻先に香り、肉襞の奥にヒクヒクと綺麗な色の粘膜が蠢いて、ヒースを誘う。  
思わず顔をイリーナの股間に顔を近づけ、フウッと息を吸い、吹きこむ。  
「あ、や…やゃ…あッ。そ、そんなところっ、そんなに近くで見ないでクダサイ…っ」  
「ここがイリーナの秘密の場所か。…イイ色だぞイリーナ。淫乱に育つ色だナ?」  
照れを誤魔化しニヤニヤと人の悪い顔をつくり、イリーナを揶揄う。  
イリーナはその入口をヒースの指でつつかれ、擦られる。  
「やっ。いやぁ…あ、ああぁ…」  
両手で顔を隠そうとする。  
「こら、隠すな!」  
「うぅ…ッ」  
イリーナの片腕がヒースに捕えられる。  
「見たいって言ったダロ。見せてくれなさい。イリーナさんの全部」  
ヒースの左手が後ろからイリーナを軽く抱きしめ、右手がイリーナの両脚の間に伸ばされる。  
「…んぁッ?!」  
不意にちゅぷんと、淫らな音がして異物が挿入された。  
ヒースの大きな手がイリーナの股間に伸びて、その長い指がイリーナの大事な場所に侵入した音だ。  
ナカに入りこんで濡れた指先の感触。指先を出し入れし、クチュクチュとたった音は思いの他大きくて焦る。  
膣の入り口をヒースの指先がこねる様子を、恥じらいつつイリーナは不安そうな顔で見ている。  
はじめてのイリーナは、自分がされているコトの意味をよくわかってはいないようだった。  
 
それでも。  
好きな男に身体に触れられ嬲られる女体のサガか、イリーナの体がヒースを受け入れる準備をはじめ、蜜を滲ませる。  
自分では触れたコトもない割れ目の牝芯をヒースの指で嬲られて、自分の理性では抑えきれない性の衝動があるコトをはじめてイリーナは知った。  
「あ…っ? や、兄さん…ソレ、ダメ。…なんか、恐い……やだっ…変ッ…」  
不安気に眉をハの字に寄せてヒースを見上げる。その顔にキスを落として不安を柔げる。  
「大丈夫だ、イリーナ。怖くないぞ? 気持ちイイだろ? そのまま…そのまま…身を委ねるんだ」  
イリーナが自分の手でピクピクと反応する様が楽しい。  
胸の内の意地の悪い感想を隠して、なるべく優しく囁く。  
ヒースの指先にイリーナの秘奥から溢れだした蜜液が絡む。  
それを肉芽に塗りたくって、より滑りが良くなると、イリーナの口から切羽詰まった吐息と喘ぎが洩れた。  
「ひっ!? …はぁッ……ふぁ…はぅ!?」  
クチャグチャと聞き慣れぬ淫らな水音をさせてヒースの指先がイリーナの中心を滑る度に、  
イリーナの意識は獣の様な、はじめての衝動に追い詰められていく。  
無意識の内にイリーナの腰がヒクヒクと揺れ動き、はじめての絶頂が近いことをヒースに知らせる。  
不安とはじめての性的興奮に身体を強張らせ、部屋の一点を凝視して立てた膝を抵抗するように震わせ……。  
そんな激しさが増した性的快感に耐えられず、瞬く間にイリーナは登り詰めてしまう。  
「いゃ───……ッ!?」  
ヒースの抱える腕の中で、ぴんと弓なりに背を逸らせて硬直する。  
イリーナの膣と肉襞を弄っていた指がイリーナの中にキツク絞られた。  
「ふ……ふにゃぁ…?」  
はじめて軽く達し、強張っていた膝からは力が抜け、パタンと足を投げ出して、  
イリーナの身体がブルブルと震えて、自分の身に起った感覚に呆然となる。  
「に…兄さん……な、なに…今の…」  
「そっか。はじめてイったのか」  
なでなでと、目の前のイリーナの後ろ髪を撫でてイリーナを落ち着かせる。  
「イく…? ドコにですか?」  
「一番、気持ちイイところに」  
イリーナを追い詰め、濡れた指先を恥丘の谷から抜いて、粘ついた半透明な体液をイリーナの目の前にチラつかせて、ヒースは笑ってみせた。  
「苦しかったか? でも、よかったダロ…?」  
はじめてイリーナが自分の腕の中、自分の手でイく瞬間を見た。それはヒースにとっても自信になる。  
 
すっかりイリーナの身体は潤い準備を整えた。  
おそらくこのままイリーナを抱いたとしても問題はナイ。ないだろう。  
一度イッたイリーナの身体が敏感になりすぎ、これ以上の刺激を受けつけない事もあるそうだが、それはその時。  
これまでの反応で、イリーナはキスも性行為もろくに知らない処女である事がよくわかった。  
このままイリーナのはじめてを貰ってもイイのかもしれない。  
……しかしそれは、あまりに一方的すぎはしないか。  
イリーナの淫液の潮味を、はじめて舌で味わいながらヒースは考える。  
何よりもイリーナに痛みと男の自分に対する恐怖だけは与えたくはない。  
イリーナにも悦んで欲しい。もっと自分のコトを知ってほしい…。その為に悪知恵を働かせ考える。  
「……されっぱなしは悔しいだろ? 悔しいダロウナ? イリーナさんも…俺様をイジメてみたくはナイカ? イリーナさんにも俺様を…」  
知ってほしいから…という言葉は小さくて。イリーナに聞き取れたかどうか。  
それでもイリーナは、はじめての快感と興奮に潤んだ瞳でヒースを見上げて、果敢に頷いてくる。  
「……怖がってくれるなよ?」  
笑った。  
内心の照れ故に、自分の方は着衣のままするつもりだったが、ベッドから降りて、ヒースは自分の服を脱いでいく。  
上着を脱ぎ捨て、胸元のリボンを解きシャツを脱ぐ。ズボンのベルトを外してスボンを降ろし  
ヒースは、ベッドに横座りするイリーナの目前に、解放した自分のモノを晒けだす。  
暖炉の火に照らされてオレンジ色に照るヒースの金髪や肌。  
イリーナの視界に入る、既に腹までそっくり返ったヒースの男性。  
幼い頃や冒険者になってからも、物のはずみで何度か目にした事はある。  
それでもこれほどヒースを男として。雄として、意識したことはない。  
真っ赤なイリーナの顔が羞恥に歪むが、目がその奇怪なモノからはなせない。  
ベッドに近づき、ヒースの手がイリーナの手を取り、掴み添えて、ヒースはイリーナの手をソコに導いた。  
「あ…?!」  
そこはヒースのおしっこの…不浄の場所だと理解している。…なのに。  
イリーナは好奇心と愛しさにヒースに導かれるまま、ヒースのモノに手を触れる。  
ヒースはイリーナに大事そうにその場所を触らせる。  
「……!」  
熱い。柔かいのに芯があるように硬い。イリーナの手にあせた色の金髪の恥毛が絡む。  
これが……これがヒース兄さんの…。ゴクリとイリーナの喉が鳴った。  
 
ヒース手がイリーナの手の上に重ねられて、ゆっくりと擦る。  
「……んっ」  
ヒースが心地好さ気な溜息をつき、イリーナがソレに気づく。  
ヒース兄さんが、気持ち良さそうにしている。  
その事実はイリーナに嬉しさと、もっと、もっと先へという勇気をもたらす。  
少し黒ずみ、熱を帯びたヒースのモノ。不思議に手触りがよく、それは微かに脈打ち、柔かいのに、中は凄く硬い。  
ヒースの手に導かれるまま扱くと、先端からピンク色を帯た粘膜が顔をだす。  
おっきい。すごく荒々しくて…敏感で……率直な…男の人のモノ。  
「ヒース兄さん。こんなにどきどきして、ビクビクして……男の人って凄い……」  
「あまり無駄口をきくな。照れ臭くなるだろうが。」  
「私に、こんなコトさせておいて、照れ臭いんですか?」  
「当たり前だ!」  
噛みつくようにヒースが返す。  
「…気持ちイイんですか?」  
「……っ?!」  
ヒースは答えずに、真っ赤になってそっぽを向いた。僅かに頷く。  
ヒースに一矢報いたようでイリーナは、嬉しげに微笑む。  
…でも。コレが。ヒース兄さんのコレが、私のナカに入るなんて信じられない。  
ちょっと。いや、かなり大きくて無理だと思った。  
 
「よしよし。もうイイぞイリーナ」  
満足気にヒースがイリーナの髪を撫でる。  
少し屈みイリーナの頤に指先を這わせながら、囁く。  
「今度は口に……咥えられるか?」   
歯はたてずに、唇と舌で刺激を与える。手は軽く添えるだけ。そう教えられる。  
「口…で?」  
イリーナは驚いて手の中のヒクヒクと脈打つモノを見る。  
「できるか……?」  
一度ヒースを見上げる。おそらく拒否する事も出来ただろう。  
しかし。躊躇いながらも頷き、おずおずとしかし大胆にイリーナはヒースのモノを両手に、口をつける。  
「いいコだ。イリーナ」  
先端の粘膜を舌で舐め、唾液をまぶしてヌルヌルとした感触を楽しむ。  
ヒースの性の匂いに包まれながら唇をすぼめてソレを咥え、両手で扱くイヤラシイ行為にイリーナ自身もまた興奮する。  
「んっ……んん……んん……んふっ」  
立ちあがったヒースの股間にイリーナが顔を埋めて、前後に栗色の髪を揺らす。  
「んんっ……んっ……んん……んっ」  
「イイぞイリーナ。ほら、もっとしっかり咥えて…もっとしっかり…そう、もう少し唾を絡めて……もう少し」  
舌先に、ヒースの粘膜の先端から滲んだ苦い汁を感じて、イリーナは僅かに顔をしかめた。  
 
ちゅぷちゅぷと淫らな音をたてて、女の口に男のモノが出入りする様は、女の手と舌が与える刺激とともに男の興奮を煽るものだ。  
「ふ……ん…んッ…んん……んん…」  
潜もった艶のあるその声も。視界内に揺れる淫らな肌色の裸も。  
自身に感じる熱い口内も、唇と舌の刺激も、ナニもかもが、たまらない。  
薄暗い部屋の中で、立つ裸の男の前に跪き、全裸のイリーナが顔を男の股間に埋めて、男のモノをピチャピチャと啜っている。  
それが自分自身ではなく、他人との行為であれば、淫らな悪夢の光景だったに違いない。  
イリーナが他の男に惹かれて、抱かれ、結ばれる。  
それは『兄としては』喜ばしいことのハズだと。  
何度も…覚悟したことだ。  
しかし今。  
イリーナがこの身体に受け入れるのは、悪夢の中の男じゃない。  
俺は『兄』を辞める。お前の『はじめての男』になる…。  
「イリーナ……どこに、欲しい?」  
限界が近づいて、身体の震えを抑えながらヒースがイリーナに囁く。  
「……?」  
「俺様の一番、気持ちイイ証……どこに欲しい?」  
「……!」  
顔?身体?……口の中?  
体を汚したくないなら…と、適当な布を欲する。  
はじめてで戸惑ったイリーナは、はじめてのヒースのソレを自分の手の平にと望んだ。  
イリーナの口から引き抜かれたペニスが唾液の糸を作り、照り光るソレが  
ヒースの自身の手で扱かれて、イリーナの目の前、イリーナの両手の中に熱い白液を吹き溢した。  
精液の独特の匂いがイリーナを包む。  
「あ…コレが…」  
ヒース兄さんの一番…気持ちイイ証…。  
ヒースが清潔な布を用意してきて、イリーナの手の中のソレを拭おうとすると、イリーナが身をよじって避けた。  
「……なぜ避ける?」  
「だってコレが、ヒース兄さんの一番、気持ちイイ証なんでしょ?」  
「そうデスガ?! それがナニカ!?」  
照れ臭さと焦りで、怪しい口調になる。  
「…なんだか、もったいないです」  
ヒース兄さんが、はじめて私にくれた証…なのに。  
イリーナは淋しげに手の平の白濁した熱い粘液を見つめた。  
欲しがれば、幾らでもくれてやるモノをと、呆れた顔をするヒースも「はじめてのしるし」のワードに心が動く。  
ヒースにとっても、はじめてのイリーナとの手淫と口淫の結果だ。  
「……舐めてみるか?」  
ちょっとダケ。身体の中に入れてしまえばイイ。記念のようなもんだ。  
ピチャンとヒースはイリーナの手の中の自分の粘液に指先を浸して、イリーナの口許に差し出した。  
 
イリーナの舌が躊躇いつつ、おずおずとヒースの指先を舐めとって、ヒースは複雑な顔で目を細める。  
イリーナを大切にしたいという気持ちは本物だ。  
それとともに真っ白なイリーナを自分の色に染め抜きたいという独占欲や邪心もある。  
人指し指と中指の先を再び白い粘液にまぶし、ついっとイリーナの頬に軽く滑らせて、自分のモノでイリーナの顔を汚してみる。  
イリーナをキャンパスにした、淫らな絵画のように。  
綺麗だった。  
自分にとってのみ価値のある、淫らな綺麗さが、間違いなくあると思った。  
口許にもってゆくとイリーナはうっとりした表情で、それを丁寧に舐めとった。  
手の平の残りを清潔な布で拭きとってしまうと、お互いに少し残念な気持ちになる。  
「あー、もう少し…イジメてくれるか? イリーナ」  
「イジメて欲しいんですか? 兄さん、変態っぽいです」  
くすくすとイリーナが笑う。  
イリーナがお腹にキュッと、抱きついてきた。  
次第にむくむくと力を取り戻すヒースのモノに気づいて、イリーナが笑って囁いた。  
「イイですよ。悪いコのヒース兄さんをイジメてあげます」  
武器の並んだイリーナの部屋に、イリーナの潜もった淫らな吐息だけが続く。  
「ん……んん……ん ん…んん…ぁむ…」  
ピチャピチャと唾液を滴らせて、イリーナは再びヒースのモノに、むしゃぶりつく。  
ここはヒース兄さんの不浄の場所。なのに。…私、もうそんなコトどうでもよくなってる。   
こんなにいっぱい唾液と、よくわからない苦い液体にまみれて…。みっともないと思う。それでも、それ以上にヒース兄さんに悦んでほしいと願ってしまう。  
「──よし、イリーナ。イイぞ」  
イリーナはヒースのモノから口を放して、ヒースは再びイリーナ身体を抱えてベッドの上に移る。  
ヒースの手は、イリーナの裸体を抱いて引き寄せる。  
脚を開かせて。後は自分の腰をイリーナの股に重ねて、そして…そして…。  
「…いいのか? イインダナ? イクゾ?」  
一線を越えるその行為に、ヒースがコトを躊躇う。  
なんだか怖じけづいた風に見えるヒースに、イリーナの表情が哀しげに曇る。  
そんなコト。今更、聞かないで。こんなに。私を、こんなにしておいて……いまさら。   
私の身体は汗や唾液や兄さんのいろんなモノで、こんなにびしょびしょに濡れてるのに。  
 
イリーナの右手が伸び、イリーナ自身の秘所に達する。  
ベッドの上でイリーナは自ら足を開き、くぱりと、指でイケナイ場所を割り開いた。  
「…兄さんのを、私のココにクダサイ。私を、兄さんのモノに……してクダサイ」   
羞恥に顔を赤らめながらもイリーナは求めた。  
「イリーナ…」  
「私だって……ヒース兄さんが好きです。…恥ずかしいのだって、いっぱい我慢しました。…痛いのだって我慢します。……頑張ります…」   
栗色の髪は汗ばみ、一筋口許に張りついていて色っぽさをかもしだしている。  
茶色の明るく大きな瞳は熱く潤んで、子犬のようにヒースを見上げ、愛を求める。  
愛しい娘にそんな顔をされ、そんなコトをして、潤んだ瞳で求められてしまえば、もう止まらなかった。  
「ああ。後悔するなよ」  
ヒース自身も肚をくくると、ヒースはイリーナの身体に身を重ねた。  
「しません。兄さんが大好きですから、しません。……兄さんは?」  
「俺も…大好き…だ」  
……言わされた。  
そんな細やかな悔しさも、すぐにイリーナのお日様が輝くような笑みの前に蕩けた。  
大好き。大好きです。ヒース兄さん。  
嬉しげにすがりついてくるイリーナを全身で受け止めて、これはこれでと苦笑する。  
『言わなければ、伝えられない気持ち』  
ずっと…ずっと飲み込んでいた気持ちを伝えてホッとした心境の自分がいる…。  
イリーナの手がヒースの顔をとり口づけを交す。  
その間もヒースの腕がイリーナの背にまわり、手がイリーナの両足を割る。  
慎重に位置を確認して、二度三度と自分のモノにイリーナの蜜を塗りつけ、その度にイリーナは、切ない吐息を零れさせた。  
そしてヒタリと宛てがわれ、ヒースのモノがイリーナのナカに挿入される。  
ちゅぷん。  
「……ッ!?」  
先端が入ったダケでヒースの脳に、危険な甘い痺れが走る。  
「っ───…ッ!!」  
はじめての身体を割くような痛みに、イリーナの身体が強張り、跳ねる。  
ギュッと後ろ手にシーツを握り締め、痛みを堪える。  
「ぅうぁ、ああぁぁ……っ?!」  
メリメリと狭い肉襞を押し広げ、体内の柔肉を蹂躙する。  
苦しみに身体を揺らせば、はっきりと感じる異物感。入ってる。  
中に入ってキテる。ヒース兄さんのあれが…私に…。  
そんな歓びも、確かに存在するのに。  
 
(痛い。痛い、痛い……)  
 
挿入されて全身から、痛みに脂汗が滲みはじめる。物凄い異物感と圧迫感に息が出来ない。  
無意識のうちに涙が滲み、全身を強張らせて体を穿つ痛みに、それでも懸命に堪える。  
「……りぃな。…イリーナ…?」  
ヒースが気遣ってかける声も、今のイリーナの耳に入らない。  
入っていても、痛みに知覚が受けつけてくれない。  
不意にギュッと抱きしめられた。  
「力を抜け、イリーナ。そんなに……怯えないでくれ」  
お前を泣かせたい訳じゃない…。  
お前を傷つけたい訳じゃないんだ…。  
ただ愛しみたいだけ。愛していたいだけ……なのに。  
祈るような気持ちで、ヒースはイリーナの身体を抱き寄せた。  
イリーナを貫いたまま、その体を少しでも楽なようにと膝の上に抱きあげる。  
男の持つ獣の本能は直ぐにでも蕩けそうに心地良い、はじめての女の体を堪能したいと主張しビクビクと暴れている。  
しかしイリーナは、はじめての受け入れる痛みに堪えるので精一杯で、涙を溢れさせる。  
呼吸がろくに出来ず、痛みに泣くだけ。それでもヒースを拒む言葉だけは、必死で飲み込んでいる。  
イリーナを思うまま貪りたい衝動を、理性とイリーナへの想いでもって無理矢理に抑えこんだ。  
懸命にイリーナの様子が落ち着くまで待ち続ける。  
2、3分…。もっとだろうか?  
抱きしめていたイリーナの息遣いが、ゆっくりと落ち着いてきて、ヒースは気遣い声をかける。  
「……大丈夫か?」   
「平気……」  
目の端にいっぱい涙の玉を浮かべ、気丈に振る舞う姿が健気だった。  
「動いてイイか?」  
「うん。痛くてもいいの。ヒース兄さんの……好きなように、されたい」  
はじめて繋がっている場所が、熱をもっている。熱い。  
イリーナの腕がヒースの背中へと回される。離れないように。もっと近くで感じ合えるように。  
「もちろん。イリーナさんの好きなようにしてやる……」  
 
身体を揺らしはじめる。  
イリーナのナカを貫く度に、ヒースの身体が律動に波打つ。  
波打つそれは肌を重ねるイリーナに伝わり、イリーナの身体と双胸が、ヒースの動きに合わせて揺れた。  
静まりかえる薄暗い部屋の中。  
ベッドの上、今は向かい合い正常位となった二人を暖炉の橙の灯が照らし、  
イリーナの全身から吹き出した汗が、その肌を艶めかしく輝かせる。  
イリーナの喉から、甘くかすれる息遣い。苦痛の中にも一心にヒースの名を呼び、受け入れて零れる悦びの声。  
 
ヒースの手で限界まで広げられたイリーナの両脚の狭間。  
ジュプッと淫らな粘着質な音をたて、重なったイリーナの尻からヒースのモノがギリギリまで抜かれ、次の瞬間にはズチュッという音をたて打ち込まれる。  
イリーナの尻とヒースの腰が、肌を打ち合わされて乾いた音が鳴る。  
「あぁ! あ、あぁあ…ぁッ…あぁ…ッ…」  
やがて波打つイリーナの身体は、耐えきれないというように足を踏ん張り、尻をくねらせ浮かせた。  
身体を揺らすヒースは逃がすまいと広げたイリーナの脚を抱えこみ膝を曲げさせ、より深く、より強く感じさせるようにイリーナの膣奥を抉る。  
イリーナの身体が応えて、熱い肉襞がヒースを捕えようと絞りあげる。  
イリーナの幼さを残す体は桜色に上気し、ひと突きごとにイリーナの胸の膨らみと、お尻とフトモモの肉が波打つ。  
「はぁ!あふっ!あん!は!ひぁ?!はぅ!」  
リズミカルに突きあげる度に、真っ赤になって顔をそむけるイリーナの紅唇から、抑えきれない声が洩れ出る。  
恋人の名を呼び、次第に甘さを増してゆく声が、よりヒースの剥き出しの本能と欲情を煽っていった。  
その顔は今までのヒースが知らない、イリーナの女の顔。  
ヒースの身体の下貫かれて、はじめての性行為に蕩ける、恍惚とした少女の顔。  
目にする仕草のひとつひとつに、際限無く煽られる。欲情する。  
衝動のままにイリーナの絡みつく熱い肉襞に、熱い楔を打ち込んで、穿つ。  
イリーナの身体に、忘れられナイよう自分の傷跡を残して。  
上気した汗ばんだ肌に散り、張りつく栗色の髪の流れ。  
ピンク色をした胸の先端が、ヒースの目の前で揺れる。  
滑らかな肌色のお腹と窪み。ヒースの手で割り広げられた二つの尻と、ヒースを受け入れて蜜を零す秘所。  
イリーナが与えられる刺激から逃れようと、くねらせる幼さを残す腰から尻にかけての曲線が妖しい。  
フトモモは膝を立てられて、ヒースの腰の動きにあわせて波打つ。両脚の先は、爪先をきつく握りこみシーツのキャンパスに、次々に違う模様を描く。  
ヒースが与える身体への刺激に真っ赤になりながらも、目の端に涙を浮かべてヒースを見上げて耐えている。  
楔を打ち上げる度に揺れ、ヒースのモノを食い千切らんばかりに絞めつけるイリーナの身体、そのすべてがヒースの身体の内。  
イリーナの片足を抱えて持ち上げ、深く突くとイリーナのナカの最奥の器官をノックした。  
 
「ああぁっ!? ダメッ。ソレ…激しすぎま……あぅッ!? ああぁ…ンん…っ!?」  
やぁッ!? あそこが…。お腹の奥が、がんがん…する…ッ。  
はじめてのイリーナの身体には、その最奥を攻める刺激は激しく、強すぎた。  
「だめ…兄さん…ヒース、兄さん…ソレ……だめ…」  
「もうちょっと……もうちょっとだ……」  
イリーナの哀願の声を、ヒースの聴覚は捉えていた。しかしそれも、もう遅すぎた。  
イリーナの身体を求め、律動を求める動物的な衝動は、もうヒース自身にも抑えが効かなくなっていた。  
ヒースの意識も、イリーナの意識も、お互いに登りつめ、追い詰められていく。  
 
はじめての、ナニかがくる。知らないナニかの限界が…。  
 
あ、だめ……もう 先にイっちゃう。  
 
限界近く、イリーナの膣がビクビク痙攣をはじめる。  
「ああ…もう少し…もう少しだ……イリーナっ」  
「あっ……や、や…いや…や…っ!! も……力がはいらない……!」   
イリーナがヒースの腕の中で脱力する。達して敏感になったその上に、ヒースの更なる一撃が撃ち込まれた。  
「ぁ─────……ッ!?」  
連続で達してしまい、一瞬の失神に真っ白になる。  
身体の奥で撃ち込まれた熱くて堅いモノが、何度もビクビクと震えて、熱いナニかを噴き溢す感覚をイリーナは覚えた。  
あ、コレは、ヒース兄さんの一番気持ちイイ証……。  
脱力し、放心したアタマで、イリーナはそれを悟った。  
ヒースが最後の一滴まで吐きだし、くたりとイリーナの上に崩れ落ちて二人は身体を重ねた。  
二人とも汗にまみれていたが、それでも肌を密着させれば、心地良くて、愛しくて。  
触れ合って抱きしめあっているだけで、何物にも代えがたく愛しく感じる。……安心できる。  
「よかった……ぞ」  
いまだはじめての興奮の残滓に酔い震えているイリーナの汗ばんだ頬に触れて、小さく囁きかければ、イリーナは、こくんと小さく頷いた。  
指先だけで軽く、撫で撫でとイリーナの栗色の髪を撫でる。  
俺サマの小さな妹だったイリーナ。  
一番近くにいた、幼馴染みの少女。  
いつの間に、こんなにも可愛らしく愛しい存在になったのだろう?  
幼い頃から気がつけば、そうだった気もする。  
イリーナが俺をかばい、はじめて身体に傷を負った時だった気もする。  
イリーナの声が、何処までも続くような暗闇の死地から俺を救いだし、見つけ出してくれた時だった気もするし、  
イリーナを永遠に失ったと、絶望した時だった気もする。  
 
 
──長かった。  
随分、長く躊躇ってきたモノだと今更だが思う。  
 
「ふん。まったく、お前いつの間に、こんなに大きくなったんだ…? ん?」  
 
ヒースがイリーナの脇下から手を回して身体を抱き寄せ、耳元に顔をすりよせながら囁く。  
それだけでも擽ったく、卑猥な誘いを含んでいるようで、イリーナが小さく笑う。  
いまさら、です。ヒース兄さん。でも多分。  
私はヒース兄さんのお陰で、もうひとつ大人になったコトだけは確かですよ?  
イリーナが、ヒースの汗ばんだ胸に顔をすり寄せて甘えた。  
「ああ…。畜生……」  
ヒースがイリーナを抱き寄せ、髪の匂いを堪能しつつ、悔しそうに悪態をつく。  
その様子はヒースが可愛い小動物に頬擦りする様に、よく似ていた。  
 
 ◇   ◇   ◇   ◇   
 
遠くで、祝いを言い交わす人々の声がする。  
夜が明ける。  
新年で一番はじめての太陽神ファリスの輝きを目にして、歓声があがる。  
神々の誕生を祝う鐘の音が、そこかしこに響き渡る。  
 
ゆっくりと身支度を整えて、たくさんのはじめてと、  
はじめての夜を共にした恋人達にも、清らかな光が降り注ぎ。降り注ぎ。  
目立たぬ様に少女の肩を抱いていた男の手が、弟妹達に名を呼ばれて慌てて外される。  
ソレを機に笑って、イリーナも信者の輪の中に入って行く。  
 
 
─── 新年、あけましておめでとうございます。  
今年もファリスの恵みの多からんことを……と。  
 
 
 

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